
「自己破産したいのに、債務整理するお金がない」
「任意整理したとしても、弁護士費用まで払うのは無理」
あなたは何年も借金の返済に苦しんでいるのに、費用が払えないから債務整理もできないと悩んでいるのではないでしょうか?あるいは、弁護士費用まで払うことを躊躇し、二の足を踏んでいるのかもしれません。
実は、債務整理の費用は分割や後払いも可能です。
この記事を読めば、債務整理の費用が払えない場合の対処法や費用の相場までわかります。
ぜひ、最後までお読みください!
- 債務整理の費用が払えない場合の対処法
- 債務整理の費用相場
Contents
債務整理の費用が払えない場合の4つの対処法
毎月の借金返済にも苦労しているのに、債務整理の費用までとても払えないと考える方は多いでしょう。
ここでは、債務整理の費用が払えない場合の対処法をご紹介します。
弁護士に分割や後払いについて相談する
弁護士に、債務整理の費用を分割や後払いにしてもらうよう相談するという方法があります。
弁護士費用には大きく分けて、着手金と報酬金の2つがあります。
着手金は依頼時に支払う費用。報酬金は回収した金額から一定割合で支払う、いわゆる出来高払いの費用です。
弁護士に債務整理を依頼すると、債務の支払いが一旦停止します。その分を、弁護士費用に支払うことも可能になるでしょう。
任意整理の場合、着手金を無料にしている事務所もあります。
最近では、無理のない範囲で分割払いや後払いに対応している法律事務所がほとんどです。分割条件もその人の財務状況を元に算出されるケースが多いでしょう。
着手金や報酬金については「着手金ゼロで債務整理をする方法~知っておきたい弁護士費用7つのこと」にて解説しています。気になる方は、参考にしてみてください!
法テラスを利用する
「法テラス」を利用する、という対処法もあります。
法テラスとは、国が設立した法的トラブル解決のための総合案内所。
法律相談は無料で行え、任意整理の場合の費用は以下のようになっています。
- 1社:実費10,000円、着手金33,000円
- 2社:実費15,000円、着手金49,500円
弁護士費用を立て替えてくれる制度もあり、分割での返済が可能です。利用条件は、以下の3つになります。
- 収入などが一定額以下であること
- 勝訴の見込みがないとはいえないこと
- 民事法律扶助の趣旨に適すること
2の「勝訴の見込みがないとはいえないこと」とは、任意整理や個人再生で円満な解決が見込める、自己破産で免責を得られる見込みがあるといったケースが該当します。
法テラスを利用するには、手取り月収などの収入制限もあるので注意しましょう。
また、審査には時間がかかり、担当の弁護士を選べないなどのデメリットもあることは覚えておいてください。
法テラスについては「債務整理と法テラス~自己破産や任意整理の弁護士費用の違いとメリット」にて解説しています。気になる方は、参考にしてみてください!
司法書士に依頼する
任意整理の場合、司法書士へ依頼するという対処法もあります。
一般的に、弁護士に依頼するよりも費用は安いでしょう。
ただし、任意整理の対象としたい債務が140万円を超える場合は、司法書士に依頼できません。
法改正により、認定司法書士が代理人として関わることができるのは、1社ごとの借金が140万円までになっているからです。
注意点として、140万円という金額は借金の総額ではありません。
例えば、消費者金融業者2社からそれぞれ100万円、80万円を借入している場合、借金の総額は180万円ですが、1社ごとの借入は140万円以下のため司法書士に依頼可能です。
1社ごとの借金がわからない場合などは、弁護士に依頼した方が良いといえるでしょう。
また、個人再生や自己破産の手続きは裁判所を介して行う必要がありますが、司法書士は裁判所の対応などができません。
申し立ての際に自ら裁判所に出頭するなど、裁判所とのやりとりも自分で行うことになるので、負担も大きいでしょう。
弁護士・司法書士の費用相場については「任意整理の費用【弁護士・司法書士別】平均相場や分割方法とシュミレーション」にて解説しています。気になる方は、参考にしてみてください!
自分で手続きする
債務整理は、ご本人が自ら手続きすることも不可能ではありません。
しかし、裁判所や消費者金融業者と何回も複雑なやり取りが発生する場合も多く、自分で行うのはかなりの労力が必要でしょう。
特に任意整理の場合、利息や遅延損害金のカットなど有利な条件を引き出すのが難しくなるばかりか、交渉自体に応じてくれない可能性もあります。
また、弁護士に依頼すると取り立てがなくなり支払いを一旦止めることができますが、自分で手続きした場合、督促は続いたままになります。
自己破産や個人再生の場合は、法律も複雑であり、専門的な知識が不可欠です。自分で手続きを始めても、結果として債務整理が失敗するリスクは大きいでしょう。
債務整理の種類は3つある
債務整理とは、借金問題を法的に解決すること。債務整理には、任意整理・個人再生・自己破産という3つの種類があります。
それぞれ解説していきます。
1. 任意整理
任意整理は、最も一般的な債務整理の方法です。
弁護士が債務者の代理として債権者と交渉し「利息のカット」「返済期間の見直し」を行います。
今後の利息がゼロになるため、毎月の返済もしやすくなるというメリットがあります。
家族や職場に任意整理したことを知られるリスクはほぼなく、手続きも比較的簡単です。
債務整理する対象を選べるので、自動車ローンは残して他の借金をなくすといったことも可能になります。
注意点としては、信用情報機関に登録されることです。基本的に、新たなクレジットカード作成やローンの契約は難しくなるということは覚えておきましょう。
任意整理については「任意整理のメリットとデメリット~債務整理で1番多い手続きの注意点」にて解説しています。ぜひ、参考にしてみてください!
2. 個人再生
個人再生は債務を大幅に減額して、原則3年間で分割払いする手続きです。
例えば、債務が3,000万円~5,000万円の場合は10分の1に、1,500万円~3,000万円以下の場合は300万円に減額できる可能性があります。
自己破産では家を失うことになりますが、個人再生では家を残せるのも大きな特徴です。住宅ローンは今まで通りに支払い、それ以外の借金の分割払いが可能です。
注意点としては、他の債務整理と同様、個人情報に傷がつくことでしょう。個人再生完了から完済後5年間は、基本的に消費者金融からの借入やローンの契約、新規のクレジットカード作成などはできなくなります。
また、個人再生の場合は任意整理と違い、国が発行する官報に名前が掲載されます。周囲の人に個人再生したことがバレてしまうリスクはゼロではないでしょう。
個人再生については「個人再生は家を残せる大きなメリットがあるが2つのデメリットもある」にて解説しています。気になる方は、参考にしてみてください!
3. 自己破産
自己破産は、全ての借金が免除される手続きです。
借金の返済義務がなくなるため、生活を立て直す上で最も有利な債務整理の方法ともいえるでしょう。
基本的に家や車などの財産は差し押さえられることになりますが、生活に必要な家財道具や99万円までの現金、20万円以下の資産は残せます。
ただし、他の債務整理と同様、信用情報機関に事故情報が記録されます。いわゆるブラックリストですね。
事故情報が記録されると、基本的に消費者金融からの借入や新規のクレジットカード作成ができなくなります。
個人再生と同じく、官報に名前が掲載される他、手続き中は一部の仕事に就けなくなるという資格制限もあるので、注意が必要です。
自己破産については投資に失敗して借金3億円!自己破産をすることで人生をやり直した50代男性の債務整理体験談にて解説しています。気になる方は、参考にしてみてください!
債務整理の費用相場はいくら?
ここでは、債務整理の費用相場について解説します。
1. 任意整理の費用相場
任意整理の費用は、トータルで10万~20万円程度が相場です。
弁護士費用の内訳を見てみましょう。
相談料 | 法律相談時に支払う | 無料~約1万円 |
着手金 | 弁護士への依頼の際に支払う | 約1万円~ ※無料の場合もあり |
報酬金 | 案件が成功した際に支払う | 原則2万円以下 商工ローンは5万円以下 ※債権者1社につき |
減額報酬金 | 減額が成功した際に支払う | 減額分の10%以下 |
過払金報酬金 | 利息を取り戻せた際に支払う | 返還額の20~25%以下 |
着手金は弁護士に依頼する時にかかる費用。減額報酬金は、任意整理が減額できた際にかかる費用で、減額の度合いによって費用も異なります。
過払金報酬金は、支払い過ぎた利息を取り戻せた際に支払う成功報酬。取り戻せた利息金額に対して、請求されます。
2. 個人再生の費用相場
個人再生の費用は、トータルで50万~60万円程度が相場です。
個人再生は、前述のように裁判所を介して借金の大幅な減額を行う手続きなので、裁判所に支払うお金も必要になります。
内訳は、以下の通りです。
相談料 | 法律相談時に支払う | 無料~約1万円 |
着手金 | 弁護士への依頼の際に支払う | 約30万円~ |
報酬金 | 案件が成功した際に支払う | 住宅なしの場合:約20万円~ 住宅ありの場合:約30万円~ |
事務手数料 | 裁判所に予納、実費 | 約2~3万円 |
個人再生委員の報酬 | 裁判所に予納 | 約15~25万円 |
裁判所によっては、申立人と裁判所を補助する役割を担う「個人再生委員」が選任され、報酬として15~25万円程度を支払います。
3. 自己破産の費用相場
自己破産の費用は、トータルで50万円以上が相場です。
相談料 | 法律相談時に支払う | 無料~約1万円 |
着手金 | 弁護士への依頼の際に支払う | 約30万円~ |
報酬金 | 案件が成功した際に支払う | 約20万円~ |
事務手数料 | 裁判所に予納、実費 | 約2~3万円 |
破産管財人報酬 | 裁判所に予納 | 20万円~ |
自己破産には、申立書や財産状況に応じて「同時廃止事件」と「管財事件」の手続きがあります。財産がないことが明らかな場合に行われる同時廃止事件では、破産管財人報酬はかかりません。
債務整理後に弁護士費用が払えなくなったら?
債務整理後に弁護士費用が払えなくなったらどうなるのでしょうか?
病気になってしまった、会社の業績が落ちて収入が激減した、などのやむを得ない理由で支払いできなくなる場合もあるでしょう。
弁護士費用の支払いがない場合、弁護士との契約が解除され、債権者から督促がくることになります。
督促状を放置し2か月分の返済を延滞すると、和解契約が無効になり、一括請求されるリスクもあるでしょう。
弁護士費用が支払えなくなる前に、早めに弁護士に相談してください。
毎月の支払額を下げて期間を少し延期するなど、検討してもらえる可能性もあります。
まとめ:債務整理の費用が払えない場合は、1日も早く弁護士に相談を
債務整理の費用が払えない場合、弁護士に相談し分割や後払いにしてもらうことは可能です。
法テラスの利用なども、検討してみると良いでしょう。
債務整理の3つの種類である任意整理・個人再生・自己破産のおおよその費用相場も、ご理解いただけたかと思います。
万一、債務整理後に弁護士費用が払えなくなった場合は、すぐに弁護士に相談してください。
債務整理したいのに費用が払えないからと足踏み状態のままでは、借金問題はますます悪化していくでしょう。
1日も早く専門家に相談し、解決への一歩を踏み出していただきたいと思います。