債務整理と入院費

病気やケガはいつ襲いかかってくるか予測することの出来ないトラブルです。

突然重い病気にかかり、長期の入院生活を余儀なくされれば、仕事を失ってしまうこともあるかもしれません。

収入がなくなったのに、このまま入院を続けて大丈夫だろうか、手術を受けても大丈夫だろうかと、心配になってしまう人もいるかと思います。

そこで、この記事では、入院費が高額すぎて支払えなくなったときの対処法について解説していきます。

入院費の支払いを滞納したら病院を追い出されるかもと不安に感じている人は参考にしてみてください。

また、『入院費どころか生活費すら厳しく、消費者金融やクレジットカードからお金を借りては返すを繰り返している。』

『既に借金を完済するのは自力では無理と分かっていながらも、問題を先送りにしてしまっている。』

このような状態の方は、既に黄色信号が点滅している危険な状態です。

手遅れになる前に、今すぐ専門家に相談することをおすすめします。

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それでは解説をしていきます。

公的支援を活用して支払い負担を減らす

医療機関から請求された金額が高額すぎて支払えないという場合には、公的支援(医療保険)を活用することで、支払いの負担を軽減することができます。

高額医療費制度

高額医療費制度は、1ヶ月当たりの医療費負担が一定額を超えた場合には、高額になった部分を後で払い戻してくれる制度です。過払い分の還付時期は、支払いの3ヶ月後が目安です。

国民健康保険などの公的医療保険に加入している人であれば、誰でも利用することができます。

また、高額な医療費を立て替え払いすることも難しいという場合には、「限度額適用認定証」の交付申請を事前にしておけば、保険負担分を差し引いた金額だけを支払えばよくなります(被保険者が負担しなければならない金額は、それぞれの世帯収入によって異なります)。

なお、70歳以上の人であれば、限度額適用認定証の交付申請をする必要はありません。

高度医療費貸付制度

高額医療費制度で払い戻しを受けるまでの支払いが間に合わないというときには、「高度医療費貸付制度」によって、治療費負担分の貸付を受けることができます。

高度医療費貸付制度の審査に通れば、高額医療費制度で還付される金額の8割(国民健康保険の場合には9割)を無利子で借りることができます。

ただし、高額医療費の還付を受けたときには、その還付金ですぐに返済する必要がありますので、あくまでもつなぎ資金という位置づけに過ぎません。

入院費を完全に支払えないときはどうしたらよい?

請求された入院費などがあまりにも高額な場合や、病気・ケガによって完全に収入がなくなってしまった場合には、高額医療費制度などを活用しても、支払いきれない場合もあると思います。

また、生活が苦しい人の中には、健康保険料に未払いがあって保険を使えないという場合もあるでしょう。

そのようなときには、入院費や手術代を債務整理で解決することが可能です。

入院費などの医療費も債務整理できるのか?

借金ではない入院費などでも債務整理できるのか?と思う人もいるかもしれません。

債務整理は、借金だけでなく、一部の免責が認められないケースを除く、金銭の支払い義務のすべてを対象にすることができます。

医療費が支払えないときは、自己破産が原則

病気やケガが原因で収入が断たれてしまったことが原因で、高額入院費などが支払えないときには、自己破産で解決するのが最も一般的といえます。

自己破産であれば、医療費を一切返済できなくても支払い義務の免除を受けることができるからです。

また、入院費などが支払えないケースのでは、貯金などの財産も全くない場合が多いでしょうから、自己破産も同時廃止となり、費用も安く、非常に簡単な手続きで進めることができます。

さらに、病気・ケガによる長期入院で、収入が完全になくなったケースであれば、法テラスを利用できる場合も多いでしょう。

法テラス(民事法律扶助)を利用できれば、手持ちのお金が全くない場合でも、費用を立て替えてもらって弁護士に自己破産を依頼することができます。

法テラスが立て替えた費用は、原則として事後に返還します。

法テラスへの返還額は、毎月1万円もしくは5,000円ずつになりますが、ケガや病気が完治せずに、働けない状況や、収入が少ない場合には、返還を猶予・免除してもらえる場合もあります。

関連記事⇒債務整理と法テラス?自己破産や任意整理の弁護士費用の違いとメリット

自己破産した後に医療費を支払うことも可能

入院費や治療費を自己破産で踏み倒すことになってしまうことには、心情的に抵抗を感じる人も多いかもしれません。

そのようなときには、自己破産後に、収入状況が回復してから、任意で病院に入院費や手術費を支払うことも可能です。

自己破産して免責を受けた場合でも、消滅するのは法律上の「返済義務」に過ぎず、治療費・入院費・手術費それ自体が消えてなくなるわけではないからです。

自己破産については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒自己破産はメリットしかない?家族や子供、仕事にデメリットはないの?

分割で支払えるときには、任意整理・個人再生

入院費などを退院後に働いて分割で返済できるときには、任意整理や個人再生で解決することも可能です。

病院からの請求には利息はつきませんが、分割払いをきちんと認めてもらうという意味では任意整理することに意味がないわけではありません。

また、入院費と手術代の合計額が100万円を超えていれば、個人再生によって、支払い額の一部を免除してもらうことも可能です。

任意整理については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒任意整理のメリットとデメリット?債務整理で1番多い手続きの注意点

個人再生については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒個人再生は家を残せる大きなメリットがあるが2つのデメリットもある

クレジットカードで入院費を支払った場合の注意点

最近は、クレジットカードで支払うことができる病院もかなり増えました。

一括(現金)で支払うことが難しい入院費は、カードの分割払いなどで対応することを考える人もいるかもしれません。

カードで決済した入院費なども債務整理で解決することは可能です。

ただし、決済直後に自己破産を申し立てることは、詐欺になってしまう場合があるのでできません。

連帯保証人がいる場合

高額な入院費や手術費がかかる場合には、入院・手術に際して連帯保証人をつけることを求められる場合があります。

連帯保証人のいる入院費・手術費を債務整理してしまえば、病院などからの連帯保証人に請求がいってしまいます。

患者本人が自己破産して入院費の支払いを免れられても、免責の効果は連帯保証人には及びません。

連帯保証人のついている入院費などを債務整理で解決するときには、弁護士の助言にしたがい、連帯保証人になってくれた人に報告・相談をすべきでしょう。

関連記事⇒債務整理と連帯保証人?自己破産や任意整理をした場合の影響と対策

医療費を債務整理したらその後の治療はどうなる?

長期の入院をした場合には、その後も継続的に治療を受ける必要のある場合が多いでしょう。

入院費や手術費を債務整理して踏み倒してしまったら今後の治療を拒否されるのではないかと心配になる人もいるかと思います。

しかし、医療費を支払えないことで、病院から診療拒否をされることはありません。

下に引用するように、医師法では、「正当事由がない」ときに診療拒否をしてはいけないと定められているからです。

第十九条 診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。

2 診察若しくは検案をし、又は出産に立ち会った医師は、診断書若しくは検案書又は出生証明書若しくは死産証書の交付の求があつた場合には、正当の事由がなければ、これを拒んではならない。
【参考】昭和24年9月10日医発第752号厚生省医務局長通知「病院診療所の診療に関する件」(厚生労働省ウェブサイト)

「過去に医療費を支払わなかったことは正当事由ではないのか?」と思う人もいるかもしれませんが、この点については、厚生労働省は否定的な見解を通達しています。

まとめ

突然の病気やケガで、長期の入院を強いられると、それだけでも不安な気持ちになってしまいます。

あわせて収入が激減してしまう、なくなってしまうようなことになれば、不安な気持ちはさらに大きくなってしまうでしょう。

しかし、医療費が支払えないときには、債務整理(自己破産)で救済してもらうことができます。医療費だけの自己破産であれば、信用情報などに傷が付くこともありません。

また、医師は、医師の一般的な義務として、患者を診察し、治療する義務(応召義務)があります。医療費の不払いで診療拒否されることもありません。

ケガや病気を治すことは生命にかかわることです。お金の心配はせずに、必要な治療をしっかりとうけましょう。

いずれにしても、1人で悩むのではなく今すぐ専門家に相談することをおすすめします。

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