借金を踏み倒す方法はあるのか?6つのリスクと借金問題を解決する3つの方法

「事業に失敗して3000万円の借金があり、もう夜逃げしたい」
「5年前の借金、払えないし時効になっているなら踏み倒せる?」

あなたは、こんな悩みを抱えていませんか?

返済できない多額の借金と苦痛から一刻も早く逃れたくて、いっそのこと夜逃げして借金を踏み倒そうか、という考えが脳裏をよぎっているのではないでしょうか?

または、5年で借金は時効になると聞いたことがあるし、このまま放置すれば返済せずに済むかもしれない、とひそかに思っているのかもしれません。

借金を踏み倒すのは決して簡単なことではなく、数々の大きなリスクが伴います。

結論から言うと、現実的に借金を踏み倒すのは、かない難しいと言わざるを得ません。

しかし、借金を踏み倒さずとも、借金を減額したり、なくしたりできる方法はあるのです。

そこで今回は、

  • 夜逃げや時効の成立で借金を踏み倒せるのか?
  • 借金を踏み倒すリスク
  • 借金を踏み倒さずに、合法的に借金問題を解決できる方法

について、詳しく解説していきます。ぜひ最後までお読みください!

Contents

借金の踏み倒しは詐欺罪になる可能性もある

借金の踏み倒しは、場合によっては詐欺罪に問われる可能性もあります。

例えば、最初から全く返済する意思がないのに、口では「必ず返す」と言い借りた場合などです。

詐欺罪が成立するかどうかは、本人の認識がポイント。返済するつもりがないにもかかわらず、ウソをつき人を騙した点が詐欺罪に該当します。罰則は、10年以下の懲役です。

逆に、返済するつもりで借入し、失業や病気が原因で収入が途絶え返済できなくなった場合などは、詐欺罪は成立しません。

借金の踏み倒しは、本人の認識次第で犯罪になるということを覚えておいてください。

夜逃げ・結婚・養子縁組で借金の踏み倒しはできるのか?

夜逃げしたり、結婚や養子縁組で姓を変えたりすることで、借金の返済から逃れられると想像するかもしれません。

しかし、現実的に借金を踏み倒すのは難しいでしょう。ひとつずつ解説していきます。

1. 夜逃げしても住民票でバレる

借金を踏み倒す方法として「夜逃げ」がよく知られています。夜逃げは返済から逃れるというよりも、債権者に権利行使させないために行方をくらますことに意味があります。

しかし、次のような点でコストやリスクの高い行為です。

  • 夜逃げするための費用がかかる
  • 債権者に見つからない保証はない
  • 生活上の不都合や制限が多い

夜逃げするにも、お金は必要です。家族がいれば、夜逃げにかかるコストも高くなります。実際、プロの夜逃げ屋に依頼した場合、債務整理する費用と大差ない費用が請求されることもあるでしょう。債権者に見つからないという保証もありません。

さらに、夜逃げをしても債権者の権利行使は阻止できません。民事訴訟には「公示送達」という制度があり、債務者が所在不明でも訴訟を起こせるのです。そうなると後述しますが、進行していた時効期間がリセットされ、10年に延長されます。

また、夜逃げ先を隠し通すために住民票を移さなければ、生活のさまざまな面で不都合が生じます。

例えば、健康保険が使えない、仕事を探そうにも雇用してもらえない、運転免許の更新ができないといった不便が生じるでしょう。不安にかられて夜逃げを繰り返すようになれば、まさに悪循環です。

夜逃げして借金を踏み倒そうとすれば、長い年月にわたって制限のある不自由な生活を続けることになります。コストもリスクも、かなり高くつくと覚えておいてください。

2. 結婚・養子縁組しても金融業者は戸籍を確認できる

貸金業者は、戸籍法によって債務者の戸籍を調べることが可能です。

結婚や養子縁組で姓や戸籍・住所も変われば、しばらく債権者から督促が来なくなる場合もあるでしょう。

しかし、それも一時的と考えてください。戸籍を調査されると、すぐに同一人物であることは判明します。

結婚・養子縁組をしても、借金を踏み倒すのは難しいといえるでしょう。

消滅時効の成立で借金を踏み倒せるのか?

借金を踏み倒す方法として「時効」を思い浮かべる方もいるかもしれません。ここでは、消滅時効について解説していきます。

消滅時効は5~10年

消滅時効は、借金した時期によって異なります。

1. 2020年3月31日以前に借入した場合

改正前の民法が適用されます。銀行や消費者金融業者などからの借金は、返済期日の翌日から5年が時効期間。

信用金庫・住宅金融公庫や奨学金、知人などからの借入であれば、時効期間は10年になるので覚えておいてください。

2. 2020年4月1日以降に借入した場合

改正後の新民法が適用されます。時効期間は、以下のどちらか早い方になります。

  • 債権者が権利を行使できると知ったときから5年間行使しないとき
  • 債権者が権利を行使できるときから10年間行使しないとき

消滅時効の援用は現実的に厳しい

銀行や消費者金融業者からの借金は、5年で消滅時効が成立します。

しかし「5年返さなけければいいのだから、簡単に踏み倒せる」と考えるのは、大きな勘違いです。

時効期間は、次のような場合にリセットされます。

  • 債権者が訴訟を起こした場合
  • 債権者による差押え、仮差押え、仮処分があった場合
  • 債務者が債務を承認する意思表示をした場合

上記の場合、進行していた時効期間がゼロにリセットされ、訴訟などで支払い義務が法的に確定すると、時効期間が10年に延長されます。

債権者に電話で支払いを強く請求され「もう少し待ってほしい」という返答をするだけで、債務を承認したとみなされるのです。

消滅時効を援用して借金を踏み倒すのは、現実的にかなり難しいと考えた方がよいでしょう。

消滅時効については「消滅時効とは~起算点と消滅時効の援用をするよりも債務整理をすべき理由」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!

借金を踏み倒す6つのリスク

借金を踏み倒すと、次のような6つの大きなリスクを伴います。

  1. 遅延延滞金が発生する
  2. 取り立てが続く
  3. ブラックリストに登録され一生借入できなくなる
  4. 強制執行により財産が差し押さえられる
  5. 連帯保証人・保証人が借金を背負う
  6. 家族や職場に借金がバレる

ひとつずつ解説していきます。

1. 遅延損害金が発生する

返済期限を過ぎても返済できないと、遅延損害金が発生します。発生するのは、支払い期日の翌日からです。

遅延損害金の利率は年14~20%が相場。上限は26.28%です。

例えば、借金額500万円、遅延損害金の利率が20%だとすると、1ヶ月で約8万3,000円、1年で100万円もの遅延損害金が発生します。

5年間返済しなければ遅延損害金だけで500万円になるため、借金は2倍に膨れ上がります。前述のように、5年経過しても消滅時効が完成する可能性は極めて低いことも忘れないでください。

2. 取り立てが続く

借金の返済ができないと、債権者からの取立ては続きます。

催促状が届き、自宅に電話が来るようになります。連絡を無視すると、債権者が勤務先や家族にまで連絡することもあるでしょう。

借金の取り立てが長期間にわたると、精神的なストレスも計り知れません。

3. ブラックリストに登録され一生借入できなくなる

借金を返済しないと、信用情報機関に情報が登録されます。いわゆるブラックリストですね。

通常は適切に対応することで、一定期間経過後はクレジットカードの作成やローンの契約が可能です。

しかし、借金を踏み倒したままでは、情報が一生残ります。登録された情報が消えるのは、滞納が解消されてから5年後だからです。

借金を踏み倒すことで、ブラックリストに登録され続け、一生借入できなくなるのです。

4. 強制執行により財産が差し押さえられる

借金が返済されない場合、最終的には強制執行により財産が差し押さえられます。

給料や預金、マイホームなどの不動産、車などの財産を失うでしょう。特に、給料と預金は費用や手間がさほどかからず確実に回収しやすいため、差し押さえられやすいのです。

銀行口座を差し押さえられると、生活費が引き出せなくなる恐れがあります。不動産を差し押さえられると、物件が競売にかけられる可能性もあるでしょう。

5. 連帯保証人・保証人が借金を背負う

借金を踏み倒そうとして返済しない場合、連帯保証人・保証人が返済義務を背負うことになります。

保証人であれば貸金業者の取り立て対して、まずは主債務者に請求するよう主張できます。しかし、連帯保証人の場合、そういった主張ができません。

現在では、保証人ではなく連帯保証人にすることがほとんど。家族や友人になってもらっているケースが多いでしょう。

保証人にも負担をかけることに変わりありませんが、連帯保証人にはさらに多大な負担と迷惑をかけることになると覚えておいてください。

6. 家族や職場に借金がバレる

債権者からの取り立てを無視していると、家族や職場に借金していることがバレるでしょう。

貸金業法では、家族・知人への返済の要求や勤務先への電話・訪問などは、正当な理由がない限り違法として禁止されています。

しかし、債務者と連絡が取れない場合、正当な理由があるとみなされます。家族や職場に取り立ての連絡が行き、 借金がバレてしまうでしょう。

借金は踏み倒すよりも債務整理の3つの方法で解決する

借金を踏み倒す行為よりも、債務整理という方法で借金問題を解決できる方法があります。債務整理の種類は、次の3つです。

  1. 任意整理
  2. 個人再生
  3. 自己破産

1. 任意整理

任意整理は、最も一般的な債務整理の方法です。

弁護士が債権者と交渉し「利息のカット」「返済期間の見直し」を行います。今後の利息がゼロになることで借金の総額を減らせるため、毎月の返済がしやすくなるでしょう。

家族や職場に任意整理したことを知られるリスクはほぼなく、手続きも比較的簡単です。

注意点としては、信用情報機関に登録されること。新たなクレジットカード作成やローンの契約は難しくなりますが、前述のように借金を踏み倒したままの状態とは異なり、基本的には5年経過後に登録情報は消去されます。

任意整理については「任意整理のメリットとデメリット~債務整理で1番多い手続きの注意点」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!

2. 個人再生

個人再生を行うと、債務の大幅な減額が可能です。

たとえば、債務が3,000万円~5,000万円の場合は10分の1に、1,500万円~3,000万円以下の場合は300万円に減額できる可能性があるでしょう。原則的に、3年で返済します。

自己破産では基本的にマイホームを失いますが、個人再生では住宅ローン返済中であれば家を残せるのも大きな特徴です。

注意点としては、任意整理と同様、個人信用情報に傷がつくことです。個人再生完了から完済後5年間は、基本的に消費者金融からの借入やローンの契約、新規のクレジットカード作成などはできなくなります。

また、個人再生の場合は任意整理と違い、国が発行する官報に名前が掲載されます。周囲の人に個人再生したことがバレてしまうリスクはゼロではありません。

デメリットはあるものの、借金を踏み倒すリスクと比較すると、合法的に借金が減額できるためメリットの方が大きいといえるでしょう。

個人再生については「個人再生は家を残せる大きなメリットがあるが2つのデメリットもある」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!

3. 自己破産

自己破産は、全ての借金が免除される手続きです。借金の返済義務がなくなるので、最も生活を立て直しやすいといえるでしょう。

基本的に不動産や車などの財産は失いますが、生活に必要な家財道具や99万円までの現金や20万円以下の資産は残せます。

ただし、信用情報機関に事故情報が登録記録されるのは、他の債務整理と同様です。新しくローンやクレジットカード作成はできません。

自己破産は、裁判所が免責を決定します。「借金から逃れるためには夜逃げするしかない!」などと考えなくとも、自己破産を行えば合法的に借金から逃れられるでしょう。

自己破産の体験談については「投資に失敗して借金3億円!自己破産をすることで人生をやり直した50代男性の債務整理体験談」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!

借金を踏み倒すよりも弁護士に相談を

夜逃げや時効の成立で借金を踏み倒そうとしても、現実的にはかなり難しいといえます。

借金の踏み倒しに成功する人もまれにいますが、長期にわたって多くのリスクや生活上の制限・不都合を伴います。

借金の踏み倒しを考えている方は、精神的にかなり追い詰められているかと思います。

しかし、合法的に借金問題を解決し、穏やかな生活を取り戻すことはけっして夢ではないのです。借金を踏み倒す方法を考えるよりも、一刻も早く弁護士に相談して解決への一歩を踏み出していただきたいと思います。

債務整理ならアヴァンス法務事務所

アヴァンス法務事務所では、全国から債務整理案件を受託しており、累計23万件以上の実績がございます。借金や過払い金にお困りの方はぜひ一度ご相談ください

アヴァンス法務事務所の無料相談はこちらです。