近年では、「給食費の滞納」が社会的な問題としてクローズアップされることが多くなりました。

給食費の滞納するケースには、何かしらの意図があって支払うだけの資力があるのに故意で滞納するケースもあるようですが、多くは、経済的な困難を理由に「払いたくても払えない」ケースではないかと思います。

滞納給食費の問題は、保護者側だけでなく、自治体にとっても大きな問題です。

特に、支払い能力があるにもかかわらず、わざと給食費を支払わない保護者の存在が注目されたことで、「何の負担もしない保護者がいる」ことへの不公平感を問題視する市民が増えているからです。

そこで、最近では、滞納給食費を回収するために、「法的措置を講じる」だけでなく、弁護士に給食費の回収を委託したり、給食費の支払いに連帯保証人を立てるよう求める自治体も増えているようです。

学校給食費の滞納がある方への法的措置を実施しています(稲城市ウェブサイト)
学校給食費の滞納がある人へ法的措置を開始しました(三田市ウェブサイト)

故意で給食費を支払わない保護者へは厳しく対応すべきだとは思いますが、本当に生活に困っている人のケースでは、自治体の対応が厳しくなることは悩みの種でもあります。

給食費を滞納している人が、消費者金融や銀行のカードローンなどの借金を債務整理するときには、注意しなければならないポイントもあります。

滞納給食費への対応を間違えると、債務整理で思わぬ不利益を受けることもあるので、この記事を参考に慎重に対応してください。

また、『利息の支払いだけで毎月かつかつで、長く自転車操業のような状態が続いている。』

『借金の元金が1年以上の長期に渡って減っていないor増えている。』

このような状態まで状況が悪化している方は、既に黄色信号が点滅している状態です。

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それでは解説をしていきます。

滞納している給食費は債務整理で解決できるのか?

結論からいえば、滞納している給食費は、債務整理で解決することができます。

給食費は、税金などのような公租公課ではないからです。

たとえば、自己破産を申し立てれば、滞納している給食費の支払いは免除され、個人再生では、他の借金と同様の割合で一部免除の上分割での返済となります。

また、自体体には、滞納給食費の分納を認めてくれるところも多いでしょう。分割払いでの話し合いがまとまれば、実質的には任意整理で解決したのと同じといえます。

しかし、実際には、「滞納給食費だけが問題」というケースはほとんどないでしょう。

他にも消費者金融や銀行のカードローンなどの多額の借金があり、その返済負担の影響を受けて給食費も支払えないというケースの方が多いのではないかと思います。

また、消費者金融などの借金を債務整理で解決するとしても、「学校には知られたくない」と考える人の方が多いでしょう。

滞納給食費を債務整理したら子どもに悪影響はあるのか?

滞納している給食費を債務整理したら「子どもに悪い影響がでる」ことを心配している親御さんも多いかもしれません。

しかし、給食費を債務整理したことで、「子供の成績」、「内申点などの評価」、「入学試験の判定」などに影響が生じることはあってはならないことです。

両親の経済状況と子どもの評価は完全に切り離されるべきだからです。

また、学校教員には、職務上知り得た秘密についての守秘義務があるので、「〇〇さんの家は給食費を債務整理した」ということを口外することも禁止されています。

給食費を滞納している人が自己破産するときの注意点

給食費を滞納してしまう場合には、借金の状況もかなり深刻な場合が多いかもしれません。

年収に匹敵するような借金を抱えた場合や、収入が途絶えた(大幅に減った)ために借金を返せなくなった場合には、「自己破産」で借金の返済義務を完全に免除してもらい、借金を解決します。

給食費を滞納している人が自己破産するときには、次の点に注意する必要があります。

滞納給食費は、借金として裁判所に申告しなければならない
自己破産申立直前に滞納している給食費を支払ってはいけない

滞納給食費は裁判所に必ず申告する

自己破産は、債務者(破産者)が抱えているすべての借金を対象に手続きを行わなければなりません。

滞納している給食費も当然、自己破産の対象となります。

そのため、自己破産を申し立てるときには、給食費についても債権者一覧表に記載しなければなりません。

この場合、債権者一覧表の債権者名としては「〇〇市立??小学校(〇市))」というように記載するのが一般的なので、自己破産したことは学校に通知されます。

「自己破産を学校には知られたくない」というのは誰もが思う気持ちです。

しかし、債権者の届け出に虚偽があると、「免責不許可」となる可能性があります。

実際には、滞納給食費の届け出漏れ程度で、免責不許可になることはあまりないとは思いますが、債権者の届け出漏れがあれば、同時廃止となる自己破産でも「管財事件」となってしまいます。

管財事件になれば、同時廃止で済めば納める必要のない「予納金(20万円以上)」が発生し、費用負担がかなり重くなってしまいます。

また、管財事件になれば、自己破産が終わるまでの期間も長くなってしまいます。同時廃止であれば、3ヶ月程度で免責が確定しますが、管財事件になれば免責確定まで半年以上かかることもあります。

自己破産申立て直前に滞納給食費を支払ってはいけない

自己破産したことが学校に知られることを回避するために、自己破産直前に「給食費の滞納を解消させる」こともやってはいけない対応です。
「支払いべきものを支払っただけなのになぜ悪いのか?」と思う人もいるかもしれません。

しかし、自己破産では、「すべての債権者に平等な対応」をしなければならないので、自己破産直前に特定の債権者にだけ支払いをするといった不公平な対応があることは許されないのです。

一部の債権者にだけ特別に返済する行為のことを法律用語で「偏頗弁済(へんぱべんさい)」といいます。

悪質な偏頗弁済があるときには、免責不許可となる可能性があります。

給食費の滞納を解消する程度(滞納額にもよります)であれば、免責不許可となることはほとんどないと思いますが、申告漏れの場合と同様に、管財事件となってしまいます。

どうしても自己破産前に給食費の滞納を解消したいというときには、弁護士に相談し指示にしたがって対応してください(事情によっては、あえて偏頗弁済してしまうという選択肢もないわけではありません)。

不必要な費用負担を招かないためにも、偏頗弁済は絶対にやめましょう。

「破産手続き開始決定後」であれば、任意に滞納給食費を支払うことは可能

自己破産をして免責が確定すれば、滞納している給食費の支払い義務はなくなります。

しかし、体裁などが気になって「給食費の滞納だけはどうしても解消したい」と思う人もいるかもしれません。

その場合には、破産手続き開始決定後に得た収入や、自由財産として認められた財産のなかから給食費の滞納分を支払うことができます。これらの収入・財産は、債務者(破産者)が自由に処分できるものだからです。

自己破産したことで、他の借金が解決すれば、毎月の収入から滞納給食費を分納できる場合も多いでしょう。

ただし、破産手続きが完了する前(免責確定前)に滞納給食費を支払いたいというときには、必ず、自己破産手続きを依頼した弁護士に相談し、承諾を得てから(弁護士の指示にしたがって)行うようにしましょう。

自己破産については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒自己破産はメリットしかない?家族や子供、仕事にデメリットはないの?

給食費を滞納している人が個人再生するときの注意点

個人再生は、自己破産をせずに多額の借金を解決できるとても便利な手続きです。

特に、滞納給食費がある人の場合には、住宅ローンを抱えていることも多いと思います。

個人再生(住宅ローン特則付き)は、住宅ローンの残った不動産を抱えている場合でも、マイホームを失うことなく、すべての借金を解決できる、とてもメリットの大きい手続きです。

個人再生は、すべての借金を同時に対象にしなければならない(必ず申告しなければならない)という点では自己破産と同じです。

滞納した給食費を偏頗弁済すると借金免除額が減る可能性がある

個人再生は、借金の一部を分割で返済することで、残額を免除してもらえる手続きです。

個人再生した場合の免除額は、個人再生の対象とする借金の総額と、債務者がもっている積極資産の総額(清算価値)から決まります。

簡単に整理すれば、借金額が増えるほど免除額は大きくなり、積極資産が多いほど免除額は少なくなります。

たとえば、めぼしい財産がない人が500万円の借金を個人再生すると、100万円を分割で返済することで、400万円については免除してもらえます。

しかし、500万円の借金を抱えている人に、300万円の処分可能な財産があれば、個人再生では200万円しか免除されません(300万円以上返済しなければなりません)。

偏頗弁済があったときには、偏頗弁済した金額を清算価値(積極資産)として計上しなければならないので、借金の免除額が減る可能性があります。

個人再生した場合には、再生計画が終わるまで滞納を解消できない

自己破産の場合と異なり、個人再生を利用したときには、手続き開始後の収入で滞納分を一気に解消することは許されません。

個人再生では、借金の返済は、裁判所の認可を受けた一部分割返済の計画(再生計画)に従ってのみ行われなければならないからです。

たとえば、滞納給食費が3万円、借金総額が300万円(清算価値100万円未満)というケースであれば、裁判所の決定によって、借金は1/3(総額100万円)に減額されます。

借金減額の効果は非免責債権を除いたすべての借金に等しく生じるので、滞納給食費も1万円に減額されます。

そして、減額された借金は、原則3年の分割で返済します。これを1年で返すということをしてはいけないのです。

個人再生では、あくまでも計画通りに返済を実行することが求められるからです(債権者の平等を維持するため)。

再生計画に従わずに一部の債権者にだけ便宜を図った(滞納給食費だけを先に完済した)場合には、再生計画の認可が取り消される可能性がありますので注意しましょう。

ただし、給食費の滞納額によっては、他の債権者の同意、裁判所の許可に基づいて、滞納給食費だけを先に弁済することは絶対に不可能というわけでもありません(簡単には許可してもらえません)。

「どうしても給食費だけは先に支払いたい」というときには、個人再生を依頼した弁護士に相談してみるとよいでしょう。

個人再生については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒個人再生は家を残せる大きなメリットがあるが2つのデメリットもある

給食費の滞納があるときに学校を巻き込まずに借金を解決する方法

給食費に滞納があるときに、「子どもが通っている学校を巻き込まずに債務整理する」には、「任意整理」を利用するのが最も確実です。

任意整理なら、対象とする借金を自由に選ぶことができるからです。

借金を任意整理で解決するには「早期対応」が重要

任意整理は、裁判所を用いずに、債権者と個別に「返済負担を見直してもらうための交渉」を行うものです。

裁判所の力を借りないので、任意整理では、個人再生・自己破産よりも免除される負担は減ってしまいます。

自己破産では全額、個人再生では利息の全部と借金(元金)の一部が免除されるのに対し、任意整理では利息の免除しか得られないことが一般的です。

消費者金融などの借金には高い利息がつけられているので、任意整理でも負担軽減の効果は大きい場合も少なくありません。

しかし、借金元金の免除が得られない以上、個人再生・自己破産に比べれば解決できる借金の額には限界があります。

そのため、借金があまりにも膨らみすぎた場合や、毎月の収入(返済にまわせる金額)が少なすぎるときには、任意整理では解決できません。

任意整理で借金を解決したいというときには、できるだけ早く、自転車操業に陥る前に弁護士・司法書士に相談・依頼することが大切といえます。

任意整理については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒任意整理のメリットとデメリット?債務整理で1番多い手続きの注意点

まとめ

「給食費が支払えない」というケースは、借金の状況もしくは、収入状況に大きな問題を抱えていることが少なくありません。

また、「給食費すら支払えない」状況にあれば、精神的にも辛く感じることが多く、ネガティブな判断をしがちになり、状況をさらに悪化させやすいことも多いでしょう。

借金の問題は、1人で抱え込むと悪い方向に進んでしまうことが少なくありません。

「給食費が支払えなくなった」、「借金の返済が苦しくなった」というときには、できるだけ早く弁護士・司法書士に相談しましょう。

早期に対処すれば、費用も安く、デメリットも最小限にして借金を解決できる可能性が高くなります。

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