「親が自己破産しているけど結婚できる?」
「自己破産は結婚にどう影響するの?悪影響がないか知りたい」
あなたはこんなふうに悩んでいませんか?
結論、親が自己破産していても子供の結婚には影響しません。
この記事では、自己破産が子供や結婚生活にどう影響するか気になっているあなたのために、以下の情報について解説します。
- 親の自己破産が与える影響
- 親の自己破産は他人にバレるのか
- 自己破産が結婚生活に与える影響
自己破産のデメリットやその影響について簡単にわかりますので、ぜひ最後までご覧ください!
Contents
親の自己破産は子供の結婚に影響しない
繰り返しになりますが、親の自己破産は子供の結婚に影響しません。
自己破産はあくまで本人の問題です。配偶者や子供に直接の影響はなく、そもそも破産したからといって結婚が制限されるわけではありません。
よって、あなたや婚約者の親が過去に自己破産していたとしても、結婚にほとんど影響はないでしょう。
なお、自己破産を行うと以下のデメリットが生じます。
- 信用情報に傷が付く
- 官報に名前が載る
- 一部の職業は資格制限を受ける
- 手続き終了まで旅行や引っ越しが制限される
- 一定の価値を超える財産が処分される
自己破産のデメリットは、基本的に本人限りです。
しかし、自己破産したことによって子供や配偶者に影響を与えることは少なからずありますので、その点についても詳しく解説します。
親が自己破産すると、子供にどんな影響がある?
親が自己破産しても、子供に直接的なデメリットはありません。
しかし、少なからず影響を与える可能性はありますから、お子さんがいる、もしくは今後作る予定があれば、ぜひ目を通しておいてください。
(1)進学には影響ないが、奨学金の保証人にはなれない
親が自己破産しても、基本的に子供の進学に影響はありません。
多くの大学では、推薦入試の面接で収入や親の職業、離婚の有無などの家庭事情を質問することは禁止されています。あくまで、審査の対象は学生の学力や資質だからです。
また、親が自己破産していると奨学金の保証人にはなれません。
しかし、現在では保証人がいなくても期間保証で貸与を受けられるため、奨学金が借りられず進学できないと諦める必要はありません。
(2)就職にもほとんど影響はない
親の自己破産が就職に影響することは基本的にありません。
金融機関など、職種によっては採用時に家庭事情を調査する場合もありますが、自己破産歴を探るのは簡単なことではありません。仮に親の自己破産歴がバレたとしても、本人に問題がなければ悪影響はないでしょう。
ただし、親が金融機関の借金を債務整理で踏み倒しており、子供がその金融機関に就職するとなると、採用に影響する可能性も考えられます。
親の自己破産が他人にバレることはない
親が自己破産したことは恥ずかしいからバレたくない…。そう考えている人も少なくないでしょう。
最初にお伝えすると、親の自己破産が他人にバレることはまずありません。
確かに、自己破産を行うと信用情報に傷がつきますし、官報にも掲載されます。しかし、特別な理由がない限り一般人がそれを確認することはないでしょう。
信用情報と官報について、それぞれ詳しく解説します。
(1)信用情報を勝手に見ることはできない
個人の信用情報は、基本的に本人以外は照会できません。
本人以外に照会できるのは、信用情報機関に加盟している金融機関だけです。金融機関であっても、信用取引契約のための調査など、特別な目的がある場合しか照会することはできないようになっています。
例えば、クレジットカードやカードローンの審査の際は、信用情報が照会されることになります。
一般人に信用情報を見られて自己破産歴がバレる可能性は、限りなく低いです。
(2)官報の検索は手間がかかる
官報から親の自己破産がバレる可能性も、非常に低いです。
官報とは、国が発行している新聞のようなものです。自己破産を行うと、手続き開始と免責決定のときの2回、破産者の氏名や住所などが官報に掲載されます。
以下は、実際の官報広告の参考例です。
平成**年(フ)第++++号
債務者の表示(住所・氏名)
1 決定年月日 平成**年〇月×日午後△時
2 主文 債務者について破産手続きを開始する。
3 破産管財人の表示
4 破産債権の届出期間 平成**年□月〇日まで
5 財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・
計算報告・免責審尋の期日 平成++年□月△日
午前**時××分
6 免責意見申述期間 平成**年□月〇日まで
〇×地方裁判所民事第〇部
一般人が官報を見ていることはまずありません。
また、司法統計などの資料によれば、ここ数年の自己破産件数は1年当たり約16万件となっています。こんな多数の破産広告の中から、特定人の破産広告を見つけ出すのは簡単なことではありません。
金融機関でもない限り、そこまでの調査はしないでしょう。
自己破産が結婚生活に与える3つの影響
親の自己破産は子供にほとんど影響を与えません。
一方で、結婚を考えている、もしくはすでに結婚している人が自己破産を行うと、家族に次のような影響を与えてしまう可能性があります。
- 新たにローンが組めない
- 家や車が差し押さえられる
- 資格制限で収入が下がる可能性もある
あなたが今自己破産を考えているなら、必ず確認しておきましょう。
(1)新たにローンが組めない
自己破産が家族に与える影響1つ目は、新たにローンを組めないこと。
すでに説明した通り、自己破産を行うと信用情報に「事故情報」が登録されます。いわゆるブラックリスト入りの状態ですね。
この状態でローンの審査に通るのは非常に難しいです。特に、自己破産してゼロからやり直し、それから家や車のローンを組もうと考えているなら要注意です。
自己破産後にローンを組みたいのであれば、以下の施策が考えられます。
- 配偶者名義でローンを組む
- 頭金を多めに用意する
- 価格の安い家や車を選ぶ
自己破産しても、配偶者名義での借入は可能です。ただしこの方法は、当然ながら配偶者自身に収入がないと厳しいでしょう。
次に、頭金を多く用意するのもひとつの方法です。審査に通らない理由は、金融機関にとってお金を貸すリスクが大きいから。ならば、頭金を多くして借入額を減らすことで、融資してもらえる可能性は上がります。
同様の理由で、家や車を安いもので妥協することも考えた方が良いですね。
(2)家や車が差し押さえられる
自己破産が家族に与える影響2つ目は、家や車が差し押さえられること。
まず、自己破産には「同時廃止」と「管財事件」の2通りの手続きがあります。
申し立て時点でめぼしい財産がなければ、同時廃止となって手続きはすぐ終わります。しかし、ある程度財産を持っている場合は管財事件となり、以下の「自由財産」以外は差し押さえられます。
- 差し押さえ禁止財産
- 自由財産(99万円以内の現金)
- 自己破産後に新たに得た財産
- 破産管財人によって放棄された財産
- 自由拡張財産
家や車などの財産は、基本的に自由財産に含まれません。
家族が持ち家に住んでいる、もしくは車を日常的に使っている場合などは、迷惑をかけることになるでしょう。
(3)資格制限で収入が下がる可能性もある
自己破産が家族に与える影響3つ目は、収入が下がる可能性があること。
自己破産を申し立ててから免責が下りるまでの間は「破産者」となり、以下の職業は資格制限を受けます。
- 弁護士や司法書士、宅建主任者などの士業
- 公安委員会委員など、上級の公務員
- 商工会議所の会員
- 会社の取締役や執行役員、監査役
- 古物商の免許がいる質屋
- 証券会社員、警備員や保険会社の生命保険募集人
- その他の職業
しかし、資格制限は一時的なものですし、再取得も不要です。
しかし、一時的に仕事ができなくなって収入が下がる可能性もあります。
また、自己破産を利用に従業員を解雇することは認められていませんが、就業規定に記載されている場合はその限りではありません。特に、金融機関に勤めている場合などは、職を失うことも考えられます。
いずれにせよ、自己破産前は必ず職場に相談してください。
結婚相手に自己破産を隠し通すことはできる?
結婚相手に自己破産を隠すのは、非常に難しいです。
自己破産を行うと裁判所から通知が来ることもありますし、差押えやブラックリスト入りのデメリットを隠し通すのは至難の業でしょう。
そして何より、自己破産を隠すと家族との信頼関係を失ってしまいます。
いずれバレてしまう可能性が高いのであれば、正直に打ち明け、協力してもらう方がずっと賢明な選択肢だと言えるのではないでしょうか。
自己破産以外の借金解決方法も検討しよう
借金の解決方法は、自己破産だけではありません。
債務整理には自己破産の他にも「任意整理」や「個人再生」といった方法があり、これらの方法を選べば差押えや資格制限を受けずに済みます。
つまり、自己破産よりはデメリットを減らせるということです。
ただし任意整理や個人再生は、手続き後も返済を続ける必要がある点に注意です。
例えば、任意整理なら利息部分、個人再生なら借金の大部分が免除されますが、残りは自力で返済する必要があります。
債務整理の際は、必ず弁護士・司法書士に相談し、あなたの借金額や収入に合った方法を選択してください。
まとめ
親が自己破産しても、子供の結婚には影響がありません。
自己破産はあくまで本人の問題です。よって、子供の就職・進学に影響したり、クレジットカードが作れなくなったりすることはほぼないでしょう。
ただし、自己破産によって家族に以下のような影響を与える可能性があります。
- 新たにローンが組めない
- 家や車が差し押さえられる
- 資格制限で収入が下がる可能性もある
確かに、自己破産のデメリットは非常に大きいです。
しかし、借金を放置するとさらに事態が悪化してしまいます。それに、自己破産以外にも債務整理の方法はありますから、まずは弁護士・司法書士に相談してください。
家族と相談しつつ、借金解決に踏み出しましょう!