【解決】債権差押命令が届いたらどうすればいい?放置するリスクと適切な対処法を解説!

「債権差押命令って何?」
「どう対処すればいい?差し押さえを防ぐ方法を知りたい!」

あなたはこんな疑問を持っていませんか?債権差押命令が届いている時点で、借金を滞納したり放置したりしているはずなので、かなり不安に感じていることでしょう。

結論からお伝えすると、債権差押命令が届いたら、しっかり対応しないと「給料や預貯金などの財産」が差し押さえられてしまいます。

この記事では、債権差押命令への対応がわからないあなたに向けて、以下の情報について解説します。

  • 債権差押命令を無視するとどうなるのか
  • 差し押さえられるとどうなるのか
  • 差し押さえられたときの対処方法

放置すると財産を失うことになりかねないので、この記事を最後まで読み、しかるべき行動を取ってください!

Contents

債権差押命令とは

債権差押命令とは、差し押さえを通告するための書類です。

債権者が裁判所に訴訟を申し立てた後、裁判所から債権者に送付されます。債権差押命令が送付されるのは、主に以下のようなシチュエーションです。

債権差押命令が届くとき
  • 債権者から既に訴訟を提起され敗訴している
  • 支払督促を放置した
  • 債務整理後に延滞した
  • 執行証書を作成した借金がある

いずれも非常に深刻な状況だと言えるでしょう。

債権差押命令が届いたということは、すでに裁判所が「差し押さえを認めた」ことを意味するからです。そのままだと財産が差し押さえられてしまいますので、一刻も早く対処しましょう。

債権差押命令が届いたらどうすればいいのか

債権差押命令が届いたものの、どう対処していいかわからない人がほとんどでしょう。

以下の処置を取ることで、差し押さえを実行されずに済む可能性があります。

  1. 借金を全額返済する
  2. 住宅ローンの場合は任意売却する
  3. 弁護士に相談する

それぞれ詳しく解説します。

1. 借金を全額返済する

借金を全額返済すれば、差し押さえは止められます。

借金を完済してしまえば、債権者はわざわざ給与や預貯金などの財産を差し押さえる必要がなくなるからです。とはいえ、債権差押命令が送付されてしまっている時点で、自力での返済は難しいことがほとんどでしょう。

今すぐ返済できない場合は、他の対処方法を考える必要があります。

2. 住宅ローンの場合は任意売却する

住宅ローンの借金を負っている場合、任意売却するのも手です。

差し押さえが実行されると、住宅が競売にかけられて安く売られてしまうため、債権者にもあまりメリットがありません。しかし、債務者が自ら任意売却を行うことで、より高い価格で住宅を売って借金を返済するといったことも可能になります。

もし住宅を売って借金が残る場合でも、金融機関によっては、残債の分割払いを認めてくれることもあるでしょう。

3. 弁護士に相談する

どうしても解決が難しそうなら弁護士に相談しましょう。

弁護士に相談して交渉してもらうことで、債権者によっては差し押さえを止め、分割払いに変更してくれる可能性もあります。それに、どうしようもなくなって債務整理を行う場合、そのまま手続きを依頼することも可能です。

もし債権差押命令が届いて困っているなら、まず弁護士に相談することをおすすめします。

債権差押命令を無視するのは危険!4つのリスクについて

債権差押命令を放置すると差し押さえを受けるのは理解していると思いますが、具体的には次のようなリスクが生じます。

  1. 給与が差し押さえられる
  2. 預貯金が差し押さえられる
  3. 家や車を没収される
  4. 職場に借金がバレる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.給与が差し押さえられる

債権差押命令を放置すると、給与が差し押さえられるので要注意です。

給与の差し押さえ上限は、法律によって以下のように定められています。

手取り収入 差し押さえられる額
月額44万円以下 手取り額の4分の1
月額44万円を超える場合 手取り額から33万円差し引いた金額

給与以外にも、ボーナスや退職金もその4分の1が差し押さえの対象になるため、大きく手取り収入が下がってしまうことになります。

2. 預貯金が差し押さえられる

差し押さえが実行されると、預貯金も差し押さえられます。預貯金の差し押さえが実行されると、銀行は債務者の預金口座からお金を抜いて、特別な口座に移し替えます。

前述した通り、給与などは本来差し押さえ上限が決まっていますが、預金口座に入っているとそのすべてが没収されるので要注意です。

3. 家や車を没収される

処分の対象は現金だけではありません。家や車なども財産として没収されてしまう可能性があります。

ただし、家や車が古いなどの理由で財産価値が低かった場合、処分の手間や費用を考え、差し押さえにならないケースもあるでしょう。

また、ローン返済中の場合は、所有権がローン会社にあるため差し押さえの対象にはなりません。

4. 職場に借金がバレる

差し押さえが実行されると、職場には借金が確実にバレてしまいます。

なぜなら、給与を差し押さえる際は必ず職場に通知がいくからです。債権者が会社に対して、「債務者に給与を支払わず、弁済してほしい」ということを伝えるため、債権差押命令は勤め先にも送付されます。

こうなると、職場に何があったのかと問い詰められてしまうでしょう。差し押さえになった時点で、隠し通すことはできないのです。

債権差押命令から強制執行までの流れ

債権差押命令が届き、強制執行となるのは次のような流れになります。

  1. 裁判所が債権差押命令を発行
  2. 債務者の元に送付される
  3. 送達から4週間で差し押さえ可能になる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1. 裁判所が債権差押命令を発行

差し押さえの際、債権者はまず裁判所に申し立てを行います。

なぜなら、債務者が借金を滞納しているからといって、裁判所の許可なしで差し押さえはできないからです。

申し立てが裁判所に認められれば、まずは債務者へ支払督促が送付されます。債務者がこれを認めるか無視すると、債権者の主張が認められて判決が下るのです。

2. 債務者の元に送付される

その後、債権差押命令が債務者や第三者へと送付されます。

第三者とは、会社など債務者に給与を支払っている相手のことです。債権差押命令の送付時点で、処分する財産は決まっているため、給与も対象になっているなら会社にも通知がいくでしょう。

会社に借金がバレたくないなら、債権差押命令が送付される前に対応しなければならないということですね。

3. 送達から4週間で差し押さえ可能になる

債権差押命令の送達から4週間経つと、差し押さえが可能になります。

逆に、その前に全額返済したり、債権者と交渉して分割払いを認めてもらったりすれば、差し押さえを免れることも可能です。

借金返済はかなり厳しいと思いますので、弁護士の元へ行き、交渉できないか相談する方が現実的だと言えるでしょう。

給与を差し押さえられたときの債務整理のポイント4つ

給与の差し押さえを受けたときの債務整理のポイントは、以下の4つです。

  1. 差し押さえを受けると任意整理は難しい
  2. 特定調停を利用すれば差し押さえは止められる
  3. 個人再生すれば差し押さえは停止する
  4. 自己破産は方法によって給与を取り戻せる期間が異なる

それぞれ詳しく解説します。

1. 任意整理は難しい

すでに差し押さえを受けている場合、任意整理はできないでしょう。

任意整理は裁判所を介さない「私的な取引」なので、応じるかどうかは債権者の自由。すでに給与を差し押さえている状況で、債権者が交渉に応じるメリットはありません。

したがって、別の手続きで解決することになるでしょう。

任意整理については「任意整理のメリットとデメリット~債務整理で1番多い手続きの注意点」にて解説しています。ぜひ参考にしてみてください

2. 特定調停で差し押さえは止められる

個人再生や自己破産できない事情がある場合は、特定調停を用います。

特定調停とは、裁判所を介して行う任意整理のような手続きです。特定調停では、「強制執行停止の申し立て」を行うことで、すでに開始された差し押さえを停止させることができます。

ただし、調停が失敗すると債権者は再び差し押さえを申し立てることができるので、注意が必要です。

3. 個人再生で差し押さえは停止する

個人再生の手続きを行うと、差し押さえを停止させることができます。

個人再生はすべての債権者に対して平等に返済する必要があり、個別の差し押さえについては阻止できるからです。再生計画が認められるか、債務者が「強制執行中止命令」の申し立てを行えば、すでに開始された差し押さえは中止されます。

ただし特定調停の場合と同じく、再生計画が不認可になれば再び差し押さえは実行されるため、注意しましょう。

個人再生については「個人再生は家を残せる大きなメリットがあるが2つのデメリットもある」にて解説しています。ぜひ参考にしてみてください!

4. 自己破産は給与を取り戻せる期間が変わる

自己破産の方法には以下の2種類があり、それぞれ給与を取り戻せるまでの期間が異なります。

自己破産のパターン
  • 管財事件
  • 同時廃止

管財事件の場合は、破産手続きの開始が決定された時点で給料を取り戻せます。

管財事件では、手続き開始と同時に破産管財人が選任されるため、差し押さえの停止に必要な手続きを行ってくれるのです。

ただし、管財事件では裁判所の運用基準に従って、破産財団に保有財産を拠出する必要があります。

破産財団に組み込まれる財産
  • 99万円を超える現金
  • 20万円を超える預貯金
  • 20万円を超える生命保険(解約返戻金)、有価証券、自動車
  • オーバーローンではない不動産

同時廃止では破産管財人が選任されず、免責確定まで差し押さえられた給与を取り戻せません。

自己破産については「旦那の借金で債務整理をするとどうなる?マイホームは処分される?」にて解説しています。ぜひ参考にしてみてください!

債権差押命令が届いたら無視してはいけない!まずは弁護士に相談しよう

債権差押命令が届いた場合、早急な対処が必要です。もし放置すれば給与から勝手に天引きされたり、預貯金が差し押さえられたりしてしまいます。

給与が差し押さえられた場合の債務整理のポイントは、以下のとおりです。

債務整理のポイント
  • 差し押さえを受けると任意整理は難しい
  • 特定調停を利用すれば差し押さえは止められる
  • 個人再生すれば差し押さえは停止する
  • 自己破産は方法によって給与を取り戻せる期間が異なる

いずれにせよ、債権差押命令が届いている段階では、自力で借金を返済できない状況にあることがほとんどでしょう。

借金に悩んでいる人は、いますぐ弁護士・司法書士に相談して債務整理の手続きを進めてください。

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