借金やクレジットカードのリボ(分割)払いを抱えている人には、「いま残っている借金がいくらかわからない」という人も珍しくないようです。

「借金いくらかわからなくても、毎月返せているのだから問題ない」と考えている人もいるかもしれませんが、本来的には好ましいこととはいえません。

借金がいくらかわからなければ、毎月の支払額を正確に把握することができないだけでなく、今後の返済の見通しについて正しく判断できないからです。

そもそも、「いくらかわからない」ほど借金している、カードを利用しているという状況はとても危険です。

そこで、今回は、「借金がいくらかわからないときの調査方法」、「借金がいくらかわからなくても債務整理できるのか」について解説します。

借金やカードの残額は比較的に簡単に調査することができます。

しかし、借金がいくらかわからない期間が長いほど、残っている借金・カード利用額は多額になっている可能性が高いです。

判明した借金・カード残額をみて「これは返せない」と感じたときには、すぐに、弁護士・司法書士に相談しましょう。

「借金がいくらかわからない」のはなぜか?

「借金がいくらかわからない」原因のほとんどは、借り手側の対応に問題がある場合がほとんどです。

なぜなら、消費者金融やカード会社といった金融機関には、ローンやカードの利用残額を顧客に通知する義務があるからです。

実際にも、借金やクレジットカードでは、毎月の取引(返済・借入)ごとに必ず利用明細書が発行され、そこには利用残額が必ず記載されています。

しかし、借金問題を抱えてしまう人には、明細書をきちんと確認していない人が少なくありません。

明細書をみていない人には、1度見た金額をすぐに忘れてしまうのではなく、「利用明細を全く見ないでそのまま捨ててしまう」という人もかなりいるようです。

最近の借金やカードは「Web明細」がほとんど

近年では、「明細書が発行されていることを知らない」、「明細書の確認の仕方がわからない」というケースも増えています。

社会全体のペーパーレス化(コストカット)の流れを受けて、紙の利用明細書を送付する金融機関が減っているからです。

郵便で明細書が送られてきていない場合には、必ずWeb明細書が発行されています(金融機関が明細書を発行しないことは許されません)。

Web明細書は、それぞれの金融機関のウェブサイトのマイページやスマホアプリなどを通じて確認することができます。

マイページ用のIDやパスワードがわからない場合には、再発行を受けることができますので、まずはマイページ・アプリにアクセスしてみましょう。

「借金がいくらかわからない」ことが危険なのはなぜか

「借金がいくらかわからない」場合でも「毎月きちんと返済できているから平気」と気楽に考えている人もいるかもしれません。

しかし、「借金がいくらかわからない」ということは、次の理由でとても危険であるといえます。

毎月の支払額を正しく把握できない
借金が完済可能かどうか判断することができない
すでに借金が深刻になっている場合が多い

借金の状況が正しく把握できないことは危険

当然のことですが、借金返済の負担は、借金額に比例して重くなります。

借金の残額がわからなければ、毎月の返済額を正しく把握することができません。

借金がいくらあるかわからないという人のほとんどは、「今月の支払い額がいくらであるか」も正確に把握していない場合が多いでしょう。

「毎月決まった額をきちんと口座に入金しているから大丈夫」と思っている人もいるかもしれません。

しかし、カードローンやクレジットカードのリボ払いの支払い額は、「ずっと一定」というわけではありません。

これらの支払いは、「利用残額」に応じて変動する「残額スライド制」が採用されているからです。

カードローン(キャッシング)やリボ払いを使いすぎていて「いくらかわからない」というときには、利用残額が基準額を超えたことで、ある日突然、返済額が増えてしまう可能性もあります。

借金の状況がわからなければ、自力で完済可能かもわからない

借金やリボ払いの支払いは、完済まで数年以上かかる場合も珍しくありません。

完済までの期間が長くなるほど、支払わなければならない利息の総額も、途中で完済できなくなってしまうリスクも大きくなります。

また、「いくらかわからない」ときには、すでに毎月の支払で「借金がどのくらい減っているか」もわかりません。

借金の減り具合がわからなければ、いま抱えている借金を本当に自力で完済できるかどうかも正しく判断できません。

借金がいくらかわからないケースはすでに危険な場合が多い

「借金がいくらあるかわからない」ケースでは、借金額がわからなくなった事情にも問題がある場合が少なくありません。

たとえば、借金がいくらかわからなくなる原因としては、次のようなものが考えられます。

借金してから長期間経っても完済できていない
何度も繰り返し借金している
借入件数が増えすぎている

これらの理由で「借金がいくらかわからない」ときには、特に注意が必要でしょう。

これらの理由は、「借金を増やしてしまう」原因でもあるからです。

実際にも、借金を返せなくなった人には、「いま借金がいくらあるかわからない」ことを放置してしまった結果破綻してしまったという人も少なくありません。

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「借金がいくらあるかわからない」ときの対応の基本

「借金がいくらかわらない」というときには、すぐに借金・カード利用額の残額がいくらかを調べる必要があります。

「毎月支払えているだから大丈夫(なはず)」と思っている人でも、利用残額がわからないのであれば、すぐに必ず調査しましょう。

調査をしてみたら「とても自力では返せないだけの金額」に膨らんでしまっている可能性も否定できないからです。

利用明細書・請求書には必ず利用残額が記載されている

借金がいくらあるかわからないときの最も基本的な対処法は、債権者から送付されてくる請求書(兼明細書)に記載されている「利用残額」を確認することです。

金融機関が発行する、明細書(請求書)には、必ず利用残額が記載されています。

また、毎月の支払いをATM経由で行っている場合には、支払いをした際にも利用明細(領収書)が発行されるので、利用残額を確認することができます。

「今月の支払い額(請求額)しかみていない」、「細かく確認せずに捨てている」という人も少なくないかもしれませんが、借金・カードは常に利用残額を正しく把握しておくことがとても大切です。

「利用残額がいくらか」がわかっているだけで、「無計画な借りすぎ」を予防できる場合が多いからです。

マイページやアプリ・コールセンターで明細を確認する

最近では、紙の請求書(兼明細書)の発行を受けていない人も少なくありません。

紙の請求書(明細書)発行には別途手数料がかかる場合も多く、毎月受け取るのも面倒と感じる人が多いからです。

ATMで返済した場合にも紙の明細書の発行を受けない人が多いでしょう。

また、画面に表示された残額などの情報をきちんと確認していないケースの方が多いと思います。

紙による明細書の発行を受けていないときには、必ずWebの代替的な方法で明細書を確認することができます。

金融機関は、紙もしくは電磁的書類(デジタル文書など)での明細書発行を義務づけられているからです。

この場合には、それぞれの金融機関のウェブサイト(マイページなど)や、専用のアプリを利用して、明細書(利用残額)を確認することができます。

また、ウェブサイトやアプリの操作が難しいというときには、それぞれの金融機関のコールセンターに電話をすれば、利用残額を確認することもできます。

借金の期間が長い人は取引履歴の開示を求めた方がよい場合も

「借金がいくらかわからない」という人には、「返してはまた借りて」を長期間繰り返している人も多いと思います。

最初は、借金の金額を把握できていても、頻繁に借入を繰り返すうちに、だんだん金額がわからなくなり、最後は確認することすらあきらめてしまう(面倒になる)ケースは少なくないようです。

借金生活が10年以上になっている人の場合には、直近の明細書だけでなく「過去の取引履歴」のすべてを開示してもらった方が良い場合が多いでしょう。

2008年よりも前から借金生活が続いている場合には「過払い金」で借金を減額できる可能性があるからです。

取引履歴は下記の手順で開示を求めることができます。

金融機関のコールセンターなどに「取引履歴」の問合せをする
「取引履歴開示請求書」に必要事項を記載する
取引履歴開示請求書を「本人確認書類」を添えて債権者に送付する

金融機関は取引履歴の開示に応じる義務があります。

万が一、金融機関がきちんと対応してくれないときには、金融庁・財務局や都道府県といった金融機関の監督官庁に相談するとよいでしょう。

なお、取引履歴の開示を求めたことで、ブラック情報が登録されるといった不都合が発生することもありません。

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「どこから借りているか」もわからない場合にはどうしたらよいか?

何社からも借金を抱えているケースでは、「どこから借りているか」もハッキリとわからない場合が少なくありません。

どこから借りているかわからない場合でも、信用情報機関に信用情報の照会をすれば、「どこからいくら借りているか」をまとめて調査することができます。

信用情報機関は、次の3つの機関があります。

・全国銀行個人信用情報センター(KSC):銀行系
・シーアイシー(CIC):クレジットカード系
・日本信用情報機構(JICC):消費者金融系

3つすべての信用情報機関に情報の開示を求めれば完璧ですが、CICとKSCの2つの情報を照会すれば、ほぼ漏れなく調査できるといえます。JICC加盟の金融機関のほとんどはCICにも加盟しているからです。

信用情報の開示は、次の3つの方法があります。

窓口での交付(即日対応、CIC・JICC)
郵便での交付(1週間から10日ほど、全機関で対応)
インターネットでの交付(即日対応、CIC・JICC)

KSCについては、郵便交付のみの対応となっています。

信用情報の開示を求めるには、手数料と本人確認書類が必要です。

なお、インターネットでの交付を受けるためには、クレジットカードが必要です。

開示方法の詳細については、下記公式ウェブサイトも確認してください。

全国銀行個人信用情報センターの開示手続き
シーアイシーの開示手続き
日本信用情報機構

借金がいくらかわからなくても債務整理を依頼できる?

「借金がいくらかわからない」ときには、すでに借金の総額が大きすぎて、返済不可能ということもあるでしょう。

「借金いくらかわからない」と債務整理もできないと不安な人もいるかもしれません。

しかし、債務整理は、借金の金額がハッキリとわからない場合でも弁護士・司法書士に依頼できます。

むしろ、「借金がいくらかわからないほどたくさんあって返済できない」というときには、すぐにでも弁護士・司法書士に債務整理を依頼した方がよい場合がほとんどでしょう。

債務整理を依頼すれば、弁護士・司法書士が借金の調査をしてくれる

債務整理の依頼を受任した弁護士・司法書士は、借金の状況を必ず調査します。

どこからいくら借りているのかを正確に把握できなければ、正しい方針を立てられないからです。

たとえば、すでにわかっている債権者に対しては、受任通知の送付とあわせて「取引履歴の全件開示」を請求します。

また、不明な借入先があるかもしれないときには、信用情報機関に対する信用情報の開示手続きを依頼人に代わって行います。

債務整理を依頼したときには、これらの調査のために別途の調査費用(調査手数料)が発生することはありません。

借金の状況を調査することは、債務整理のなかで当然の作業だからです(着手金に含まれる業務です)。

なお、信用情報照会のために必要な手数料などの実費は別に依頼人が負担する必要があります。

調査結果は自分でも必ず確認すべき

借金がいくらかわからないまま弁護士・司法書士に債務整理を依頼したときには、借金調査の結果を自分でも確認しましょう。

特に、弁護士(司法書士)の債務整理の方針に異論があるとき(弁護士は自己破産すべきだといっているが自分では任意整理したい場合など)には、他の弁護士・司法書士にセカンド・オピニオンを求めることも検討すべき場合もありうるからです。

弁護士(司法書士)の開示請求によって金融機関から送られてきた取引履歴は、依頼人にも渡してもらうことができます。

弁護士・司法書士から取引履歴(の写し)の交付を受けるのに、別途費用が発生することもありません。

委任契約に基づいて得た資料は、依頼人の所有物だからです(民法646条1項)。

取引履歴の交付に別途手数料を求められる事務所は、悪質事務所の可能性もあるので注意しましょう。

まとめ

借金がいくらかわからないという状態は、ほとんどの場合、かなり危険な状況に陥っています。

「いくらかわからない」原因のほとんどは、「多重借り入れ」や「長期の借金」だからです。

場合によっては、すでに長期間返済を滞納している借金もあるかもしれません。

借金の額を調査して少しでも「自力での完済」に不安を感じたときには、できるだけ早く弁護士・司法書士に債務整理の相談・依頼をしましょう。

また、いくらかわからない借金をすでに滞納している(返済が苦しいと感じている)ときには、自分で借金を調査する前であっても、弁護士・司法書士にすぐに相談した方がよいケースも少なくありません。

借金がいくらかわからなければ債務整理を依頼できないということはありません。

返済に行き詰まってしまったときには早急に債務整理の相談を申し込みましょう。

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