自己破産すると給料も差し押さえられる?ボーナスや退職金はどうなるのか解説

「自己破産をしたら給料が差し押さえられる?」
「ボーナスや退職金は差し押さえの対象になるのかな」

あなたはそんなふうに悩んでいませんか?

自己破産をする場合、債務者は財産を拠出して債権者の配当に充てるのが原則です。自己破産と聞くと、財産を何もかも処分されるイメージを持っているかもしれません。

とはいえ、給料まで差し押さえをされると、生活に困窮してしまいます。

自己破産をしても、給料が差し押さえられることはないので、ご安心ください。

しかし、給料や退職金などが差し押さえられるケースも一部ありますので、注意する必要があります。

この記事では、以下の内容について解説します。

この記事でわかること
  1. 自己破産をすると給料が差し押さえられるのか
  2. 給料の差し押さえを受けた場合はどうなるのか
  3. ボーナスや退職金はどうなるのか

    もし、借金の返済が難しい場合は、早めに法律事務所へ相談することをおすすめします。

    ご相談いただければ、自己破産をした際に、より手元にお金を残せる可能性が高まります。

    どの法律事務所に相談をして良いかわからない方は、匿名で利用できる無料シミュレーションサイトが便利です。

    自己破産しても、給料を差し押さえられることはない

    繰り返しになりますが、自己破産をしても給料を差し押さえられることはありません。その理由は、破産者の財産と負債を清算する手続きは「破産手続き開始決定の時点」に行われるものだからです。

    自己破産の制度は、借金を清算することで新たな生活をスタートさせる目的で設定されています。

    仮に給料が差し押さえの対象になってしまった場合、生活が苦しくなるため、自己破産をした意味がなくなってしまうでしょう。

    破産法34条1項では、以下のように定められています。

    第三十四条 破産者が破産手続開始の時において有する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は、破産財団とする。
    出典:破産法第34条第1項|e-Gov

    破産財団とは破産管財人に管理または処分される財産そのものを表します。

    破産手続き開始決定後に得た財産は破産財団ではないため、給料が差し押さえられることはありません。

    給料日直後に破産手続き開始決定が下されたときはどうなる?

    自己破産の申請をした場合でも、すぐに手続きが開始するわけではありません。弁護士や司法書士に依頼した場合でも、準備に2〜3か月はかかるでしょう。

    そのため、裁判所での面接や手続きの方法次第では、給料が振り込まれた当日や数日後に破産手続き開始決定が出されるかもしれません。

    この場合、受け取った給料は現金もしくは預金として扱われます。

    そして、受け取った給料が差し押さえされるかどうかは、以下の2つの基準で判断されます。

    給料が差し押さえされる基準
    1. 現金の場合: 99万円を超えているかどうか
    2. 預金の場合: 20万円を超えているかどうか

    たとえば、1月25日に給料として25万円振り込まれ、1月26日に破産手続き開始決定が下されたケースで考えてみましょう。

    給料が振り込まれた結果、口座残高が20万円を超えると、4分の1にあたる金額が差し押さえの対象になる可能性があります。

    ただし、必ずしも給料を受け取った日が基準になるわけではありません。給料の締日が手続きの開始日前であれば、差し押さえの対象になる可能性があるので注意してください。

    なお、月収額が100万円を超える場合のように高額な給料をもらっている場合には、差し押さえをされる可能性はあります。

    なぜなら給料が高額な人の場合、4分の1にあたる金額の差し押さえを行っても、生活ができなくなるわけではないからです。

    自己破産をすると給料の差し押さえをされなくなる

    自己破産の申し立てを行うケースでは、すでに借金を返済できない状況に追い込まれていることが予想できます。

    そのため、消費者金融や銀行など債権者から、給料の差し押さえを受けたケースもあるでしょう。

    では、給料の差し押さえを受けた後に自己破産をしたらどうなるのでしょうか?

    差し押さえを受けた状態で自己破産を申し立てると、債権者の差し押さえの効力を消滅させることができます。

    第四十二条 破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産に対する強制執行、仮差押え、仮処分、一般の先取特権の実行、企業担保権の実行又は外国租税滞納処分で、破産債権若しくは財団債権に基づくもの又は破産債権若しくは財団債権を被担保債権とするものは、することができない。
    出典:破産法第42条|e-Gov

    自己破産の手続きを少額管財事件で行った場合、破産手続き開始決定と同時に、債権者による個別の差し押さえは取り消されます。

    したがって、破産管財人の事務処理が終われば、差し押さえられた給料は返金してもらえます。

    同時廃止となった場合は、免責が確定した段階で返金を受けます。そのため、管財事件よりも返金されるまでに時間がかかるので注意してください。

    ボーナスも給料と同じように差し押さえの対象にならないケースもある

    ボーナスについても給料と同じく、破産手続開始決定後に得た場合、差し押さえられることはありません。

    しかし「ボーナスの締日の直後」や「振り込まれた直後」に破産手続き開始決定を受けた場合は、差し押さえの対象になる可能性があります。

    ボーナスは給料よりも高額になるケースが大半なので、注意が必要です。

    破産法には「生活維持に必要な限度を超える財産は、債権者への配当に充てる」という考え方があるからです。

    ボーナスが差し押さえられないためには、自己破産の申し立てをする時期をよく考える必要があります。

    自己破産をすると退職金が差し押さえられるケースがある


    給料やボーナスについては、申し立ての時期次第で、差し押さえを防ぐことができます。

    ただし、退職金については、差し押さえの対象になる可能性があるので注意してください。

    そこで、なぜ退職金が差し押さえられるのか、どのくらいの金額が対象になるのかなど解説していきます。

    自己破産すると、将来受け取れるはずの退職金が差し押さえの対象になる理由

    自己破産をする際、退職金は資産として扱われます。

    なぜなら、法律では、退職金を「毎月の給料から少しずつ積み立てた金銭に利息をつけたものを退職時にまとめて受け取る」ものと考えているからです。

    そのため、在職中であっても退職金を差し押さえられる可能性があるので注意してください。

    在職中か退職後かで差し押さえられる金額は異なる

    退職金は在職中か退職後(あるいは退職直前)かで差し押さえられる金額が異なります。

    在職中の場合自己破産の手続き開始時点で受け取れることが確定している金額の8分の1
    退職後かつ支給前の場合退職金の4分の1の金額

    たとえば、定年退職直前で、退職後に1,000万円の退職金を受け取れることが確定している人が自己破産した場合、その1/4である250万円が差し押さえの対象となります。

    しかし、定年退職直前でない場合は、8分の1の金額しか差し押さえをされません。

    その理由は、定年を迎えていないにもかかわらず、4分の1の金額を差し押さえるのは酷だからです。

    そして、自己破産のルールとして、20万円未満の預金を差し押さえることは不可能です。

    自己破産した時点の退職金見込み額が160万円の場合、差し押さえの金額は20万円を超えないので、対象に含まれません。

    退職金がある場合は、手続き時に退職金に関する規定を取り寄せたり退職金証明書の提出を求められたりする可能性もあります。

    なお、会社への体裁が気になるという理由で、退職をした後に自己破産をするのはやめましょう。

    退職金の4分の1を差し押さえられる可能性があるからです。

    一部の退職金は法律上差し押さえられない

    法律上、以下の退職金については差し押さえられることはありません。

    • 中小企業退職金共済法に基づく退職金
    • 確定給付企業年金
    • 確定拠出年金

    ただし、銀行口座に入金された場合は、預貯金と同じく差し押さえの対象に含まれます。

    したがって、裁判所に対して、差押禁止債権の範囲変更の申し立てをしなければなりません。

    自己破産した際に手放さなければならない代表的な物

    自己破産した場合、給料を差し押さえされるケースは多くありません。しかし、以下の3つのものについては手放さなければならない可能性があるので注意してください。

    自己破産した手放す必要のあるもの
    1. マイホーム
    2. 生命保険や個人年金
    3. 車やバイク

    順番に見ていきましょう。

    1. マイホーム

    自己破産をした場合、マイホームは処分しなければなりません。住宅ローンの支払いが済んでいない場合は、ローン契約をした金融機関により競売にかけられます。

    そのため、どうしてもマイホームを処分したくない場合は、個人再生など別の債務整理を検討すべきです。

    しかし、賃貸に住んでいる場合は、自己破産したからという理由で退去を命じられることはありません。

    なお、自己破産の手続きをした場合でもマイホームを残す方法について気になる人は、以下の記事も参考にしてみてください。

    参考⇒ 自己破産すると持ち家を失う!? 手放さなくて済む3つの方法も解説!

    2. 生命保険や個人年金

    生命保険や個人年金は資産として扱われます。

    自己破産をした場合、生命保険や個人年金を解約した場合に支払われる解約返戻金が20万円以上あれば、差し押さえの対象になるでしょう。

    一方で、解約返戻金が20万円未満の場合は、解約する必要はありません。

    3. 車やバイク

    自己破産をした際、車やバイクを売却したときの評価額が20万円を超えている場合は、処分される可能性があります。

    評価額が20万円を超えている場合は、裁判所に自由財産の拡張の申し立てを行いましょう。「生活に欠かせない財産」として認められれば、手放さずに済む可能性があります。

    銀行から借金をしている場合は、口座凍結されるので注意する

    銀行からカードローンや定期預金担保貸付などを利用して借金をしている状態で自己破産をすると、1〜3か月ほど、銀行口座が凍結されます。

    債権者である銀行は、口座凍結をして未払い分の借金と口座内の預貯金を相殺できるからです。

    そのため、給料の振り込み先が同じ口座の場合は、会社が給料を振り込むことができません。振り込みができた場合でも、引き出しができないので、注意してください。

    このような事態を避けるためには、手続きが始まる前に会社の経理へ給料の振込口座変更の依頼をしましょう。

    変更の理由を聞かれた場合も、正直に答える義務はないので安心してください。

    また、給料だけでなく、光熱費やスマホの通信料金などの引き落としもできなくなります。

    自己破産の手続きを開始する前に、引き落とし口座を変更しておきましょう。

    なお、口座凍結される前にやるべきことについて気になる人は、以下の記事も参考にしてみてください。

    参考⇒ 自己破産をすると銀行口座は凍結される!? 口座凍結前にやるべきことも解説!

    給料の差し押さえに悩んでいる場合は、自己破産をすれば止められる

    自己破産をした場合、給料が差し押さえされないか不安に感じている方は多いでしょう。自己破産をしても給料を差し押さえられることはないので、ご安心ください。

    消費者金融や銀行などから給料の差し押さえをすでに受けている場合は、自己破産をすれば、差し押さえを止めることができます。

    ただし、給料の締日が破産手続き開始決定日の直前だった場合や、給料を受け取った直後に自己破産をした場合、差し押さえの対象に含まれる可能性があります。

    退職金がある場合、退職した場合と在職中では、差し押さえされる割合も変わるので注意しなければなりません。

    そのため、自己破産をする場合は、弁護士や司法書士に相談するのをおすすめします。

    借金の問題は放置しても、利息が増え、督促により精神的にも苦しむだけです。

    返済が難しくなっても、自分の力でなんとかしようとしてはなりません。督促により精神的にも苦しくなるので、早めに専門家へ相談をしてください。

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