『兄弟の借金が見つかって悩んでいる』
『兄弟の借金は家族が肩代わりしなければならない?』
『なんとかして借金を解決したい』
こんな悩みを抱えていないでしょうか?
借金などお金の問題は家族であっても相談しにくいもので、気が付いたら兄弟姉妹で借金が発覚することもあるでしょう。
結論から言うと、兄弟姉妹間で借金を肩代わりする義務はありません。
しかし、なんとか手を差し伸べてあげたいと考えている人に向けて、兄弟姉妹の借金を解決する4つの方法を紹介します。
借金は自力での返済が難しい場合も多いです。
手遅れになる前に、弁護士や司法書士に相談を行ってください。
それでは解説をしていきます。
Contents
兄姉姉妹の借金を肩代わりする義務はない
兄弟姉妹間での借金の返済義務はありません。
なぜなら、親や兄弟などの家族も法律上は「他人」として扱われるからです。
もし兄弟が多額の借金を負ってしまったとしても、あなたが返済義務を負うことはないので安心してください。
兄弟姉妹の借金を肩代わりしなければならない場合は?
先ほど、兄弟姉妹間での借金の返済義務はないと説明しました。
しかし、状況によっては例外的に借金の返済義務が生じる場合があるので、自分が当てはまっていないか確認しておきましょう。
兄弟などの借金の返済義務が生じるのは、以下の場合のみです。
- 保証人や連帯保証人になっている場合
- 兄弟姉妹の借金を相続した場合
それぞれ順番に解説します。
兄弟姉妹の「連帯保証人」や「保証人」となっている場合
兄弟姉妹の「保証人」や「連帯保証人」になっている場合は、借金の返済義務が生じます。
保証人である場合は、もし借金の返済が求められても「まずは借金の債務者の財産を差し押さえてください」と反論が可能です。
しかし、連帯保証人の場合は債権者から返済を求められた場合、問答無用で支払いに応じなければなりません。
これを「催告の抗弁権がない」と言います。
連帯保証人については下記ページで詳しく解説をしています。
参考⇒債務整理と連帯保証人〜自己破産や任意整理をした場合の影響と対策〜
兄弟姉妹の借金を相続した場合
兄弟姉妹の借金を相続したときは、借金の返済義務が生じます。
相続は財産を受け継ぐものと思われがちですが、実はマイナスの財産(借金)も対象になるのです。
法定相続の順位は下記の表の通りです。
配偶者 | 常に相続人となる(民法890条) |
子 | 第1順位(民法887条) |
直系尊属(親) | 第2順位(民法889条) |
兄弟姉妹 | 第3順位(民法889条) |
もし財産より負債の方が多い場合は「相続放棄」で対応可能です。
ただし、相続放棄は相続開始から3ヶ月以内に行わなければいけません。
相続開始は「個人が死亡した瞬間」から始めるため、死亡を知ったのが遅れたとしても期限は変わらない点に注意しましょう。
兄姉姉妹の借金を返済する4つの解決策
兄弟姉妹が多額の借金を抱えてしまった場合、以下の方法を選ぶことになります。
- 借金の返済を肩代わりする
- 任意整理を勧める
- 個人再生を勧める
- 自己破産を勧める
上記の方法はどれも使える場合と使えない場合があるので、それぞれ順番に見ていきましょう。
①借金の返済を肩代わりする
自分の収入や財産に余裕がある場合は、代わりに返済するのが良いでしょう。
借金は「利息の負担」が大きくなって返済に時間がかかっている場合がほとんどです。
例えば、消費者金融から年利18%で50万円借りたとします。
もし最低返済額で返済したとすると、最終的に支払う利息の総額は「約25万円」となり、非常に大きな負担です。
兄弟の代わりに早期に借金を返済することで、利息分の負担を大幅に減らすことが可能になります。
ただし、兄弟や姉妹間で借金を肩代わりする義務はありません。
自分の収入や財産に余裕がない時は、無理に肩代わりすることは避けた方が良いでしょう。
②任意整理を勧める
任意整理は、債務整理の中でもっとも簡単な条件で申し込めます。
消費者金融や銀行といった債権者と個別に返済条件の見直しの交渉をして、成功すれば「今後の利息のすべて」が免除されます。
また、返済期間も延びることが多いので、毎月の返済額が大幅に減額できる場合があります。
③個人再生を勧める
個人再生は、任意整理と違って利息だけでなく元金の一部を減額してもらえる可能性があります。
もし多額の借金を負って任意整理では対応できないときでも、個人再生を裁判所に申し立てれば、借金の一部を免除してもらえる可能性があります。
また、住宅ローンの残ったマイホームがあるときには、「住宅ローン特則」付きの個人再生を利用することで、マイホームを手放すことなく消費者金融や銀行カードローンだけを整理することも可能です。
任意整理については下記ページで詳しく解説をしています。
参考⇒任意整理のメリットとデメリット?債務整理で1番多い手続きの注意点
④自己破産を勧める
個人再生でも解決しきれない場合は、自己破産で解決するしかありません。
任意整理や個人再生は、3年~5年程度の期間をかけて毎月の収入から借金の一部(全部)を返済しなければなりませんが、自己破産だと今後の借金の返済が一切不要になります。
自己破産のポイントをまとめると以下の通りです。
- 借金はなくなる
- ブラックリストに載る
- 本人名義の資産は差し押さえられる
- 家族が保証人の場合は返済義務が生じる
特に、処分すべき財産がまったくない人の場合には、個人再生よりも自己破産の方が有利な場合も少なくないといえるでしょう。
自己破産については下記ページで詳しく解説をしています。
参考⇒自己破産はメリットしかない?家族や子供、仕事にデメリットはないの?
兄弟姉妹の借金の解決法のまとめ
兄弟姉妹だからといって「借金を肩代わりする義務」はありません。
しかし、自分が連帯保証人になっている借金や、借金を相続する可能性があるときには、やはり不安になってしまうものです。
兄弟や姉妹の借金の解決方法は、以下の4つが挙げられます。
- 借金の返済を肩代わりする
- 任意整理を勧める
- 個人再生を勧める
- 自己破産を勧める
多額な借金を抱えてしまったときには、安易に手助けをすると共倒れになることもあります。
そのときは、借金を抱えてしまった兄弟姉妹が債務整理に踏み切れるように、しっかり支えてあげることが大切です。
借金問題は、債務者が問題を1人で抱え込んでしまうことで深刻化することが少なくありません。
日頃から何でも相談し合える関係を作ることが大切だと言えるでしょう。