「マンション経営に挑戦してみたけど利益が出ず、借金だけが残ってしまった」
「不動産投資で作った借金は債務整理できないと聞いたことがあるけど、本当かな?」
こんな悩みや疑問を抱えてはいませんか?
一昔前は多額の資金がないと難しいと思われていた不動産投資ですが、最近はマンションのワンルーム経営など規模の小さい投資もあり、サラリーマンでもチャレンジする人が増えています。
しかし、常に利益が出るとは限らないのが投資の難しいところです。
中には、自己資金だけでは足りずに融資を受けて始めたものの、思うように儲からず返済の見込みがないという方もいるでしょう。
この記事では、不動産投資で作った借金を解決する方法について詳しく解説していきます。
いままさに借金で苦しんでいる方はもちろん、これから不動産投資を始めたいという方も、ぜひ参考にしてください。
それでは本題に入っていきましょう。
Contents
不動産投資の借金を解決する方法は大きく分けて2つ
不動産投資で作った借金であっても、正しく対処すれば解決することができます。
方法は大きく分けて次の2つです。
- 手持ちの不動産を売却する
- 債務整理する
不動産投資の借金でも債務整理できますので、ご安心ください。
ですが、債務整理は大きく借金を減らせる一方でデメリットも大きいので、まずは手持ちの不動産の売却から検討したほうがよいでしょう。
次は、それぞれの方法について詳しく見ていきます。
解決策1: 不動産が競売にかけられる前に「任意売却」する
借金の返済が難しくなった場合、不動産を自ら売却することで現金化し、まとまった額を返済することができます。これを「任意売却」と言います。
任意売却する際のポイントは、返済が滞る前に早めに売却することです。
なぜかというと、ローンの返済が滞ると債権者(銀行など)が不動産を競売にかけ、相場より安い値段で売られてしまうからです。
競売になってしまうと、任意売却に比べて売却後の手残りが少なくなってしまうため、事態はより悪化してしまいます。
その点、任意売却なら相場通り、うまくいけばそれ以上の価格で売ることができ、借金の返済が楽になります。
投資に失敗した場合、早めに撤退を決断することも大切です。融資の返済ができないと感じたら、まずは任意売却を検討してみましょう。
- 不動産投資に失敗したと感じたら、まずは不動産の任意売却を検討しよう
- 借金返済が滞ってからだと競売にかけられ、安い値段で売られてしまう。売却の決断は早めにしよう
解決策2: 法律の専門家に相談して「債務整理」を行う
様々な事情で任意売却ができないという方には、法的に借金を解決する「債務整理」という方法もあります。
債務整理と一口に言っても様々なやり方があり、主に次の3つに分けられます。
- 任意整理: 弁護士などを通じて債権者と交渉する
- 個人再生: 裁判所に申し立て、借金を大幅に減らす
- 自己破産: 裁判所に申し立て、借金をゼロにする
いずれの場合も借金の大幅な減額が期待できますが、信用機関情報への登録(いわゆる「ブラックリスト入り」)がなされ、完済から5〜10年は新規のローンが組めなくなる、クレジットカードが作れなくなるなどのデメリットがあるのでご注意ください。
では、それぞれの方法の違いについて詳しく解説していきましょう。
任意整理: 返済期日や利子の返済について、債権者と交渉する
債務整理の3つの方法の中で、もっとも簡素な手続きと言えるのが「任意整理」です。
弁護士など法律の専門家を通じて債権者と交渉し、借金の返済を楽にする方法です。
3つの方法の中で唯一裁判所を通さないので、費用も時間もかからず、また家族にも知られずに債務整理できるというメリットがあります。
交渉の内容は、返済期日を伸ばしたり将来発生する利子をゼロにしたりする範囲にとどまることが多く、元本の返済は変わらないことがほとんどです。
また”任意”整理という名前の通り、交渉に応じてくれるかは相手次第です。相手方の対応によっては合意ができない場合もあるので注意してください。
- 任意整理をすると、返済期日の延長や、利子の支払いの減額が期待できる
- あくまで「任意」なので、債権者が交渉に応じてくれるかはわからない。合意できないこともある
個人再生: 裁判所に申し立て、借金を大幅に減らす
任意整理の範囲だけでは借金が返済できない場合、「個人再生」という方法もあります。
個人再生とは、裁判所に申し立てを行い、借金を5分の1から最大10分の1にまで減らす方法です。
任意整理よりも費用や時間はかかりますが、その分、借金減額効果は大きくなります。
また後述する「自己破産」と異なり、家や車などの高額な資産を手放さなくてすむのも大きなメリットです。
家族と暮らしているマイホームがあり、それがなくなると困るという方は、個人再生を選ぶのが良いでしょう。
なお個人再生を行うにはいくつか条件があり、その1つが「借金の総額が5000万円以下でなければならない」というものです。
ですので、あまりに多額の借入をしている場合には個人再生ができないことになります。
ただしこの「5000万円以下」というのは単純な借入金額ではなく、様々な計算を行ったあとの金額です。
これ以上の借金があっても個人再生できるかもしれませんので、自分だけで判断せず、まずは法律の専門家に相談してみましょう。
- 個人再生すると、借金が5分の1から最大10分の1に減る。家や車を手放さなくても大丈夫
- 借金総額が5000万円以下でないとできない。まずは専門家に相談しよう
自己破産: 借金がゼロになる!しかし条件は厳しくデメリットも大きい
最後に「自己破産」について紹介します。
これは、裁判所に申し立てを行って借金をゼロにしてしまうという、債務整理の中でももっとも強力な方法です。
その分デメリットも大きく、家や車などの高額な資産が没収されたり、手続き中は一部の職業に就けなくなったりするなどの制限が存在します。
しかし借金がなくなるメリットも大きいので、どうしても借金返済で首が回らない人は、自己破産を検討する価値があるでしょう。
ただし厳密な話をすると、不動産投資で作った借金は自己破産の対象にならない可能性が高いです。
どんな借金でも自己破産で簡単にチャラにできては困るので、破産法という法律によって、「免責不許可事由」(自己破産できない場合)が定められています。
それによると「浪費や賭博による借金は、自己破産の対象にならない」とされているため、不動産投資も賭博の一種に該当し、原則として自己破産の対象にはならないと考えた方が良いでしょう。
しかし実際には、十分に反省しており経済的更生の余地があると判断された場合、裁判所の運用によって、不動産投資による借金でも自己破産が認められる場合があります。
賭博は免責不許可事由ですが、不動産投資は名前の反面実質「不動産賃貸業」という事業的側面が強く、所有物件や内容によっては賭博よりも事業であるとみなされる可能性も考えられるでしょう。
自己破産を認めてもらうために何が必要かはケースによって異なるので、一度法律の専門家に相談してみましょう。
- 自己破産すると、借金がゼロになる。しかし家や車などが没収され、手続き中は一部の職業に就けなくなる
- 不動産投資の借金は、厳密には自己破産の対象外。ただし裁判所の判断で認めてもらえることもある
まとめ: 不動産投資の借金も債務整理できるが、まずは早めに任意売却を検討しよう
不動産投資で作った借金でも、問題なく債務整理することは可能です。
任意整理や個人再生をすれば大幅に借金を減らせますし、場合によっては自己破産してゼロにできる可能性もあるでしょう。
しかし債務整理をすると完済から5〜10年は新規のローンが組めなくなる、クレジットカードが作れなくなるなど、デメリットも大きいです。
まずは不動産の任意売却で解決できないか検討し、それでも無理なら債務整理を考えるのが良いでしょう。
債務整理する際には、法律の専門家の手助けが不可欠です。
初回相談無料の法律事務所もありますので、まずは問い合わせをするところから、問題解決の第一歩を踏み出してください。