FXの信用取引で作った借金を債務整理で解決する方法

強制ロスカットの仕組みがあるFX取引は、株取引に比べて破綻しづらい構造を備えているといえます。

他方でFX取引の魅力は高いレバレッジ取引によって短期間で高収益をあげられる可能性があることです。

強制ロスカットがあるといっても、借金で保証金を積み増しながら取引を続ければ多額の負債を抱えてしまうこともあります。

予期しない相場変動で一瞬にして多額の負債を抱えてしまうこともあります。

世界的な相場変動の際には、大金を掴んだ人の影にかならず大きな損失を抱えた人がいます。

この記事では、FX取引で多額の負債を抱えたときの解決法について解説します。

また、重要なことなので先に結論からお伝えします。

FXで作った負債も、一般の借金と同じように多くの場合債務整理をすることで解決できます。

しかしながら、普通の借金とは違い早期の段階で正しい方法で手続きを進めていく必要があります。

FXが原因の借金というと、金額も大きくなっているでしょう。

『現在の収入から考えて、FXで作った借金を自力で完済できる見込みは無いと、頭では分かっているけど後回しにしてしまっている。』

このような状態の方は、既に黄色信号が点滅している危険な状態です。

1人で悩むのではなく、手遅れになる前に1日でも早い段階で専門家に相談をして下さい。

法律事務所は匿名で利用できる、無料シミュレーションサイトの利用が便利です。

それでは解説をしていきます。

債権者の違い

FXで負債を抱えるケースは、大きく分けて次の3つの場合があります。

追証を支払うことができなくなった場合
クレジットカードでFXの決済を行っていた場合
消費者金融から借金してFX取引を行っていた場合

FXなどの信用取引には「証拠金」の制度があります。

FX取引は、強制ロスカットの仕組みがあるため、通常のケースでは損失は保証金の金額までに抑えられるようにできています。

しかし、一晩のうちに大きな相場変動があったときには、強制ロスカットが間に合わずに「マイナス口座」となることがあります。

このマイナス分を支払うことができない場合には、FX会社が債権者となります。

また、高いレバレッジで取引しているときには、追証金の負担がそのまま借金として残る場合があります。

海外のFX業者にはクレジットカードを利用した決済を認めているものもあります。

この場合には、クレジットカード会社が債権者となります。

追証金を消費者金融から借金して支払っていた場合には、消費者金融が債権者となります。

いずれの場合であっても、「金銭債務」なので債務整理で解決することが可能です。

債務整理の4つの方法

FXなどの金融商品(信用取引)が原因の負債を解決する方法には、「FX会社と直接交渉する」方法と「債務整理で解決する方法」とがあります。

FX会社に分納のお願いをする

マイナス口座の支払いについては、FX会社に「分納」の相談をすることができます。

毎月の給料や保有している資産を売却して分割して支払うことができれば、最もよい解決方法といえるでしょう。

FX会社との話し合いがうまくいかないときには、ADR(裁判外紛争解決手続き)を利用する方法もあります。

金融商品や信用取引のトラブルについては、FINMAC(証券・金融商品あっせん相談センター)が相談などを受け付けています(ただし、日本国内のFX会社に限ります)。

話し合いが「難しい」・「まとまらない」ときには債務整理

FX会社との話し合いがまとまらない場合には、債務整理の方法で解決します。

クレジットカード会社や消費者金融が債権者であるときにも同様です。

債務整理には、「任意整理」、「個人再生」、「自己破産」の3つの方法があります。

実際にどの方法を選択するかは、専門家と話し合って決めていくことになりますが、重要なのは1日でも早い段階で相談するということ。

借金問題は時間がたてばたつだけ状況は悪化し、取れる選択肢は減っていきます。

1人で悩み続けるのではなく、1日でも早い段階でまずは専門家に相談することをおすすめします。

今すぐ専門家に相談する⇒

FXの負債を債務整理するときの注意点

FXで抱えた負債を債務整理の方法で解決するときには、どのような点に注意すべきでしょうか。

手続きごとのポイントについて解説します。

任意整理する際の注意点

「任意整理」は最も良く利用される債務整理の方法です。

特に消費者金融から借金しているときには、「利息」の負担がさらに状況を深刻化させます。

追証金を借金して工面したときには、FX取引は乗り切れたとしても、借金の返済に行き詰まるということもあるかもしれません。

任意整理は「利息の免除」と「返済回数の見直し」によって借金を返しやすくする方法です。

利息が免除されることで、毎月の返済負担が大幅に軽くなるケースは少なくありません。

他方で、任意整理では「利息が免除されるだけ」なので、借金それ自体が減るわけではありません。

たとえば、5年を超えるような長期の分割払いは債権者の了解を得られないこともあるでしょう。

そのため、「負債が多額過ぎるとき」には、任意整理では解決できないこともあります。

任意整理については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒任意整理のメリットとデメリット?債務整理で1番多い手続きの注意点

個人再生するときの注意点

負債が多額過ぎるときには、自己破産以外に「個人再生」という方法があります。

個人再生では、民事再生法の定めにしたがって「負債の一部」が免除されます。

たとえば、1,000万円の負債であれば200万円、2,000万円の負債は300万円まで減額してもらえる可能性があります。

FXの負債を個人再生で解決しようとするときの注意点は次のとおりです。

・負債が5,000万円を超えるときには個人再生は利用できない
・個人再生では、「負債の一部」を「3年間」で返済しなければならない
・債権者に反対されると個人再生できない場合がある
・個人再生はFXだけを対象にすることができない
・個人再生を利用すれば住宅ローンの残ったマイホームを手放さずに済むこともある

FXでの負債が5,000万円を超えるような巨額なときには、個人再生は利用できません。

そもそも、5,000万円を超えるような負債を抱えたときには、自己破産した方が良い場合が多いでしょう。

なお、「どうしても自己破産できない」というときには、個人再生ではない通常の「民事再生」を利用することができます。

次に、個人再生では「負債の一部」を原則として「3年の分割(3ヶ月に1度以上の頻度での支払い)」で返済しなければなりません。

返済できるだけの収入がないときには、個人再生は認められません。

特に、専業トレーダーの場合には注意が必要でしょう。

また、3年間で返済できるだけの収入があるときでも、債権者に反対されると個人再生できない場合があります(小規模個人再生の場合)。

ところで、個人再生や次に説明する自己破産は、「すべての借金を同時に債務整理」しなければならない点で任意整理と大きく異なります。
任意整理であれば、「FXの負債だけを整理」できますが、個人再生や自己破産ではできません。

住宅ローン、マイカーローンといった他の借金があるときにはすべて借金を債務整理の対象とする必要があります。

なお、個人再生には「住宅ローン特則」とよばれる特別の方法があります。

この住宅ローン特則を利用すれば、個人再生してもマイホームを手放すことなくFXの負債などの借金を整理することができます。

ただし、住宅ローンは一切減免されないことに注意が必要です。

個人再生については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒個人再生は家を残せる大きなメリットがあるが2つのデメリットもある

いずれにしても、時間が早ければ早いに越したことはないのは紛れもない事実です。

後回しにしても意味はありませんし、事態が深刻化するだけなのは間違いありません。

今すぐ専門家に相談することをおすすめします。

今すぐ専門家に相談する⇒

自己破産するときの注意点

自己破産は裁判所の下ですべての負債の強制清算を行う非常に強力な手続きです。

FXの負債が原因で自己破産するときには、次の点に注意が必要です。

・保有している財産を処分しなければならない
・免責不許可となる可能性がある
・FXの負債を原因とする自己破産は原則として管財事件となる

自己破産すると、破産手続き開始のときに保有している財産を処分する必要があります。

破産すると処分される財産の例は次のとおりです。

・99万円を超える現金
・20万円を超える預貯金
・20万円を超える有価証券・解約返戻金
・評価額が20万円を超える自動車などの動産(生活に必要な動産は除かれる)
・不動産

FXの負債が原因で自己破産するときに、最も注意すべきは「免責不許可となる可能性」があることです。

自己破産しても免責が不許可となれば負債の返済義務はなくなりません。

FXや株式投資などの投機的行為が原因で著しい負債を抱えたときには、破産法が定める免責不許可事由(破産法252条1項4号)に該当する可能性があります。

しかし、免責不許可事由に該当するケースのすべてが必ず免責不許可となるわけではありません。

免責不許可事由に該当するケースでも裁判所の裁量で免責が認められる余地があります。

これを裁量免責といいます(破産法252条2項)。

実際の自己破産で免責不許可となるケースは、ほんの数パーセント程度にしか過ぎません。

裁量免責を与えるためには、免責付与について必要な調査を行う必要があります。

そのため、FXが原因で自己破産する際には、保有財産の有無を問わず管財事件(免責調査型)として取り扱われるのが原則です。

管財事件となったときには、同時廃止の場合とは異なり予納金(引継予納金)を納める必要があります。

予納金は破産管財人の報酬にあてられるもので、個人の自己破産では20万円以上の金額となります。

自己破産については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒自己破産はメリットしかない?家族や子供、仕事にデメリットはないの?

借金と収入の状況に合致した方法を選択することが大切

FXで負債を抱えたケースは、数十万円の支払いで悩んでいるものから、数百万円を超える多額な負債を一気に抱えてしまったケースまで、実にさまざまです。

また、収入の程度や保有する財産状況もそれぞれのケースで異なります。

債務整理の方法は、借金と収入・財産の状況に応じて適切な手続きを選択することが大切です。

法律に詳しくない人が「私の場合は自己破産」というように独断で決めてしまうと、予期しない不利益を受けることもあります。

必ず、弁護士・司法書士に相談した上で、ベストな方法で債務整理しましょう。

債務整理しても信用取引の口座を開設できる

債務整理すると、新規の借金申込みやクレジットカードの発行は数年間できなくなります。

債務整理すると金融機関が加盟している信用情報機関のデータベースに「事故情報」が登録されるからです。

銀行口座や証券口座の開設は、事故情報があっても行うことができます。

したがって、債務整理後もFXや株の取引を行うことは可能です。

しかし、FX取引が原因で債務整理を行ったときには、FXや株・仮想通貨の取引は自重した方がよいでしょう。

その理由は次のとおりです。

自己破産申し立て後もFX取引がやめられないときには免責不許可となる可能性がある
再生計画認可後に返済を延滞すると再生計画の認可が取り消される
債務整理後は、追証金を借金して確保することはできない

個人再生や任意整理では、手続き終了後3~5年かけて借金を返済します。

この返済が行き詰まれば再生計画の認可が取り消されます。認可取消しとなれば、借金減免の効果もあわせてなくなります。

また、任意整理のケースでも、再度の任意整理は債権者が態度を硬化されることも珍しくありません。

さらに、信用情報に事故情報が登録されている間は、追証金を借金して確保することもできません。

返済型の債務整理を利用したときには、少なくとも返済が完了するまでは、FX取引を自重した方がよいでしょう。

「FXで作った負債の債務整理」まとめ

FXで多額な負債を抱えたときでも債務整理すれば解決できます。

自己破産した場合であっても、きちんと対応すれば裁量免責を得られる可能性は高いです。

FXを原因とする借金が苦しくなったときには、一発逆転を狙って危険な取引を行わず、できるだけ専門家に相談しましょう。

一時的に借金問題に悩んでいたとしても、人生は必ずやり直すことができます。

後回しにし、取り返しがつかなくなってしまう前に、今すぐ行動することをおすすめします。

債務整理ならアヴァンス法律事務所

アヴァンス法律事務所では、全国から債務整理案件を受託しており、累計23万件以上の実績がございます。借金や過払い金にお困りの方はぜひ一度ご相談ください

アヴァンス法律事務所の無料相談はこちらです。