債務整理と戸籍~債務整理をすると戸籍謄本に情報がのる?債務整理に気をつける4つのこと

債務整理をするといくつかのデメリットが生じることがあります。

しかし、しばしば耳にする「債務整理すると○○になる」という話には、正しくない情報も少なくありません。

「債務整理をすると戸籍に記載される」ということもその典型例です。

自己破産すると戸籍に記録が残って、「家族に不利益が生じる」、「結婚するときに悪影響がある」ということを心配する人もいるようです。

しかし、債務整理したことは、戸籍に記載されません。

また、「債務整理をしたことが戸籍に載る」ことが心配な方は、「債務整理したことが誰かに知られてしまう」ことを心配している方が多いと思います。

さらに、この記事では、「誰にも知られずに借金を解決するために気をつけるべき4つのポイントについても説明します。

また、『自転車操業状態が続いており、完済が厳しい事は心の中では分かっているが問題を先送りにしてしまっている。』

『給料が出ても結局、月末になると借りてしまう生活が1年以上続いている。』

このような状況まで状態が悪化している方は、既に黄色信号が点滅している危険な状態です。

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それでは解説をしていきます。

債務整理しても戸籍に記載されない

まず、「債務整理しても戸籍に記載されない」ことについて確認しておきましょう。

戸籍とはそもそもどのような制度か

戸籍は、古代中国の「戸」とよばれる家族集団に由来しています。

さまざまな社会活動が「戸」を単位に行われていたので、権力者は戸を把握しておく必要があったのです。

そのため、戸籍制度は、中国の影響を強く受けた東アジアに広くみられた制度です。

現在では、日本と中国が戸籍制度を維持しています。

なお、「家(族)」よりも、「個人」を重視する色彩の強い西欧諸国では「戸籍」に該当する制度がありません。

日本の戸籍は、戦前にあった「家制度」とセットで設けられた仕組みでした。

家制度の下では、「家(戸)」は国家統治システムの1つとして位置づけられていたので、「家(戸)」を正しく把握する必要があったからです。

現在では、家制度は廃止されています。さらに、現在では住民基本台帳(住民票)が整備されているので、元々の戸籍の意義は失われているといっても良いでしょう。

戸籍が用いられる場面は、相続などの場合に「誰が親(子)なのか」といった事項を証明する場面に限られます。

戸籍に記載される事項

日本の戸籍は、戸籍法という法律に基づいて運用されています。

戸籍に記載されるのは、「家族の続柄」と「続柄を決める手続き(原因)」に関する事項です。

破産歴や犯罪歴は「家族の続柄」とは無関係な事項なので、戸籍には記載されません。

戸籍法(ならびに戸籍法施行規則)によれば、戸籍に記載すべき事項は、次のとおりです(戸籍法13条、戸籍法施行規則30条)。

・氏名
・出生年月日
・戸籍に入った原因および年月日
・実父母の氏名および実父母との続柄
・養子であるときは養親の氏名および養親との続柄
・夫婦については、夫または妻である旨
・他の戸籍から入った者については、その戸籍の表示
・身分に関する事項
・届出又は申請の受附の年月日ならびに事件の本人でない者が届出又は申請をした場合には、届出人又は申請人の資格及び氏名
・報告の受附の年月日および報告者の職名
・請求、嘱託又は証書もしくは航海日誌の謄本の受附の年月日
・他の市町村長または官庁からその受理した届書、申請書その他の書類の送付を受けた場合には、その受附の年月日およびその書類を受理した者の職名
・戸籍の記載を命ずる裁判確定の年月日

参考⇒戸籍法施行規則|e-Gov

戸籍上の身分事項とは

上で掲げた記載事項のうち「身分に関する事項」に債務整理の情報が含まれるのではないかと考える人もいるかもしれません。

たとえば、禁治産・準禁治産の宣告、成年被後見人の登記、破産手続開始決定を受けていないことを証明するために、市区町村に「身分証明書」の発行を請求する場合があるからです。

戸籍上の身分事項は、戸籍法施行規則39条が次のように定めています。これにも、自己破産や犯罪歴に関する事項は含まれていません。

・出生に関する事項
・嫡出でない子について、認知に関する事項
・養子について、現に養親子関係の継続するその養子縁組に関する事項
・夫婦について、現に婚姻関係の継続するその婚姻に関する事項及び配偶者の国籍に関する事項
・現に未成年者である者についての親権または未成年者の後見に関する事項
・推定相続人の廃除に関する事項でその取消しのないもの
・日本の国籍の選択の宣言または外国の国籍の喪失に関する事項
・名の変更に関する事項
・性別の取扱いの変更に関する事項

いずれにしても借金問題は時間との勝負です。

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市区町村には「破産者名簿」が備え付けられている

市区町村は、行政手続きの必要から破産者を把握しておく必要があります。

そのため、市区町村には、「破産者名簿」と呼ばれる帳票があります。

自己破産したときには、本籍地の破産者名簿に記載される可能性があります。

破産者名簿の管轄が住民票所在地ではなく、「本籍地」であるのも「自己破産すると戸籍に記載される」という誤解の要因となっているのかもしれません。

現在の運用では、自己破産しても「破産者名簿に載らない」ことの方が多い

破産者名簿の運用は、「戸籍事務司掌者に対する破産手続開始決定確定等の通知」という平成16年11月30日付けの通達に基づいて行われています。

この通達では、次の場合に「破産者名簿」への搭載がなされます。

・破産手続開始の決定が確定した日から1ヶ月を経過しても、当該破産手続にかかる免責手続が係属していないとき
・破産手続開始の決定が確定した日から1ヶ月を経過した後の時点で、当該破産手続に係る免責許可の申立てがすべて取り下げられたとき
・破産手続開始の決定が確定した日から1ヶ月を経過した後に、当該破産手続に係る免責許可の申立てのすべてについて、これを却下し、又は棄却する裁判が確定したとき
・破産者について、免責不許可の決定が確定したとき。
・破産者について、免責取消しの決定が確定したとき。

簡単にいえば、「破産者が免責を受けられない可能性が高い」あるいは「免責を受けられないことが確定した」場合のみ、破産者名簿に登載されるということです。

仮に、搭載されても、「免責」もしくはその他の方法で復権すれば、破産者名簿から削除されます。

現在の運用では、免責を受けることが見込まれる通常の自己破産では、破産者名簿への登載すらありません。

自己破産については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒自己破産はメリットしかない?家族や子供、仕事にデメリットはないの?

家族以外の他人は身分証明書を請求できない

身分証明書の請求は、本人のほか、配偶者・父母・祖父母・子・孫のみが行えます。

それ以外の者による請求には、「委任状」が必要です。誰でも見られるというわけではないのです。

「誰にも知られず」に債務整理するためのポイント

「借金に苦しんでいること」や「債務整理したこと」は誰にも知られたくないものです。

債務整理のほとんどは、勤務先や知人に知られることなく終えることができます。

「自己破産」しなければ「破産者名簿」は心配しなくて良い

破産者名簿の問題は、「自己破産して免責が得られない場合」に限り問題となります。

したがって、自己破産以外の債務整理では、破産者名簿のことを心配する必要がありません。

個人再生や任意整理では、資格制限・職業制限は一切生じないからです。

個人再生については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒個人再生は家を残せる大きなメリットがあるが2つのデメリットもある

繰り返しますが、借金問題は早期の段階で問題解決に向けて動き出すのが鉄則です。

悩んでいる間にも利息や遅延損害金は増えつづけ状況は悪くなる一方です。

まずは今すぐ専門家に相談することをおすすめします。

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自己破産する際には、「免責不許可」とならないように注意する

自己破産すれば、原則として免責を得られます。

しかし、破産法252条1項各号が定める「免責不許可事由」に該当する際には、免責を得られない場合があります。

免責不許可事由の例としては、「ギャンブルや浪費による多額な借金」がよく知られています。

しかし、免責不許可事由に該当する場合でも裁判所の裁量で免責を受けることができます。

これを裁量免責(破産法252条2項)といいます。

したがって、「過去に免責不許可事由に該当していた」からといって、免責を諦める必要はありません。

むしろ、自己破産の手続きに非協力的な態度をとるといった「現在の問題」の方が、免責不許可の理由となることが多いようです。

破産者名簿への登載を回避するためには、「財産を正しく申告する」、「破産管財人にきちんと説明する」ことがとても大切です。

「官報公告」で「知人にバレる」ことはほとんどない

自己破産・個人再生では、「官報公告」があります。自己破産・個人再生では「すべての債権者」を対象とするので、自己破産・個人再生が行われていることを「漏れなく伝える」必要があるからです。

しかし、一般の方が官報をチェックすることはまずありません。企業であっても日々官報をチェックしているところは、ほとんどないといって良いでしょう。

ところで、ヤミ金業者は、顧客開拓のために官報をこまめにチェックしていることが多いといわれます。

そのため、自己破産・個人再生するとヤミ金業者から「融資の案内」が届くことがあります。

ヤミ金業者とは絶対に付き合わないようにしましょう。

闇金の借金と債務整理については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒闇金の借金は債務整理できる?弁護士や警察に相談をする前の注意点

「任意整理」なら役所にすら知られない

「任意整理」は、裁判所を用いずに、債権者と私的に交渉する債務整理です。

裁判所を用いないので、「特定の債権者とだけ」交渉することも可能です。

したがって、自己破産・個人再生のような官報公告もありません。

任意整理であれば、「誰かに知られる」リスクはほとんどありません。

しかし、任意整理では、個人再生や自己破産のように、「借金の減額」、「返済義務の免除(免責)」がありません。

任意整理では、「利息の免除」と「分割払いのやり直し」で「借金を返しやすくする」に過ぎません。

したがって、「借金が多額すぎるとき」には、任意整理ではもはや返済しきれないということもあり得ます。

実は、「誰にも知られずに借金を解決する」には、「できるだけ早く債務整理を始める」ことに尽きるのです。

返済に行き詰まった借金は、債務整理が遅れるほど膨らんでいきます。

任意整理については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒任意整理のメリットとデメリット?債務整理で1番多い手続きの注意点

債務整理と戸籍のまとめ

債務整理をしても戸籍に記載されることはありません。

特に自己破産は「悪いことをしている」というイメージを持っている方が少なくありません。

「自己破産すると○○になる」という間違った情報の多くは、「自己破産はしてはいけないこと」というイメージに起因しているものが少なくありません。

たしかに、破産制度の歴史を紐解けば、19世紀のイギリスにあった債務拘禁制度のように、懲罰的な色彩が強い措置がなかったわけではありません。

債務拘禁とは、借金が返済できない者を監獄に収容する仕組みです(1869年に廃止されている大昔の制度です)。

日本の破産制度でも、過去には、「破産者が逃亡・財産隠匿の恐れがあるとき」に、裁判所が破産者の監守を命じる仕組みがありました(旧々破産法(大正11年法)149条)。しかし、監守制度も現在では廃止されています。

現在の自己破産(債務整理)は、「人生の再出発のために認められた合法的な救済措置」です。

自己破産で生じるいくつかの制度的な制限は、自己破産手続きを適正に行うために必要な措置にすぎません。

資格制限・職業制限も「懲罰」というよりも、取引相手の保護を念頭においたものと理解すべきでしょう。

借金で苦しんでいるときには、さまざまなことで不安を感じます。

「債務整理したら○○となるのでは」と不安に感じたときには、弁護士・司法書士にその不安を打ち明けてみてください。

ほとんどのケースで、不安は解消できると思います。

1人で悩み続けるのではなく、まずは第一歩を踏み出すことが非常に重要です。

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