医療費で借金を負ったときの4つの対処法!救済制度や債務整理について詳しく解説

「医療費が払えなくて借金を負ってしまった」
「働けなくてお金が返せない!なんとかして借金を減らす方法はある?」

あなたはこんな悩みを抱えていませんか?

病気や怪我で突然入院することになってしまい、医療費が払えずやむなく借金をしている人も多いと思います。

この記事では、医療費で借金を抱えてしまった人に向けて、以下の内容をまとめました。

この記事でわかること
  • 医療費で借金を負ったときの対処法
  • 国の制度や債務整理について
  • 医療費を債務整理するときのポイント

病気や怪我で働けないときの借金の解決方法がわかりますので、ぜひ最後までご覧ください!

Contents

医療費で借金を負ったときの対処法4選

急な病気や怪我で医療費が払えず、借金をしてしまったり、医療費が返済できなくなったりした場合は、次の方法で対処しましょう。

医療費で借金を負ったときの対処法
  1. 傷病手当金制度を利用する
  2. 高額療養費制度を利用する
  3. 高額医療費貸付制度を利用する
  4. 債務整理を行う

それぞれ順番に解説します。

(1)傷病手当金制度を活用する

医療費で借金を負ったときの対処法1つ目は、傷病手当金制度です。

これを活用すれば、手術や入院によって十分な収入が得られなくなったときに、一定額の支給を受けることができます。支給期間は最長1年6ヶ月です。

ある程度の入院期間であれば、傷病手当金制度でしのぐことができるでしょう。

(2)高額療養費制度を利用する

医療費で借金を負ったときの対処法2つ目は、高額療養費制度です。

これは、医療費が高額な場合に後から一部が払い戻される制度です。

自己負担額は年齢や所得によって変わります(以下の表は70歳未満の例)。

標準報酬月額 自己負担額
非課税者 35,400円
標準報酬月額〜26万円
賦課基準額:〜210万円
57,600円
標準報酬月額:28〜50万円
賦課基準額:210〜600万円
80,100円+(総医療費-267,000円)×1%
標準報酬月額:53〜79万円
賦課基準額:600〜901万円
167,400円+(総医療費-558,000円)×1%
標準報酬月額:83万円
賦課基準額:901万円〜
252,600円+(総医療費-842,000円)×1%

標準報酬月額は、会社員のボーナスを含めた平均月収です。

一方で賦課基準額とは、国民健康保険に加入している人の年間所得から基礎控除(33万円)を差し引いた額になります。

(3)高額医療費貸付制度を利用する

医療費で借金を負ったときの対処法3つ目は、高額医療費貸付制度です。

前述の高額療養費制度では、高額な医療費がかかったとき払い戻しを受けられます。

しかし、高額な医療費を一時的にでも用意するのが難しい場合もあるでしょう。そんなときは、この制度を活用すれば、借入額の8割ほどを無利子で借りられるのです。

医療費が払えないときは、消費者金融等を利用する前に国の制度を活用しましょう。

(3)債務整理を行う

医療費で借金を負ったときの対処法4つ目は、債務整理することです。

債務整理とは、借金を返済できない人を救済するための制度で、支払額を免除・減額することにより、支払いを楽にしてくれます。

ただし、債務整理を行うと信用情報に傷がついてしまいます。

そうなると、5〜10年間はクレジットカードの発行・更新や新規の借入ができなくなるので、注意しましょう。

基本的に、債務整理は最後の手段と考えてください。

医療費による借金を債務整理するときのポイント

前述の通り、債務整理はデメリットも大きい方法です。

しかし、だからと言って借金を放置するとどんどん状況が悪化してしまうので、早めに債務整理する方が賢明なこともあります。

そこで、この項では医療費を債務整理する際の3つのポイントを紹介します。

医療費を債務整理するときのポイント
  • 債務整理には主に3つの方法がある
  • 医療費が支払えないときは自己破産が原則 
  • 任意整理や個人再生はあまり意味がない

上記を参考にしつつ、わからないことがあれば弁護士事務所に相談するようにしてください。それでは順に解説します。

(1)債務整理には主に3つの方法がある

債務整理には、主に以下の3つの方法があります。

主な債務整理の方法
  • 任意整理
  • 個人再生
  • 自己破産

それぞれ免除される範囲やデメリットが異なります。

例えば、任意整理だと利息部分しか免除されませんが、個人再生なら元本の一部、自己破産ならその全てが免除されます。

医療費が払えないときの債務整理方法について、もう少し詳しく見ていきましょう。

(2)医療費が支払えないときは自己破産が原則 

病気や怪我で医療費が支払えないときは、自己破産での解決が一般的です。

任意整理や個人再生だと、手続き後も返済を続ける必要があります。しかし、自己破産は唯一全ての支払い義務が免除されるので、収入が断たれていても問題ありません。

また、医療費が支払えないケースなら貯金などの全くないケースがほとんどなので、自己破産すると同時廃止になって手続きも簡単です。

自己破産については、こちらの記事を参考にしてください。

参考⇒自己破産はメリットしかない?家族や子供、仕事にデメリットはないの?

(3)任意整理や個人再生はあまり意味がない

将来的に収入が復活する予定のある場合は、任意整理や個人再生も可能ですが、あまり一般的ではありません。

なぜなら、病院からの請求には利子がつかないので任意整理を行う意味は薄いですし、個人再生もある程度借金額がないと行えないからです。

ただし、医療費以外にも金融機関やクレジットカードの負債があり、そちらも債務整理したいということであれば有効な手段だと言えるでしょう。

任意整理や個人再生については、下記ページで詳しく解説しています。

参考⇒任意整理のメリットとデメリット?債務整理で1番多い手続きの注意点

参考⇒個人再生は家を残せる大きなメリットがあるが2つのデメリットもある

医療費を債務整理しても治療は受けられる!

医療費を債務整理しても、治療を受け続けることは可能です。

債務整理すると、治療を拒否されるのではないかと思うかも知れませんが、医師法では「正当事由がないときに診療拒否をしてはいけない」と定められています。

第十九条 診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。

2 診察若しくは検案をし、又は出産に立ち会った医師は、診断書若しくは検案書又は出生証明書若しくは死産証書の交付の求があつた場合には、正当の事由がなければ、これを拒んではならない。

【参考】昭和24年9月10日医発第752号厚生省医務局長通知「病院診療所の診療に関する件」(厚生労働省ウェブサイト)

過去に医療費を支払わなかったことは、正当事由に該当しないという見解が一般的です。

まとめ

病気や怪我は突然起こるものです。

働けなくなって医療費が払えなくなってしまった場合でも、傷病手当金制度や医療制度、債務整理などで解決することができます。

最後に、債務整理のポイントについてもう一度まとめておきます。

医療費を債務整理するときのポイント
  • 債務整理には主に3つの方法がある
  • 医療費が支払えないときは自己破産が原則 
  • 任意整理や個人再生はあまり意味がない

借金を自力で返済できない場合は、早めに債務整理を検討しましょう。

借金を放置するとどんどん状況が悪化してしまいますし、何より借金に追われているという状況は精神的にも良くありません。

まずは国の制度でどうにかならないか考え、それでも返済ができないなら弁護士・司法書士に相談してください。

債務整理ならアヴァンス法務事務所

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