『 自己破産をしたいけど、実家の親にバレないか不安』
『自己破産をしたら、実家暮らしの親に迷惑がかかるかもしれない』
と悩んでいませんか?
自己破産をした場合、必ずしも親にバレるとは限りません。親に迷惑をかけることなく自己破産できるケースも存在します。
この記事では、
- 自己破産しても、親に迷惑がかからない3つのケース
- 実家暮らしで親に自己破産がバレる原因
- 自己破産をして親に迷惑がかかる2つのケース
について解説します。
なお、借金の返済額が多すぎて悩んでいる方は、早めに法律事務所へ相談することをおすすめします。
Contents
実家暮らしで自己破産しても、100%親にバレるわけではない
自己破産をしたら100%親にバレると思っていませんか?
実は、自己破産をしても親にバレないケースもあります。
また、実家で暮らす親に迷惑をかけられないと考えている方も少なくないでしょう。
ただ、ケースによっては、親に迷惑をかけずに自己破産することもできます。
自己破産をしても親に迷惑がかからない3つのケースとは?
自己破産をしても親に迷惑がかからないケースは以下の3つです。
- 親と同居していない場合
- 実家に住んでいても家や車などの資産が親名義の場合
- 親が連帯保証人でない場合
順番に解説します。
1.親と同居していない場合
親と同居していない場合は、自己破産をしても迷惑がかかるケースはあまりありません。なぜなら、自己破産の手続きは、すべてあなたと裁判所でのやり取りになるので、実家に書類が届かないからです。
また、借り入れ先がまともな金融機関であれば、両親へ返済を求めることもありません。
2.実家に住んでいても家や車などの資産が親名義の場合
実家に親と一緒に住んでいる場合、自己破産をすることで、自宅や車を処分されないか不安に感じる方もいるのではないでしょうか?
ただ、家や車などの名義人が親や兄弟など本人以外であれば、処分する必要はありません。
なぜなら、破産の手続きでは、本人以外の名義の所有物は処分できないからです。親名義の車を日常的に使用している場合でも、自分の名義でなければ処分されることはないのでご安心ください。
とはいえ、自己破産前に自分名義の車をほかの家族名義に変更してはなりません。このような名義変更は財産隠しと判断されやすいため、借金の免責が取れないだけでなく、刑事罰を課される可能性があるからです。
なお、同様に、兄弟や姉妹の所有しているものも処分の対象には含まれません。以下の記事も参考にしてみてください。
3.親が連帯保証人でない場合
自己破産をすると、代わりに親が返済をしなければならないと考えていませんか?
しかし、債権者が連帯保証人以外に対して借金の返済を迫ることは禁止されています。悪質な金融業者のなかには、親に対して返済を迫る電話をするケースもありますが、違法な取り立てなので返済に応じる必要はありません。
なお、両親からお金を借りて返済を迫ることも禁止されています。
実家暮らしで親に自己破産がバレる6つの原因
実家の両親に自己破産をしたことがバレるケースはいくつかあります。
- 裁判所からの書類が届いた
- 処分見込額が20万円を超えるものを保有している
- 親と同居しており収入証明書の提出を求められた
- 官報を見た闇金業者から融資の案内が届いた
- 親からお金を借りていた
- クレジットカードやローンの審査に通らないことを親に怪しまれた
順番にどのような経緯でバレるのか解説します。
1.実家に裁判所からの書類が届いた
自分で自己破産の手続きをした場合、裁判所から2通の書類が届きます。
破産手続開始通知書 | 破産の申し立てから1週間前後 |
---|---|
免責許可決定の通知書 | 免責審尋の後 |
これらの書類の宛名が裁判所とわかった時点で、間違いなく両親から疑われます。そのため、中身を確認しなくても、バレる可能性は高くなるでしょう。
2.処分見込額が20万円を超えるものを保有している
自己破産の手続きでは処分見込額が20万円を超えるもの(自動車や預貯金)を保有している場合、破産管財人により処分されます。
したがって、車や高価な家具を所有していると、突然処分されることになるので、自己破産を隠し通せなくなります。
そして、処分見込額とは、売却した場合の価格です。購入した際の価格ではないので注意してください。
なお、車をどうしても処分されたくない場合は、以下の記事も参考にしてみてください。
参考⇒債務整理のデメリットは車を没収されること?車を残す方法は?
3.親と同居しており収入証明書の提出を求められた
実家で親と同居している場合、裁判所から以下のような書類の提出を求められる可能性があります。
ケース | 必要書類 |
---|---|
親が働いている場合 |
|
親が年金をもらっている場合 | 年金受給証明書 |
収入を証明する書類を親からバレずに用意するのは現実的に難しいでしょう。
裁判所によっては、収入証明書の提出が不要になるケースはあります。
ただ、親が家賃や水道光熱費などの生活費を負担していることを証明する資料の提出が必要になるケースもあります。
そのため、裁判所へ自己破産の手続きをする段階で親に自己破産がバレるケースがほとんどです。
4.官報を見た闇金業者から実家に融資の案内が届いた
自己破産の手続きを親にバレなかったとします。
しかし、手続きが終了後も油断は禁物です。自己破産をすると官報にあなたの名前や住所が載るからです。
官報は、役所や金融関係者でもない限り、見られる可能性は低いでしょう。
闇金業者のなかには、官報の情報から個人情報を調べて融資を案内する書類を自宅に送ってくるケースもあります。実家に住んでいて、闇金業者からの書類が殺到すれば、何かあったのか疑われてもおかしくありません。
5.親からお金を借りている
親からお金を借りていた場合も自己破産をするとバレてしまいます。
なぜなら、裁判所に提出する債権者名簿には、親からの借金についても記載しなければならないからです。
裁判所は、債権者名簿に記載された方全員に、自己破産があったことを通知します。したがって、通知が来た時点で、親に自己破産の手続きをしようとしていることがバレてしまいます。
親からの借金を債権者名簿に記載しなかった場合、「虚偽の債権者名簿等提出行為」に該当するため、免責が認められなくなるので注意してください。
6.クレジットカードやローンの審査に通らないことを親に怪しまれた
自己破産をすると、5年〜10年の間、信用情報機関に情報が残ります。自己破産の手続き完了後にクレジットカードやローンの審査に通らなくなれば、怪しまれる可能性が高くなるでしょう。
そのため、親と同居している場合は、自己破産を隠し通すのは難しくなります。
自己破産をすると実家の親に迷惑がかかる2つのケース
自己破産をしても、実家の親に迷惑がかかるとは限りません。
しかし、以下のようなケースに該当する場合は、親にも迷惑がかかります。
- 自分名義の家に親と同居しているケース
- 親が連帯保証人のケース
くわしく見ていきましょう。
1.自分名義の家に親と同居しているケース
自分名義の家に親と同居している場合、自己破産をすることで家を失います。引っ越しを余儀なくされるため、親にも迷惑がかかります。そのため、自己破産以外の債務整理も検討した方が良いでしょう。
特に、親から生前贈与で、自分の名義に変えている場合は注意が必要です。
2.親が連帯保証人のケース
借金をする際、連帯保証人が必要になるケースがほとんどです。
ただ、親が連帯保証人になっている場合は注意が必要です。なぜなら、自己破産をすると、債権者が親に対して一括で借金返済を求めるからです。
例えば、奨学金を300万円借りたケースで、50万円しか返済ができずに自己破産するとどうなるでしょうか?
自己破産をすれば、あなたの返済をしていない250万円の借金は免責されます。
しかし、連帯保証人である親は、250万円の返済をしなければならなくなります。
自己破産の場合、負債額が数百万円以上になるケースも珍しくありません。もし、親も返済できる見込みがない場合は、自己破産せざるを得なくなります。
なお、奨学金が返せずに悩んでいる方は、以下の記事も参考にしてみてください。
⇒奨学金は自己破産したら返さなくていい?債務整理で奨学金問題を解決する方法
まとめ:借金額が多い場合は一度弁護士へ相談を!
借金額が多くて自己破産を検討していても、実家に迷惑をかけられないと考えている方は多くいます。そのような場合は、自分で手続きをせずに、まずは弁護士へ相談をした方が良いでしょう
その理由は3つあります。
- 借金額によっては、自己破産以外の手続きを提案できるから
- 裁判所から破産手続きに関する書類が届かないから
- 必要書類の提出や裁判に同席してくれるから
借金額や状況によっては、自己破産以外の手続きを選択できる可能性があります。その結果、自宅を処分されなければ、親に自己破産がバレずに済むかもしれません。
また、自己破産の手続きを依頼する場合も、裁判所からの通知は弁護士に届くようになります。
加えて、必要書類の準備や裁判所への出頭時も弁護士が同席してくれるので、手続き時の精神的負担も多少和らぎます。
親と同居している場合でも、そのまま借金を放置し続けた場合、どんどん生活が苦しくなっていくだけです。
まずは、一度法律事務所へ相談することをおすすめします。