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生協職員が債務整理をする前の注意点と方法

生協は「消費生活協同組合法(生協法)」に基づいて設立される組織です。

生協職員の身分は、「団体職員」ということになります。

生協という職場は「安定して」、「福利厚生もよさそう」というイメージをもたれがちですが、実際には苦労も少なくないようです。

収入面でも高収入というわけではなく、ノルマなどが厳しいこともあるようです。

特に若い生協職員は、「自由になるお金が足りない」と感じている人も多いかもしれません。

また、地域との結びつきの強い職場なので、「借金していること」、「債務整理したこと」を誰かに知られるのではないかと不安に感じることもあるでしょう。

この記事では、生協職員が債務整理する際の6つのポイントについて説明します。

借金の問題は、深刻になる前に対応すれば、誰にも知られずに、生活にほとんど影響を与えずに解決することが可能です。

また、『自転車操業のような状態が1年以上続いており、借金の元金が減っていない。』

『現在の収入から考えて、完済が厳しいと頭では分かりながらも現実逃避してしまっている。』

このような状態の方は、既にその借金を返済できる見込みはほぼありません。

手遅れになる前に、弁護士や司法書士に相談を行ってください。

 

それでは解説をしていきます。

債務整理を理由に解雇されることはあるのか?

自己破産などの「債務整理をすると勤務先を解雇される」と思い込んでいる人は少なくないようです。

しかし、労働契約法では、「客観的に合理的な理由」のない懲戒や解雇は無効であるとしています(労働契約法15条・16条)。

参考サイト⇒労働契約法 – e-Gov法令

「借金を抱えていること」、「債務整理したこと」だけを理由に懲戒や解雇することは、不当処分・不当解雇となります。

借金が引き金となって処分されかねないケース

懲戒処分や解雇との関係で注意すべきは、「借金が原因で仕事に支障が出てしまう」ことです。

借金が原因で勤務先に著しい不利益や不都合を生じさせれば懲戒や解雇となることはあり得ます。

金策のために無断欠勤した
金策のために休暇を不正取得した
金策のために就業規則に違反して副業を行った
取立ての電話が頻繁にかかってきて、生協の事業に著しい悪影響がでた

生協職員は、組合員のお金を預かる業務も少なくありません。

お金に困ったあげくに、「横領」や「着服」といった犯罪に手を染めてしまっては、解雇どころでは済まなくなります。

借金の問題は、状況が深刻になる前に債務整理で解決しましょう。

生協に相談する

近年、生協では「生活困窮者の支援」に力を入れています。

生協のなかには、生活困窮者向けの貸付制度を用意しているところもあります。

みやぎ生協の「暮らしと家計の相談室」や

グリーンコープの「生活再生貸付」が特に有名です。

みやぎ生協を例にあげれば、貸付上限300万円で利率は年9%です。

借り換えに成功すれば、消費者金融や銀行カードローンに比べて負担は小さくなります。

また、債務整理が必要なケースでは、弁護士・司法書士への取り次ぎも行ってくれることがあります。

お金のことで困ったときには、まずお勤めの生協の制度を確認してみると良いでしょう。

任意整理なら誰にも知られずに債務整理できる

生協は、一般の会社よりも人的な結び付きが強いと思われます。

そのため、「勤務先である生協には借金(債務整理)のことを知られたくない」と考える人も多いでしょう。

債務整理には、「任意整理」、「個人再生」、「自己破産」といった方法があります。

このうち「任意整理」であれば、ほとんどのケースで「誰にも知られず」に債務整理することができます。

任意整理の特徴は次のとおりです。

任意整理すると利息が免除される
任意整理すると返済期間の見直しができる
債務整理したい借金だけ選択して交渉することができる

借金返済の負担が重たいと感じる一番の理由は「利息」です。

消費者金融よりも「利息が安くて安心」と多くの人が思っている銀行カードローンでも、実際の利息は決して安くありません。

たとえば、50万円を年14.6%(銀行カードローンの一般的な金利)で借りているときには、約6,000円の利息が発生します。

最低限の返済額で完済したときに支払う利息の総額は約28万円にもなります。

任意整理では利息の免除をお願いする交渉をするのが一般的です。

利息の負担がなくなれば、「返しただけ借金が減る」ので、「返すのが厳しい」と感じていた借金でも完済できる場合があります。

また、任意整理は「任意に交渉する方法」なので、「債務整理の相手」を選ぶことができます。

「解約したくないクレジットカード」や、「完済していない自動車ローン」、「住宅ローン」があるとき等は、任意整理から除外して債務整理することも可能です。

任意整理については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒任意整理のメリットとデメリット?債務整理で1番多い手続きの注意点

個人再生なら住宅ローンの残ったマイホームを手放す必要がない

住宅ローンに加えて消費者金融や銀行カードローンの借金があるときには、任意整理では返済が追いつかない場合があります。

そのようなときには、個人再生を裁判所に申し立てます。

個人再生の特徴は次の通りです

・個人再生では、「借金自体」が減額される
・個人再生は減額された借金を「3年で分割返済」する
・個人再生では、原則として財産の処分が不要
・住宅ローン特則を申し立てれば、住宅ローンの残ったマイホームは手放さずに済む
・個人再生は借金の理由を問題にしない

たとえば、住宅ローンのほかに300万円の借金があるケースで説明してみましょう。

消費者金融や銀行カードローンから300万円借りていれば、それだけで毎月の返済額は10万円近くになります。

個人再生を利用すればこの300万円の借金は100万円に減額してもらえる可能性があります。

毎月の返済額になおせば3万円弱まで圧縮することができます。

さらに、住宅ローンの返済についても、元金据え置きや返済期間の延長を認めてもらうことができます(返済総額は変わりません)。

「住宅ローンが残っているから」、「マイホームを手放したくないから」と債務整理を諦める必要はありません。

個人再生については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒個人再生は家を残せる大きなメリットがあるが2つのデメリットもある

自己破産してもデメリットがないことは少なくない

特に若い生協職員の場合には、個人再生をしても返済に収入が追いつかないということもあるかもしれません。

そのようなときには、自己破産で借金を清算するほかありません。

「自己破産だけはしたくない」と思う人は少なくありません。

しかし、自己破産は一般に想像されている以上に「デメリットの少ない」手続きです。

自己破産のデメリットは、「財産を処分する必要がある」ことと、「一定の職業に制限が生じる」ことに尽きます。

破産手続きで処分する必要のある財産は、「財産価値の高い財産」に限られます。

また、生活に必要な家電(テレビや冷蔵庫・エアコンなど)は処分されません。

さらに、生協職員であれば自己破産で生じる資格・職業制限は関係ありません。

他方で、自己破産すれば、手続き開始後に得た収入はすべて自由に処分することができます。

任意整理や個人再生では手続き後に数年かけて借金を返済しますが、自己破産ではそれがありません。

最も早く生活を建て直すことができるのは、実は自己破産なのです。

自己破産については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒自己破産はメリットしかない?家族や子供、仕事にデメリットはないの?

免責不許可事由があっても裁量で免責が認められる

自己破産する場合に注意しなければならないのは、「借金(自己破産)の原因」です。

たとえば、パチンコや競馬、キャバクラ・ホスト通い、浪費が借金の原因であるときには、免責されない可能性があります。

しかし、実際の自己破産のほとんどは、免責不許可事由に該当していても裁判所の裁量で免責を認めてもらえます。

免責が認められないのは、自己破産後もギャンブルや浪費をやめられない場合や、破産手続きを妨害したケースです。

債務整理に着手すれば「取立て」から解放される

「債務整理する」というのはたしかに体裁が悪い行為かもしれません。

勤務先に知られたくない、組合員に知られたくないと「債務整理せずに何とか解決しよう」と考えてしまう気持ちは十分理解できます。

しかし、借金が他人にバレるケースのほとんどは、「債務整理したこと」ではなく「借金を延滞したとき」や「追加の借金をしたとき」です。

弁護士や司法書士に債務整理を依頼すれば、債権者は債務者本人から取り立てることを禁止されます。

また、借金の支払いも債務整理が決着するまでの間は停止されます。

「取立て」から解放されるだけでも、精神的な負担は相当に軽くなります。

関連記事⇒債務整理と取り立て?自己破産や任意整理をすると督促電話や手紙は止まる?

生協職員の債務整理まとめ

生協職員は、債務整理しても職を失うことはありません。

また、債務整理のほとんどは、他人や勤務先に知られることなく終わります。

誰にも知られずに自己破産する人だっているほどです。

「債務整理する」ことは、「借金を返せない」と同じくらい不安に感じる人は少なくないでしょう。

しかし、「債務整理すると○○になる」というデメリットの類いは、思い込みや誤解であることがあります。

借金の返済に行き詰まったときには、弁護士・司法書士にできるだけ早く相談しましょう。

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