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刑務官の債務整理を成功させる5つのポイント
この記事では、刑務官の方が債務整理する際に知っておいてもらいたい8つのポイントについてお話していきます。
刑務官は、法務省強制局の国家公務員で、「公安職」に分類される職です。公安職は行政職よりも基本給が高く設定されています。
そのため、一般の方よりも借金のしやすい職業といえます。
刑務官は福利厚生の手厚い職業なので、生活のために借金することはあまりないと思われます。
他方で、ストレスの大きい仕事なので、浪費やパチンコ・競馬、キャバクラやホストのために借金が膨らんでしまったという人が少なくないようです。
「公務員だから借金が勤務先にバレたらまずい」と債務整理に不安を感じているかもしれません。
しかし、「自転車操業して返済する」よりも「債務整理」した方が職場バレを回避できる可能性が高いといえます。
『現時点の収入では借金を完済するのは、不可能なのは頭の中で分かっている。』
『立場上、借金の相談が出来ず元金が減らないまま長年放置してしまっている。』
このような状態の方は、既にその借金を返済できる見込みはほぼありません。
手遅れになる前に、弁護士や司法書士に相談を行ってください。
それでは解説をしていきます。
債務整理は懲戒理由にはならない
国家公務員である刑務官は「債務整理」を理由に懲戒されることはありません。
国家公務員法82条で定められている懲戒事由は次のとおりです。
「借金したこと」や「債務整理したこと」が国家公務員法などの法律や、公務員(刑務官)としての職務上の義務に違反していないことは明らかです。
また、「国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行」というのは、横領や着服など「刑務官の立場を利用した犯罪行為」を働いたようなケースです。
借金の原因がギャンブルやキャバクラ通いであったとしても、それだけで「非行」があったとは解されません。
また、国家公務員は債務整理しても「欠格事由」にはなりません。国家公務員の欠格事由は、下記のとおりです(国家公務員法38条)。
借金が気になって職務に集中できない方が危険
「借金」が原因で公務員が処分されるのは、借金が原因で「勤務不良」となったときです。勤務不良は「分限処分」の対象となります。
分限処分される例としては、次のようなケースが挙げられます。
刑務官の仕事は神経をすり減らすことが多いと思います。借金が気になって職務に集中できず重大なミスを犯せば、分限処分される可能性もあります。
また、借金返済の金策のために、「休暇を不正取得」するのは論外です。
さらに、「お堅い職場」であるため、「消費者金融などからの取立ての電話」が刑務所に掛かってくることもやはり好ましくないでしょう。
懲戒や分限にならなくても、「昇進に影響する」といった事実上の不利益が生じる可能性もあります。
関連記事⇒ギャンブルの借金は債務整理できる?賭け事での負けを自己破産する方法
自転車操業やヤミ金は絶対にダメ
「勤務先にバレる」のが不安で「借金の返済のため」に「さらに借金」をしては絶対にいけません。
返済のために借金することを「自転車操業」とよぶことがあります。自転車操業を一度はじめると脱出することが難しくなります。
返済が行き詰まった上に借金を重ねれば、「返せない可能性の高い借金」を増やしていることになるからです。
借金の額だけでなく「借入先」が増えることで延滞のリスクもさらに高まります。
国家公務員である刑務官は、「借金をしやすい職業」の1つです。
特に刑務官は「公安職」なので、同等の公務員よりも基本給が高く設定されています。
自転車操業の結果、「気がついたらとんでもない金額の借金」になってしまったということのないようにしましょう。
ところで、借金の借入件数が増えると正規の金融機関からは借金ができなくなります。借入件数が4件を超えると、新規の借金をすることが格段に難しくなります。
自転車操業をはじめると「返済のために借金を続けるしかなくなる」のですが、いつか必ず「貸してくれるところ」がなくなってしまいます。
そのため、自転車操業の結果、「ヤミ金に行き着いた」という人が少なくありません。
国家公務員である刑務官は、ヤミ金にとっては「カモ」です。公務員は特に「職場バレ」を嫌がるので、心理的にコントロールしやすいからです。
刑務官の場合、ヤミ金とのつきあいが勤務先に発覚すれば、分限処分などの理由になる可能性も否定できません。
ヤミ金に脅されて「銀行口座の譲渡」などの犯罪行為に荷担すれば、懲戒免職もあり得ます。
闇金の借金については下記の記事で解説をしています。
参考⇒闇金の借金は債務整理できる?弁護士や警察に相談をする前の注意点
勤務先に知られずに債務整理することは可能か
処分の有無に関係なく、「返済できない借金があること」は誰にも知られなくないものです。
刑務所という職場柄「スキャンダルなことは回避したい」と考えるのは当然といえます。
しかし、債務整理をしても「勤務先である刑務所に知られる」ことを心配する必要はありません。
「債務整理」を勤務先に知られることはあまりない
最も多く利用される債務整理は「任意整理」です。
任意整理を弁護士や司法書士に依頼すれば、すべての交渉を代わりに行ってもらえます。
依頼人である債務者は、弁護士・司法書士から結果の報告を受けるだけです。
したがって、任意整理していることを「刑務所に知られる可能性はゼロ」といえます。
国家公務員である刑務官は、非常に収入や身分が安定しています。
そのため、多少多額な借金であっても任意整理で解決できる可能性が高いでしょう。
個人再生や自己破産すると「官報」に氏名などが掲載されます。
しかし、刑務所が官報を毎日チェックしていることは、あまり考えられません。
刑務所の業務で官報の確認が必要となることはほとんどないと思われるからです。
共済組合から借入があるときには注意が必要
消費者金融などから借金していることや債務整理したことを刑務所にバレずに済ますときには、「共済組合からの借入」に注意が必要です。
公務員は国家公務員共済組合(KKR)から貸付をうけていることが少なくありません。
特に、個人再生や自己破産では、「債務整理の対象とする借金」を選ぶことはできません。
共済からの借入が残っている状態で、個人再生や自己破産すると必ず共済組合に連絡がいきます。
共済組合からの借入があるときには、まず任意整理で他の借金を整理することで対応します。
延滞したときにはきちんと対応しましょう
アコムやプロミス、各銀行といった債権者が、職場に電話連絡してくるのは、次の場合に限られます。
金融機関が「正当な理由なく顧客の勤務先に連絡する」ことは、貸金業法や金融庁のガイドラインによって禁止されているからです。
借金の「職場バレ」を回避するためには、「追加の借金をしない」、「延滞後の債権者からの連絡を無視しない」ことが大切です。
しかし、刑務官の仕事は、勤務時間が不規則です。また、服務中に私用電話に対応できないこともあるでしょう。
「延滞」が確実なときには、事前にこちらから債権者に連絡をする(「○日までに返済する」と伝える)ことがとても重要です。
また、弁護士や司法書士に債務整理を依頼すれば、債権者は代理人以外の者に連絡することを禁止されます。
借金の返済が困難なときには「職場バレ」を防ぐためにも、早期に債務整理に着手することが大切なのです。
関連記事⇒債務整理が会社に知られる可能性?自己破産でも勤務先にバレない方法
浪費・ギャンブルや風俗通いが原因で借金を抱えた場合
刑務官はストレスの大きい職業といえるでしょう。囚人のお世話だけでなく、勤務シフトや職場内の人間関係が精神的な負担となっている人も多いようです。
そのため、浪費やギャンブル風俗通いなどが借金の原因となっていることがあります。
浪費などが原因で自己破産しても免責は受けられる
浪費などが「免責不許可事由」に該当することは、知っている人が多いと思います。
免責不許可事由に該当する場合には「絶対に免責不許可となる」わけではありません。
免責不許可事由に該当するときでも、裁判所の裁量で免責を認めてもらえる可能性があります(破産法252条2項)。
ただし、「裁量免責」を受けるときには、原則として「管財事件」となります。
裁量免責を与えるときには、裁判所は「破産管財人の意見」を聴く必要があるからです。
したがって、ギャンブルなどが原因で自己破産するときには、「保有財産がない場合」であっても、同時廃止ではなく管財事件となります。
管財事件のときには、破産管財人の報酬にあてられる「予納金(20万円以上)」を納める必要があるほか、「破産手続き終了まで郵便物が破産管財人に回送される」などの不利益が生じます。
免責不許可事由があるときには、破産管財人による面談調査が実施されます。
自己破産を申し立てた後も浪費やギャンブル・風俗通いがやめられないときには、破産管財人が「免責不許可が相当」という判断を下す可能性もあるので、生活を慎む必要があります。
官舎住まいであれば自己破産してもデメリットはあまりない
刑務官の方(特に独身の方)は、「官舎住まい」の方が多いと思います。
刑務官の官舎は家賃も非常に安く、通勤にも便利だからです。
自己破産の最大のデメリットは、マイホームを失うことですが、官舎住まいならその心配もいりません。
また、自己破産の場合には、「破産手続き開始決定」より後に得た給料は、すべて自由に使うことができます。
多額な借金を抱えてしまったときには、「任意整理」、「個人再生」よりも自己破産を選択した方が、早く生活を建て直せるといえます。
実際の自己破産は、一般の方が思っているよりも「デメリットが少ない」ケースが多いです。
不安な点は、弁護士・司法書士に直接質問してみると良いでしょう。
心配な点は杞憂にすぎなかったということも少なくありません。
刑務官の債務整理まとめ
公務員である刑務官は、金融機関からの評価も高く一般の方よりも多く借金できることが少なくありません。
そのため、浪費癖やギャンブル・風俗依存がひどくなると「多額の借金」を抱えやすいともいえます。
他方で、ストレスの多い職場であることから「離職率」も低いとはいえず、人事院勧告で「突然の減収」となるリスクもあります。
また、厳粛な職場であることから「多額の借金を返せないこと」が職場に知られると昇進などに影響することも否定できないでしょう。
借金の問題は早期に対応すれば、職場に知られることなく解決できます。借金の返済が苦しくなったときには、できるだけ早く弁護士・司法書士に相談するようにしましょう。