「自己破産をすると家族に影響がある?」
「家族に迷惑をかけてしまわないか心配…」
あなたは今、こんな不安を抱いていませんか?
自己破産で借金を解決したいと考えているものの、家族への影響を考えると、決断に踏み切れない人は多いでしょう。
結論から申し上げますと、自己破産を行うと家族に影響が及ぶ場合もあります。
それでも、借金を解決しなければ前に進めません。デメリットを受け入れ、極力早めに手続きを進める必要があるのです。
この記事では、自己破産で家族に迷惑をかけたくないあなたのために、以下の情報を解説します。
- 自己破産が家族に与えるデメリット
- 家族への影響を減らして借金を解決する方法
- 自己破産の際にやってはいけないこと
自己破産でどんな影響を受けるのか気になっているなら、ぜひ最後までご覧ください!
Contents
自己破産が家族に与える5つのデメリット
自己破産を行うと、家族に次のようなデメリットが生じる可能性があります。
- 家や車は差し押さえられる
- 家や車のローンが組めなくなる
- 資格制限によって収入が減る可能性がある
- 家族が保証人の場合は返済義務が生じる
- 子供の奨学金の連帯保証人になれない
それぞれ詳しく解説します。
(1)家や車は差し押さえられる
自己破産が家族に与えるデメリット1つ目は、財産の差し押さえを受ける可能性があること。
まず、自己破産には同時廃止と管財事件の2通りの手続き方法があります。
めぼしい財産がない場合は同時廃止となり、申し立てと同時に手続きが終了します。一方で、財産がある場合は管財事件となり、家や車などの財産は差し押さえを受けてしまうのです。
なお、管財事件になっても以下の「自由財産」は残せます。
- 差し押さえ禁止財産
- 自由財産(99万円以内の現金)
- 自己破産後に新たに得た財産
- 破産管財人によって放棄された財産
- 自由拡張財産
上記の通り、生活や仕事に必要な道具や99万円以下の現金は残せますから、生活ができなくなる心配はありません。
しかし、持ち家に住んでいたり、生活に車を使っていたりする場合、家族に不便を与えてしまうでしょう。
(2)家や車のローンが組めなくなる
自己破産が家族に与えるデメリット2つ目は、ローンが組めなくなること。
自己破産をはじめとした債務整理を行うと、あなたの信用情報に「事故情報」が登録されます。いわゆるブラックリスト入りですね。
事故情報が登録されていると、借入やローンの審査が非常に厳しくなってしまいます。
事故情報が登録される期間は5〜10年間です。自己破産で借金を精算して、住宅ローンや自動車ローンを組もうと考えている場合は注意してください。
もし自己破産後にローンを組もうと考えているなら、次のような手段があります。
- 配偶者を名義人にする
- 頭金を多めに用意する
- 住宅や車は安いものを選ぶ
自己破産しても、配偶者の信用情報に問題がなければ配偶者名義での借入は可能です。
ただし、配偶者本人に収入がないと借入はできないため、この方法は必ず使えるとは限りません。
次に、頭金を多く用意するという方法もあります。
本質的な問題として、自己破産してお金が借りられないのは、金融機関側のリスクが大きすぎるからです。しかし、頭金を多く用意して借入額を減らせば、融資してもらえる可能性もあるでしょう。
同様の理由で、安い住宅や車を選ぶというのもひとつの手です。
(3)資格制限によって収入が減る可能性がある
自己破産が家族に与えるデメリット3つ目は、資格制限で収入が減る可能性があること。
自己破産を申し立ててから免責が下りるまでの間は「破産者」となり、下記の職業は一時的にですが資格制限を受けてしまいます。
- 弁護士や司法書士、宅建主任者などの士業
- 公安委員会委員など、上級の公務員
- 商工会議所の会員
- 会社の取締役や執行役員、監査役
- 古物商の免許がいる質屋
- 証券会社員、警備員や保険会社の生命保険募集人 など
自己破産を理由とした解雇は、不当解雇に当たります。
よって、自己破産したからといって職を失うリスクは少ないですが、就業規定に「自己破産を解雇事由とする」という内容が示されている場合は、その限りではありません。特に、金融機関や警備会社に勤めているなら注意しましょう。
そうでなくても、業務に支障が出て収入が下がってしまう可能性があります。
(4)家族が保証人の場合、家族が返済義務を負う
自己破産が家族に与えるデメリット4つ目は、家族が保証人のとき返済義務が生じること。
借金に連帯保証人がついていて、家族を保証人にしている場合、自己破産すると家族に支払い義務が発生してしまいます。
この場合、後述の任意整理で解決するのは良い選択です。
任意整理なら債務整理対象を選べるため、家族が連帯保証人になっている借金のみ債務の対象から外し、返済を続けることが可能です。
(5)子供の奨学金の連帯保証人になれない
自己破産が家族に与えるデメリット5つ目は、奨学金の連帯保証人になれないこと。
奨学金の借入には保証人が必要ですが、親が自己破産してブラックリストに載っている場合、保証人になれません。
機関保証を利用すれば、保証人なしでも奨学金の借入は可能です。ただし、機関保証は保証料が取られてしまい、返済の負担が増えてしまいます。
子供が将来奨学金を借りることになったら、保証人になれない代わりに、金銭的に補助してあげてください。
自己破産しても家族の信用情報に影響はない
自己破産しても、家族の信用情報が傷つくことはありません。
前述の通り、家族に収入さえあれば借入したりローンを組んだりできますし、家族カードを利用することもできます。
ただし、自己破産で借金を踏み倒した金融機関からの借入は避けた方が良いでしょう。
なぜなら、家族の信用情報に傷がついていなくても、破産した人との家族関係が明らかになれば融資を見送られてしまう可能性があるからです。
自己破産しても、子供の将来には大きな影響はない
自己破産しても、子供の将来に影響することはありません。
子供が進学や就職する際に親の自己破産歴が問われることはありませんし、そもそも、親の自己破産がバレてしまう可能性もほとんどないでしょう。
影響があるとすれば、子供の奨学金の保証人になれないことです。
奨学金は、保証人がいなくても期間保証を使えば貸与を受けられます。しかし、期間保証には保証料がかかりますし、その負担は学生にとって軽いものではありません。
将来子供が奨学金を借りることになったら、保証人になれないぶん、金銭的に補助してあげてください。
自己破産が子供に与える影響に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。
参考⇒ 親が自己破産しているけど、結婚に関係ある?自己破産が子供や結婚生活に与える影響を解説!
家族への影響を減らしつつ、借金を解決する方法
デメリットを抑えたいなら、自己破産以外の債務整理方法も検討しましょう。
債務整理には、自己破産以外にも「任意整理」や「個人再生」といった方法があり、これらを選べば差し押さえや資格制限を受けることもありません。
さらに、任意整理なら債務整理の対象を選べますから、住宅ローンだけ債務整理せずに家を手元に残す、といったことも可能です。
ただし、任意整理や個人再生は手続き後も返済を続ける必要がある点に注意しましょう。
それぞれの債務整理方法について、詳しくは下記の記事を参考にしてください。
参考⇒ 任意整理のメリットとデメリット?債務整理で1番多い手続きの注意点
参考⇒ 個人再生は家を残せる大きなメリットがあるが2つのデメリットもある
自己破産を家族に隠すのは難しい
自己破産したことを家族に隠すのは、非常に難しいです。
自己破産には家族の収入証明が必要になることもありますし、差し押さえやブラックリスト入りのデメリットをこれからずっと隠し続けるのは、現実的ではありません。
そして何よりも、自己破産を隠すと家族との信頼関係にヒビが入ってしまう可能性が非常に高いです。
よって、家族ときっちり相談してから自己破産を行うことが大切です。
自己破産を行う際にやってはいけないこと
自己破産を行う際は、免責不許可事由に注意しましょう。
免責不許可事由に該当すると、免責が認められず、借金が解決できなくなってしまいます。
一般的にギャンブル等が原因の借金は自己破産できないと言われていますが、ほとんどの場合裁量免責が下りています。よって、実際に注意すべきなのは以下の2点です。
- 自分の財産を家族名義に変更する
- 自己破産に非協力的な態度を取る
それぞれ詳しく解説します。
(1)自分の財産を家族名義に変更する
自己破産前に、家や車等の財産を家族名義に変更してはいけません。
なぜなら、自己破産の免責不許可事由には「財産隠し」が含まれているからです。名義変更や譲渡によって差し押さえを逃れようとするのは、悪質な財産隠しとみなされ、免責が下りなくなってしまう可能性があります。
そもそも自己破産とは、あなたの自己都合で借金を免除してもらう行為ですから、差し押さえもその代償として受け入れるしかありません。
(2)自己破産に非協力的な態度を取る
自己破産に非協力的な態度を取るのもやめてください。
例えば、借金の原因(ギャンブルや浪費等)を改めていない場合や、裁判所からの呼び出しに応じなかった場合は、免責不許可になる可能性があります。
確実に免責を受けるためには、借金を反省する姿勢を見せることが大切なのです。
まとめ|自己破産は家族にも影響が及ぶ場合もある!家族に相談した上で決断しよう
自己破産を行うと、家族も不利益を被るケースがあります。
差し押さえによって家や車を失ったり、ローンが組めなくなったりする場合もありますし、家族が連帯保証人になっていると返済義務が生じます。
よって、自己破産の前には家族としっかり話し合った上で決断してください。
なお、デメリットを恐れて借金を放置するのは絶対にやってはいけない対応です。
借金を放置すると遅延損害金が発生したり、督促によって精神的に追い詰められたりするリスクがあります。
自力で返済できない借金は、早めに弁護士・司法書士に相談してください。