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ビアイジの借金を債務整理する際の6つの注意点
債務整理を行うと信用情報に傷がつきます。いわゆる「ブラック情報」が掲載されるからです。
「任意整理」・「個人再生」・「自己破産」を行うと、通常は、5~10年は、貸金業者や銀行から新規の借金ができなくなります。
しかし、債務整理で借金の問題を解決した後でも、急な出費や減収といった事情で、「お金が足りない」という事態は起こりえます。
消費者金融の「ビアイジ」は、「ブラック情報のある人」でも借りられることのある消費者金融としてよく知られています。
いわゆる「喪明け前」(ブラック情報が消える前)の債務整理は、難しいことが少なくありません。
この記事では、いくつかの具体的なケースごとに債務整理の注意点を説明していきます。
また、『複数の消費者金融から借金をしている。』
『返済の為に、ほかの会社からお金を借りている。』
このような状況まで状態が悪化している方は、既に黄色信号が点滅している状態です。
手遅れになる前に、今すぐに法律事務所に相談を行ってください。
それでは解説をしていきます。
「ビアイジ」について
「ビアイジ」は全国に8つの支店(札幌・旭川・帯広・弘前・八戸・秋田・広島・福岡)をかまえる中堅の消費者金融です。
本店は、京都にあるのですが、貸金業登録との関係で、次の地域でしか営業していません。
・北海道:全域
・東北地方:青森県・岩手県・秋田県・山形県(宮城県・福島県は含まれません)
・中国地方:広島県・岡山県・島根県・山口県(鳥取県は含まれません)
・九州地方:福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県(沖縄県は含まれません)
一部のウェブサイトでは、「ビアイジはヤミ金」との情報を見受けますが、きちんとした登録業者です。
「ビアイジ」の登録番号は、「近畿財務局長(12)第00546号」です。
登録番号の( )の数字は、貸金業登録の更新回数です。
貸金業登録は3年に1度更新する必要があります(新規登録時は(1)と表記されます)。
したがって、ビアイジは30年以上の営業実績がある登録業者であることがわかります。
「ビアイジ」の借金は債務整理できるか?
ビアイジは、「正規の登録業者」です。
したがって、「過払い金の返還」や「債務整理」にもきちんと対応してくれます。
正規の登録業者は、法律や監督官庁(金融庁や財務局)の指導・ガイドラインに従わなければ、営業停止・登録取消し・更新拒否といった不利益を受けるからです。
ビアイジは、既に貸金業登録を11回更新している(2017年12月現在)ので、法律を守って営業していると評価できるでしょう。
下で詳しく説明するような「特別の事情」がない、「通常の債務整理」であれば、ビアイジの借金も問題なく解決できるはずです。
なお、貸金業法(21条)や金融庁のガイドラインでは、次のような行為は禁止されています。
万が一、そのような事態にあったときには、弁護士・司法書士に相談する、財務局の担当窓口に相談する等の措置をとってください。
「ビアイジ」を債務整理する際の注意点
冒頭でも触れたように、「ビアイジ」は、「ブラックでも借りられる」ことで、よく知られています。
実際にも、ビアイジから借金する人は、「ブラック情報があり他社では借金できない」人が多いと思います。
「ブラック情報が消えていない」ということは、前回の債務整理から5(~10)年以内ということになります。
前回の債務整理から年数の経っていない「再度の債務整理」は難しいことが少なくありません。
債務整理とブラックリストの関係については、下記ページで詳しく解説をしています。
現在「任意整理中」の方がさらに任意整理(再和解)することは難しい
任意整理は、「私的な自由交渉」なので、特に法律上の制限はありません。
したがって、他社を任意整理中に、「ビアイジも含めて全部任意整理する」ことも不可能ではありません。
しかし、たとえば、アコムとプロミスを任意整理中に、ビアイジから借金をして、「3社すべてを任意整理する」ことは、実際には難しいことが多いでしょう。
アコムとプロミスが「再度の任意整理(再和解)」に応じてくれない可能性が高いからです。
また、「ビアイジだけを任意整理」しても、結局返済に行き詰まることが少なくないでしょう。
任意整理中にビアイジから借金したケースでは、「ビアイジの借金」よりも「任意整理の返済」の方が深刻であることが少なくないからです。
任意整理については下記ページで詳しく解説をしています。
参考⇒任意整理のメリットとデメリット~債務整理で1番多い手続きの注意点
現在「任意整理中」の小規模個人再生は難しいケースが多い
「ビアイジだけ」を任意整理しても解決できないケースでは、任意整理中の借金も含めて個人再生することが考えられます。
しかし、小規模個人再生が認められるためには、「債権者の消極的同意(民事再生法230条6項)」が必要です。
任意整理中に「他社からさらに借金」することは、前からの債権者にとってみれば「裏切り行為」です。
これらの債権者に反対されれば「再生計画は不認可」となってしまいます。
個人再生については下記ページで詳しく解説をしています。
参考⇒個人再生は家を残せる大きなメリットがあるが2つのデメリットもある
サラリーマン・公務員なら「給与所得者等再生」でまとめて債務整理できる
「債権者から反対される可能性が高いケース」でも、サラリーマンや公務員といった「安定した収入」のある方であれば、「給与所得者等再生」で解決することが可能です。
給与所得者等再生は、再生計画の認可に「債権者の同意は不要」の手続きです。
しかし、給与所得者等再生では、小規模個人再生を利用したときよりも返済額が「かなり多額」になることが少なくありません。
「小規模個人再生よりも多く返済するから同意が不要」の手続きであると理解しておいて良いでしょう。
詳しくは、弁護士・司法書士に問い合わせてください。
現在「再生計画を履行中」ケース
「再生計画履行中にしてしまったビアイジの借金」は、任意整理で解決するほかありません。
しかし、「『再生計画の履行に行き詰まって』ビアイジから借金した」ケースでは、「2重の返済」になるので、決して簡単ではありません。
仮に、ビアイジからの借金のために、「再生計画を延滞」すれば「再生計画が取り消される」可能性があります(民事再生法189条)。
再生計画が取り消されると、再生計画認可で受けた「借金減額の効果」がなくなります。
元に戻った借金は返済できませんので、通常は自己破産するほかありません。
再生計画が取り消されたときには、裁判所が「職権」で破産手続きを開始することがあります。
これを牽連破産(けんれんはさん)といいます(民事再生法250条1項)。
「マイホームを失わないため」に個人再生を選択した方は少なくありません。
しかし、牽連破産となれば、裁判所の職権で「マイホームを失う」ことになります。
「勤め先の都合や急な病気による失職・減収」で再生計画の履行が難しくなったときには、「再生計画の変更(民事再生法234条)」や「ハードシップ免責(民事再生法235条)」で救済してもらえる可能性があります。
「免責確定」から7年経過していない方の債務整理
自己破産して免責されると、貸金業者からは5年間、銀行からは10年間借金ができなくなります。
「ビアイジ」では、「ブラック情報が残っていても支払能力があれば」借金できます。
しかし、免責確定から「7年」を経過していないときには、再度の自己破産をしても「免責不許可」となる可能性があります。
「過去の破産免責から7年経過していないこと」が免責不許可事由とされているためです(破産法252条1項10号イ)
なお、免責不許可事由があれば「絶対に免責不許可」というわけではありません。
「裁量免責(破産法252条2項)」で免責してもらえる可能性があります。
免責不許可事由のあるケースでは、「同時廃止事件」ではなく「管財事件」として取り扱われます。
そのため、自己破産にかかる費用が高額(予納金30万円以上)となるので注意が必要です。
「破産免責」・「個人再生後」7年は「給与所得者等再生」を利用できない
「任意整理中にビアイジから借金したとき」は、「給与所得者等再生」で債権者の同意なしでも債務整理できることは、上でお話したとおりです。
しかし、過去に「破産免責」、「再生計画の履行による免責」を受けた人は、給与所得者等再生が利用できないことがあります。
給与所得者等再生は、次の起算日から7年間は利用できません(民事再生法239条5項)。
上記期間の経過前に給与所得者等再生を申し立てた際には、「小規模個人再生」か「申立て棄却」のいずれかの措置となります。
要するに、「裁判所で借金を減免してもらって間もない」債務整理には、「債権者の同意が必要不可欠」ということです。
「ビアイジ」の債務整理は、債務整理の「実績豊富」な弁護士・司法書士に相談
「ビアイジ」を債務整理するケースでは、様々な難しい事情があることが少なくありません。
しかし、ビアイジの借金を含めた問題も決して解決できないわけではありません。
なお、ウェブ上には、自己破産・個人再生後7年は、「自己破産・個人再生は全く使えない」と説明している記事があります。
しかし、これは正しい情報ではありません。
「裁量免責の可能性」はありますし、「債権者の反対がなければ」小規模個人再生も可能です。
決して簡単ではありませんが、解決できる可能性は残されています。
「ビアイジからの借金」で困ったときには、借金の問題をさらに深刻にする前に、「債務整理の経験豊富な」弁護士・司法書士に相談してください。