
「建築士が自己破産すると資格はどうなる?」
「仕事に影響はあるの?」
「借金を債務整理する方法はある?」
こんな悩みを抱えていないでしょうか?
建築業界は接待が多く、接待で行ったキャバクラなどにハマって借金してしまう方も少なくないでしょう。
結論からいうと、自己破産しても建築士資格は失いません。
しかし、仕事にまったく影響がないとは限らないので、自己破産に踏み切る前に債務整理について理解しておくことをおすすめします。
この記事では、建築士の方向けに債務整理のポイントについてまとめました。
- 建築士が自己破産すると資格を失うのか
- 自己破産するときのポイント
- 自己破産以外で債務整理をする方法
最後まで読んでもらえれば、借金への正しい対処方法がわかります。
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Contents
建築士が自己破産しても資格は失わない
結論からいうと、自己破産しても建築士の資格はなくなりません。
建築士(一級建築士、二級建築士、木造建築士)には、以下の欠格事由があります。
- 未成年者
- 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
- 建築士法に違反、または建築物の建築に関し罪を犯して罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終了または執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
- 建築士法9条第1項4号または10条1項の規定により免許を取り消され、その取消しの日から起算して5年を経過しない者
- 10条1項の規定による業務の停止の処分を受け、その停止の期間中に9条1項1号の規定によりその免許が取り消され、まだその期間が経過しない者
上記の欠格事由には破産者は含まれません。
したがって、自己破産をしても建築士の資格を失うことはないのです。
建築士が自己破産するときの4つのポイント
建築士が自己破産する前に知っておきたいポイントは、以下の4つです。
- 職場にバレる可能性がある
- 建築士事務所が開設できなくなる
- 建築士以外の資格が取り消される
- 取締役や持株会社の社員は退任する必要がある
しかし、自己破産しても建築士資格は失わないとはいえ、仕事に影響がないとは言い切れません。
自己破産すると仕事にどのような影響があるか、順番に見ていきましょう。
職場にバレる可能性がある
自己破産のポイントの1つ目は、勤務先に知られる可能性があることです。
自己破産するときに、裁判所に「退職金に関する証明書」を提出する必要があり、この書類を会社に求めた時点で自己破産を知られてしまうことがあります。
会社に知られないためには、退職金に関する証明書の代わりに「退職金支給規定」を提出しましょう。
退職金支給規定は会社に申請する必要がないため、自己破産に気付かれる可能性は低くなります。
建築士事務所が開設できなくなる
自己破産のポイントの2つ目は、建築士事務所が開設できなくなることです。
建築士法23条の4には「破産手続き開始の決定を受けて復権を得ない者」が登録申請者であるときは、登録が拒否されると記載されています。
したがって、自己破産した人は復権するまで建築士事務所を開設できません。
建築士以外の資格が取り消される
自己破産のポイントの3つ目は、建築士以外の資格の取り消しです。
自己破産しても建築士資格は失いませんが、しかし、それ以外で業務に関係する資格を失う可能性があります。
建築士の業務に関係する資格のうち、自己破産によって資格制限を受けるものは以下の通りです。
- 宅地建物取引士
- 土地家屋調査士
- 司法書士
- 行政書士
- 不動産鑑定士
- 測量業者
- 一般建設業
- 特定建設業
失うと業務に支障をきたす資格はないか、あらかじめ確認しておきましょう。
取締役や持株会社の社員は退任する必要がある
自己破産のポイントの4つ目は、建築事務所を運営していると退任させられる可能性があることです。
株式会社の取締役や持分会社の社員は、自己破産すると退任する必要があります。
法人役員が自己破産した際に、気を付けたいポイントは下記の通りです。
- 退任後免責を受ける前に再任されることは可能
- 再任される場合は、株主総会などの再任手続きが必要
- 「1人会社」の代表者が自己破産すると法人の解散事由となる
- 持分会社であればあらかじめ定款に定めておくことで、自己破産による法定退社を回避することが可能
建築事務所を法人運営している方が自己破産する場合は、上記をしっかり理解した上で行いましょう。
建築士が自己破産以外で債務整理する方法
債務整理の方法は自己破産だけではありません。
もし自己破産によって業務に支障が生じる場合、それ以外の方法を選ぶこともできます。
自己破産以外で債務整理する方法は、以下の3つです。
- 任意整理
- 個人再生
- 民事再生手続き
それぞれ条件や解決できる借金の規模が異なります。
詳しく解説するので順番に見ていきましょう。
借金が少額の場合は任意整理で解決できる
借金が少額の場合は「任意整理」がおすすめです。
任意整理は債権者に借金を返済しやすくするよう依頼する方法で、債務整理の中でもっともデメリットを小さく抑えられます。
任意整理の内容は、具体的には以下の通りです。
- 将来の利息の免除
- 返済期間の見直し
- 一括返済による借金の減額
消費者金融や銀行カードローンは高い利息が付されています。
返済額の半分が利息に充てられている場合も多く、利息を免除してもらうことで負担を大きく軽減できるでしょう。
また、個人再生や自己破産と違って対象となる借金を指定できます。
例えば、住宅ローンや取引先への未払金など、債務整理したくない借金は除外できるのです。
任意整理については、下記ページで詳しく解説をしています。
参考⇒任意整理のメリットとデメリット?債務整理で1番多い手続きの注意点
借金が多額の場合でも個人再生で解決できる
借金が多額の場合には「個人再生」で解決しましょう。
個人再生が認められると、借金の一部を免除してもらうことができます。
最低限支払わなければいけない弁済額は、以下の通りです。
借金の額 | 最低弁済基準額 |
---|---|
100万円未満 | 全額 |
100万円~500万円未満 | 100万円 |
500万円~1,500万円未満 | 借金の1/5の額(100万円~300万円) |
1,500万円~3,000万円未満 | 300万円 |
3,000万円~5,000万円 | 借金の1/10の額(300万円~500万円) |
注意したいのが、保有資産の評価額が最低弁済基準額を上回るときは、その評価額だけ返済しなければならないということです。
例えば最低弁済基準額が100万円でも、保有資産が300万円あれば、返済額は300万円になります。
個人再生については、下記ページで詳しく解説をしています。
参考⇒個人再生は家を残せる大きなメリットがあるが2つのデメリットもある
5,000万円以上の借金は民事再生手続きを利用する
5,000万円以上の借金は、民事再生手続きで解決できる場合があります。
個人再生は、借金の額が5,000万円を超えるときは利用できません。
民事再生は一般的には法人向けの債務整理ですが、個人でも利用することができます。
法人の債務整理については、下記ページで解説をしています。
参考⇒法人の債務整理?会社が自己破産や個人再生をする流れと費用
【注意】自己破産の回避には債権者の同意が必要
任意整理や個人再生で自己破産を回避する場合、債権者の同意が必要です。
まず、任意整理の場合は交渉に応じるか否かも債権者に委ねられます。
個人再生の場合も、裁判所に再生計画を認められるためには「債権者の反対(頭数・債権額ともに1/2以上)がない」ことが条件です。
借りたばかりの借金や、債権者の心証が悪い借金(延滞しているなど)があれば、失敗してしまうこともあります。
まとめ
建築士が自己破産しても建築士資格は失いません。
しかし、建築士以外で必要な資格を失ったり、建築士事務所を開設できなくなったりして業務に影響が出る場合もあります。
自己破産によって業務に支障が出る場合は、下記の「自己破産以外の方法」で債務整理することも検討しましょう。
- 任意整理
- 個人再生
- 民事再生手続き
借金問題は対応が遅れるほど深刻になります。
「多額の返済に追われていて苦しい」
「毎月の返済がギリギリになっている」
このような状態だと自力での返済は難しいです。
多額の借金を抱えている方は、手遅れにならないうちに弁護士・司法書士に相談することをおすすめします。