歯科衛生士の債務整理を成功させる7つのポイント

歯科衛生士は、人気のある仕事のひとつです。

収入も安定しているイメージがありますが、実際には、勤務する歯科医院次第になります。最近では、経営の苦しい歯科医院も増えてきているので、必死に働いても収入が少ないというケースもないわけではないようです。

とはいえ、借金問題は、収入が安定している人であっても無関係ではありません。

生活苦を原因とする借金以外にも、ギャンブルや買い物依存といった、さまざまな事情で多額の借金を抱えてしまうこともあるからです。

特に、歯科衛生士の場合には、借金を返せなくなり債務整理をしたことで、「資格を失うのではないか」、「勤務先をクビになるのではないか」、「転職に不利になるのではないか」ということを気にしている人も多いと思います。

そこで、この記事では、歯科衛生士が、債務整理するときに知っておきたい5つのポイントについて解説していきます。

借金問題は、早期に対応するほど、コストもデメリットも小さく解決できます。

また、『利息の支払いだけで毎月かつかつで、自転車操業のような状態が続いている。』

『借金の元金が1年以上の長期に渡って減っていないor増えている。』

このような状態まで状況が悪化している方は、既に黄色信号が点滅している状態です。

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それでは解説をしていきます。

自己破産しても歯科衛生士の免許を失うことはない

弁護士・司法書士・宅地建物取引士といった「〇〇士」といった国家資格には、自己破産すると資格が取消しになるものが少なくありません(ただし、再登録が可能なので資格それ自体を失うわけではありません)。

歯科衛生士の場合には、自己破産をしても免許に全く影響はありません。歯科衛生士法には、そのような規定は一切ないからです。

歯科衛生士法の規定

歯科衛生士法における欠格事由・免許取消についての規定は下記のとおりになります。

第四条 次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。
一 罰金以上の刑に処せられた者
二 前号に該当する者を除くほか、歯科衛生士の業務(歯科診療の補助の業務及び歯科衛生士の名称を用いてなす歯科保健指導の業務を含む。次号、第六条第三項及び第八条第一項において「業務」という。)に関し犯罪又は不正の行為があつた者
三 心身の障害により業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
四 麻薬、あへん又は大麻の中毒者

第八条 歯科衛生士が、第四条各号のいずれかに該当し、又は歯科衛生士としての品位を損するような行為のあつたときは、厚生労働大臣は、その免許を取り消し、又は期間を定めて業務の停止を命ずることができる。
2 前項の規定による取消処分を受けた者であっても、その者がその取消しの理由となった事項に該当しなくなったとき、その他その後の事情により再び免許を与えるのが適当であると認められるに至つたときは、再免許を与えることができる。この場合においては、第六条第一項及び第二項の規定を準用する。
出典:歯科医師国家試験

欠格事由(歯科衛生士になれない場合)については、4条が規定を設けていますが、借金や債務整理(自己破産)に関するものは掲げられていません。

免許の取り消し・業務停止については、8条が定めていますが、こちらも借金や自己破産に関する事項は対象となっていません。

多額の借金をした、債務整理をしたことが「歯科衛生士としての品位を損するような行為」に該当するのではないかと不安に感じる人もいるかもしれません。

しかし、「品位を損するような行為」というのは、その資格があることを悪用して問題のある行為をした場合(身動きの取れない患者に卑猥な行為をした場合など)を念頭においています。

借金や債務整理という問題は、(ギャンブルなどが原因であっても)歯科衛生士であることとは無関係の私生活上の問題なので、免許の取り消し・業務停止の原因になるとは考えづらいといえます。

また、仮に「多額の借金をしたこと」が「品位を損する行為」であるとしても、必ず免許取消、業務停止になるわけではありません。歯科衛生士法では「免許の取り消し、又は期間を定めて業務の停止を命ずることが『できる』」と定めているに過ぎないからです。

債務整理が原因で歯科医院をクビになることはあるのか?

多額の借金を抱えていることや、債務整理したことが勤務先に知られると、それが原因でクビになることを心配する人は多いと思います。

しかし、法律論としては、借金や債務整理(自己破産)のみを理由に懲戒解雇(クビ)にすることは、解雇権の濫用であり認められないとされています。

たとえば、労働契約法16条は、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」と定めています。

そもそも、歯科衛生士は、人手不足といわれる仕事なので、歯科医院としても「できればクビにはしたくない」と考えることの方が多いのではないでしょうか。

借金がきっかけで歯科医院を解雇される可能性がある場合

借金や債務整理だけで懲戒解雇することは権利の濫用でも、借金が原因で懲戒解雇や減給処分などになることは、実際にも少なくありません。

たとえば、借金が原因で次のようなことが起きた場合には、懲戒事由となる可能性があります。

金策のために無断欠勤をした
金策のために有給休暇を不正に利用した
借金の取立ての電話が相次いで勤務先(歯科医院)の業務に多大な迷惑をかけた
ヤミ金業者が取り立てにやってきて、患者に危険が及ぶ可能性がある

つまり、勤務先である歯科医院の業務に大きな支障を来すような行為があったときには、懲戒される可能性があるということです。

これらの場面は、借金の返済に行き詰まっているのにもかかわらず、債務整理せずに、無理な金策や取立ての放置で対処しようとした場合に発生するものです。

その意味では、クビや減給を免れるためには、早めに債務整理した方がよいといえるでしょう。

関連記事⇒債務整理と職業制限?自己破産をするとクビや仕事への影響がある?

誰にも知られずに歯科衛生士が債務整理することはできるのか?

借金や債務整理が原因でクビや減給にならないとしても、できれば勤務先には知られずに済ませたいとほとんどの人が考えると思います。

また、歯科衛生士として働く人には、自宅から歯科医院で働いている人も多いと思いますので、患者さんなどの周囲の人にも知られることを心配する人も多いと思います。

歯科衛生士が誰にも知られずに借金を解決するには任意整理が一番

債務整理には、任意整理・個人再生・自己破産の3つの方法があります。

このうち任意整理は、プライバシーの保護に最も優れた債務整理といえます。任意整理では、裁判所を用いずに、対象とする債権者も自由に選べるため、官報などによる公告を必要としないからです。

また、任意整理では債権者との交渉などもすべて弁護士任せにでき、収入状況などを債権者に申告する必要もありません。そのため、家族にすら秘密に借金を解決できる場合も少なくありません。

任意整理については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒任意整理のメリットとデメリット?債務整理で1番多い手続きの注意点

自己破産・個人再生をしても歯科医院や近所の人に知られるリスクは小さい

自己破産・個人再生したときには、必ず官報による公告が行われます。

自己破産・個人再生では、すべての借金を対象に手続きを進める必要があるので、「〇〇さんについて自己破産(個人再生)の手続きがはじまった(〇〇さんの負債を免除しました)」ということを、世間一般に知らしめる必要があるのです。

そのため、手続きの開始決定がでたときと、手続きが終了した(免責・認可決定)ときに、氏名・住所などが官報(および裁判所の掲示板)で公告されます。

公告の手続きがある以上、「絶対に誰にも知られない」と言い切ることはできません。

しかし、実際には、官報や裁判所掲示板による公告から、自己破産(個人再生)したことを他人に知られることは、あまりないといえるでしょう。

ほとんどの一般の人は、官報を購読(閲覧)することはありませんし、裁判所の前を通っても掲示板をわざわざ確認することはないからです。

そもそも官報は、債務整理の公告だけを行う冊子ではありません。新しい法令の情報や、政府の公募情報、その他の公告事項など、多くの掲載事項があります。

その中から、特定の人の情報だけを見つけるというのは、簡単なことではありません。

個人再生については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒個人再生は家を残せる大きなメリットがあるが2つのデメリットもある

自己破産については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒自己破産はメリットしかない?家族や子供、仕事にデメリットはないの?

パート等の非正規雇用でも債務整理できるのか?

歯科衛生士の人には、パートや派遣・契約社員として働いている人も少なくありません。

家事や子育てと両立するために、時間の融通の利く働き方として正規職員ではなく、パートなどを選択する人も多いようです。

また、複数の歯科医院を掛け持ちするために、パート・非正規を選択している人もいるかと思います。

関連記事⇒パートと債務整理?パートが自己破産や任意整理をする4つの方法と注意点

自己破産は収入がなくても利用できる手続き

債務整理の方法のうち、任意整理・自己破産は、働き方は全く問題になりません。

特に、自己破産は、全く収入がない人でも利用できる手続きです。したがって、失職中・離職中の歯科衛生士であっても多額の借金を抱えてしまったときには、自己破産を申し立てることができます。

任意整理は、収入さえあれば働き方は問題にならない

任意整理は、裁判所を用いないで債権者と直接交渉する方法なので、厳密な利用基準はありません。

したがって、債権者との「和解内容を実現できるだけの収入」があれば、働き方が正規であろうがパートであろうが問題はありません。

通常の任意整理では、「借金の将来利息を免除」してもらった上で、借金残額(残元金)を3年から5年の分割で返済する和解をします。

したがって、借金(元金)残額の1/36から1/60の金額を毎月返済できるだけの収入さえあればよいということになります。

自己破産については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒自己破産はメリットしかない?家族や子供、仕事にデメリットはないの?

個人再生でも問題ない場合がほとんど

個人再生は、将来の収入から「借金の一部を原則3年間の再生計画に基づいて返済する」ことで、残額の返済を免除してもらう裁判所の手続きです。

そのため「再生計画を遂行できるだけの継続的な収入を得られる見込み」がなければ個人再生を利用することができません。

民事再生法121条では、「将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがあ」る債務者に個人再生の申し立てをみとめています。

しかし、この要件は、正規雇用で働いていることを求めているわけではありません。

非正規雇用やパートタイムであっても、それまでの勤務実績などから、「再生計画を遂行する期間は収入が確保される見通しがある」ことが明らかであれば、問題はありません。

歯科衛生士は、求人の安定している資格といえますから、仮に再生計画の途中で雇用契約が切れる場合であっても、それだけの理由で個人再生の申し立てが棄却されることは少ないといえます(それぞれのケースでの判断は、弁護士に必ず確認してください)。

個人再生については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒個人再生は家を残せる大きなメリットがあるが2つのデメリットもある

債務整理すると結婚や子どもの将来に影響することはある?

歯科衛生士として働く人の大半は女性です。

債務整理が今後の結婚や子どもの将来に悪い影響があるのではと心配な人もいるかもしれません。

しかし、債務整理したことが結婚や子どもの将来に悪い影響を与えることは、基本的にありません。

債務整理したことは公的な記録には残らない

債務整理したことは、戸籍や住民票には一切記録されません。

債務整理をしたことで、パスポートや免許証が剥奪されたり、将来の年金受給権に影響を与えることもありません。当然ですが、(被)選挙権も喪失しません。

自己破産した場合には、本籍地の自治体が管理する破産者名簿に指名等が登録される可能性がありますが、通常の自己破産であれば、破産者名簿に登載されることもありません。

破産者名簿に指名等が記録されるのは、免責不許可となったことが確定した場合や、免責不許可になる可能性が高い場合のみだからです。

実際の自己破産のほとんどは、免責が認められるので、破産者名簿に氏名等が搭載されることはありません。

したがって、公的な書類に記録が残ることで、結婚の際に過去の債務整理を知られるなどの心配をする必要はありません。

信用情報は一生残るわけではない

債務整理したことが記録として残るのは、原則として「信用情報」のみです。

信用情報に債務整理した記録(異動情報)が残ることで、金融機関との信用取引(借金やカードの契約)は難しくなります。

しかし、信用情報は一生残るわけではありません。債務整理した場合には、5年~10年経過すれば、信用情報は消去されます。

信用情報が消去されれば、そのときの収入などの信用状態に応じて、借金やカードの審査にも通るようになります。

また、信用情報は、他者が簡単に閲覧できるものではありません。信用情報を閲覧できるのは、本人もしくは、信用情報機関に加盟している金融機関のみだからです。

したがって、子どもの進学・就職に際して、親の過去の債務整理(信用情報)が問題となることはないといえます。

関連記事⇒親が債務整理をすると子供の奨学金の連帯保証人になれない?

まとめ

債務整理をしようと思っても、「何か取り返しの付かないデメリットが生じるのではないか」と不安に感じ、躊躇してしまう人は少なくありません。

しかし、実際の債務整理では、一般の人が思っているほど大きなデメリットは生じないケースも少なくありません。

抱えている借金が返せなくなったときに、もっともマズイのは、対応が後回しになってしまうことです。

対応が遅れるほど、借金は深刻化し、解決するために必要なコストも大きくなってしまいます。

歯科衛生士であれば、収入・求人も安定しているので、債務整理によって返済負担が軽くなれば、家計を立て直せる場合の方が多いといえます。

借金の返済に不安を感じたときには、できるだけ早く弁護士・司法書士に相談してみましょう。

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