アビリオ債権回収から届いた、身に覚えのないハガキ。
ましてや「支払わなければ法的手続きを取る」といった内容であれば、あなたは仕事も手につかないほど動揺したのではないでしょうか?
しかし、一方でこう考える方もいるでしょう。
「そんな会社からお金は借りてないから大丈夫」
「10年以上前にプロミスから借りたけど、確かに完済したはず」
「架空請求に違いない、連絡する必要はないだろう」
そう考えたくなるのも、無理はありません。
しかし、アビリオ債権回収からのハガキは、架空請求ではないのです。放置すると、給与の差し押さえや法的措置を取られるなど、状況が悪化する可能性があります。
この記事を読めば、ハガキが届いて不安に感じている人がどうすべきか、解決方法がわかります。
ぜひ最後までお読みください!
- アビリオ債権回収からハガキが届く理由
- ハガキが届いた時の対応法
- アビリオ債権回収からの請求を債務整理で解決する方法

アヴァンス法務事務所では、全国から債務整理案件を受託しており、累計23万件以上の実績がございます。
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Contents
アビリオ債権回収から請求のハガキが来るのはどうして?
アビリオ債権回収会社とは
債権回収会社とは、金融機関から委託を受け債権の管理・回収を行う法務大臣が許可した専門業者のこと。
アビリオ債権回収株式会社は、SMBCコンシューマーファイナンス(消費者金融プロミス)が100%出資して設立された子会社です。
通常の債権回収は債権者自身が行いますが、延滞が続いた不良債権については、債権回収会社に譲渡されることがあります。
アビリオ債権回収からのハガキは架空請求ではなく、法的に正当なもの。ハガキの文面は例えば、以下のようなものです。
冠省にて失礼いたします。
早速ではございますが、当社が有する【請求内容】欄記載の債権について、お支払い期日が過ぎましても、ご入金の確認が取れておりませんのでお知らせいたします。
本状到着後、次の期限までにご入金、またはご連絡をいただきますようお願いいたします。・・・
※当社は、法務大臣から債権管理回収業の許可を受けた債権回収会社です。
本文の下には、請求内容(債務者名、お客様番号、債務総額など)や譲受人兼ご連絡先(アビリオ債権回収の担当部署・住所・連絡先)などまで詳しく書かれています。
ハガキの内容にもあるように、債権回収会社は法律によって回収業務を認められており、違法な取り立てをすることはありません。
以下は債権回収会社が最低限満たすべき条件です。
- 法務大臣の許可を得ている
- 資本金5億円以上
- 取締役に1名以上の弁護士がいる
- 暴力団など反社会的組織と関わりがない
ただし、悪質業者がアビリオ債権回収会社をかたって架空の債権を請求するケースが確認されています。
通知書に携帯電話番号が記載されている、振り込み先に個人名義の口座を指定しているなどの場合は、以下のホームページを参照してください。
アビリオ債権回収会社⇒ 重要な御知らせ アビリオ債権回収株式会社
債権回収会社については、下記のページでもくわしく解説しています。
参考⇒ 債権回収会社(サービサー)制度 -債権管理回収業に関する特別措置法-|法務省
アビリオ債権回収から請求される可能性のある借金
アビリオ債権回収会社の平成27年時点での取引先は、都市銀行・地方銀行、信用金庫など、2,000以上もの金融機関です。
委託を受けている主な金融機関は、以下が挙げられます。
- SMBCコンシューマーファイナンス(プロミス)
- 三井住友銀行(モビット)
- アットローン
- 三洋信販(ポケットバンク、マイルカード)
- シティカード
- ジャックス
- 新生フィナンシャル(レイク)
- クラヴィス(クオークローン)
- オリックス・クレジット
- サンライフ
- シンコウ
- 東和商事
- リッチ
- タンポート
アビリオ債権回収会社からハガキが届いたということは、上記いずれかの会社から借り入れし、長期延滞している可能性が高いと思われます。
カードローンなど無担保の借金は、長期の延滞(3ヶ月が目安)になると、債権回収会社が債権を買い取ります。
買取後は、債権回収会社自身が借金をした人へ請求することになります。
つまり、債権者が三井住友銀行やオリックスなどの金融機関から、アビリオのような債権回収会社に代わったということです。
債権回収会社は回収のプロで、法律知識も備えています。法律が認める正しい方法で取り立てを行ってくるでしょう。
アビリオ債権回収から請求ハガキが来た時の3つの対応法
1. 法的手段を取られる前なら差し押さえはない?
アビリオ債権回収から届いた通知が以下のような文章であれば、法的手段が取られる前と推測されます。
未払いの内容をご確認ください。
お支払いいただけなければ、法的手続きの準備に入らざるを得ません。当社にお支払いの方法についてご連絡ください。
お住まいを確認するために、訪問調査を実施させていただく予定です。
貸金(立替金)返還請求訴訟や支払督促が申し立てられる前の段階であれば、給料などの「財産の差し押さえ」を即座に心配する必要はありません。
債権者との契約書が強制執行可能な公正証書(執行証書)となっていない限り、差し押さえはできません。
しかし、放置すると法的な手続きに踏み切られる可能性は、かなり高いといえます。
前述のように、債権回収会社は取り立てのプロです。ハガキが届いたら、差し押さえ一歩手前だと認識してください。
返済できない場合は、すぐに弁護士に相談すべきでしょう。どの法律事務所に相談していいのかわからない方は、匿名で利用できる無料シミュレーションサイトが便利です。
2. 法的手段を取られた後なら時効が成立しない場合もある
請求書に「判決残」「支払督促残」といった記載があれば、すでに法的手段が取られた後になります。
「裁判所に行った記憶はない」という方は、過去に裁判所から「訴状」「支払督促」が送達されていたのに無視した可能性が高いでしょう。ちなみに、裁判所から届く訴状などは以下のような内容です。
- 訴状もしくは支払督促
- 当事者目録
- 請求の趣旨及び原因
- 計算書
多額の借金を抱えていると「督促状を見たくない」という心理から、郵便物を確認しなくなる方も少なくありません。
しかし、訴状や支払督促を無視すると、借金の支払い義務が債権者の申し立てた内容通りに確定してしまいます。
そこからさらに放置すると、給与などが差し押さえられる可能性も高くなります。返済できないなら、1日も早く弁護士に相談するべきでしょう。
なお、裁判所の手続きが実施されると、消滅時効は「判決(支払督促)の確定から10年間」となります。
つまり「判決残」「支払督促残」と記載されている場合には、消滅時効で返済義務を消滅させることはかなり難しいといえます。
参考記事⇒ 借金の放置で消費者金融や銀行から訴えられた!債務整理で解決できる?
3. 借金が時効なら電話しない方が良い場合もある
「5年以上延滞」しているケースでは、借金の返済義務が「消滅時効」にかかっているかもしれません。
アビリオ債権回収からのハガキには「支払期日」という項目があり、その日付が最終的な支払日と思われます。
支払期日から5年経過しているなら、時効として解決できる可能性が高いでしょう。
しかし、慌ててアビリオ債権回収に電話してしまうと「債務承認」に該当する意思表示となってしまう危険性があります。
時効の完成後に返済の申し出や一部の返済に応じた場合は、時効の援用権を失う恐れがあるのです。
時効が成立している可能性があるなら、まずは弁護士に相談してください。
【時効の中断】リセットされてしまう注意すべき4つの行為
慌てて電話すると「債務承認」の意思表示となる危険性があるのは、前述の通りです。
債務承認とみなされる「時効が中断される行為」は、以下が挙げられます。
- 借金の一部を支払う
- 和解書にサインする
- 示談書を返送する
- 電話で返済猶予・減額や分割払いを求める
たとえば、電話で支払いを強く請求され「もう少し待ってください」「ボーナスが出たら支払えます」といった返答をしても、債務承認をしたことになります。
債務承認は書面でなくとも効力が生じるため、電話内容が録音されていると考えた方が良いでしょう。
時効が中断されると、それまでの時効期間は全てリセットされてしまうので、注意してください。
【時効の援用】危険!放置しても借金はなくならない
借金が時効なら電話しない方が良い場合もあるとご説明しましたが、ここでは「時効の援用」について詳しく解説します。
アビリオ債権回収から請求が来ても、5年経過していれば時効の援用は可能です。
しかし、時効を成立させるには、時間の経過だけでは不十分。次の点について注意する必要があります。
- 時効援用通知書を内容証明郵便で送る
- 時効援用通知書の郵送時は、時効の期限を確認する
時効はアビリオ債権回収に「時効を援用します」と主張して初めて認められるため、時効援用通知書は内容証明郵便などで送る必要があります。
そのまま放置すると、本来であれば時効の援用で支払わずに済んだであろう債務を支払う必要が生じるでしょう。裁判を起こされる可能性もあるため、放置するのは大変危険です。
時効の援用は、債権者との最後の取引と時効の期限がいつなのかしっかり確認する必要があります。
時効完成前にうっかり通知書を送ってしまうと、債務を承認したとみなされ、時効がリセットされる危険性があるので注意しましょう。
時効については、下記のページでも解説しています。
参考⇒ 【危険】10年以上借金・ローンを放置し続けても、時効で借金が消滅することはありません
アビリオ債権回収からの請求を債務整理で解決する際の3つの方法
アビリオ債権回収からの請求を債務整理で解決する際の3つの方法について、解説します。
1. 任意整理
任意整理は、最も一般的な債務整理の方法です。
弁護士が債権者と交渉し「利息のカット」「返済期間の見直し」を行います。今後の利息がゼロになることで借金の総額を大きく減らせるため、毎月の返済もしやすくなるでしょう。
家族や職場に任意整理したことを知られるリスクはほぼなく、手続きも比較的簡単です。
注意点としては、信用情報機関に登録されることです。基本的に、新たなクレジットカード作成やローンの契約は難しくなります。
しかし、アビリオ債権回収から一括請求の通知が届いたなら、任意整理での解決は難しいかもしれません。
債権回収会社は債権回収のみを目的とした業者のため、原債権者のプロミスやレイクなどよりも任意整理の交渉は難航するでしょう。
任意整理については、下記ページでも詳しく解説しています。
参考⇒ 任意整理のメリットとデメリット~債務整理で1番多い手続きの注意点
2. 個人再生
アビリオ債権回収から一括請求の通知が届いたなら、借金はかなり多額かもしれません。
個人再生を行うと、債務を大幅に減額できます。
たとえば、債務が3,000万円~5,000万円の場合は10分の1に、1,500万円~3,000万円以下の場合は300万円に減額できる可能性があります。
自己破産では持ち家を失うことになりますが、個人再生では住宅ローン返済中なら家を残せるのも大きな特徴です。
注意点としては、他の債務整理と同様、個人信用情報に傷がつくことです。個人再生完了から完済後5年間は、基本的に消費者金融からの借入やローンの契約、新規のクレジットカード作成などはできなくなります。
また、個人再生の場合は任意整理と違い、国が発行する官報に名前が掲載されます。周囲の人に個人再生したことがバレてしまうリスクはゼロではないでしょう。
個人再生については、下記ページでも詳しく解説しています。
参考⇒ 個人再生は家を残せる大きなメリットがあるが2つのデメリットもある
3. 自己破産
自己破産は、全ての借金が免除される手続きです。
借金の返済義務がなくなるため、生活を立て直す上で、最も有利な債務整理の方法ともいえるでしょう。
基本的に不動産や車などの財産は失うことになりますが、生活に必要な家財道具や99万円までの現金、20万円以下の資産は残せます。
マイホームや評価額が20万円を超える財産がなければ失うものもなく、置かれている状況によってはデメリットはさほどないと感じるかもしれません。
ただし、自己破産に限らず債務整理をすると信用情報機関に事故情報が記録され、①ローンや融資が組めない ②クレジットカードを作れない などの大きな不都合が生じることは覚えておきましょう。
自己破産については、下記ページでも詳しく解説しています。
参考⇒ 旦那の借金で債務整理をするとどうなる?マイホームは処分される?
まとめ
アビリオ債権回収からハガキが届いたなら、借金はかなり深刻といえます。対処法をまとめると、以下のようになります。
- 時効が中断する行為に注意する
- 時効と思っても放置しない
- 返済できなければ債務整理する
今はハガキ1枚でも、放置すると状況はどんどん悪化していくでしょう。そして、いずれ合法的に給料を差し押さえられてしまう羽目になります。
借金問題は、悩んでいるだけでは解決しません。あなたが行動に移せば、給与の差し押さえや法的な手段を取られるなど、最悪の事態を回避できるのです。
1日も早く弁護士に相談し、借金問題を現実的に解決しましょう。