銀行カードローンも債務整理ができる? デメリットや口座凍結の対策を解説

「銀行カードローンの借金は債務整理できるのか? 」
「債務整理をしたら銀行口座は凍結されるのか不安 」

あなたはそんなふうに悩んでいませんか?

銀行カードローンの借金も債務整理は可能です。そのため、毎月の返済額や借金自体を減らすことができます。

しかし、 銀行からの借金を債務整理する場合、いくつか注意しなければならない点もあります。

この記事では、以下について解説します。

この記事でわかること
  • 銀行カードローンの借金を債務整理できるか?
  • 債務整理をするデメリット
  • 口座凍結された場合の対策

    借金額が多い場合、自分の力だけで返済しようとしてはなりません。早めに法律事務所へ相談した方が、借金を減らせる可能性があります。

     

    Contents

    銀行カードローンも債務整理ができる

    消費者金融で作った借金しか債務整理ができないと考えている方もいるかもしれません。

    実は銀行カードローンで作った借金についても、債務整理の対象になります。銀行側も任意整理の交渉に応じてくれますし、個人再生や自己破産も可能です。

    実際に2010年以降、銀行カードローンの利用者の多重債務者が急増しました。

    その理由は、銀行カードローンが総量規制の対象外だったからです。総量規制とは、年収の1/3を超える貸付を禁止する法律。

    総量規制の影響で、消費者金融から銀行カードローンへ利用者が移りました。

    しかし、金利が低くても借入額が高額になると、 返済が苦しくなります。そのため、銀行カードローンで多額の借金を抱えている場合は、債務整理を検討した方がよいでしょう。

    銀行カードローンの借金を債務整理するメリット

    銀行カードローンの借金に苦しんでいる方は「なんとか自分の力で返済したい」「債務整理をすることが恥ずかしい」と考えているかもしれません。

    しかし、借金を債務整理すると以下のようなメリットがあります。

    1. 毎月の返済負担が減る
    2. 総返済額や借金の減額ができる
    3. 任意整理の場合、銀行のみ対象から外すことができる

    順番に見ていきましょう。

    1.毎月の返済額が減る

    借金を返したいけど毎月の返済額が高すぎて、今の生活費ではとても支払うことができないと考えている方も多いでしょう。

    任意整理を行った場合、返済期間を3〜5年に延ばすことができるため、毎月の返済額を減らせます。

    そのため、返済を続けても生活費に苦しまなくなる可能性があります。

    2.総返済額や借金の減額ができる

    債務整理をした場合、総返済額や借金の減額が可能。

    任意整理 将来支払うはずだった利息がカットされるので総返済額が減る
    個人再生 借金が大幅に減る
    自己破産 借金全額を免責できる

    そのため、 毎月の返済に苦しんでいる方や借金を減らしたい方にとって、大きなメリットです。

    3.任意整理の場合、銀行のみ対象から外すことができる

    銀行カードローンからの借金を債務整理したくても、以下の理由によりできない方もいるかもしれません。

    債務整理をするか迷う原因
    • 給料の振込先口座に使っているため口座凍結を避けたい
    • 保証人に迷惑がかかる

    借金の保証人がついている場合に任意整理をすると、銀行が保証人に対して一括請求を行います。

    しかし、その場合でも任意整理をすれば問題ありません。

    任意整理は、全ての借金のうち、銀行カードローンのみを対象から外すことができるからです。銀行カードローン以外の借金については利息を減らせるので、生活の負担が減るでしょう。

    任意整理については「任意整理のメリットとデメリット~債務整理で1番多い手続きの注意点」にて解説しています。ぜひ参考にしてみてください!

    銀行カードローンの借金を債務整理するデメリット

    銀行カードローンの借金でも債務整理により返済の負担を減らすことができますが、いくつかデメリットがあります。

    1. 信用情報機関に情報が載る
    2. 銀行の口座が凍結される
    3. 保証会社の消費者金融も債務整理の対象にしなければならない
    4. 任意整理をした場合毎月の返済額が下がらないケースもある
    5. 永久に債務整理した銀行が発行したカードの審査やローンに通らなくなる

    詳しく解説します。

    1.信用情報機関に情報が載る

    債務整理をした場合、信用情報機関にその情報が登録されます。

    債務整理の方法 JICC CIC KSC
    任意整理 5年 5年 5年
    個人再生 5年 5年 10年
    自己破産 5年 5年 10年

    情報が抹消されるまでの期間、 クレジットカードの発行やローンの審査に通らなくなります。

    現在手元にあるクレジットカードも、使えなくなるでしょう。カード会社は定期的に利用者の信用力を調査しているため、信用情報機関の情報を確認次第、カードの利用ができなくなるからです。

    信用情報機関に情報が掲載される期間については「債務整理とブラックリスト登録期間~個人情報は何年間載るの?」にて解説しています。ぜひ参考にしてみてください!

    2.銀行の口座が凍結される

    銀行カードローンの借金を債務整理した場合、発行会社である銀行の口座が凍結されます。

    その理由は、債権者である銀行が、口座に入っている預金と借金を相殺するからです。口座凍結された場合、窓口に行かなければお金を引き出せなくなります。

    そして、公共料金やその他の費用を口座から引き落とすこともできません。

    なお、永久に口座凍結されるわけではありません。長くても3か月が経過すると、銀行の保証会社があなたの代わりに弁済を行うため、再び口座を使えるようになるでしょう。

    3.保証会社の消費者金融も債務整理の対象にしなければならない

    銀行カードローンの借金を債務整理した場合、 保証会社の借金も対象に含めなければなりません。

    三菱UFJ銀行カードローンバンクイックとアコム株式会社の両方から借金をしているケースで考えてみましょう。

    三菱UFJ銀行の保証会社はアコム株式会社です。

    三菱UFJ銀行カードローンバンクイックの借金を債務整理した場合、 三菱UFJ銀行はアコム株式会社に対して代位弁済の請求を行います。代位弁済とは、保証会社など第三者があなたの代わりに借金を返済することです。代位弁済が行われると、任意整理の交渉相手は保証会社に変わります。

    その場合、アコム株式会社からの借金についても任意整理の対象に含めなければなりません。

    以下の表は主な銀行の保証会社です。 銀行だけでなく消費者金融からもお金を借りている場合は注意してください。

    銀行名 保証会社
    三菱UFJ銀行 アコム株式会社
    三井住友銀行 SMBCコンシューマーファイナンス
    新生銀行 新生フィナンシャル株式会社
    みずほ銀行  オリエントコーポレーション
    楽天銀行 
    • 楽天カード株式会社
    • 株式会社セディナ

    4.任意整理をしても毎月の返済額が下がらないケースもある

    複数の銀行カードローンの借金を任意整理する場合、毎月の返済額が下がらないケースもあるので注意が必要です。

    なぜなら銀行カードローンは金利が低いため、毎月の返済額も少なめに設定されているからです。

    任意整理では原則3〜5年以内での返済を求められます。その結果、毎月の返済額が下がらないケースや逆に増えてしまうケースもあるので注意してください。

    5.永久に銀行が発行したカードの審査やローンに通らなくなる

    債務整理をしても、信用情報機関の情報が抹消されれば、カードやローンの契約ができるようになります。

    しかし、債務整理をした銀行が発行したカードやローンの契約は永久にできません。その理由は、信用情報機関とは別に銀行内で債務整理をした情報が残り続けるからです。

    そのため、信用情報機関の情報抹消後にカードやローンの契約をしたい場合は、別の金融機関を利用するしかないでしょう。

    銀行口座が凍結される前にやるべき3つのこと

    銀行カードローンの借金を債務整理する場合、銀行口座が凍結されないようにやっておくべきことがあります。

    1. 口座の預金を全額出しておく
    2. 給与の振込先口座を変更する
    3. 公共料金やスマホの料金など引き落とし口座を変更する

    それぞれ解説します。

    1.口座の預金を全額出しておく

    銀行口座が凍結された場合、預金の引き出しが自由にできなくなります。 当面の生活費を用意できなくなるため、預金は全額出しておきましょう。

    また口座凍結の対象は、債務整理をした銀行の全口座なので注意してください。

    2.給与の振込先口座を変更する

    口座が凍結された場合、当然会社からの給与も振り込みができなくなります。

    万が一、振込みがあった場合、銀行の窓口で返金依頼をする必要があります。したがって、事前に給与の振込先口座を別の銀行口座に変更しておきましょう。

    また可能であれば、手渡しで給料をもらえるか交渉してください。

    3.公共料金やスマホの料金など引き落とし口座を変更する

    公共料金やスマホ料金など、債務整理をする銀行口座を引き落とし口座に設定している方も多くいるでしょう。銀行口座が凍結された場合、引き落としができなくなります。

    引き落とし口座を変更するか別の支払い方法にしましょう。

    債務整理をしても影響を受けないこと

    銀行カードローンの借金を債務整理した場合でも、以下の点では影響を受けません。

    1. 債務整理中も他の銀行の口座開設は可能
    2. 口座凍結中に振り込まれた給与は受け取ることができる

    それぞれ解説します。

    1.債務整理中も他の銀行の口座開設は可能

    債務整理の手続き途中でも、 他の銀行の口座開設は可能です。債務整理をしたからといって、新しく銀行口座の開設ができなくなるわけではありません。

    ただし、クレジット機能付きの口座やカードローンの契約はできないので注意してください。

    2.口座凍結中に振り込まれた給与は受け取ることができる

    口座凍結中に振り込まれた給与については、借金と相殺されません。したがって、口座凍結が解除されれば利用できます。

    誤って口座登録中に給与が振り込まれた場合でも、弁護士や司法書士など代理人が銀行窓口で交渉を行えば、払い戻しを受けられる可能性があります。

    とはいえ、100%払い戻しを受けられるとは限らないので、給与の振込先口座はすぐに変更しておきましょう。

    銀行カードローンの借金を債務整理する際は注意

    銀行カードローンで借金を抱えた場合、債務整理は可能です。

    しかし、債務整理をした場合、利用しているカードローンの銀行口座が凍結されます。

    したがって、銀行口座の預金を引き出したり、給与の振込先口座を変更したりする必要があるでしょう。

    現在借金の返済に苦しんでいる場合、自分1人で抱え込んではなりません。利息や遅延損害金が増えていくだけでなく、精神的にも苦しむからです。

    債務整理をすれば借金の減額をしたり毎月の返済額を減らしたりできます。借金の返済が難しくなった場合は、一刻も早く弁護士や司法書士へ相談しましょう。

    債務整理ならアヴァンス法務事務所

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