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一連と分断は過払い金請求にどのような影響を及ぼすのか
過払い金請求や任意整理を行う上で、一連と分裂という言葉を初めて聞く方も多いでしょう。
今回は債務整理を行う上で切っても切り離せない関係、「一連」と「分断」について解説します。
任意整理・過払い金請求を行う上で知っておきたい「一連」「分断」
任意整理や過払金請求で、重要な役割を果たすのが「一連」と「分断」という考え方です。
たとえば、平成9年から借金を始め、平成18年3月31日に返済が終わったのですが、必要に迫られ平成19年2月1日にまた同じところから、借入れを再開してしまったケースで説明します。
この場合、平成18年4月1日から平成19年1月31日の間は借入れがありません。
この期間を「空白期間」と言います。
見方によっては平成18年3月31日でひとつの契約が終わり、平成19年2月1日の契約は前の契約とは別物だと考えることもできます。
これは「分断」という発想に基づいた考え方です。
一方で、カード番号も変わっていないし、たまたま、一時的に使っていなかっただけで、契約としてはひとつの契約だと考えることもできます。
これは「一連」という発想に基づいた考え方です。
任意整理や過払金請求では、一連とされるか、分断とされるかで大きな違いが生じることがあります。
任意整理手続きをしたところ、かなり長く使っていたので、過払金で借金が圧縮されると期待していたのに、意外と圧縮されなかったという場合は、分断されてしまったケースが多いです。
具体例な一連と分裂の例と判例について
もし、上記のような例で、平成28年5月に任意整理をしたらどうなるでしょうか。
たとえば、平成9年から平成18年の借入れで過払金が50万円、平成19年の借入れで過払金が20万円でていて、現在50万円の借金がある例で計算を行い説明してみましょう。
もし一連とされれば、過払金は50+20=70万円となりますから、今の借金50万円を払ってもまだおつりがきます。
では、分断を主張されてしまったらどうでしょう。
1回目の借入れは平成18年3月31日で終わっていますから、平成28年5月に手続きを開始すると、完済から10年経過していることになります。
過払金は完済から10年で時効になってしまうので、平成9年から平成18年の過払金は時効にかかる可能性があります。
消費者金融等の借入先が「時効を援用します」という魔法の言葉をいうと、1回目の取引の過払金は消滅してしまいます。
結局、使える過払金は平成19年以降の20万円だけということになり、今の借金50万円を全額支払うことができません。
上記はあくまで例ですが最高裁でも同じような判例が出ています。
このように一連とされるか分断とされるかで、明暗が分かれることがあります。
任意整理するにしても、過払金請求をするにしても、利用状況によっては使える過払金の額が大きく変動する
可能性があることは知っておいたほうがいいでしょう。
空白期間がどれくらいなら一連となるの?
空白期間がどれくらいなら一連となり分断されないのでしょうか。
1年又は365日が一応の目安にはなりますが、あくまで目安にすぎません。4年以上も空白期間があったのに一連とした判例もあるくらいです。
一般に「一連」は借りた方に有利に働き、貸した方に不利に働くことが多いですから、なにかと理由をつけて貸した方は一連を否定し、分断を主張してきます。
一連か分断の判断は、契約書の文言にも左右されます。
捨てたくなる気持ちもわかりますが、借入れをしたときの契約書はできるだけ保存しておいた方がいいでしょう。
いずれにしても弁護士や司法書士等の専門家でないと判断をする事は限りなく不可能でしょう。
過払い金が発生している可能性があればまずは法律事務所に無料相談を行う事が重要です。