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シングルファーザーの為の失敗しない債務整理

今回は、借金返済に困っているシングルファザーの人に知っておいてもらいたい7つのポイントについて解説します。

仕事と子育ての両立に悩んでいるシングルファザーは少なくありません。

「離婚するまでは子供のことは妻に任せていた」というようなときには、子供とどう接したら良いかわからないと戸惑うことも多いでしょう。

また、子どもの世話と仕事を両立させることも簡単ではありません。

シングルファザーとなったことをきっかけに、転職を考える(余儀なくされる)人も珍しくないようです。また、残業ができなくなったなどの理由で、収入が減ってしまうケースもあるようです。

他方で、離婚によって生活費の負担が重くなることも珍しくありません。

特に共働き夫婦が離婚したときには、世帯収入が大幅に減ってしまいます。

そのため、それまでは問題がなかった借金の返済が急に苦しくなることも考えられます。

ペアローン・収入合算で住宅ローンを組んだケースでは、離婚したことで、ローンが返せなくなることも珍しくありません。

マイホームを抱えている場合、子供のいる人の場合には、借金問題への対応が遅くなりがちです。

「家を失いたくない」、「子供に迷惑をかけたくない」という思いから「何とか自力で解決しよう」と頑張りすぎてしまいやすいからです。

そのため、消費者金融などからの借金で自転車操業に陥ってしまい、状況がさらに苦しくなってしまった人もいるかもしれません。

借金問題は、正しく対応すれば、子供に直接的な悪影響を与えることはほとんどありません。また、ローンの残ったマイホームも処分せずに、借金を解決することが可能な場合もあります。

借金返済に行き詰まり、どうして良いかわからないというシングルファザーの人は参考にしてみてください。

また、『現在の収入から考えて、返せる見込みがないのは分かっているけど放置してしまっている。』

『自転車操業のような状態で借りては返す状態が1年以上続いている。』

このような状態の方は、既にその借金を返済できる見込みはほぼありません。

手遅れになる前に、弁護士や司法書士に相談を行ってください。

それでは解説をしていきます。

こんなケースでも債務整理できる?

返すことが難しくなった借金は、「債務整理」で解決することができます。

しかし、シングルファザーが抱えるさまざまな事情との関係で「わたしのケースは債務整理できないかも」と考えている人も多いかもしれません。

債務整理には、よく知られている「自己破産」だけでなく、「任意整理」、「個人再生」という方法があります。

それぞれの状況に応じて、適切な方法を選択すれば、解決できない借金問題はないといえるでしょう。

「正社員でない」場合でも債務整理できる?

シングルファザーの人には、子供の世話をするために、非正規雇用(契約・派遣社員)で働いている人も多いと思います。

任意整理・個人再生は、借金の返済条件・返済総額を見直して、借金(の一部)を分割で返済する手続きです。

そのため、継続的な収入がない(毎月の返済額を工面できない)人は、任意整理・個人再生を利用することはできません。

しかし、「毎月の支払額」さえ確保できれば、正社員でなくても、任意整理・個人再生を利用することができます。

そもそも、任意整理では「いまの職業」を債権者に伝える必要はありません。また、個人再生は「アルバイトや年金生活者」であっても利用することができます。

任意整理・個人再生では、「将来利息の完全カット」や「借金(元金)の一部カット」によって、毎月の返済額も現在の金額よりも減らすことができます。

いまの「収入では返せない」場合でも、任意整理・個人再生をすれば、借金を返済できるようになるケースは少なくありません。

なお、「自己破産」は、自己破産が開始された段階の財産と借金を清算する手続きなので、「どのような仕事に就いているか」は全く問題となりません(無職でも自己破産できます)。

債務整理をしても子供の将来に悪影響を与えることはほとんどない

借金で悩んでいるシングルファザーの人には「債務整理したいが子供に迷惑をかけたくない」と考えている人も多いかもしれません。

しかし、親が債務整理したことで、子供(の将来)に直接的な悪影響が生じることはありません。

たとえば、債務整理をしても、戸籍・住民票・パスポートといった公的な帳簿などには何の記録も残りません。また、債務整理の情報がマイナンバーに紐付けられることもありません。

債務整理した記録は、「信用情報」にだけ登録されます。しかし、信用情報での登録期間は5~10年と制限されているので、ます。したがって、子供が未就学や小学生であれば、社会人になるまでには必ず消去されます。

そもそも、信用情報は、信用情報機関に加入している金融機関が「正当な理由のあるとき」しか閲覧することはできないものなので、一般の人や企業が確認することはできません。

さらに、過去の債務整理が子供の進学に悪影響を与えることもありません。高校や大学の入学試験では、親の経済状況などを面接で尋ねることはありません(そのような質問を禁止している学校がほとんどです)。

また、子が奨学金の貸与を受けるときにも、「機関保証(保証会社)」による貸与が可能です(日本学生支援機構の奨学金)。信用情報が消去された後であれば、親が連帯保証人となれる場合もあるでしょう。

関連記事⇒債務整理は家族にどんな影響やデメリットがある?内緒にはできる?

「マイホームを手放したくない」ときの債務整理

最近では、夫婦の収入合算やペアローンで住宅ローンを組む人が増えています。

しかし、これらの場合には、離婚したことで「住宅ローンが支払えなくなる」というケースも少なくありません。離婚によって世帯収入が減り、それまでよりも家計が苦しくなるからです。

子供がいれば「マイホームだけは何とかして守りたい」と思う気持ちも当然強くなります。

「住宅ローンだけは滞納したくない」と、消費者金融などで自転車操業した結果、状況がさらに悪化してしまうことも珍しくないようです。

住宅ローンを抱えている人の債務整理としては、「個人再生」が特に有効です。

個人再生をすれば、「借金の一部を分割で返済すれば、残額の返済を免除」してもらうことができます。

たとえば、「消費者金融や銀行のカードローンが600万円ある」ケースでは、個人再生することで、480万円を免除してもらえる可能性があります(120万円を分割で返済する)。借金が1/5まで減額されれば、あとは自力で解決できるということも多いのではないでしょうか。

また、個人再生に「住宅資金特別条項(「住宅ローン特則」と呼ばれることが一般的です)」を適用すれば、返済が苦しくなった住宅ローンの負担も軽くすることができます。住宅ローン特則を利用すれば、マイホームの競売を回避しながら借金・ローン返済を行うことができるようになります。

住宅ローン特則では、次のような措置で返済負担をかなり軽くすることができます。

返済期間を最大10年間延長(返済回数が増える分だけ毎月の返済額を減らせる)
一定期間の元金据え置き措置(利息のみの支払いになるので毎月の負担がかなり減る)
ボーナス払いなどの条件変更(債権者の同意があるとき)

上の方法は組み合わせることも可能です。したがって、カードローンを分割返済している期間(原則3年)を「元金据え置き」にした上で、返済期間を10年間延長すれば、多額のカードローンを住宅ローンの返済を両立させることができます。

さらに、住宅ローンの滞納によって期限の利益を失ったり、代位弁済が実行されたときでも、期限の利益回復(代位弁済の取消)を図ることが可能です。すでに競売を申し立てられてしまったときでも、競売を停止させられることもあります。

なお、住宅ローン特則で対応できるのは、「返済条件の緩和」だけです。住宅ローン付き個人再生を利用してもカードローンの場合のような「一部免除」はありません。

関連記事⇒債務整理と持ち家?自己破産や個人再生をするとマイホームが競売に!?

個人再生で住宅ローンを解決できないときには「任意売却」

次のようなケースでは、住宅ローン特則付き個人再生を利用しても、住宅ローン(カードローンなど)を解決できない場合があります。

残っている住宅ローン残額がいまの収入(返済能力)に対して、あまりにも高いとき
アンダーローンの状態にあるため、個人再生を利用しても借金が減額できない場合

ペアローンや別れた妻との収入合算でマイホームを購入したときには、「そもそも1人では住宅ローンを完済することが不可能」というケースも珍しくありません。

また、住宅ローンの残額が少ないときには、カードローンの減額を受けられないために、住宅ローンの支払いも苦しくなることもあるかもしれません

個人再生では、「仮に自己破産した場合に配当が見込まれる金額」よりも多い額を債権者に返済しなければ、借金の一部免除を受けることができません(清算価値保障の原則)。

そのため、住宅ローンの残額がマイホームの売却評価額よりも少ないときには、カードローンの免除を受けられない(免除額が少なくなる)場合があります(カードローンの減額を受けられなくても、「住宅ローンの元金据え置き」で、何とか返済を両立できるようになることもあります)。

個人再生を使えない場合には、住宅ローンの返済ができなければ、マイホームを手放すほかありません。住宅ローン特則以外の方法では、抵当権者の権利を制限することはできないからです。

住宅ローンが返せなくなったマイホームは、抵当権者の申し立てや、自己破産に伴う「強制競売」で処分されるのが原則です。

しかし、強制競売は、債務者にとっては負担の大きい手続きです。特に、「マイホームを競売にかけられたことを近所に知られてしまう」リスクには、強い抵抗を感じる人も多いかもしれません。

「任意売却」は、ローンを返せなくなったマイホームを強制競売よりも有利な条件で処分するための方法です。たとえば、任意売却は、次の点で、強制競売よりも有利な売却手段です。

強制競売よりも高い金額で売却できる
強制競売のような公示が行われない(近所にローンの滞納を気づかれづらい)
引っ越し代金を売却金額から支出できる
引き渡し時期についても柔軟に対応できる

手元にお金がないときに債務整理の費用を工面する方法

借金の返済に行き詰まってしまった人は、「今日、明日の生活費」にも事欠いていることも珍しくありません。

そのため、「多額の費用を払って弁護士・司法書士に債務整理を依頼するのは無理」とあきらめてしまっている人もいるかもしれません。

しかし、手元にお金がない場合でも、弁護士・司法書士に債務整理を依頼することは不可能ではありません。

債務整理の費用工面は「無料」で相談できる

弁護士・司法書士は、債務整理の依頼・相談に訪れる人が、「費用の支払いも苦しい状況にある」ことはよくわかっています。費用の負担についても、思い悩まずに、弁護士・司法書士に相談してみるのが一番でしょう。

借金・債務整理の相談は、ほとんどの弁護士・司法書士が「無料」で対応してくれます。

また、最近では、平日夜間・土(日)曜の相談に対応してくれる事務所も増えています。

相談の申込みも、ネットから行える事務所も増えていますので、借金返済に困っているときには、できるだけ早いうちに相談をうけておくことがとても大切です。

弁護士・司法書士費用は、「分割」で支払うこともできる

弁護士・司法書士に債務整理を依頼するときには、「着手金」や「成功報酬」といった費用が発生します。

このうち「成功報酬」は、債務整理が完了してから支払う性質の報酬なので、依頼をする段階で負担を心配する必要はありません。債務整理が無事に完了すれば、費用の支払いはできるようになっていることがほとんどだからです(「成功報酬なし(着手金のみ)」の事務所も増えています)。

また、「着手金(依頼時に支払う基本報酬)」についても、最近では、「分割払い」に対応してくれたり、「着手金不要(成功報酬のみ)」という事務所も増えています。

弁護士・司法書士に債務整理を依頼すると、借金の支払いは一時的にストップさせることが一般的です。正しく債務整理をするためには、「特定の債権者にだけ返済する」という状況になることを回避しなければならないからです。

借金の支払いがなくなれば、毎月の収入から少しずつ積み立てをして弁護士費用を支払えるようになります。

任意整理で解決できるケースであれば、そもそも「弁護士・司法書士費用が高額ではない」ということも珍しくありません。

関連記事⇒債務整理費用が払えない?分割や後払いが出来る法律事務所で相談を!

低所得の人は、法テラスで費用を立て替えてもらえる

離婚したことで、転職・減収を余儀なくされた場合などでは、債務整理の費用を「法テラス」が行っている「民事法律扶助制度」を利用して費用を立て替えてもらえる場合があります。

民事法律扶助の利用には、一定の経済条件(収入・資産が一定額以下)を満たす必要があります。

法テラスの資力要件は、下の表のようにまとめることができます。

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※1( )は居住地が東京・大阪などの「生活保護1級地」の場合の月収金額
※2( )は東京都特別区の場合の金額

扶養している子供が多く、賃貸物件で生活している場合には、かなりのケースで法テラスを利用できる可能性があるといえます。

法テラスの利用の可否についても、弁護士・司法書士に相談することができるので、費用負担に自信がない人は尋ねてみるとよいでしょう。

法テラスに立て替えてもらった費用は、毎月1万円ずつの分割で償還します。生活が苦しいときには、返済額を毎月5,000円とすることも可能ですし、所得額によっては、返済の猶予・免除を受けられる場合もあります。

関連記事⇒債務整理と法テラス?自己破産や任意整理の弁護士費用の違いとメリット

まとめ

シングルファザーは、借金を抱えていなくても大変です。

借金が返せなくなったことで、今後の生活の不安が増え、子供とのコミュニケーションがうまくいかなくなることもあるかもしれません。

また、「債権者からの取立てを子供に知られたくない」と思う人も多いでしょう。

弁護士・司法書士に債務整理を依頼すれば、金融機関からの取立ては完全にストップします。

つまり、債務整理を依頼すれば、取立てや返済を気にする必要がなくなるのです。

穏やかな生活を取り戻すことは、子供のためにもとても大切なことです。

借金返済に行き詰まってしまったときには、できるだけ早く弁護士・司法書士に債務整理の相談・依頼をすることをおすすめします。

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