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住宅ローンが払えず競売になりそうなら債務整理を検討する
念願の住宅を購入したけれど、会社が倒産してしまったり、リストラにあってしまい、住宅が競売にかけられる可能性が出る方は、非常に多いです。
定期的な収入を見込んで、住宅ローンを組んでいるので、収入が途絶えてしまったら、支払いが難しくなるのは当然です。
今回は債務整理を上手に利用する事で、自宅が競売にかけられない方法を紹介します。
マイホームを守りたい場合は民事再生手続きを検討してみる
住宅ローンのほかにも借金があるため、住宅ローンが払えないというのであれば、民事再生手続きを検討してみる価値があります。
民事再生手続きとは、借金の返済に行き詰った方が裁判所に、申立てることによって開始される手続きです。
目的は借金をしてしまった人の生活の再建ですから、返済ができる程度まで借金の額が圧縮される点が、特徴のひとつです。
債務整理の方法には、任意整理という簡単な手続きがあるのですが、任意整理では、将来利息のカットまでは認めてもらえても、借金の元本まで減額することは困難です。
支払いは多少楽になりますが、民事再生手続きほど劇的に返済額が減るわけではありません。
この点、個人再生手続きであれば、通常、借金の80%か100万円のどちらか金額の多いほうまで借金を圧縮できますので、返済の負担はかなり軽減されます。
(厳密には借金額によって圧縮される程度は異なります。)
もうひとつの大きなメリットは、住宅をそのまま所有できるという点です。
民事再生と同じように、裁判所を介する手続きとして破産がありますが、破産手続きでは住宅を残すことはできません。
自己破産手続きでは、住宅ローンの負担もなくなるかわりに、住宅も失うという結果になってしまいます。
民事再生手続きであれば、住宅を売り払うことなく借金を減額できますので、住宅を残しておきたいと希望する方にはお勧めの手続きです。
失業しているのだから、借金を圧縮しても返済できるわけがないと思うかもしれません。
しかし、ずっとこのまま失業しているわけではなく、できるだけ早く仕事を見つけたいと考えているはずです。
民事再生手続きを申立てると、住宅ローン以外の返済は一時的にストップします。
その分、返済が楽になるので、当面はしのぐことはできるでしょう。
住宅ローンは1、2ヶ月返済が遅れてしまうかもしれません。
絶対とは言い切れませんが、この程度の遅れでは住宅を競売にかけるような事態にはなりません。
ローン会社からは督促が頻繁にくるとは思いますが、仕事さえ見つかれば返済できると割り切って対応するのが賢明といえるでしょう。
住宅ローン以外に特に借金がない場合の対策
住宅ローン以外に特に借金がなく、仮に仕事が見つかっても、住宅ローンの返済が難しいという場合は問題です。
返済が長期間滞れば、競売されてしまいます。ローンを返済せずに競売を逃れるようなうまい方法はありません。
民事再生以外の方法で住宅を守るためには第三者の協力が必要です。
つまり、一時的に代わりに住宅ローンを支払ってもらう、あるいは住宅を買い取ってもらい、そのお金で今の住宅ローンを精算するなどの方法がとられます。
売ったら競売と同じではないかと言うかもしれません。
ここでは、ただ売るわけではありません。事前に買主と相談し、売却後も住むことについて了承を得ておきます。
そして、時期がきたら買い戻すということも約束しておきます。
そうすれば、名義は一時的に別人に移りますが、実質的には今までと変わりがありません。
もっとも、相当信用できる人を買主に選ばないと住宅を転売されてしまいますので、現実的には身内またはそれに準じる人に売却するということになるでしょう。
いずれにしても返済がキツイ。と感じたらすぐに専門家に相談することが賢明であり家を守るための最善の手段です。