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福岡県北九州市で生活苦から作った借金を債務整理した50代女性の体験談
今回は福岡県北九州市にお住まいの田上さん。
生活費の為にカードローンを利用するも、勤め先を退職せざるを得ない状況に。
失業手当でやり繰りを続けるのは困難。
多重債務を抱え、自己破産をするに至ります。
田上さんはどのような手続き、そして債務整理を行ったのでしょうか?
それではよろしくお願いいたします。
北九州市の法律事務所で100万円の借金を債務整理した体験談
2005年ごろの話です。
私は福岡県北九州市に住んでいる女性で、ある会社の正社員をしていました。
生活費が足りなくなって、消費者金融のカードローンを利用したことがありました。
最初は収入で少しずつ返して行く予定でした。その当時で50万円位だったと記憶しています。
ところが勤務先の経営が傾いて、その会社を辞めざるを得なくなりました。
失業手当は出ましたが、それでカードローンの分を返済して行くのはちょっと大変です。
仕方がないので派遣の仕事につき、最初は何とか返済して行きました。
しかし派遣と言うのは、正社員ほど安定した業務ではありません。
きちんと返済していたこともあり、カードローンの枠を広げてもらえましたが、後から考えれば、それは返済額が増えることを意味しています。
当時はまだ上限金利が20パーセント以上で、そのため利息の分だけでも大変でした。
そのうち、派遣でも入れる審査の緩いカードローンで、20万円を借りました。
この時点で既に多重債務者となったわけですが、それに構っている暇はありませんでした。
そうこうするうちに何とか正社員の口が見つかりそうになりました。
借金があるのに入社できるのか、心配になったことも多かったです。
借金を返しながら生活するのは厳しい
辛うじて会社に就職することができ、営業事務の仕事につきました。
お給料は安定しましたが、やはり2社の借金を返済するのは大変で、飲み会を断ったこともありました。
そういう事情もあって、一度消費者センターに行ったところ、任意整理をしてはどうかと勧められました。
しかしそれがどのような形であれ、債務整理をするとカードも使えなくなりますし、色々制約がありそうなのでしばらく考えてみることにしました。
ただ手取り20万円そこそこで家賃と生活費を払い、残った分で返済をしていては、手許に残るお金がいくらもありません。
おまとめローンも考えましたが、借り入れ分が多いことから、おまとめ分のカードローンに落ちてしまいました。
お金のプロに相談することを決意
こうなればもう仕方がないと思い、司法書士事務所に行って相談しました。
その司法書士の先生はこちらの話を聞いた後、自己破産を勧めてくれました。
これは正直言ってショックでした。
しかし今の収入と借り入れ額や生活費などを考えると、それが一番負担が少なくて済みそうで、不本意ながら自己破産をすることにしました。
自己破産をすると言っても、別に周囲に気づかれるわけでもなく、安心していいですよとその先生は言ってくれました。
これが2007年、40歳の時のことです。
手続きとしては、その先生の事務所でいわれた書類や住民票を取り、2週間ほどですべて揃えて持参しました。
またクレジットカードも使えなくなり、デビットカードを代わりに作ることにしました。
ただ私は普段買い物にカードを使っており、何人かの友人もそのことを知っていたので、使い過ぎるのが不安だから解約したと言っておきました。
自己破産後には色々な制約がつくのか?
自己破産をすると、旅行に行けないとか選挙の投票ができないなどと言われていたことから、そのことを事務所で相談してみました。
すると司法書士の先生は、そのようなことはありませんよと答えてくれて、いくらか気持ちが楽になりました。
公共料金は最初から口座引き落としでしたが、もしかして口座が凍結されてはと思い、コンビニでの支払いに変更しました。
実際のところは預金額も少ないせいか、口座にも大きな影響はなかったようです。
それから数か月して、司法書士事務所から破産宣告をして免責が下りたことが知らされました。
自己破産後の新しい生活
これで借金はチャラになり、新しい生活を踏み出すことになりました。
私の場合はお金に関する仕事ではなかったので異動させられることもなく、また住んでいたマンションの立ち退きなども一切なしでした。
その当時はブラックが消えるまで7年でしたので、その7年間はすべて口座引き落としか現金決済でした。
デビットカードも要はICカードと同じで、チャージした分しか使うことができません。
おかげで支出にはかなりシビアになりました。
それと同時に、如何に今までカードで要らない物を買っていたのかを、改めて見直すこともできました。
それから事務所への着手金や経費の支払いですが、これは分割で月々1万円を入れることにしました。
それから5年ほどして、付き合っていた人と結婚することになったのですが、このことはすべて打ち明けました。
もしそれが相手に受け入れられないようなら、その時までだと思って話したのですが、彼は特にそれには難色を示しませんでした。
むしろ、勇気があるねと言ってくれたのです。
社会的信用を取り戻すこと7年
そして2014年になって、ブラックも消えました。
久々にクレジットカードを作れないかと思い、とりあえず2社に申し込んだところ、そのうちの1社に通ることができました。
ただし今は、大きな物は夫の名義で購入していることもあり、自分のカードを使うのは月に1回と決めています。
また以前作ったデビットカードはネットショッピングなどで活用しています。
もし今借金で悩んでいる人がいれば、とりあえず消費者センターや弁護士、司法書士などに相談してみるといいと思います。
自分で返済しようと考えていることが、かえってその人の負担になることもあるからです。