Contents

SFコーポレーション(三和ファイナンス)から督促状や電話が来た際の対応策と債務整理の方法

今回は、過去にSFコーポレーション(三和ファイナンス)からの借金をいまになって督促されたときの正しい対処方法について解説します。

SFコーポレーションは、かつては「三和ファイナンス」という名称の中堅の消費者金融でした。三和ファイナンスの親会社は、不動産業、ゴルフ場・ホテル経営なども行っている会社で、韓国では「サンワマネー」という会社で消費者金融業も行っています。

しかし、国内の消費者金融事業である三和ファイナンスは、いわゆる過払い金請求のために経営難に陥り、かざさファイナンス(現・クロスシード)という会社に買収され、2008年にSFコーポレーションと商号を変えたものです。

SFコーポレーションは、2011年8月に破産手続き開始決定を受けていますので、現在は事業を行っていません。

なお、SFコーポレーション(三和ファイナンス)と旧三和銀行、クレジットのサンワ(栃木の街金業者)とは全く関係がありません。

ところで、SFコーポレーションはすでに破産していますので、借金の支払いを求める督促は、SFコーポレーション以外の会社から行われることになります。

したがって、全く身に覚えのない会社から督促状や電話がきたことで、詐欺や不正請求ではないかと不安に感じる人もいるかもしれません。

しかし、SFコーポレーション(サンワファイナンス)から借金したことがあるのであれば、不正請求・詐欺ではないでしょう。

とはいえ、これらの請求には応じる必要がない場合も少なくありません。

SFコーポレーションからの借金はすでに消滅時効が完成している場合が多いからです。

しかし、消滅時効が完成している借金であっても、対応を間違えれば、支払う必要のなかったお金を支払わなければならなくなってしまいます。

余計な支払いをしなければならない自体を回避するためにも、この記事の解説を参考に正しく対応してください。

また、『このまま返済をしていっても、完済が難しい事を頭では理解しているが放置している。』

『給料をもらっても返済でほとんど無くなってしまい、また借りてしまう状態が続いている。』

このような状況まで状態が悪化している方は、既に黄色信号が点滅している状態です。

手遅れになる前に、今すぐに法律事務所に相談を行ってください。

それでは解説をしていきます。

いまになってSFコーポレーションの借金を督促されるのはなぜか?

SFコーポレーションは、すでに破産して事業を行っていない会社です。

したがって、SFコーポレーションが直接借金の返済を求めてくることはありません。

仮に、借金返済を求めている者が「SFコーポレーション(旧サンワファイナンス)」を名乗っていれば、それは不正請求を疑って問題ないといえるでしょう。

SFコーポレーションの借金を督促してくるのは、サービサーと呼ばれる債権回収を専門に行っている会社(や会社から回収を委託された弁護士)です。

他の会社を経由して、SFコーポレーションの借金を督促されるのは、自己破産した際に、SFコーポレーションが持っている債権(借金を回収する権利など)が、他の金融機関などに売却(債権譲渡)されたことが原因です。

サービサーとは?

サービサーとは、債権回収を専門に行う株式会社のことをいいます(資本金5億円以上などの条件を満たした「株式会社」しかサービサーにはなれません)。

基本的なサービサー業務は、提携している銀行などから債権回収業務の委託を受け、これらに代わって債権回収を行うことが基本です。

ただ、サービサー自身が、不良債権を買い取って債権者として回収にあたることもあります。

たとえば、100万円の債権を5万円で買い取って、50万円回収できれば、サービサーとしては45万円の利益になるというようなことを事業としているわけです。

SFコーポレーションは破産した会社なので、SFコーポレーションが保有していた債権がさまざまなサービサーや投資ファンドなどに譲渡されています。

SFコーポレーション(の破産管財人)から債権譲渡を受けているサービサーとしてよくしられているのは、「エムテーケー債権回収」というサービサーです。

不正請求や詐欺ではないことを確認する方法

エムテーケー債権回収からSFコーポレーションの督促を受けたときは、不正請求ではない可能性が高いといえます。

とはいえ、最近では実在するサービサーの名前を騙った不正請求や詐欺も増えているので、用心するにこしたことはありません。

エムテーケー債権回収からSFコーポレーションの督促が不正請求であるかどうかは、次の点を確かめることで検証することができます。

・請求者自身の情報を正しい情報と照会する
・債権譲渡の日付と債権譲渡の通知人名を照合する

まず送付されてきた郵便物などに記載されているエムテーケー債権回収の情報を正しい情報と照合しましょう。

エムテーケー債権回収の所在地などは、下記のとおりです。

【本社】
〒101-0052
東京都千代田区神田小川町1-4-2 風雲堂別館ビル4階
TEL 03-6260-8680    FAX 03-6260-8810

【札幌支社】
〒060-0061
北海道札幌市中央区南1条西8丁目10番3号 第28桂和ビル8階
TEL 011-252-4010~4019   FAX 011-280-6011

【参考】エムテーケー債権回収ウェブサイト(公式)

次に、債権譲渡の日付と債権譲渡の通知人が誰かということについて確認します。

債権譲渡の日付は、SFコーポレーションが破産手続き開始決定を受けた2011年8月26日以前か以後かということが重要です。破産手続き開始決定の前後で、債権譲渡の通知人が変わるからです。

破産手続き開始決定前に債権譲渡が行われたときには、債権譲渡の通知人は、SFコーポレーションとなり、開始決定後の債権譲渡であれば、SFコーポレーションの「破産管財人」となります。

破産手続き開始決定を受けると、SFコーポレーションが持っている債権は、破産管財人以外は処分(譲渡)できないことになるからです。

以上の情報に矛盾がなければ、エムテーケー債権回収からの請求は、不正請求・詐欺ではないといえるでしょう。

どうしても不正請求ではないかと不安なときには、下記連絡先に問合せをしてみるのもひとつの方法です(SFコーポレーションの破産管財人弁護士事務所の問合せ先です)。

※SFコーポレーションの破産手続きは、2017年5月24日に手続きが終結し、同年6月22日に破産管財人執務室は閉鎖となっています。

隼あすか法律事務所
株式会社SFコーポレーション専用ダイアル
03-5510-3255
破産管財人弁護士 鈴木 銀治郎

【引用元】SFコーポレーションウェブサイト

SFコーポレーションの督促を支払う必要がない理由

エムテーケー債権回収などから請求されたSFコーポレーション(三和ファイナンス)の借金返済が不正請求ではない場合でも、すぐに支払いに応じてはいけません。

SFコーポレーションの借金を督促された場合のほとんどは、すでに支払義務が消滅している可能性がかなり高いといえるからです。

督促される債権は、すでに消滅時効が完成しているものがほとんど

エムテーケー債権回収などからのSFコーポレーションの借金の督促は、すでに消滅時効が完成している可能性がかなり高いです。

SFコーポレーションが保有していた貸付債権は、破産手続き開始決定が下された2011年8月26日以降、破産管財人によって順次売却が進められました。

金融機関の貸付債権は、5年間権利行使しなければ、消滅時効が完成します。

したがって、債権譲渡の前後に、訴訟等を提起されていない限り、この記事を作成している2019年5月の時点では、ほぼすべてに消滅時効が完成している可能性があります。

消滅時効が完成していない場合

SFコーポレーションの借金について、この記事の作成時点(2019年5月)で消滅時効が完成していない可能性があるのは次の場合です。

・2014年5月までの間に「債務承認」をしてしまった場合
・2009年5月までの間に「民事訴訟」、「支払督促」などによって債務名義が作成されている場合
・2009年5月までの間に「預金の差し押さえ」などの差し押さえを受けていた場合

手元に届いた通知に、「判決残」、「支払督促残」といった記載があるときには、判決確定日を確認しましょう(判決・支払督促の確定日から10年以内に差押えを受けていなければ、消滅時効が完成しています)。

また、過去にSFコーポレーションから預金の差し押さえなどを受けたことがあるときには、差押え命令がいつ届いたのかを思い出してみてください(送達日から10年経過していれば消滅時効は完成しています)。

※給料の差押えの場合は、ほとんどのケースで借金が残っていないと推測されます(給料差し押さえは差押債権を満足させるまで自動継続されるからです)。

債務承認については、特に重要な問題なので下で別に解説します

関連記事⇒債務整理すると給料は差し押さえられる?給与所得者が注意したい事

債務承認による時効中断とは?

SFコーポレーションの借金を督促されたときには、慎重に対応しなければいけません。

対応を間違えれば「債務承認」によって、せっかく完成した消滅時効がムダになってしまいます。

債務承認をすると、これまでカウントされてきた「時効期間」がゼロに戻ってしまうからです。

債務承認に該当する行為

債務承認に該当する行為としては、次のようなものを挙げることができます。

・「返済の猶予」を申し出る(いまはお金がないから待ってほしい、分割なら支払える)
・借金(の一部)を返済してしまう
・利息(の一部)を返済してしまう
・「借金を返す」といったように、返済義務があることを認める発言をしてしまう

エムテーケー債権回収のようなサービサーは、言葉巧みに債務承認の言質を引き出そうとしてくる可能性が高いです。

たとえば、「訪問で取り立てることは控えるから、その代わり1万円だけでも支払って欲しい」、「減額和解の提案をしてあげるから、1万円だけでも支払って欲しい」といった申し出をされることが考えられます。

また、督促状が届いて電話で問合せをするときには、こちらから誤解を受ける発言をしないように細心の注意を払いましょう。

万が一の場合に備えて、通話内容を録音しておくことも有効です。

万が一、債務承認してしまったときには、すぐに弁護士に相談

SFコーポレーションの借金について債務承認してしまったときは、「すでに消滅時効が完成した後の債務承認」となる場合が多いといえます。

この場合には、すでに完成している消滅時効を援用することができなくなるのが原則です。

しかし、時効完成後に債務承認をしてしまった場合でも、次のような事情があるときには、時効を援用し借金の返済義務を消滅させられる余地が残されています。

・債務者が「消滅時効の完成をまったく知らなかった」という場合
・債権の請求者(エムテーケー債権回収など)が「消滅時効が完成していること」を知っていたとき
・ごく少額(数千円程度)の支払いを「1回だけ行った」に過ぎない場合
・債務承認や返済を債権者から「強要させられた」場合
・最後の返済から、10年、20年も期間が空いているとき

最高裁判決では、上記のようなケースで債務承認後の時効援用を認めたケースがあります。

とはいえ、債務承認してしまったケースでは、債権者(エムテーケー債権回収など)は、簡単に時効援用を認めてくれないことがほとんどでしょうから、できるだけ早く弁護士・司法書士に相談することが重要です。

消滅時効が完成しているときの対処方法

SFコーポレーションの借金に消滅時効が完成しているときでも、何もしなければ「借金の返済義務を消滅させられない」ことに注意が必要です。

消滅時効によって借金の返済義務を消滅させるためには、「時効の援用」をしなければならないからです(民法145条)。

時効援用する方法

時効援用の方法には、厳密な決まりはありません。

極端なことを言えば、電話で債権者(エムテーケー債権回収など)に「請求されている債権について消滅時効を援用します」と伝えることで時効援用することも可能です。

しかし、消滅時効を援用する場面では、債権者と争いになることが少なくありません。

したがって、後に、「時効援用の有無」が争いにならないように、「時効援用書」を内容証明郵便で送付する方法を用いるのが一般的です。

時効援用書に記載しなければならない事項

消滅時効を援用するときには、返済義務を消滅させる借金(債務)を明確に特定する必要があります。

法律実務の上では、債務を特定するためには、次の情報を示すことが一般的です。

債務者の氏名・住所(および生年月日や契約者番号)
債権者の名称・所在地
時効の対象となる借金の契約番号・契約日・借入額など

さらに、時効の援用は、「法律効果を発生させる」意思表示でなければならないので、

消滅時効が完成していること(最後の取引日から権利行使を受けないまま5年経過していること)
消滅時効によって返済義務を免れること

についても記載する必要があります。

時効援用書面のひな形は、ウェブなどで検索すれば、比較的簡単に入手することができます。

しかし、法律文書であることには変わりありませんので、「知識がないから不安」と感じる人は、弁護士・司法書士・行政書士に時効援用書面の作成を依頼するとよいでしょう。

消滅時効が「完成していない」ときの対処方法

SFコーポレーションの借金について消滅時効が完成していないときには、早急な対応が必要です。

長期間の滞納によって、遅延損害金が相当な金額に膨らんでいる可能性があるからです。

消滅時効が完成していない可能性があるときには、1日でも早く弁護士・司法書士に相談しましょう。

また、自分で債権者(エムテーケー債権回収など)に問合せするときには、不必要に自分の情報を知らせないことも大切です。

特に、すでに債務名義が作成されている債権(判決済み、支払督促済みの債権)であるときには、勤務先を知られないようにするべきです。

すでに債務名義があるときに勤務先を知られれば、給料を差し押さえられてしまう可能性が高くなるからです。

関連記事⇒消滅時効とは?起算点と消滅時効の援用をするよりも債務整理をすべき理由

借金・債務整理の相談は「無料」で受けられます

支払う義務がない可能性がある督促と受けたときには、「お金を払ってまで相談したくない」と考える人もいるかもしれません。

しかし、借金問題についての相談は、ほとんどの弁護士・司法書士が「無料相談」で対応してくれます。

したがって、お金の心配をする必要はありませんから、何かわからないこと、不安なことがあるときには、できるだけ相談を申し込むようにしましょう。

相談料が気になって相談しないままに、間違えた対応をしてしまえば、大きな問題に発展してしまうことだってあるからです。

特に、消滅時効、債権譲渡が絡むケースは、法律の専門知識がない人には正しく判断することが難しい問題も少なくありません。

まとめ

SFコーポレーションの借金の督促の多くは、すでに消滅時効が完成しています。

しかし、専門知識のない人が安易に「これは無視しても大丈夫」と判断することはとても危険です。

万が一、消滅時効が完成していないときには、早期に対応しなければ、重大な不利益をうける可能性があります。

判断に困ったときには、できるだけ早く弁護士・司法書士に相談しましょう。

債務整理ならアヴァンス法務事務所

アヴァンス法務事務所では、全国から債務整理案件を受託しており、累計23万件以上の実績がございます。借金や過払い金にお困りの方はぜひ一度ご相談ください

アヴァンス法務事務所の無料相談はこちらです。