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債務整理をするとピアノは没収される?

ピアノは高額な財産といえるものです。

中古のピアノでも数十万円以上で売却できる場合も少なくありません。

そのため、ピアノをもっている人が自己破産すれば、債権者への配当に充てるために、破産管財人のよる差押え・換価の対象となります。

しかし、子供のピアノのように、家族の思い出や、子供のこれからに大きな影響のある財産は、「何とか手元に残したい」と考える人も多いのではないでしょうか。

できるだけ子供に与える影響を小さく、子供を悲しませずに借金を解決したいと考えるのは、親としては当たり前の思いだからです。

そこで、この記事では、「債務整理すると子供のピアノはどうなるか」ということについて解説します。

「債務整理するとピアノは必ずなくなる」と思っている人も多いかもしれません。

しかし、子供に買い与えたピアノは、自己破産しても差し押さえを回避できる場合もあります。

また、債務整理の方法によっては、そもそもピアノの処分が必要ないこともあります。

子供に悲しい思いをさせずに借金問題を解決したいと考えている人は参考にしてみてください。

また、『今の収入から考えて、借金を完済するのは厳しい事が心の中では分かっているが放置し続けてしまっている。』

『毎月毎月赤字で自転車操業のような状態が続いている。』

このような状況まで状態が悪化している方は、既に黄色信号が点滅している状態です。

手遅れになる前に、今すぐに法律事務所に相談を行ってください。

ケースによっては自己破産以外の方法で借金問題を解決できる可能性もゼロではありません。

 

それでは解説をしていきます。

子供のピアノを残せるかどうかを決める基準

債務整理をした場合に子供のピアノが処分されるかどうかを決める要素として重要なのは、次のポイントです。

ピアノの購入費用を完済しているかどうか?
ピアノの所有者はだれか?
どの債務整理の手続きを選択したのか?

たとえば、子供のピアノの購入費用を完済していれば、債務整理をしても子供のピアノを手元に残せる可能性は高くなります。

また、任意整理で借金を解決できれば、そもそも財産を処分する必要性が生じません。

借金が返せないときには、必ず財産を処分しなければならないというわけではないのです。

以下では、上で紹介したポイントに沿って、「債務整理をしたときでも子供のピアノを残せるケース」について解説していきます。

ピアノの購入代金を完済している場合

すでにピアノの購入代金を完済しているときには、親が債務整理をしても子供のピアノは処分されずに済む可能性が高いといえます。

任意整理・個人再生なら子供のピアノを処分する必要はない

債務整理には、自己破産以外にも「任意整理」、「個人再生」という方法があります。

任意整理、個人再生では、「今よりも負担の軽い条件」で、「今後の収入」から借金(の一部)を分割で返していくことになります。

そのため、債務整理をしても「持っている財産を処分しなくてよい」のが原則です。

消費者金融や銀行のカードローン、クレジットカードのリボ払い・キャッシングといった「利息(手数料)の高い借金」が返せなくなったという場合には、「将来の利息が完全に免除される任意整理」をするだけでも、毎月の返済負担が大幅に減る可能性があります。

また、個人再生を利用すれば、「自己破産するしかない」と思っている多額の借金でも、財産を処分せずに解決できる可能性が高いです。

個人再生が認められれば、利息だけでなく借金(元金)も大幅に免除してもらえる可能性があるからです。

たとえば、600万円の借金を個人再生すれば、120万円を3年で分割返済することで、残りの480万円を免除してもらうことができます。

自己破産しても子供のピアノを残せる場合

自己破産は、「債務者の財産を売却して得た金銭を債権者に平等に配当する」ための手続きです。

したがって、ピアノのような高額な資産をもっている人が自己破産をすれば、破産管財人によって処分されてしまうのが原則です。

しかし、した場合でも、次の3つのケースに該当するときには、子供のピアノを手元に残すことができます。

ピアノの所有者が「債務者(破産者)本人」以外であるとき
債務者がもっているピアノの評価額が20万円以下であるとき
債務者の財産がピアノの評価額を足しても99万円を超えないとき

「自己破産した際に差し押さえられる財産」は、債務者(破産者)本人名義の物に限られます。言い換えれば、「家族の財産」は差し押さえの対象にはならないということです。

「子供に買い与えたピアノ」であれば、「代金完済後の所有権は子供にある」と考えることも決して不可能ではありません。

たとえば、債務者(破産者)本人(親)が「ピアノを全く使っていない」という場合であれば、代金を支払ったのが親であっても、「ピアノは子供のものである」ということは十分に可能でしょう。

また、ピアノ所有権が債務者(破産者)にある場合でも、ピアノの価値(売却額)が20万円に達しないときには、そもそも差し押さえの対象とならない可能性があります。

売却額の安い財産は、差押えの費用の方が高くなる場合が多いからです。

とはいえ、ピアノは中古市場も確立しているので、中古品でも大幅に値崩れしない場合が多いです。中古のアップライトピアノでも数十万円の値段がつくことも珍しくありません。

しかし、ピアノの売却額が20万円以上であっても、あきらめる必要はありません。

自己破産した場合でも、「99万円までの財産」は、債務者の手元に残すことが認められているからです。

現金などの他の財産との合計額が99万円(+弁護士費用)を超えないときには、20万円以上のピアノであっても、手元に残すことができます。

自己破産については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒自己破産はメリットしかない?家族や子供、仕事にデメリットはないの?

ピアノの購入代金を完済できていない場合

ピアノの購入代金を完済できていないとき(ピアノ代金を支払えなくなったとき)でも、あきらめる必要はありません。

ピアノ購入費用を工面した方法によっては、代金を債務整理してもピアノを処分させられずに済むからです。

「無担保」の借金でピアノ購入費用を工面した場合

ピアノの購入費用を「無担保」の借金・ローンで工面した場合には、購入代金を債務整理しても、ピアノを失うことはありません。

無担保ローン(借金)の典型例は、消費者金融や銀行のカードローン、フリーローンです。

なお、ピアノの購入費用の工面方法としては、消費者金融などよりも、楽器店で紹介される提携ローンや、銀行の楽器ローンを利用したほうが、金利負担の面で有利な場合が多いです。

これらの楽器ローンにも「無担保」の商品が少なくありません。

クレジットカードを利用した場合

数十万円程度のピアノの購入であれば、クレジットカードの分割払い・リボ払いを利用して購入することもあるかもしれません。

クレジットカードで購入(ショッピング利用)した場合には、代金を完済するまでは、購入商品の所有権は、カード会社にあります。

したがって、原則論としては、ピアノの決済に用いたカードを債務整理すれば、子供のピアノを失ってしまう可能性があります。

とはいえ、完全にあきらめてしまう必要はありません。

代金の残額や、ピアノの評価額によっては、「カード会社がピアノを引き上げない」という選択をする可能性は十分に残されているからです。

残価設定型ローンの場合は、ピアノを残せない

ピアノ代金の支払いに「残価設定型ローン」を利用した場合だけは、子供のピアノはあきらめざるを得ないことになります。

残価設定ローンというのは、いわゆる「リース契約」のことです。

リース契約では、契約が満期となった段階での売却見込み額をあらかじめ購入代金から差し引いて返済額が設定されます(残価設定)。

そのため、通常のローンよりも支払額を圧縮できるメリットがあります。

しかし、リース契約を債務整理すれば、途中解約となってしまうので、ピアノは所有者であるローン会社に必ず引き上げられてしまいます。

まとめ

ピアノはとても高価な財産です。

そのため、債務整理すれば問答無用に処分させられると思い込んでしまっている人も多いかもしれません。

しかし、実際の債務整理では、ピアノの処分が必要なケースは、かなり限られるといえます。

特に、「子供に買い与えたピアノ」であれば、債務者本人の財産ではないといえる場合も少なくありません。

そもそも他人の財産であれば、家族の物であっても差し押さえることができません。

一般の人にとって、債務整理は「わからないこと」が少なくありません。

こんなことは無理だろうと思い込んでいる、決めつけていることでも、専門家に相談すれば実現可能ということもたくさんあります。

借金問題を解決する上で最もよくないのは、素人の思い込み、自己判断で、あきらめてしまうことです。

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