「夫婦揃って借金を負ってしまった…」
「もう自己破産した方がいい?借金解決の方法を知りたい」
あなたはそんなふうに悩んでいないでしょうか?
夫婦揃って借金を負ってしまい、身動きが取れなくなっている人は少なくないでしょう。
当記事では、配偶者との関係を保ちつつ借金を解決したいあなたに向けて、次のテーマについて解説します。
- 夫婦の借金を解決する債務整理方法
- 債務整理の3つのポイント
- 自己破産における配偶者への影響
借金を放置しても、状況は悪化するばかり。
この記事を最後まで読み、借金から解放されて自由な生活を取り戻してください!
Contents
夫婦の借金を早めに自己破産すべき理由
結論として、夫婦で借金を抱えてしまった場合は早めに自己破産を行うべきです。
その理由は次の4つ。
- 借金が膨れ上がる
- 夫婦の関係が悪化する
- 借金だけでは離婚できない
- 配偶者の借金は返済義務がある
(1)借金が膨れ上がる
夫婦の借金を自己破産すべき理由1つ目は、借金が膨れ上がるからです。
借金を放置していると「遅延損害金」がかさみ、ただでさえ辛い借金返済がさらに厳しくなってしまいます。
遅延損害金とは、支払いを滞納した際の損害賠償金のことで、支払いの滞納が始まった翌日から毎日加算されていきます。
利息と混同してしまいがちですが、利息は「返済日までの借入」にかかるのに対し、遅延損害金は「返済日以降の借入」に対してかかってくるものです。
借金が大きくなればなるほど遅延損害金は膨れ上がり、状況は悪化してしまうため注意しましょう。
(2)夫婦の関係が悪化する
夫婦の借金を自己破産すべき理由2つ目は、夫婦の関係が悪化するからです。
借金の返済が遅れれば生活も苦しくなりますし、度重なる督促を受けて精神的にもどんどん追い込まれてしまいます。
そうなると、夫婦関係が悪化してしまうのは目に見えています。
その先には、離婚に追い込まれるという最悪のケースが待ち構えていますので、早めに対処しなければ後で後悔することになるでしょう。
(3)借金だけでは離婚できない
夫婦の借金を自己破産すべき理由3つ目は、借金問題だけでは離婚できないからです。
夫婦で話し合った上で協議離婚できれば良いのですが、それができない場合は裁判所に離婚調停を申し立てる必要があります。
いわゆる「裁判離婚」と呼ばれるものですね。
裁判離婚には法廷離婚事由が必要になりますが、配偶者に借金があるだけではこの離婚事由には該当せず、離婚できないというのが一般的な見解。
最悪離婚すればなんとかなる、という考えは通用しないのです。
(4)配偶者の借金は返済義務がある
夫婦の借金を自己破産すべき理由4つ目は、配偶者の借金には自分自身も返済義務があるからです。
基本的に、以下のような支出のための借金は「日常家事債務」と呼ばれ、夫婦で責任を負う必要があります。
- 家賃
- 光熱費
- 医療費
- 保険料
- 養育費
- 教育費
- 食料品
- 医療品
- 家具
- 家電製品等の生活に必要な物の購入費
- 適当な程度の娯楽費
上記を見ればわかる通り、ほとんどの支出が日常家事債務に当てはまるため、返済義務が生じてしまいます。
ただし、ギャンブルや投資、ブランド品の購入による借金は「婚姻を継続し難い重大な事由」とされるため、裁判離婚で返済義務を免れることも可能です。
とはいえ、これは一部の特殊な事例で、多くのケースでは夫婦揃って返済義務を負うことになるでしょう。
夫婦の借金を解決する3つの方法
夫婦揃って借金を負った場合、早めの解決が重要です。
しかし、あわてて自己破産を申し立てる前に、自己破産以外の債務整理方法についてもぜひ知っておいてください。
主な債務整理方法は、以下の3つです。
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
場合によっては、自己破産よりもデメリットが軽くなる可能性もありますので、それぞれ詳しく解説します。
【方法1】任意整理
借金額が少ない場合は、任意整理での解決がベストです。
任意整理とは、借金の利息部分のみを免除したのち、返済期間の見直しを行って返済を楽にする手続きのこと。
借金をなかなか返済できないのは、利息の影響も大きいです。
特に消費者金融や銀行カードローンなどは金利も高く、毎月の支払額の半分近く、ないしはそれ以上が利息に充てられているケースも少なくありません。
よって、任意整理で利息をなくすだけで思いの外返済が楽になることもあるでしょう。
任意整理については、下記ページで詳しく解説しています。
参考⇒ 任意整理のメリットとデメリット?債務整理で1番多い手続きの注意点
【方法2】個人再生
借金額が多い場合は、個人再生を選ぶことになるでしょう。
個人再生は、借金の元本部分を約5分の1に圧縮したのち、残りを3年間で返済する手続きのこと。
例えば、500万円という絶望的な額の借金でも、個人再生の手続きを行えば100万円程度まで減額可能です。
ただし、融通の効かないポイントも幾つかあります。
まず、任意整理と違って債務整理の対象を選べないため、住宅ローンだけを残してマイホームを手放さずに借金を解決、といったことはできません。
さらに、返済は必ず「再生計画」に基づいて行う必要があります。
任意整理と違って余裕ができたから早めに返済、ということもできないため注意しましょう。
個人再生については、下記ページで詳しく解説しています。
参考⇒ 個人再生は家を残せる大きなメリットがあるが2つのデメリットもある
【方法3】自己破産
借金があまりにも多額、もしくは収入を失ってしまった場合は自己破産しか選択肢はありません。
自己破産は全ての借金が免除されます。
しかし、家や車などの財産が差し押さえられてしまったり、一部の職業では資格制限を受けるなど、デメリットも非常に大きいです。
また、自己破産で免責をもらうには「支払い不能」であると認められる必要があるため、そう簡単に取れる手段ではありません。
自己破産については、下記ページで詳しく解説しています。
参考⇒ 自己破産はメリットしかない?家族や子供、仕事にデメリットはないの?
夫婦の借金を債務整理するときの3つのポイント
夫婦の借金を債務整理する際に、知っておきたいポイントが次の3つです。
- 必ず夫婦揃って相談を受ける
- アンダーローンの場合個人再生は不利になる
- 自己破産でも一部の財産は残せる
それぞれ詳しく解説します。
(1)必ず夫婦揃って相談を受ける
夫婦の借金を債務整理する場合、必ず揃って弁護士・司法書士の相談を受けるようにしてください。
どちらも借金を負っているケースでは、同時に債務整理すべきなのか、それとも片方だけ債務整理すれば十分なのかは、全ての事情を正確に把握しなければわかりません。
法律の知識がないのに、借金額だけで債務整理の方法を決めてしまうのは非常に危険だと言えるでしょう。
夫婦で借金を負ってしまった場合は、2人揃って専門家に相談することを強くおすすめします。
(2)アンダーローンの場合個人再生は不利になる
アンダーローンの場合、個人再生を行うと不利になります。
アンダーローンとは、住宅等の売却額がローンの残債よりも大きい状態のこと。この状態では個人再生を行っても借金が減らず、デメリットの方が大きくなってしまうこともあります。
特に、中高年の夫婦の場合にはローンの返済が進んでいて、アンダーローンになっている可能性が高いでしょう。
(3)自己破産でも一部の財産は残せる
自己破産を行っても、一部の財産は残すことができます。
以下の「自由財産」に該当する財産は、自己破産の手続きを行ったとしても処分されません。
- 新得財産
- 差押禁止財産
- 99万円以下の現金
- 自由財産拡張が認められた財産
- 破産管財人が破産財団から放棄した財産
まず、破産後に得た財産は差し押さえの対象になりません。
さらに、生活や仕事に必要な「差し押さえ禁止財産」や、99万円以下の現金などの財産も残すことができます。
他にも、特別な事情があって「自由財産拡張」が認められた財産や、価値がなく破産財団が放置した財産も差し押さえられません。
自己破産を考えているなら、この点も踏まえて検討すると良いでしょう。
夫婦が片方だけ自己破産するときの注意点!配偶者への影響はある?
夫婦が片方だけ自己破産する際、配偶者への影響が気になってしまいますよね。
自己破産が結婚生活に与える主な影響は、次の3つです。
- 家や車などの財産を失う
- 新たなローンも組めなくなる
- 資格制限によって収入が減ることもある
それぞれ詳しく解説します。
(1)家や車などの財産を失う
前述の通り、自己破産を行うと自由財産以外は失われてしまいます。
マイホームや車なども例外ではないため、これらを保有している場合は生活に大きな影響があるでしょう。
これを避けるためには、自己破産ではなく、任意整理や個人再生を選ぶ必要があります。
(2)新たなローンも組めなくなる
自己破産後は、新たにローンを組むのも難しいでしょう。
なぜなら、債務整理の手続きを行うと信用情報に「事故情報」が登録され、審査の際に照会されてしまうからです。
事故情報とは、いわば「私は過去に金融事故を起こしましたよ」と示すようなもの。お金を貸す側からすれば、どうしても厳しい目で審査せざるを得ないでしょう。
なお、債務整理しても配偶者の信用情報には何ら影響がありません。
よって、配偶者名義でローンを組むことは可能ですが、それも本人に収入がないと難しいです。
(3)資格制限によって収入が減ることもある
自己破産の手続きから免責を受けるまでは「破産者」となり、下記の職業では資格制限を受けます。
- 弁護士や司法書士、宅建主任者などの士業
- 公安委員会委員など、上級の公務員
- 商工会議所の会員
- 会社の取締役や執行役員、監査役
- 古物商の免許がいる質屋
- 証券会社員、警備員や保険会社の生命保険募集人
- その他の職業
資格制限は、免責を貰えるまでの一時的なもの。
しかし、一定期間とはいえ仕事に従事できなくなってしまうことは事実で、その間収入が減ってしまうことも考慮する必要があります。
また、上記に該当しなくても、会社の就業規則によっては自己破産を解雇事由としているケースがあるため注意しましょう。
まとめ
夫婦揃って借金を負ってしまったら、早めの対応が必須です。
借金を放置すると、遅延損害金によって借金が膨らんでしまうだけでなく、夫婦関係が悪化してしまうことは必至。それを避けるためにも、次の3点に注意しつつ債務整理を検討しましょう。
- 必ず夫婦揃って相談を受ける
- アンダーローンの場合個人再生は不利になる
- 自己破産でも一部の財産は残せる
自力で返済できない借金を抱えてしまった場合、1日でも早く弁護士・司法書士に相談してください。