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借金140万円の返済方法と債務整理を今すぐすべき理由
「借金140万円」は完済不可能な借金ではありませんが、現実的に自力で返済していくのはかなり厳しい金額です。
140万程まで借金が増えている方は、3社以上の金融機関から借金をしている可能性が高いでしょう。
借金の問題は、借入先が増えるほど深刻化しやすい傾向があります。
しかし、逆に言えば140万円くらいであればまだ、ギリギリ債務整理の手続きを取る事で借金問題は比較的簡単に解決することが可能です。
この記事では、借金が140万円まで増えてしまったらすぐに債務整理を検討すべき3つの理由について説明します。
借金140万円は、ちょっとしたきっかけで一気に膨らみかねない金額です。
「いまはきちんと返済できているから問題ない」と思っている方でも、1日も早く借金を片付けられるよう対策を講じるべきでしょう。
また、重要なことなので結論からお伝えします。
今はまだ140万円くらいの借金ですんでいる状態であれば、1日も早く専門家に相談することをおすすめします。
借金は雪だるま式に増えていき、時間がたてばたつだけ状況は悪化するだけで、好転することは絶対にありません。
実際に、まだ初期の段階であれば比較的簡単に問題解決できたのに後回しにした結果、最悪の結末を迎えてしまった方は少なくありません。
『給料日になっても返済や支払いでお金が減ってしまい、月末になるとまた借りてしまう。』
『借金の総額が1年以上減っていないもしくは増えている。』
このような状態まで状況が悪化している方は、既に黄色信号が点滅している危険な状態です。
手遅れになる前に、1人で悩むのではなく今すぐ法律事務所に相談をしてください。
それでは解説をしていきます。
借金140万円は、多重の借入であることが多い
「消費者金融やカード会社からの借金が140万円ある」という方のほとんどは、複数の金融機関から借金しています。
ほとんどの金融機関の無担保ローンは、当初の融資上限を50万円に設定して契約しているからです。
したがって、140万円の借金がある方は、3社以上から借金している方が多いといえます。
返済日の管理が大変
借金の返済は、返済相手(返済日)が多いほど延滞しやすいと言われます。
返済日が増えれば「忘れてしまう」、「勘違いしてしまう」、「仕事の都合で返済できなくなる」といったことが起きやすくなります。
また、週のうちに複数の返済日がやってくれば、「資金繰りが間に合わない」ということにもなりかねません。
仮に1社あたり15,000円としても、2社重なれば3万円ですから、軽い負担ではありません。
複数社からの借入は利息の支払いも多い
金融機関からの借金は、「借入額」が大きいほど、低い利率が適用されます。
また、利息制限法の上限利率も、下記のように、借入額が多いほど低く設定されています。
10万円未満の借金・・・年20%
10万円~100万円未満の借金・・・年18%
100万円以上の借金・・・年15%
利率の設定は「借り入れた金融機関ごと」に設定されます。
したがって、消費者金融3社から50万円、50万円、40万円を借りれば、消費者金融1社から140万円借りた場合よりも利率は高くなります。
借入額 | 50万円 | 40万円 | 140万円 |
---|---|---|---|
利率(実質年率) | 18% | 18% | 18% |
最低返済額 | 15,000円 | 13,000円 | 43,000円 |
返済回数 | 51回 | 45回 | 43回 |
支払利息の総額 | 25,0686円 | 175,297円 | 408,671円 |
たとえば、一般的な消費者金融から50万円、40万円を年18%で借りた場合には、上の表のとおりになります。
3社から140万円借金した場合では、毎回の返済額は合計43,000円、返済回数は51回(4年3ヶ月)、支払う利息の総額は、676,669円になります。
他方で、消費者金融1社から140万円を年15%で借金したケースでは、43,000円の返済では、返済回数は43回(3年7ヶ月)、利息の総額は、408,671円で済むのです。
また、返済回数を51回に合わせて計算すると、毎月の返済額は、約37,000円、利息総額は、約50万円です。
「多重の借入」はすべての面で不利なのです。この状態を長く続けることは、あまりお勧めできません。
繰り返しますが、借金問題は時間との勝負です。
後回しにして待っているのは、最悪の結末だけです。
1人で悩むのではなく、いち早く専門家に相談することをおすすめします。
借金140万円は借りられる上限
現在の法規制では、貸金業者からの借金は「年収の1/3まで」と規制されています。
国税庁が実施した平成28年分民間給与実態統計調査によれば、平均年収は422万円です。
「借金140万円」は、この年収のちょうど1/3にあたります。
つまり、平均年収の方であれば、140万円は借金の上限額にあたります。
返済に1度行き詰まると借金が一気に膨らむ可能性が高い
上の例では、毎月の返済額は43,000円です。
平均年収の方であれば、毎月の手取額は、22~25万円位になると思われるので、確かに返済できない金額ではありません。
しかし、1度延滞してしまうと、それを挽回するのはかなり大変です。
仮に1ヶ月延滞すれば、遅延損害金だけで約18,000円になります(年20%で計算した場合)。
元の返済(約定通りの返済)に戻すには、10万円以上まとめて支払う必要があります。
借金140万円は、きちんと返済できているようでも「綱渡りに近い状態」にあることが少なくありません。
自転車操業しようにも「借りられない」
借金返済のためにさらに借金を重ねることを「自転車操業」とよぶことがあります。
すでに借金が140万円に達していれば「自転車操業」しようにも貸してくれる金融機関を見つけることも難しいでしょう。
先に触れた「総量規制」に抵触するからです。
「審査に甘い」、「ブラックでも貸してくれる」と評判のある貸金業者でも、「総量規制」は守らなければなりません。
過去に自己破産した人に融資しても法律違反にはなりませんが、「総量規制違反」は貸金業法違反となるからです。
「借金返済のためにヤミ金に手を出してしまった」ということになれば、大きなトラブルになります。
参考⇒闇金の借金は債務整理できる?弁護士や警察に相談をする前の注意点
これ以上借金が膨らむと相談できる専門家が減る
借金の問題は、弁護士や司法書士に相談することが一番です。
しかし、借金が多額になりすぎると相談・依頼できる専門家を見つけづらくなる可能性があります。
借金が多額になると司法書士に依頼できないことがある
弁護士はあらゆる法律事務を行うことができる資格です。
借金の額に関係なくすべての債務整理の代理人になれます。
他方で、司法書士は必ずしもすべての債務整理を受任できるわけではありません。
任意整理や過払い金返還請求をすることのできる司法書士は「認定司法書士」に限られます。
認定司法書士の代理権は、「簡易裁判所で取り扱える事件」に限定されます。
したがって、認定司法書士は、自己破産・個人再生の代理人にはなれません。
任意整理については、「借金の額が140万円以下」の案件のみ、代理人となることができます。
ウェブ上では、「140万円」という言葉だけが一人歩きした説明を見受けることがあるので、下の通りに整理しておきます。
借金の状況や依頼内容等 | 認定司法書士に依頼できるか否か |
---|---|
アコム(150万円)の任意整理 | 認定司法書士には依頼できない |
プロミス(50万円)、アイフル(100万円)の任意整理 | 「債権者ごとの借金が140万円以下」なので、認定司法書士に依頼できる |
現在残っている借金は120万円だが、過払い金が50万円あるケース | 借金と過払い金の合計が140万円を超えるので、認定司法書士には依頼できない |
自己破産手続き | 書面作成のみ依頼できる(代理できない) |
個人再生手続き | 書面作成のみ依頼できる(代理できない) |
借金総額が140万円を超えていても、債権者1社あたりの借金が140万円以下であれば、任意整理を認定司法書士に依頼できます。
関連記事⇒任意整理のメリットとデメリット~債務整理で1番多い手続きの注意点
ただし、自己破産・個人再生は借金の額を問わず、認定司法書士に「代理」をお願いすることはできません。
司法書士は代理以外にも「裁判所に提出する書類の作成代行」を行えます。
司法書士に自己破産や個人再生を依頼するときは、「書類を作成してもらうのみ」になり自分で手続きを行う必要があります。
関連記事⇒
個人再生は家を残せる大きなメリットがあるが2つのデメリットもある
自己破産はメリットしかない?家族や子供、仕事にデメリットはないの?
しかし、裁判所の中には、弁護士代理人以外の自己破産・個人再生の申立ては、「費用が高くなる」、「手続きが長くなる」、「原則として受け付けない」といった運用をしているところがあるので注意が必要です。
参考⇒債務整理は弁護士と司法書士どっちに依頼するのが良いの?費用と違い
弁護士・司法書士は、「直接会える人」を選ぶべき
最近ではウェブで弁護士や司法書士を簡単に探すことができます。
弁護士・司法書士の中には「全国対応」をうたった事務所も数多くあります。しかし、債務整理の案件は、「弁護士・司法書士と直接会って依頼する」ことが重要です。
「全国対応」の事務所の中には、依頼人と直接会うことなく受任する事務所がないわけではありません。
なお、弁護士会・司法書士会はいずれも、「債務整理の案件は、たとえ遠距離の依頼人であっても、直接面談してから受任する」よう指導しています。
地方では「近くに弁護士がいない」ことも
以前に比べ弁護士の数はかなり増えました。それでも、弁護士は都市部に集中しています。
地方にお住まい方の場合には、認定司法書士なら近くにいるが、弁護士は「何時間もかけてでかけないと会えない」ということも十分にあり得ます。
借金が多額になれば、「専門家を見つけるコスト」も高くなります。
いずれにしても、後回しにすればするだけ取れる対応策は減っていくだけです。
まずは専門家に自分の現状を話、対策をとっていくことが重要です。
140万円以下の借金を債務整理する方法
140万円の借金は、どのように債務整理したら良いのでしょうか?債務整理の手続きごとに説明していきます。
140万円の借金でも自己破産できる場合もある
自己破産は「明らかに借金を完済できない」状態でなければできません。
したがって、一般的には、140万円の借金で自己破産することは難しいでしょう。
しかし、病気や高齢等を理由に「収入が全くない」方であれば、140万円の借金でも自己破産できる可能性があります。
「失う財産が全くない」のであれば、自己破産は最も有利な債務整理の方法です。
140万円の借金は、任意整理が基本
「任意整理」は、最も一般的な債務整理の方法です。
債権者と私的に交渉をするだけなので、手続きも簡単で、費用も安く済みます。
任意整理は、利息の支払を免除してもらうことで、借金を返済しやすくする方法です。
利息の支払いが免除されれば、多くのケースで完済できるようになります。
たとえば、140万円の借金を任意整理すれば、毎月の返済額は、「4年の返済で約3万円」、「5年では24,000円」となり、大幅に圧縮されます。
任意整理で返済できないなら「個人再生」
「利息を免除してもらっただけでは返せない」ケースでは、「個人再生」を申し立てます。
個人再生は、わかりやすくいえば、任意整理と自己破産の中間的な手続きです。
140万円の借金は個人再生を申し立てると「100万円まで」減免される可能性があります。
この100万円を原則3年の分割払いで返済するのが個人再生です。
毎月の返済額は28,000円です。
言い換えれば、「毎月28,000円(3ヶ月で約10万円)の返済が難しい」ときに、自己破産を検討することになります。
なお、個人再生での返済額は、申立人の財産状況によって異なります。詳しくは弁護士に直接相談してください。
これ以上借金が膨らむ前に解決しましょう
ここまでお話ししてきたように「借金140万円」は、平均的な年収の方にとっては完済できるギリギリの金額といえます。
現在問題なく返済できている方でも、決して油断せずに、「繰り上げ返済」するなどして、1日も早く借金を減らすことが大切です。
これとは逆に、「返済に不安がある」、「既に延滞している」という方は、できるだけ早く弁護士・司法書士に相談することをお勧めします。
借金問題は、後回しするほど解決が難しくなります。
ところで、いわゆる「おまとめローン」で借金を1本化して返済しやすくするという方法が紹介されることがあります。
たしかに、現状よりも低い利率で借入先を1つにまとめれば、毎月の返済の負担は減ります。実際に「おまとめローンで完済できた」という方も少なくありません。
しかし、「おまとめローン」の多くは、長期間の返済となるため、「最終的な支払額が現状よりも多くなる」ことがあります。
利率が下がった分は返済期間が延びたことで帳消しになるのです。
また、「おまとめローン」は、長期間での分割返済が前提となるので、病気や会社都合のリストラや減収といったリスクにも目を配る必要があります。
慌てて「おまとめローン」を申し込む前に、弁護士・司法書士に債務整理の相談をされることを強くおすすめします。
1人で悩むのではなく、今すぐ第一歩を踏み出すことをおすすめします。