「アコムは任意整理に応じてくれるの」
「任意整理の交渉がうまくいかない場合の対処法を知りたい」
アコムは大手消費者金融なので、任意整理の交渉を断られるケースはほとんどありません。とはいえ、債務者の要望通りの条件では、和解が成立しないケースもあるでしょう。
この記事では以下について解説します。
- アコムの任意整理の対応状況
- 具体的な和解条件
- 応じてもらえない場合の対処法
アコムの借金を任意整理した際の対応についてわかるので、交渉する際の不安も和らぐでしょう。任意整理後の注意点も解説するので、ぜひ最後まで読んでみてください。
Contents
アコムは任意整理に応じるケースが大半
大手消費者金融のアコムは、インターネット・専用のATM・コンビニなどから借り入れや返済ができます。
便利な反面、アコムからの借金が返済できずに悩んでいる方もいるでしょう。そのため、なかには、任意整理を検討している方もいるのではないでしょうか?
任意整理とは、利息のカットや返済期間について債権者と交渉して、借金の負担を減らす方法です。
アコムは大手消費者金融のため、任意整理の交渉には応じてくれます。とはいえ、借金の負担を減らせるかは交渉次第といえるでしょう。
任意整理する際のアコムの対応
近年、アコムの任意整理の和解条件は厳しくなりつつあります。そのため、任意整理の交渉をした際に、どのような対応をされるのか不安を感じている方も多いのではないでしょうか?
そこで、アコムの任意整理に対する対応の傾向について解説します。
- 将来利息のカットや返済期間の延長は応じてもらいやすい
- 過払い金がある場合も返金に応じてもらえる
- 経過利息や遅延損害金のカットは厳しい傾向がある
- 5年を超える分割払いには応じてくれない
- 取引期間が短いケースでは、家計状況を細かく聞かれる
それぞれの特徴を見ていきましょう。
1.将来利息のカットや返済期間の延長は応じてもらいやすい
任意整理の交渉をした際に、アコムが応じてくれる可能性の高い条件は、以下の2つです。
- 将来利息のカット
- 返済期間の延長
将来利息とは、任意整理の和解成立日以降に発生する利息です。将来利息のカットには応じてくれる可能性が高いため、借金の利息が増え続ける心配はありません。
そして、返済期間を3〜5年に延ばせる可能性もあります。返済期間が延びれば、毎月の返済額も減らせます。
たとえば、借金が100万円(将来利息はカット)あるときに、返済期間が1年と3年でどのくらい負担が違うのか考えてみましょう。
返済期間 | 毎月の返済額 |
---|---|
1年 | 約83,333円 |
3年 | 約27,777円 |
返済期間を延ばせれば毎月の返済額をかなり減らせるため、生活も少し楽になるでしょう。
2.過払い金がある場合も返金に応じてもらえる
借金の返済期間が長期間続いている場合や完済日から10年が経過していない場合は、過払い金が発生しているかもしれません。
過払い金の発生に気づいた場合、時効を迎える前に過払い金請求を行えば、支払いすぎた利息を取り戻せます。
ケース | 時効により過払い金を取り戻せなくなる時期 |
---|---|
すでに借金を完済した | 完済日から10年 |
2020年4月1日以降に完済した | 10年 |
現在も借金の返済を続けている | 5年 |
ただし、過払い金請求をするためには、アコムと交渉をしなければなりません。
自分で交渉した場合、交渉での解決・裁判所での決定にかかわらず、過払い金を満額返還してもらえないケースがほとんどです。
過払い金を満額取り戻したいのであれば、弁護士や司法書士へ相談するのをおすすめします。
3.経過利息や遅延損害金のカットは厳しい傾向がある
任意整理の交渉をした際、経過利息と遅延損害金のカットには応じてくれないケースが多い傾向です。
経過利息とは、最後に返済した日から交渉で和解が成立した日までに発生する利息です。
また、借金を延滞した際に発生する遅延損害金についても、交渉に応じてくれない可能性があります。
4.5年を超える分割払いには応じてくれない
従来、アコムは返済期間が5年を超える分割払いに応じてくれました。しかし、近年は5年を超える期間の分割払いに応じてくれない傾向があります。
さらに取引期間が短い場合は、返済期間も少ない回数でしか交渉に応じてくれません。
取引期間 | 分割払いの回数 |
---|---|
3年未満 | 36〜48回前後 |
1年以下 | 12〜24回前後 |
必ず3〜5年に返済期間を延ばせるわけではないので、注意が必要です。
5.取引期間が短いケースでは、家計状況を細かく聞かれる
アコムでは、取引期間が1年未満など著しく短いケースでも、任意整理の交渉に応じてくれる可能性があります。
ただ、取引期間が短い場合は、総債務額・収入・家計の状況などを詳しく聞かれます。
加えて、将来利息の全カットに応じないケースもあるので注意してください。とはいえ、その場合でも、請求される利息は年5%程度です。
したがって、借金を放置するよりも、返済負担は軽くなります。
アコムが任意整理に応じない3つのケース
アコムは大手消費者金融であるため、基本的に任意整理の交渉に応じてくれます。しかし、以下のようなケースでは、任意整理に応じない可能性があります。
- 取引期間が極端に短い
- 3〜5年で返済ができないと判断された
- アコムからの督促を無視し続けた
それぞれのケースについて解説します。
1.取引期間が極端に短い
アコムとの取引期間が極端に短いケースでは、どうしても交渉が難航するでしょう。
任意整理自体を断られるケースは少ないものの、家計の収支などを細かく聞かれたり、将来利息のカットに応じなかったりする恐れがあります。
さらに、3年を大幅に下回る期間での分割払いを提示されるでしょう。
2.3〜5年で返済ができないと判断された
任意整理は、原則3〜5年で返済しなければなりません。そのため、5年を超える期間での分割払いを提示してもほとんど応じてくれないでしょう。
また、無職のように安定した収入がない方も、任意整理に応じない恐れがあります。
任意整理には、法的拘束力がないため、アコム側も交渉に応じる義務はありません。
アコムの提示した期間での返済ができそうにないのであれば、任意整理ではなく個人再生や自己破産など別の債務整理を検討しましょう。
3.アコムからの督促を無視し続けた
借金を滞納し続けた場合、電話や書面で督促をされます。督促をされても、すぐに返済を行えば、大きな問題にはなりません。
しかし、返済ができないからと無視をし続けた場合、アコムは任意整理に応じてくれないかもしれません。
特にアコムが強制執行の手続きを開始すると、任意整理の相談をしても対応してもらえない恐れがあります。
なぜなら、任意整理に応じても、返済してくれる可能性が低いと判断されるかもしれないからです。
そのため、アコムから督促がきた際に、放置はしないでください。
なお、督促状が来た際の正しい対応策については「オリックス銀行カードローンが返せない!督促状や電話が来た時の対応策」で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
アコムが任意整理に応じてくれない場合の対処法を解説
任意整理の交渉を自分で行った結果、交渉がうまくいかないケースもあるでしょう。
そして「取引期間が短い」「督促を無視し続けた」といったケースでは、任意整理に応じてくれない可能性もあります。
その場合は、以下のいずれかの方法で、借金の負担を減らしましょう。
- 弁護士や司法書士に相談する
- ほかの債務整理に切り替える
それぞれの方法について詳しく解説します。
1.弁護士や司法書士に相談する
独力でアコムと交渉して失敗しても、諦める必要はありません。弁護士や司法書士に依頼すれば、再度交渉に応じてくれる可能性があります。
ただし、必ずしも和解条件が軟化するわけではない点は覚えておきましょう。
また、自分でアコムと交渉した結果、和解が成立したものの、返済がうまくいかないケースもあるでしょう。
この場合でも、弁護士や司法書士を通して、任意整理の交渉は可能です。とはいえ、一度決めた約束を果たせなかったことに変わりはないため、交渉が難航するリスクはあります。
2.ほかの債務整理に切り替える
任意整理で解決ができない場合は、個人再生や自己破産への切り替えも検討しましょう。
借金額が多い場合、3〜5年での返済が難しいからです。個人再生なら借金の減額、自己破産の場合は借金全額の免責が受けられます。
以下のようなデメリットもあるので、よく考えて検討してください。
個人再生のデメリット |
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自己破産のデメリット |
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任意整理後に注意すべき3つの点を解説
アコムと任意整理の交渉を行い、和解が成立すれば、後は返済を続けていくだけです。
ただし、アコムで任意整理をする際は、以下の点に注意してください。
- 信用情報機関に5年間登録される
- アコムはもちろん関連会社からは生涯借りられなくなる
- 三菱UFJ銀行の口座が凍結される恐れがある
順番に見ていきましょう。
1.信用情報機関に5年間登録される
アコムの借金を任意整理すると、信用情報機関にその情報が登録されます。
信用情報機関 | 情報が残る期間 |
---|---|
JIC | 5年 |
JICC | 5年 |
KSC | 5年 |
情報が登録されている間は、クレジットカードや各種ローンの契約が一切できません。なぜなら、各金融機関は審査の際に、信用情報機関の情報を照会するからです。
しかし、信用情報機関の登録から5年が経過すれば、自動的に記録は抹消されます。そのため、情報抹消後は、カードやローンの契約も可能です。
2.アコムはもちろん関連会社からは生涯借りられなくなる
信用情報機関の情報が抹消されても、アコムとその関連会社からは生涯借金ができなくなります。
というのも、社内情報にずっと任意整理を行った記録が残るからです。信用情報機関の抹消後、アコムへキャッシングを申し込んでも審査に落ちるでしょう。
またアコムは、三菱フィナンシャル・グループの一員です。したがって、関連会社や保証会社として審査を行っている金融機関では、審査に落ちる可能性が高くなります。
たとえば、以下の金融機関では、カードやローンの契約は難しくなるでしょう。
- 三菱UFJ銀行
- 北海道銀行
- セブン銀行
- じぶん銀行
- ソニー銀行
2021年5月1日時点で保証提携先は30行です。保証提携先の一覧はこちらから確認できます。
3.三菱UFJ銀行の口座が凍結される恐れがある
アコムとは別に親会社である三菱UFJ銀行カードローンからもお金を借りている場合、注意してください。
アコムの借金を任意整理すると、三菱UFJ銀行カードローンの口座が凍結される可能性があります。
三菱UFJ銀行が口座を凍結する目的は、口座にある預金と返済できていない借金の相殺です。
借金が100万円、銀行口座に40万円ある場合は、以下のように相殺されてしまいます。
100万円(借金)-40万円(預金)=60万円(残りの借金)
また、一度口座凍結されると、3ヵ月前後口座を利用できません。銀行口座への給料の振込もできなくなるので、事前に振込先を変えておいてください。
アコムからの借金が返済できない場合は早めに相談しよう
アコムは、任意整理にまったく応じてくれないわけではありません。とはいえ、任意整理の交渉が難航するケースもあります。
また、近年アコムの任意整理における和解条件は、厳しくなりつつあります。借金を放置し続けて、誰にも相談しなければ、さらに条件が厳しくなるかもしれません。
返済が難しいと感じた場合は、弁護士や司法書士に相談してください。武村法律事務所では、債務整理専用窓口(050-3144-0520)で無料電話相談を承っています。
24時間対応しているので、お気軽にご相談ください。