債務整理4つの種類とメリット・デメリット

債務整理には、「任意整理」、「特定調停」、「個人再生」、「自己破産」の4つの方法があります。

それぞれの名前は聞いたことがあるけど、「内容や仕組みはよく知らない」という人もたくさんいると思います。

ほとんどの人にとって債務整理は、「人生で1度経験するかしないか」という体験なので、「よくわからない」ということは仕方のないことです。

しかし、債務整理は失敗するわけにはいかない非常に重要な出来事でもあります。

また、それぞれの状況に応じて最適な方法を選択することも大切です。

そこで、今回は、4つの債務整理を、手続きの特徴やメリット・デメリットの違いに整理して解説します。

これから債務整理をはじめようと考えている方は参考にしてください。

また、『今もらっている給料から考えて、借金を完済するのは物理的に難しいことが頭では分かっている。』

『毎月の返済は出来ても、結局生活費が賄えずまたお金を借りてしまう。』

このような状態の方は、既にその借金を返済できる見込みはほぼありません。

手遅れになる前に、弁護士や司法書士に相談を行ってください。

法律事務所は匿名で利用できる、無料シミュレーションサイトの利用が便利です。

それでは解説をしていきます。

「財産の処分を必要」とする債務整理と「処分不要」の債務整理

債務整理すると「マイホームなどの財産を必ず処分しなければならない」と思い込んでいる人は少なくないようです。

しかし、実際の債務整理の多くは財産の処分を必要としていません。

財産の処分が必須なのは「自己破産」だけ

財産の処分が必要不可欠な債務整理は「自己破産」だけです。

自己破産は、保有財産とすべての負債を自己破産したときを基準に強制的に清算する手続きです。

そのため、自己破産をすると、原則として、マイホームなどの不動産、自動車、貴金属、有価証券といった資産を処分する必要があります。

資産を処分して得た金銭を債権者に配当することで、負債が清算されます。

自己破産しても「すべての財産」を失うわけではない

清算のための手続きである自己破産でも、「すべての財産」を失うわけではありません。

破産すると必ず消滅する法人の場合とは異なり、個人の場合には自己破産後も生活を続ける必要があります。

そこで、個人の自己破産では、「生活に必要な程度の財産」は処分が禁止されています。

自己破産しても処分されない財産は、一般の方が思っているよりも多くあります。

現金も一定額までなら手元に残すことができ、テレビや冷蔵庫、エアコンなども処分されません。

自己破産の際に手元に残せる財産の具体的な範囲は、裁判所の運用で異なります。

詳細については、お住まいの地域の弁護士・司法書士に相談してください。

財産がなければ、自己破産で失うものは何もない

自己破産しても、生活に必要な程度を越える財産が何もないときには、財産の処分はありません。

保有財産が20万円以下であるときの自己破産は、「同時廃止」という取扱いとなります。

同時廃止となれば、自己破産の手続きは、開始決定と同時に廃止(終了)となります。

自己破産については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒自己破産はメリットしかない?家族や子供、仕事にデメリットはないの?

マイホームを失わないために「債務整理をした方がよい」こともある

住宅ローンを抱えている人が借金苦となったときには、債務整理をした方がマイホームを失うリスクが減る場合もあります。

個人再生の手続きは、マイホームを保持したまま消費者金融などの借金を解決するための手続きです。

個人再生では、将来の収入から消費者金融などの借金の一部を3年の分割で返済します。

3年の分割返済を終えれば残りの借金の返済が免除されます。

そのため、消費者金融からの多額な借金でも解決できます。

個人再生には、住宅ローン特則とよばれるマイホームを守るための特別なやり方があります。

住宅ローン特則を用いれば、すでに住宅ローンの延滞がある場合や、債権者から差し押さえられている場合でも、延滞前の状態に戻せることもあります。

個人再生については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒個人再生は家を残せる大きなメリットがあるが2つのデメリットもある

任意整理や特定調停では保有財産を申告する必要すらない

自己破産以外の債務整理では、財産の処分は不要です。

しかし、個人再生では返済額(免除額)を算出するために、保有財産を申告する必要があります。

最も一般的な債務整理の方法である任意整理では、保有している財産を債権者に申告する必要もありません。

債務整理後に「返していく」手続きと、債務整理後は全く返さない手続き

債務整理には、債務整理後に借金を返済していく手続きと、債務整理後は一切返済しなくてよい手続きがあります。

4つの債務整理のうち、任意整理、特定調停、個人再生は、債務整理の(和解締結、再生計画認可)後に、毎月の収入から借金(の一部)を分割で返済するものです。

毎月の収入で返済できるのであれば、財産の処分は一切不要です。

また、債務整理後の返済額は、「利息の免除」や「借金自体の一部免除」があるので、債務整理前よりも少なくなります。

自己破産後に得た収入はすべて自由に処分できる

自己破産は、自己破産した時を基準に借金を清算する手続きです。

したがって、自己破産した後に得た収入や財産は、借金の返済に充てる必要がありません。これを法律では「新得財産」とよびます。

自己破産が同時廃止となったときには、財産の処分もなく、自己破産後の収入もすべて自由に処分することができます。

財産がなく借金が多額な人の債務整理で自己破産が選択されることが多いのは、自己破産が他の方法よりも遙かにメリットの多い選択肢だからです。

「借金を減免してもらえる」債務整理と「利息しか免除されない」債務整理

個人再生や自己破産をすると、借金それ自体が免除されます。

個人再生では、法律の基準に沿って定めた金額を3年で分割返済すれば、残りの借金の返済は免除されます。

自己破産では、免責を得られれば、一切の返済義務が免除されます。

同時廃止となるケースでは、1円も返済できませんが、それでも返済義務は免除されます。

利息がなくなるだけでも返済の負担は大幅に軽くなる

これに対して、任意整理や特定調停では、借金それ自体が免除されることは通常はありません。

任意整理や特定調停では、将来発生する利息の支払いが免除されるにとどまります。

しかし、消費者金融や銀行カードローンの返済が苦しくなる原因の多くは利息の負担です。

毎月の利息が免除されるだけでも、返済の負担が劇的に軽くなります。

官報で公告される債務整理と誰にも知られるリスクのない債務整理

債務整理したことは、実際には他人に知られることはあまりありません。

しかし、個人再生や自己破産すると、政府の広報誌である官報に氏名などの個人情報やそれぞれの手続きに関する事項が掲載されます。
自己破産や個人再生では、「すべての債権者」を同時に対象としなければならないために、手続きがはじまったことを広く世間に知らしめる必要があるからです。

しかし、日頃から官報を確認している人はごく僅かです。この記事を読んでいる人でも官報をチェックしているという人はほとんどいないと思います。

官報公示は、「申立人が申告した債権者に漏れがあったとき」に備えるための儀式のようなものに過ぎません。

「任意整理」なら債務整理したことを他人に知られるリスクはほとんどない

どうしても他人に知られることが心配というときには、任意整理で借金を解決します。

任意整理は裁判所を利用せずに、こちらが選んだ債権者とだけ個別に話し合いをします。

弁護士や司法書士に任意整理を依頼すれば、すべての交渉を代わりに行ってもらえます。

つまり、債権者があなた(や勤務先・自宅)に連絡してくることはありません。

任意整理については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒任意整理のメリットとデメリット?債務整理で1番多い手続きの注意点

費用負担が特に少ない特定調停

債務整理には費用がかかります。

弁護士・司法書士に支払う報酬のほか、裁判所を利用するときには手続き手数料や予納金の負担が必要です。

弁護士や司法書士に債務整理を依頼するケースでは、数万円から数十万円かかります(借金の額や債権者の数によって異なります)。

債務整理にかかる費用がどうしても負担できないときには、裁判所に特定調停を申し立てる方法があります。

特定調停は、債権者1社につき500円の手数料と予納郵券を納めることで利用できる最も安価の債務整理です。

しかし、特定調停は、他の債務整理に比べ、費用面以外での優位性はほとんどありません。

特定調停の和解の内容は、支払い額の面でも、返済条件の面でも任意整理よりも不利となる場合が少なくありません。

実際にも特定調停の利用は減少傾向にあります。

特定調停については下記ページで詳しく解説をしています。

関連記事⇒特定調停って何?実際の流れやメリット・デメリットについて

債務整理にかかる費用は分納や法テラスでの立替えが可能なときもある

債務整理にかかる費用は、分割払いや公的機関による立て替え払いが可能なことがあります。

弁護士・司法書士の報酬については、現在では分割払いに応じてくれる事務所がほとんどです。

債務整理を依頼すると、債務整理が終了するまでの間借金の返済はストップします。

弁護士・司法書士への報酬は、この間に分割して支払うのが一般的です。

したがって、借金の支払いと弁護士・司法書士報酬が二重の負担となることはありません。

また、自己破産や個人再生では、破産管財人・個人再生委員の報酬に充てられる予納金(引継予納金)の負担が大きくなります。

自己破産の場合の予納金は最低20万円です。

予納金の支払いは、一括払いが原則ですが、ケースによっては、分納(積み立て)による支払いを認めてもらえることもあります。

さらに、生活保護受給者やそれに準ずる程度の収入しかない方であれば、法テラスによって、これらの費用を立て替えてもらうことができます。
法テラスに立て替えてもらった費用は、毎月5,000円もしくは1万円ずつの分割で返還します。

生活保護受給者であれば、立替金の返還も免除されます。

関連記事⇒債務整理費用が払えない?分割や後払いが出来る法律事務所で相談を!

「信用情報に傷がつく」のはどの債務整理でも同じ

債務整理で最も一般的なデメリットは、いわゆるブラックリストに登録されてしまうことです。

債務整理をすると信用情報に事故情報が一定期間登録されます。

そのため、事故情報が登録されている間は、新規の借金やクレジットカードの発行ができません。

債務整理の事故情報は、一般的には債務整理から5年間登録されます。

なお、銀行を債権者として個人再生・自己破産したときには、銀行系の信用情報機関であるKSCに限り、最大10年の登録となります。

関連記事⇒債務整理をするとブラックリストに名前や住所が載るの?

まとめ

4つある債務整理には、それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なります。

債務整理は、借金や収入・財産の状況にあわせて最も有利な方法を選択することが非常に重要です。

「私の場合にはどの手続きがよいのかわからない」という場合でも、弁護士・司法書士に相談すれば、適切な方法を選択してもらうことができます。

なお、債務整理の選択肢を幅広く残すためには、早期着手が非常に大切です。

借金の状況が深刻なるほど、選択できる手続きは減っていきます。

借金の返済が苦しいと感じたときには、できるだけ早く、弁護士・司法書士に相談しましょう。

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