
「債務整理すると連帯保証人に請求がいく?」
「連帯保証人に迷惑をかけたくない…何か良い方法はないの?」
あなたはこんな疑問を持っていませんか?
結論からお伝えすると、保証人のいる借金を債務整理してしまうと連帯保証人に請求がいきます。
ただし、債務整理方法によっては保証人のいる借金だけを対象外にすることも可能です。
この記事では、債務整理すると連帯保証人がどうなるか気になるあなたに向けて、以下の情報について解説します。
- 保証人と連帯保証人の違い
- 債務整理すると連帯保証人はどうなるのか
- 連帯保証人に迷惑がかからないようにする方法
あなたに適した債務整理方法がわかりますので、ぜひ最後までご覧ください!
Contents
債務整理すると連帯保証人に請求がいく
保証人と連帯保証人では、似て非なるものです。
まずは保証人・連帯保証人の違いと、債務整理すると連帯保証人はどうなるのか詳しく解説します。
1. 保証人・連帯保証人の違い
連帯保証人は、簡単に言うと保証人よりも責任が重いです。
まず、保証人には以下3つの権利が認められます。
- (1)催告の抗弁権
債権者から支払いを命じられた際、まず借主に請求するよう主張できる権利。 - (2)検索の抗弁権
借主に返済能力がある場合、借主に請求するか差し押さえして欲しいと主張できる権利。 - (3)分別の利益
それぞれの保証人が負う債務は、保証人の数で割ったものにとどめる権利。
連帯保証人は上記3つの権利がないため、借主が返済不能に陥った場合は問答無用で支払わなければなりません。
連帯保証人になるということは、自分が借金しているのと同じことなのです。
2. 連帯保証人は支払いを逃れられない
債務整理すると、連帯保証人が一括請求を求められます。
もし借主の借金の返済が分割払いだったとしても、債務整理した時点で「期限の利益」を喪失してしまうため、一括で返済しなければなりません。
先ほど解説した通り、連帯保証人は3つの権利も認められないため、請求されたら支払うか債務整理するくらいしか手はないでしょう。
3. 分割払いに応じてもらうことはできる
連帯保証人でも分割払いを請求することは可能です。
例えば、借主が債務整理して支払い義務が連帯保証人に移った場合でも、連帯保証人が債権者に対して分割払いを依頼することができます。
どの債権者でも、必ず分割払いを認めるとは限りません。
しかし、多くの債権者は債務整理によって踏み倒されてしまうことを嫌うため、分割払いに応じてくれる可能性は十分にあるでしょう。
債務整理しても連帯保証人に迷惑をかけない方法
債務整理すると、連帯保証人が一括請求を受けてしまいます。
しかし、手続きによっては連帯保証人に迷惑をかけずに債務整理することも可能です。この項では、債務整理手続きの種類とその詳細について解説します。
1. 債務整理には3つの手続きがある
まず前提として、債務整理には以下3つの方法があります。
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
それぞれ借金の減額範囲とデメリットが異なります。
例えば、任意整理は利息部分のみ、個人再生は元本の大部分が免除されますが、自己破産は借金がすべてなくなります。
また、ブラックリストに載るのは共通ですが、自己破産の場合は差し押さえや資格制限などのリスクもあるため、そう簡単に行える手続きではありません。
手続きの際は、自分に合った手続きを選ぶことが重要になるでしょう。
2. 任意整理なら保証人のいる債務だけ外せる
連帯保証人に迷惑をかけたくないなら、任意整理がおすすめです。
任意整理は、唯一裁判所を介さない手続きですので、債務整理の対象を選べます。保証人のいる借金を債務整理の対象から外せば、連帯保証人が請求を受けることもありません。
ただし利息しか免除されないため、借金額が大きい場合は任意整理での解決は難しいでしょう。
任意整理については「任意整理のメリットとデメリット~債務整理で1番多い手続きの注意点」にて解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
3. 個人再生や自己破産では諦めるしかない
借金額が大きく、個人再生や自己破産となってしまった場合は諦めるしかありません。
これらの手続きは、債務整理の対象を選べないからです。
連帯保証人のいる借金も含め、すべてを債務整理しなければならないため、連帯保証人に迷惑がかかるのを避けることはできません。
場合によっては、連帯保証人まで債務整理しなければならない可能性もあります。
個人再生については「個人再生は家を残せる大きなメリットがあるが2つのデメリットもある」にて解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
自己破産については「旦那の借金で債務整理をするとどうなる?マイホームは処分される?」にて解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
債務整理せずに自力で返済する際の3つのポイント
債務整理せずに自力で返済すれば、連帯保証人には迷惑がかかりません。
とはいえ、どうやって返済すればいいかわからないと思いますので、以下3つの方法を検討しましょう。
- まずは収支を見直し返済額を増やす
- おまとめローンも検討する
- 連帯保証人にも協力を依頼する
それぞれ詳しく解説します。
1. まずは収支を見直し返済額を増やす
自力返済するなら、まずは収支の見直しから始めましょう。
借金がなかなか減らない理由は、毎月の返済額が少なすぎるからです。支出を抑えてより多く返済することで、軽微な借金なら完済できる可能性もあります。
収支を見直して自力で完済する方法は、以下の通りです。
- 家計簿アプリを導入する
- 固定費の見直しを行う
- 余ったお金を返済に回す
まずは家計簿アプリを導入して収支を管理します。
あまり家計簿を付けるのが得意でない人でも、クレジットカードや銀行口座を登録するだけで良いため、簡単に支出を把握できますよ。
支出を把握したら、固定費から見直すことが重要です。
携帯を格安SIMに変える、乗っていない車を売る、余計なサブスクリプションを解約するなどの方法で、どんどん固定費を減らしていきます。
そして、固定費を減らしてお金に余裕ができたら、どんどん返済していきましょう。
2. おまとめローンも検討する
多重債務を抱えているなら、おまとめローンも検討しましょう。
おまとめローンとは、複数社の借入を1社にまとめるためのローンのこと。
本来、貸金業者からの借入は「総量規制」という法律によって「年収の3分の1まで」に制限されていますが、おまとめローンはこの限りではありません。
借入をまとめることで返済状況がわかりやすくなり、場合によっては金利も下がるため、返済がずっと楽になりますよ。
3. 連帯保証人にも協力を依頼する
自力での返済が難しい場合は、連帯保証人に協力を依頼するのも手です。
連帯保証人からしても、債務整理されると自分にすべての返済義務がのしかかってくるため、協力してくれる可能性は十分にあるでしょう。
もし双方が協力して借金を完済できれば、お互い債務整理せずに済むため、相談してみる価値はあります。
債務整理すると保証人になれなくなる
債務整理すると、保証人にはなれなくなります。
この項では、保証人になれない理由や具体的なデメリットについて解説します。
1. 保証人になれない理由
債務整理すると保証人になれない理由は、信用情報に「事故情報」が登録されるからです。いわゆるブラックリスト入りですね。
債務整理を行うと、完済から5〜10年間はブラックリストに登録されます。以下の表は詳しい期間をまとめたものです。
任意整理 | 個人再生 | 自己破産 | |
CIC | 5年 | 5年 | 7年 |
JICC | 5年 | 5年 | 5年 |
KSC | 5年 | 5年 | 10年 |
例えば、任意整理をしてその3年後に完済した場合、そこから5年間は保証人になれません。
2. 子供の奨学金を借入する方法
保証人になれなくて困る場面は、日常生活ではあまり考えられません。たとえ家族であっても、安易に保証人になることは得策ではないからです。
強いて言うなら、子供の奨学金を借りる場合だけは注意が必要です。
奨学金を借入するには、原則として両親を連帯保証人にする必要があります。したがって、親が債務整理していると奨学金の借入に支障をきたす可能性があります。
とはいえ、両親を保証人にしなくても「機関保証」を利用すれば、毎月保証料(3,000円ほど)を支払う代わりに借入できます。
それに、事故情報が登録される期間は5〜10年間です。子供がまだ小さいなら、進学するまでに事故情報が消えますので、心配する必要はありません。
債務整理すると連帯保証人に請求がいくので注意
保証人のいる借金を債務整理すると、連帯保証人に請求がいきます。
連帯保証人は、保証人と違って3つの権利(催告の抗弁権、検索の抗弁権、分別の利益)がないため、請求されたら即座に一括返済しなければなりません。
連帯保証人に迷惑をかけたくない場合は、以下の方法で自力返済を図りましょう。
- まずは収支を見直し返済額を増やす
- おまとめローンも検討する
- 連帯保証人にも協力を依頼する
なお、自力返済できない場合は「任意整理」を検討しましょう。
任意整理は債務整理手続きのひとつですが、他の手続きと違って債務整理の対象を選べるため、保証人付きの借金だけ返済を続けることが可能です。
いずれにせよ、借金の返済に行き詰まって困っている場合は、状況が悪化する前に弁護士・司法書士に相談しましょう。