団体職員が債務整理をする前の注意点と方法

団体職員とは、独立行政法人・国立大学法人といった、過去は公務員として扱われていた方や、医療法人・学校法人といった「非営利組織」で働く人たちのことです。

安定している職が多いため、人気の高い職業でもあります。

この記事では、団体職員が債務整理する際の4つのポイントについてお話します。

団体職員の勤務先は、「お堅い職場」であることが少なくありません。

借金や債務整理が勤務先に知られると、他の職場以上に「居づらい」ということもあるかもしれません。

また、安定した職だからこそ、「借金が膨らみやすい」危険性もあります。

なお、『1年以上借金の元金が減っておらず、完済するのが厳しいのを頭のどこかでは分かっている。』

『給料日前になるとお金が足りず、自転車操業状態が続いている。』

このような状態まで状況が悪化している方は、既にその借金を返済できる見込みはほぼありません。

手遅れになる前に、弁護士や司法書士に相談を行ってください。

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それでは解説をしていきます。

債務整理を理由に懲戒されるのか?

公務員は、国家公務員・地方公務員を問わず、「借金や債務整理」を直接の理由として懲戒処分や分限処分をすることはできません。

「借金や債務整理」は、国家公務員法・地方公務員法で、懲戒事由とされていないからです。

独立行政法人(国立病院機構等)や国立大学法人は、公務員に準拠した取扱いをしているはずなので、借金や債務整理を理由に懲戒処分を受けることはないでしょう。

他の公益法人・財団法人等でも、基本的には同様だと思います。

心配な場合には、それぞれの勤め先の「就業規則」を確認してください。

借金が引き金となって処分されかねないケース

借金や債務整理が勤務先に知られたとしても、予め就業規則で懲戒事由・解雇事由と定められているケースを除いては、懲戒・解雇されることはありません。

しかし、次のようなケースは、「職務に重大な支障を来す」との理由で処分されることがあります。

借金返済の金策のために、無断欠勤をした
借金返済の金策等のために、休暇を不正取得した
借金返済の金策のために、就業規則に違反して副業を行った
借金のことが気になって、業務実績が著しく不良となった
取立ての電話が頻繁にかかってきて、自身の業務や職場の業務遂行に悪影響が生じた

次にお話しするように、団体職員の借金は、「気づいたときには途方もない額」に膨れあがってしまっている危険性もあります。

「返済が苦しい」と感じたときには、できるだけ早く債務整理に着手することが大切でしょう。

団体職員の借金は膨らみやすい

団体職員は、安定した職で福利厚生も手厚いことが多いでしょう。

そのため、金融機関の属性評価も高く、「借金がしやすい職業」といえます。

消費者金融やカード会社からの借金は、「年収の1/3まで」というルールがあります(貸金業法による総量規制)。

団体職員は、一般の会社勤めの方よりも高収入の方も少なくなりません。

「年収の1/3」の金額がすでに高額な借金という場合もあるでしょう。

「銀行カードローン」に総量規制はない

銀行カードローンの借入がある人は、「借入額」に特に注意する必要があります。

銀行の融資上限には、貸金業者のような「総量規制」はありません。

そのため、銀行カードローンからの借金があると、「年収以上の借金」となる可能性もあります。

「銀行が貸してくれるなら大丈夫」と安心している人もいるかもしれません。

しかし、近年では、銀行の「貸しすぎ」が大きな問題となっています。

司法統計によれば、2016年には、これまで減少していた自己破産者の数が増加に転じました。

このことは、銀行カードローンの過剰融資が大きな原因の1つとなっているという指摘もあります。

また、銀行カードローンは、貸金業者の借金よりも、「借金が減りづらい」・「利息の負担が重い」ことが少なくありません。

「銀行の方が利息は低いのでは?」と思う方もいるかもしれません。

しかし、銀行カードローンは、消費者金融やカード会社よりも「毎月の最低返済額」が少ない(返済回数が多い)ので、最終的な利息の負担額が高くなることが多いのです。

銀行系カードローンと債務整理については下記の記事で詳しく解説をしています。

参考⇒銀行の借金と債務整理?カードローンや融資は自己破産や任意整理できる?

予期せぬ「人事院勧告」で給与減となることも

団体職員は「収入が安定している」イメージがあります。

しかし、独立行政法人や国立大学法人の職員の給与は、「人事院勧告」に左右されることがあります。

簡単に言えば、給与額が国全体の景気動向に左右されるということです。

たとえば、東日本大震災の折りには、独立行政法人・国立大学法人職員の多くの方が、年10%程度の減収となりました。

そのため、本来であれば「返せるはず」だった借金も返済できないということが起こりえます。

毎月の返済が「ギリギリ」という人は、特に注意すべきです。

自己破産・個人再生での注意点

団体職員の借金は、「深刻になりすぎているケース」を除けば、任意整理で対応できることが多いと思います。

借金があまりにも多額なケースでは、個人再生・自己破産で対応します。

団体職員であれば、安定した給与があるので、借金が多額でも個人再生を利用すれば、借金を返済できることが多いでしょう。

ただし、個人再生・自己破産で債務整理するときには、これから説明する点に注意する必要があります。

個人再生・自己破産では、保有財産の申告が必要

裁判所の手続きである個人再生や自己破産をする際には、保有している財産の申告が不可欠です。

自己破産は、強制清算の手続きです。したがって、保有している財産を処分して債権者に配当する必要があります。

個人再生は、清算手続きではないので、「財産の処分」は不要です(担保が設定されている物は除きます)。

しかし、「借金の免除額」を適正に算出するために、保有資産の申告が必要です。

個人再生・自己破産いずれの手続きでも、99万円を超える現金、20万円を超える財産(預貯金・自動車・有価証券・貴金属類・生命保険の解約返戻金・退職金支給見込み額の1/8の額等)が申告の対象となります。

特に、40代以上の方であれば、「退職金の支給見込み額(の1/8の額)」が20万円を超える可能性が高いので注意が必要です。

また、住宅ローンが「アンダーローン」となっているケースでは、個人再生では借金が減免されない可能性もあります。

わかりやすくいえば、収入が高い方ほど「借金が免除される手続き」のハードルが高くなるということです。

住宅ローンと債務整理については下記の記事で詳しく解説をしています。

参考⇒住宅ローンと債務整理?自己破産ではなく個人再生で借金を減らす方法

共済組合からの借金に注意

団体職員の方は、共済組合(文科省共済・厚労省第二共済・私学共済等)から借入をしていることも珍しくありません。

しかし、個人再生・自己破産では、「共済組合だけを除外する」ことはできません。

個人再生・自己破産は、すべての借金を同時に対象としなければいけないからです。

共済組合は勤務先と密接な関係があるため、共済組合を通じて勤務先に債務整理したことが知られるリスクがあります。

もっとも、共済組合の担当者にも守秘義務があるので、本来であれば、共済組合が勤務先に債務整理の事実を伝えることがあってはいけません。

ただ、可能性としては否定できないので、気になる方は注意しておくべきでしょう。

ギャンブル依存・浪費癖が原因の自己破産には注意が必要

団体職員の方は、生活苦が原因で借金することはあまりないと思います。

ギャンブル依存や浪費癖が原因で「自己破産」する場合には、次のポイントを正しく理解しておくことが大切です。

ギャンブル・浪費が原因の自己破産は、同時廃止にはならない
管財事件(少額管財)では、20万円以上の予納金が必要
管財事件は、裁量免責を得るために必須の措置
自己破産申立て後もギャンブル・浪費が辞められなければ免責不許可の場合もある

ギャンブルや浪費が原因の借金でも、実際に免責不許可となるケースは、多くありません。

しかし、自己破産後もギャンブルが辞められず、さらに借金を重ねたケースでは、免責不許可となった事例もあります。

裁量免責を受けるためには、生活を改めることが必須です。

万が一、自己破産したとしても、免責を得られなければ、借金の返済義務はなくなりません。

※現時点ではギャンブルが原因の借金であっても免責がおりているケースがほとんどです。

参考⇒ギャンブルの借金は債務整理できる?賭け事での負けを自己破産する方法

団体職員の債務整理は任意整理がおすすめ

団体職員の債務整理は、任意整理が最もおすすめです。

任意整理であれば、保有財産を申告・処分する必要もありません。

また、共済組合等の特定の借金を除外することもできます。

裁判所の手続きではないため、官報での公告もありません。

任意整理がまとまると、今後の利息が免除されます。

借金の返済が苦しい一番の理由は利息の負担です。

たとえば、三菱東京UFJ銀行のカードローンであるバンクイックで50万円(年14.6%)借りて、1万円返済したときの利息額は6,000円以上になります。

1万円返済しても借金は4,000円しか減っていません。利息が免除されれば、返済した分だけ借金は確実に減っていきます。

「いまは返済が苦しい」というケースでも、「利息の負担」がなくなることで、返済可能となるケースは少なくありません。

団体職員なら5年以上の任意整理も不可能ではない

一般的な任意整理は、「利息を免除した残りの支払い(借金)を5年前後で分割返済」するのが一般的です。

利息がなくなれば、返済期間が長くなるほど、債務者には有利です。

団体職員は、身分保障がしっかりしている勤務先が多く、また離職率も低い職業といえます。

給料も安定している(変動が少ない)ので、5年より長期間の任意整理でも成功する可能性があります。

借金が多額だけど、「個人再生や自己破産は避けたい」という場合でも、交渉をしてみる余地はあるでしょう。

任意整理については下記の記事で詳しく解説をしています。

参考⇒任意整理のメリットとデメリット?債務整理で1番多い手続きの注意点

全く返していない借金は債務整理が難しい

「借りてから全く返済していない借金」は、方法を問わず債務整理は難しいです。任意整理では、債権者が交渉に応じてくれない可能性が高いです。

また、「全く返していない借金」を自己破産すれば、免責不許可となる可能性があるだけでなく、破産詐欺に問われることもあります。

「借金返済のためにさらに借金する」自転車操業を繰り返すと、「返していない借金」が膨らんでしまいます。

自転車操業する前に、弁護士・司法書士に債務整理の相談をしましょう。

団体職員の債務整理まとめ

団体職員は、借金しやすい職業です。

他方で、収入が安定している方が多いため、借金の原因に問題があるケースも少なくありません。

そのため、「膨大な借金」を抱えてしまうこともあります。

団体職員の借金は、対処時期を間違えなければ、任意整理で返済できる場合がほとんどです。

借金の返済は、「早期対応」がないよりも大切です。

借金の返済が苦しいと感じたときには、「さらに借金して返済する」ことは絶対にせず、弁護士・司法書士に相談しましょう。

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