「借金の解決方法について調べてみたら、『債務整理』や『個人再生』とかの言葉が出てきた」
「債務整理、個人再生ってなに?」
「自己破産みたいなもの?いったい何が違うのかな」
あなたはこんな疑問を抱いていませんか?
借金に関しては響きの似た専門用語が多く、混乱してしまう人も多いでしょう。
この記事では、債務整理と個人再生の違い、また個人再生の特徴やメリット・デメリットについてわかりやすく解説していきます。
それでは本題に入っていきましょう。
Contents
「債務整理」の方法のひとつが「個人再生」
さっそく、「債務整理」と「個人再生」の違いについて結論をお伝えします。
「債務整理」とは、借金を法的に解決する方法をひとまとめにした呼び方です。
そして「個人再生」とは、債務整理の方法のうちのひとつです。
債務整理にはほかにもいろいろ方法があり、大きく分けて以下の4種類があります。
- 任意整理: 弁護士などを通じて、債権者と借金の減額や返済期限延長について交渉を行う。
- 特定調停: 裁判所に申し立て、債権者と借金の減額や返済期限延長について交渉を行う。
- 個人再生: 裁判所に申し立て、借金を5分の1から最大10分の1程度に減らす。
- 自己破産: 裁判所に申し立て、借金をゼロにする。
申し立て先や手続きの目的によって、名称が分かれているんですね。
債務整理と個人再生の違いがおわかりいただけたでしょうか?
次は、個人再生そのものについて詳しく見ていくことにしましょう。
債務整理のひとつ、個人再生とはどのような手続き?
個人再生とは、裁判所に申し立てをして、借金の返済額を5分の1から最大10分の1程度まで減らす方法のことです。
任意整理や特定調停よりも、かなり大幅な借金の減額ができるのが特徴です。
自己破産と比較すると、借金がゼロになるわけではありませんが、家や車などの高額な資産を手元に残せる点で優れていると言えるでしょう。(*場合によっては家を処分しなければならないケースもあり)
個人再生は、手続きにかかる時間が1年から1年半ほどと、債務整理の中でも最も長いです。
しかし、マイホームを手放さずに経済的な立て直しができるメリットも大きく、返済困難な借金を抱えている方には魅力的な債務整理の方法に違いありません。
個人再生にはどんなメリットがある?
個人再生のメリットには、以下の3つが挙げられます。
- 元本も含めて借金を大幅に減らせる
- 家や車を手元に残せる
- 借金の督促が止まる
順に解説していきましょう。
元本も含めて借金を大幅に減らせる
任意整理や特定調停など、自己破産を除いた債務整理のほかの方法では、借金の利子の部分しか減額ができません。
しかし個人再生ならば、元本分も含めて借金を5分の1から最大10分の1にまで減らすことができるのです。
利子だけ減らしても完済までは程遠いという方にとっては、とても頼りになる制度ですね。
家や車を手元に残せる
自己破産を使えばほとんどすべての借金をゼロにできますが、家や車などの高額な資産は処分しなければなりません。
その点、個人再生では家や車を手元に残したまま債務整理することも可能です。
マイホームに関しては「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」という決まりがあり、住宅ローンを引き続き支払い続けることを条件に、家を手放さずに債務整理ができます。
ただし、住宅ローンをすでに完済している場合、借金の額などの諸条件によっては家を売却する必要が出てくることもあるので注意してください。
また、ローンを支払い済みの車も手放す必要はありません。しかし、カーローンが完済しきっていない場合は、ローン会社に車を引き上げられてしまうのが原則となります。
なおスポーツカーなど非常に資産価値の高い車を所有している場合も、借金返済のために売却を迫られることがありますので、こちらもご注意ください。
借金の督促が止まる
個人再生に限った話ではありませんが、債務整理の手続きを始めると、借金の取り立てや督促がすべてストップします。
債務整理が始まると、依頼を受けた司法書士や弁護士が、債権者(銀行や消費者金融など)に「受任通知」という書類を送付します。
債権者のもとに受任通知が届いてからは、債務者本人と直接連絡することはできず、必ず代理人(司法書士や弁護士)を通さなければいけないという決まりになっているのです。
この規則は貸金業法という法律で定められており、もしも無視して勝手に督促をしたり、強引な取り立てをしたりすると、懲役や罰金などの厳しい処分を課せられる可能性があります。
そのため、督促の電話がきたり郵便が届いたりすることも、業者が取り立てにやってくることもなくなるのです。
毎日激しい取り立てにあって困っている人は、個人再生をすれば安心した暮らしを手に入れられますよ。
個人再生にはどんなデメリットがある?
個人再生にはいい点ばかりではなく、少なからずデメリットも存在します。
具体的には以下の4つです。
- 完済後5〜10年はローンを組んだりクレジットカードを作ったりできない
- 債務整理していることが同居の家族にバレてしまう
- 手続き完了までに時間がかかる
- 保証人に迷惑をかけることになる
こちらも順番に解説していきましょう。
完済後5〜10年はローンを組んだりクレジットカードを作ったりできない
個人再生の手続をすると、信用情報機関へ事故情報が登録されます。わかりやすく言うと「ブラックリスト入り」です。
こうなった場合、借金の完済後5〜10年は新しくローンを契約したり、クレジットカードを作ったりすることができなくなってしまいます。
これは個人再生に限らず、あらゆる債務整理に共通して言えるデメリットですので、あらかじめ理解しておいてください。
債務整理していることが同居の家族にバレてしまう
個人再生の手続きの間は、様々な書類が裁判所から自宅に届きます。
そのため、同居している家族にはあなたが債務整理していることがバレてしまうのです。
どうしても借金のことは家族に隠したまま債務整理したいという場合は、裁判所を通さない「任意整理」を使いましょう。
任意整理ならば、債務者本人と弁護士や司法書士との間で手続きが進みますので、余計な書類が自宅に届かないようにしながら債務整理することも可能です。
手続完了までに時間がかかる
個人再生の手続き完了までに要する時間は1年から1年半程度であり、債務整理の中では最も長い時間がかかります。
任意整理ならば3ヶ月から半年、自己破産ならば半年から1年ほどで手続きが終わるので、それらと比べてもかなり長いことがわかりますね。
手続きが終わってからも、減額された借金を返していく必要がありますので、完済までにはさらに3〜5年ほどかかるでしょう。
とはいえ、借金を大幅に減らせるメリットも大きいです。
手続きにかけられる時間や借金総額と相談しながら、どの債務整理の方法が最適なのか考える必要があります。
保証人に迷惑をかけることになる
個人再生では、どの借金を債務整理するかを選べません。
すべての借金について債務の減額を行い、返済計画を立てることになります。
そのため、保証人のいる借金を抱えている場合は、減額された分の借金を保証人が代わりに返済しなければなりません。
保証人に迷惑をかけたくないという方は、「任意整理」なら保証人のついている借金を自力で返済することにし、債務整理の対象から外すこともできます。
個人再生が適している・適していないのはこんな人
以上のメリットとデメリットをふまえて、個人再生が適している人とそうでない人についてまとめましょう。
まず、これらの条件に当てはまる人は個人再生が適しています。
- 元本を含めて借金を減らせば返済の見込みがある人
- 売却したくない家や車などの資産がある人
- 手続きに時間をかけられる人
- 借金に保証人がついていない人
利子だけ減っても返済できないが、元本まで減らせればなんとか完済できそうという方は、個人再生を検討してみてください。
また、愛着のある家や車があり手放したくないという方にも、個人再生が適しているでしょう。
逆に、個人再生があまり適していないのはこのような人です。
- 家族に内緒にしたまま債務整理をしたい人
- 保証人に借金を肩代わりさせたくない人
個人再生では、裁判所からの手紙届くため、手続きの過程でどうしても同居の家族に借金のことがバレてしまいます。
また、減額された借金は保証人が代わりに払うことになるのも気になる人がいるでしょう。
こうしたデメリットを避けたい方には「任意整理」のほうが向いています。
まとめ: 個人再生は債務整理の種類のひとつ。資産を残したまま借金を大幅に減らせる手続きです
「個人再生」は、いくつか存在する「債務整理」の種類のひとつです。
家や車などの資産を残したまま、借金を5分の1から10分の1ほどに減らせるのが大きな特徴です。
家族に借金のことがバレてしまう、保証人に迷惑がかかってしまうなどのデメリットはありますが、借金を大幅に減らせるメリットも大きなものがあります。
個人再生をすべきかどうか自分だけで判断するのは難しいため、ぜひ一度、借金問題に詳しい法律の専門家に相談してみましょう。
初回の相談は無料で受けてくれる法律事務所も多いです。
借金問題の解決には一日でも早い行動が大切です。借金から解放された生活を手に入れるために、まずは問い合わせをするところから動き出してみてください!