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ソフト闇金の借金と債務整理

近年では、ヤミ金からの借金で悩んでいる人が増えているようです。

グレーゾーン金利が違法となったり、総量規制が導入されたことで、消費者金融各社の経営が苦しくなるのとは対照的に、「ヤミ金業は増えている」と指摘する専門家も少なくないようです。

また、最近では「ソフトヤミ金」を名乗る業者が増えていることが目立ちます。

ソフトというのだから、「私がイメージしているヤミ金よりは優しいのだろう」とつい借りてしまう人も少なくないようです。

しかし、ソフトヤミ金であっても、ヤミ金であることにはかわりがありません。

ソフトヤミ金とかかわれば、法外な利息を支払わされ続けて、金銭的にも精神的にも疲弊しきってしまいます。

ヤミ金から何とか解放されたい・・・と思っても、どうして良いかわからないという人も多いと思います。

ヤミ金に手を出してしまったことへの後ろめたさや、すでにヤミ金から悪質な取立てをうけていて「もう払えない」といえない状況に追い詰められている人もいるのではないでしょうか。

そこで、この記事では、ソフトヤミ金とかかわってしまったときの安全な解決方法について解説します。

ソフトヤミ金とかかわってしまった場合でも、正しく対応すれば、必ず解決することができます。

状況をこれ以上悪化させてしまう前に、できるだけ早く弁護士・司法書士に相談しましょう。

また、『既にソフト闇金に手を出すか出さないかまで追い込まれてしまっている。』

『自転車操業のような状態で、借りては返す状態が1年以上続いている。』

このような状態の方は、既にその借金を返済できる見込みはほぼありません。

手遅れになる前に、弁護士や司法書士に相談を行ってください。

それでは解説をしていきます。

ソフトヤミ金とは?

ソフトヤミ金とは、簡単に言えば「新しいスタイルのヤミ金」のことです。

ソフトヤミ金について、しっかり理解しておかなければならないのは、「ソフト」ヤミ金であっても、「ヤミ金(違法業者)であることには変わりがない」ということです。

ソフトヤミ金とこれまでのヤミ金との違い

「ヤミ金」というと、ほとんどの人は、暴力団を背景にした「怖い金融屋」を連想すると思います。

たとえば、マンガ「ミナミの帝王」などで描かれるような「どんな手段でも借金を取り立てる怖い金融屋」のイメージです。

ヤミ金業者にとって、「怖い」というイメージは、武器でもあり、弱点でもあります。

「怖いからきちんと支払おう」という債務者がいる一方で、「怖いから借りるのはやめよう」と考える人も現れてしまうからです。

特に、近年では、ヤミ金撲滅のための規制が強化されていることに相反して、ヤミ金業者が増えているといわれます。

ヤミ金業者が増えている背景としては、規制強化(特にグレーゾーン金利の違法化や総量規制の導入)によって、中小の消費者金融の多くが経営難に追い込まれていることがよく指摘されます。

また、ネットが普及して無店舗型の貸金業でも顧客を確保しやすくなった(無店舗なら摘発からも逃げやすい)こともヤミ金が増えている理由のひとつといえるでしょう。

そこで、元々貸金業のノウハウのある人(企業)が、貸金業登録をやめて、ヤミ金化しているケースが増えていると指摘されています。

つまり、ソフトヤミ金という言葉は、新しいヤミ金業者が、「従来型のヤミ金との差別化」を図るために用いた呼称なのです(ソフトヤミ金という呼称は、ヤミ金業者側が使い出したものです)。

したがって、ソフトヤミ金と従来のヤミ金との違いとしては、「必ずしも『暴力』を背景としていない」ことを挙げることができます(対応が「ソフト」だという意味合いで理解すればよいといえるでしょう)。

ただし、ソフトヤミ金という言葉がすっかり定着した現在では、ソフトヤミ金にも暴力団を背景とするヤミ金業者が増えている可能性は高いといえるでしょう。

ソフトヤミ金はとても危険

大事なことなので、繰り返しますが、「対応がソフト」であったとしても、「ヤミ金」であることには何ら変わりがありません。

ソフトヤミ金の法外な利息

ヤミ金の最大の特徴は、法律の規制を無視した「法外な利息」にあります。

「トイチ」という言葉を耳にしたことがある人は多いと思います。

「トイチ」とは「10日で1割(10%)の利息」のことを指しています。年率に直せば365%です。

一般的なカードローンの利息が、「年率」15~18%であることを考えれば、トイチというのはかなり法外な利息です。

しかし、実際にソフトヤミ金から借金したときの利息は、トイチなんてものではありません。

ネットなどで存在を確認することができるソフトヤミ金が適用している利息は、1週間で2割というところが多いようです。

1週間で2割というのは、「トサン」に相当する金利です。

トサンを年率に換算すれば、「1,095%」になります。

常識的に考えれば、絶対に借りてはいけない金利です。

さらにいえば、ソフトヤミ金からの融資は、「融資実行時に先に手数料と初回分の利息が差し引かれる」のが一般的です。

たとえば、ソフトヤミ金から「1週間2割の利息、手数料3,000円」の条件で10万円借りた場合でも、「実際に受け取ることができるのは77,000円」でしかありませんから、実質的な利息は、「トサンよりも高い」といえます。

もちろん、ソフトヤミ金が適用している利率は、利息制限法どころか、出資法にも違反する刑罰対象となる金利です(10年以下の懲役もしくは3,000万円以下の罰金またはその併科となります)。

「ソフトヤミ金は逮捕されない」はウソ

一部のネット記事では「ソフトヤミ金は逮捕されない」という解説を目にすることがあります。

しかし、「ソフトヤミ金は逮捕されない」というのは、正しい情報とはいえません。

「ソフト」であってもヤミ金業者である時点で、刑事罰の対象であるからです。

実際には、「摘発できるだけの証拠が足りない(ソフトヤミ金がしっぽを出さない)」、「摘発前に逃げられてしまう」、「被害届が出されないから捜査期間が認知できない」というケースが多いだけで、ソフトヤミ金が合法業者というわけではありません。

ソフトヤミ金と関わると債務者が逮捕されることも

ソフトヤミ金と関わると、債務者が逮捕される事態になる可能性もあります。

ソフトヤミ金は、利息を払うことができなくなった債務者に、犯罪行為への荷担を要求する場合があるからです。

最も典型的なのは、「銀行口座」や「スマホ・携帯」の譲渡です。

銀行口座やスマホ・携帯の他人への譲渡は、銀行・スマホキャリア会社との契約だけでなく、法律でも禁止されている行為です。

たとえば、違法に売買(譲渡)された銀行口座は、いわゆる振り込め(オレオレ)詐欺や、暴力団などの資金洗浄(マネーロンダリング)に用いられる可能性があります。

そのため、「金融機関等による顧客等の本人確認等及び預金口座等の不正な利用の防止に関する法律」16条2の2項によって、「正当な理由なし、有償で、預貯金通帳等を譲り渡し、交付」することは禁止されています(50万円以下の罰金となります)。

また、罰金だけでなく、銀行口座が犯罪行為に利用されたときには、その名義人がもつすべての銀行口座が凍結されてしまいます(すべての銀行の口座が名寄せされて凍結されます)。

さらに口座凍結だけでなく、今後銀行口座を作れなくなる可能性もあります(犯罪行為に使われた口座の名義人情報はすべての銀行で共有されています)。

携帯・スマホについても、「携帯電話不正利用防止法」によって、銀行口座の場合と同様の規制があります。

□ソフトヤミ金の借金は債務整理できるのか?

借金が返せなくなったときには、「任意整理」、「個人再生」、「自己破産」といった債務整理で解決することができます。

しかし、ソフトヤミ金からの借金は、債務整理をしても解決できない可能性が高いといえるでしょう。

ソフトヤミ金は「法律を無視」するのが当たり前

ソフトヤミ金は「ヤミ金」であることに代わりはありません。

たとえば、正規の金融機関であれば、弁護士・司法書士に債務整理を依頼した時点で、債務者への取立てを取りやめます。

法律などが定めている取立てのルールを守らなければ、行政処分(営業停止など)をされてしまうからです。

しかし、ヤミ金業者は、存在それ自体が違法なのですから、ルールに従わなければならないわけではありません。

また、個人再生・自己破産で免責された場合でも、「借金が消滅する」わけではありません。

法律用語では「自然債務」といいますが、「法律上の返済義務がない借金」となるだけなのです。

したがって、自己破産などをしても、ヤミ金業者は、「借金が消えたわけではない」ことを根拠に、返済を迫ってくることが考えられます。

ケースによっては、債務者の知人などに、「自己破産したこと」を触れ回ったりすることもあるかもしれません。

最近では、融資の際にLINEなどのSNSのIDを申告させるソフトヤミ金も増えているので、SNSを通じた嫌がらせで圧力をかけてくることも考えられます。

ソフトヤミ金からの借金は「そもそも返す必要がない」

ソフトヤミ金には、「債務整理」は通用しませんが、「ソフトヤミ金の言いなりにならなければならない」とあきらめる必要はありません。

そもそも、(ソフト)ヤミ金からの借金は、1円であっても返済する必要がないからです。

ソフトヤミ金には「1円」も返さなくてよい理由

ヤミ金の利息は、「法的には払わなくても良い」ということは、多くの人が(何となくでも)理解しているのではないかと思います。

それでも、債務者を巧みにコントロールして、法外で違法な利息を支払わせ続けるのがヤミ金の手口です。

従来のヤミ金は、債務者をコントロールするために、「暴力を背景に債務者を畏怖」させてきました。

他方で、最近のソフトヤミ金は、「他の金融機関では相手にしてくれないのに、わたしにお金を貸してくれる親切な業者」というようなイメージで、債務者をコントロールするケースも増えています。

SNSなどで、債務者の愚痴を丁寧にきいてくれるソフトヤミ金も珍しくないようです。

しかし、騙されてはいけません。

ソフトヤミ金が親切に感じる振る舞いをするのも、「違法な利息」で「債務者を食い物にする」ためです。

本当に親切な業者であれば、トサン(以上)の法外な利息をとったりしません。

出資法の上限利率を遙かに超える利息を付してお金を貸す行為は、法律的には、絶対に許されるべきではない「反社会的・反倫理的行為」であるとされています。

たとえば、最高裁判所は、ヤミ金行為は、反倫理的な「不法原因給付」であると判断しています(最高裁平成20年6月10日判決民集62巻6号1488ページ)。

つまり、利息を取る行為ではなく、「法外な利息を付してお金を貸す行為」それ自体が問題だとされているのです。

したがって、現在の法律の理解では、ヤミ金からの借金は、「実際に借りた金額(元金)も含めて1円も返さなくて良い」ということになっています。

上で触れた最高裁のケースでも、ヤミ金業者に対して、債務者が支払った借金元金の返還を認めています(ヤミ金は貸し付けたお金は丸損になるということです)。

ヤミ金の借金は放置しても本当に取り立てられることはあまりない

ソフトヤミ金の借金は、返せなくなったら放置していても問題がない場合が少なくありません。

なぜなら、ソフトヤミ金が「自宅まで取立てにきた」というケースは、あまりないからです。

ソフトヤミ金が取立てに来ない理由は、次のとおりです。

すでに元金は回収しているので、実質的には損していない(儲けもでている)
遠距離の顧客の自宅まで取立てにいけば費用倒れになる
下手に自宅に取立てにいけば、逮捕されるリスクが増える

ソフトヤミ金からの借金には、法外な利息がつきます。

上で紹介した、「1週間2割の利息で10万円借りた」というケースでは、1ヶ月返済を続ければ、支払った利息(8万円)は、実際に受け取った金額(77,000円)を超えています。

また、ソフトヤミ金は「全国対応」のところが多いので、遠いところに住む顧客のところまでいちいち押しかけていけば、明らかに費用倒れです。

さらに、必要以上に債務者を追い詰めて警察に相談されれば、ソフトヤミ金自体にも「逮捕の可能性」というリスクが高まります。

実際にも、「ソフトヤミ金の返済を放置していたら解決した」という体験談は、ネット上でもしばしば見かけることがあります。

とはいえ、本当に何のリスクもなく放置できるわけではありません。

執拗な、電話・メール・LINEなどによる悪質な取立て(嫌がらせ行為)がしばらく続くことは覚悟しなければいけません。

また、ソフトヤミ金の背後に暴力団がいる可能性もあります。

暴力団系列のソフトヤミ金であれば、「素人にメンツを潰された」と思われれば、とても危険な状況になる可能性があります。

メンツを潰されたと思われれば、逮捕のリスクを承知の上で、強硬な対応にでる可能性も否定できないからです。

ソフトヤミ金の借金を「安全に」解決する方法

ソフトヤミ金の借金は、実際に借りられたお金ですら返済する必要はありません。

しかし、一般の人が、甘い考えで、雑な対応をする(本当に全く返さずに踏み倒す)ことはとても危険です。

ソフトヤミ金と関わってしまったときには、ヤミ金対応の経験のある弁護士・司法書士に相談することが最も安全な解決方法です。

警察に相談したのではダメなの?

「ヤミ金被害で困ったときには警察に相談する」ことを勧めているサイトは少なくありません。

しかし、警察に相談をしても、「借金問題がすぐに解決する」ことは期待できません。

警察の仕事は、犯罪者の逮捕(とそのための捜査)であり、個人の借金問題を解決することではないからです(民事不介入の原則)。

確かに、警察がソフトヤミ金を摘発してくれれば、ソフトヤミ金からの借金は解決できます。

とはいえ、ソフトヤミ金を摘発(逮捕)するには、それだけの証拠がなければいけません。

また、ソフトヤミ金の居所を突き止めることも簡単ではありません。

ソフトヤミ金を利用したことがある人であれば、わかることですが、ソフトヤミ金は、自分たちの痕跡を残さないように常に慎重に行動しています。

彼らが用いている携帯・スマホや、振り込み先の口座は、すべて違法に入手した「他人名義」のものです。

振り込み先が頻繁に変わるのも、銀行に犯罪利用がバレて口座が凍結されているからです。

実際には、警察に相談をしても、逮捕(摘発)しきれないということも考えられます。

むしろ、「警察にタレ込んだ」ことを逆恨みされれば、報復行為を受ける可能性もあります。

関連記事⇒闇金の借金は債務整理できる?弁護士や警察に相談をする前の注意点

経験豊富な弁護士・司法書士なら安全に解決可能

ソフトヤミ金にとって、最もイヤなことは、「逮捕される可能性が高くなる」ことです。

素人の債務者が警察に相談をしても、ソフトヤミ金にとっては、さほど逮捕のリスクは高くならない場合が多いと思います。

専門知識のない人が、十分な証拠を揃えて警察に被害届を出すことはあまりないからです。

他方で、弁護士・司法書士が介入することは、ソフトヤミ金にとっては大きな脅威です。

弁護士・司法書士からの告発であれば、警察もそれなりに真剣に動かなければなりませんし、被害届提出までに、弁護士・司法書士が逮捕に繋がる証拠・情報を揃えていることもあるからです。

実際にも、弁護士・司法書士が連絡しただけで、おとなしく引き下がるソフトヤミ金も少なくないようです。

弁護士・司法書士は精神的な支えにもなる

ソフトヤミ金の借金を解決するためには、ソフトヤミ金の嫌がらせに耐えられる精神力も必要となる場合が多いでしょう。

特に悪質なソフトヤミ金から借金した場合には、弁護士・司法書士が介入してもなお、執拗な取立てをやめない場合もあるかもしれません。

ヤミ金問題から解放されるためには、嫌がらせに屈しないことが何よりも大切です。

1度屈してしまえば、「コイツは、脅せばなんでもいうことをきく」と判断され、嫌がらせ行為がエスカレートする可能性もあるからです。

とはいえ、専門知識も何もない素人が1人でヤミ金と闘うことには限界があります。

弁護士・司法書士にヤミ金対応を依頼すれば、全力で依頼人を守ってもらえます。

警察は、「実際の被害が生じてから」でないと動いてくれない場合も多いので、「被害が起きないように」と動いてくれる弁護士・司法書士よりも頼りにならないことも多いでしょう。

まとめ

ソフトヤミ金とかかわってしまうときには、「誰にも相談しづらい事情」を抱えていることが少なくありません。

ソフトヤミ金は、そういった債務者の複雑な心理状態を上手に利用してきます。

ヤミ金にかかわらず、借金問題は1人で抱え込むことが一番よくありません。

弁護士・司法書士は常に依頼人の味方でいてくれる頼もしい存在です。

借金問題の相談は、無料で受けられる事務所がほとんどです。

ヤミ金に手を出してしまった場合はもちろん、ヤミ金から借りなければもう貸してくれるところがないという場合も、できるだけ早く弁護士・司法書士に相談しましょう。

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