「自己破産すると職業制限を受ける?」
「会社を解雇されることはある?今の仕事を失うのは困る!」
あなたはこんな疑問や悩みを抱えていませんか?自己破産で借金解決したいものの、職を失うことが怖くて手続きに踏み切れない…。こんな人は非常に多いでしょう。
自己破産してもほとんどの職業には影響がありませんが、一部職業は資格制限を受ける可能性があります。
この記事では、自己破産が仕事に影響を与えないか知りたいあなたに向けて、以下の情報について解説します。
- そもそも自己破産とは
- 職業制限を受ける職業
- 職業制限を受ける期間
自己破産のリスクを3分で理解できますので、ぜひ最後までご覧ください!
Contents
そもそも自己破産とは
自己破産とは、裁判所に申し立ててすべての借金を免責してもらう手続きです。
借金がまったくなくなるため、多額の借金を抱えていたり、返済能力を失ってしまったりしたケースでも借金を解決できます。しかし、自己破産が認められるには「支払い不能」と認められなければなりません。
また、自己破産手続きを行うと「一部財産の差し押さえ」や「一時的な資格制限」を受ける可能性もあります。
まずは職業に関する制限について見ていきましょう。
自己破産すると職業制限を受けることもある
この項では、自己破産が仕事に与える影響について解説していきます。
- 資格制限を受ける職業
- 解雇される可能性のある職業
- 将来の就職活動への影響について
どれも非常に重要ですので、それぞれ順に見ていきましょう。
1. 一部職業は資格制限を受ける
自己破産を行うと、手続きで免責が得られるまでは「破産者」となります。
破産者になると、以下の職業は一時的な資格制限を受けるため注意しましょう。
- 弁護士
- 司法書士
- 税理士
- 公認会計士
- 警備員
- 宅地建物取引士
- 公証人
これらの資格を保有している場合、自己破産手続きしたことを都道府県知事に届け出なければなりません。
免責を得られれば資格は元に戻りますし、もう一度試験を受ける必要はないので、安心してください。
2. 就業規定で解雇されることもある
資格制限がなくても、法律や就業規定で解雇されることもあるので注意です。
解雇される可能性については、職業や役職によっても変わってくるため、以下の3点について解説します。
- 会社員
- 公務員
- 会社役員
会社員や公務員の場合、自己破産を理由に解雇することは「不当解雇」にあたるため、基本的に職を失うことはありません。
ただし、金融機関などの一部企業は、就業規定に「破産者は解雇する」旨の記載をしているケースもあり、この場合は解雇される可能性もあります。会社役員の場合、破産すると一旦辞任しなければなりませんが、再度選任されればすぐに復帰可能です。
まとめると、会社の就業規定に特別な記載がない限り、今の職を失ってしまう可能性は低いでしょう。
3. 将来の就職活動に影響はない
自己破産しても就職活動への影響は少ないです。
自己破産すると、ブラックリストに載ってしまいますが、企業が採用のために信用情報を照会することはできません。ただし、金融機関などは「破産者は雇わない」という基準を設けている可能性が高いため、この場合は注意が必要になります。
自己破産で職業制限を受ける期間
自己破産で資格制限を受ける期間は、破産者から「復権するまで」です。
復権するには以下4つの条件が挙げられます。
- 免責許可
- 同時廃止決定
- 再生計画の認可決定
- 手続き開始決定から10年間経過
基本的に、自己破産手続きには4〜6ヶ月ほどかかります。
もし免責が認められなくても、裁判所に申し立てすれば復権できますので、資格制限を受ける期間はそこまで長くありません。
自己破産するときは職場に伝えるべきか
自己破産するときは、必ず職場に伝えるようにしましょう。一時的とはいえ、資格制限によって業務遂行に支障をきたす可能性があるからです。
特に資格が必要な業務の場合、自己破産を隠して働くと、「法に抵触した」として解雇されかねません。
破産手続き前には、きちんと職場に自己申告を行い、手続き中は休暇をもらうなどして対処してください。
自己破産をするときの3つの注意点
自己破産を行うリスクは、資格制限だけではありません。
次のようなリスクも考えられるため、手続き前には必ず理解しておきましょう。
- ブラックリストに載る
- 一部の財産が差し押さえられる
- 免責不許可になることもある
それぞれ詳しく解説します。
1. ブラックリストに載る
自己破産を始めとした債務整理手続きを行うと、信用情報機関に「事故情報」が登録されてしまいます。
これが俗に言う「ブラックリスト」です。
ブラックリストに載ると、具体的には次のような弊害が生じます。
- 新しく借入できなくなる
- クレジットカードが使えなくなる
- 借金の保証人になれなくなる
- 賃貸契約できない場合もある
なお、ブラックリストに載る期間は債務整理手続きによって異なりますが、自己破産の場合は5〜10年間となります。
2. 一部の財産が差し押さえられる
自己破産を行うと、財産が差し押さえられるケースもあるので注意です。
まず、自己破産には以下2通りの手続きがあります。
- 同時廃止
- 管財事件
破産申立の際、めぼしい財産がなければ同時廃止となりますが、財産があると管財事件となって財産を処分しなければなりません。
なお、管財事件になっても以下の「自由財産」は手元に残せます。
- 差し押さえ禁止財産
- 自由財産(99万円以内の現金)
- 自己破産後に新たに得た財産
- 破産管財人によって放棄された財産
- 自由拡張財産
差し押さえによって生活できなくなるようなことはありませんが、家や車などは処分されてしまうでしょう。
3. 免責不許可になることもある
自己破産は、申し立てたからといって必ず認められるわけではありません。というのも、自己破産には免責が認められなくなってしまう「免責不許可事由」があるからです。
免責不許可事由はさまざまですが、主な要因としては以下のような事例が挙げられます。
- 借金の原因が投資やギャンブル
- 悪質な財産隠しが認められた
- 一部の債権者にのみ返済を行った
自己破産を行う際は、免責不許可事由に当てはまらないよう、十分注意した上で手続きを行ってください。
職業制限を避けながら借金解決する2つの方法
債務整理手続きは、何も自己破産だけではありません。借金額や収入によっては、自己破産せずに以下の方法で解決することで、職業制限を免られます。
- 任意整理
- 個人再生
各手続きについて詳しく解説します。
1. 任意整理
クレジットカードやリボ払いが原因で借金を負っているなら、任意整理を選ぶと良いでしょう。
任意整理とは、債権者と交渉して利息を免除してもらう手続きのこと。元金は減りませんが、高金利の借入であれば十分返済が楽になります。また、他の債務整理手続きと比べ、リスクや費用が小さいのも利点です。
任意整理については「任意整理のメリットとデメリット~債務整理で1番多い手続きの注意点」にて解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
2. 個人再生
借金額が大きく、任意整理で解決できない場合は個人再生を選ぶと良いでしょう。
個人再生とは、裁判所に申し立てて元本の大部分を免除してもらう手続きのこと。元本そのものを減らせるため、より大きな借金にも対応できます。また、個人再生では住宅ローンのみ支払いを続けられるため、持ち家を残したまま借金解決することも可能です。
個人再生については「個人再生は家を残せる大きなメリットがあるが2つのデメリットもある」にて解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
自己破産を考えているなら弁護士に相談しよう
自己破産を考えているなら、必ず弁護士に相談しましょう。
というのも、場合によっては「任意整理」や「個人再生」で解決できる可能性があるのですが、法律の素人がそれを判断するのは容易ではないからです。
きちんとプロに相談すれば、自分に合った適切な手続きを選べますよ。
費用に関しても、最近では分割払いや後払いに対応している事務所も多いため、気軽に相談してみましょう。
自己破産には職業制限があるので、手続き前に確認しておこう
自己破産をしても、仕事が続けられなくなる可能性は低いです。しかし、資格制限を受ける場合や、就業規定に破産者は解雇すると記載がある場合、この限りではありません。
破産手続き前は、必ず職場に相談して然るべき対処を取りましょう。
最後に、自己破産で資格制限を受ける職業についておさらいします。
- 弁護士
- 司法書士
- 税理士
- 公認会計士
- 警備員
- 宅地建物取引士
- 公証人
専門家に相談すれば、自己破産以外の方法が見つかる可能性もありますので、まずはプロに相談しましょう!