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債権譲渡通知書が届いた時の対応方法
借金の延滞が続くと、貸し主である金融機関が債権を他社に譲渡することがあります。
しかし、まったく身に覚えのない会社から突然お金の支払いを要求されれば誰でも驚きます。
債権譲渡通知は、内容証明郵便で送られてくることも多く、なんとなく仰々しさがあって不安にもなります。
送られてくる文面にも、「法的措置を講じる」と書いてあれば、このまま無視したら給料が差し押さえられるかもと考えてしまいます。
また、いわゆる架空請求詐欺はいまでも多く行われていることから、「詐欺ではないか?」と考えることもあるでしょう。
たしかに、詐欺の場合であれば「無視すること」が最も正しい対応であるといえます。
しかし、身に覚えのない会社から支払いを請求されただけで詐欺と決めつめるのは、危険といえます。
最近では、銀行や消費者金融が債権回収業者に債権を譲渡することは珍しくありません。
そこで、今回は「債権譲渡通知」が届いたときの4つの対応策について解説します。
債権譲渡通知が届いたことで、「すぐに何かされる」ことはあまりありません。落ち着いて対応するようにしましょう。
また、『どちらにしろ2社以上から借入をしており、返済が困難な生活が2年以上続いている。』
『給料をもらっても返済ですぐに底をつき、また借りてしまう。』
このような状態の方は、既にその借金を返済できる見込みはほぼありません。
手遅れになる前に、弁護士や司法書士に相談を行ってください。
それでは解説をしていきます。
債権譲渡とは?
債権は、原則として、自由に他人に譲り渡すことができます。
譲渡のできない債権は、いわゆる一身専属権に該当する権利だけです。
一身専属権に該当する権利の例としては、「慰謝料請求権」や「扶養請求権」があります。
「貸したお金を返してもらう権利」は一身専属権ではないので、消費者金融や銀行は、自由に債権を他人に譲渡することができます(ただし、暴力団のような反社会性力に譲渡することは許されません)。
「債権譲渡通知」が送付される理由
債権者が債権譲渡することは原則として自由ですが、債務者にとっては「突然見ず知らずの人に返済を迫られる」と非常に困る場合があります。
そこで、民法は、指名債権の譲渡には、「債務者への通知」または「債権者の承諾」が必要であると定めています(民法467条1項)。
「指名債権」とは、債権者と債務者が特定されている債権のことで、預金債権や売掛金債権などの一般的な債権はすべて指名債権です。
債権譲渡通知が送付されてくるのは、この指名債権譲渡の要件を満たすためです。
なお、債権譲渡通知は、配達証明付きの内容証明郵便で送付されることが一般的です。
確定日付のある証書で通知することで、債務者だけでなく第三者に対しても債権譲渡の効力を主張することができるからです(民法467条2項)。
債権譲渡されたことで不利益が生じることはない
債権譲渡が原因で債務者に直接の不利益が生じることはありません。
債権者が代わったからといって遅延損害金や利息が増えたりすることはありません。
また、「判決」や「支払督促」によって債務名義となっていない債権は、強制執行することもできません。
したがって、法手続きを経ていない債権が譲渡されたからといって、即座に強制執行(給料などの差押え)が行われることもありません。
したがって、債権譲渡通知が届いたからといって「慌てる」必要はありません。冷静に対処することが大切です。
しかし、債権を譲り受けた者は「債権を取り立てる目的」で譲渡受けていることがほとんどです。
そのため、「のんびり放置」していると訴訟などを起こされる可能性は高いと思っておいた方がよいでしょう。
債権譲渡通知が届いたときの4つの対応策
債権譲渡通知が届いたときの4つの対応策について解説します。
ただし、債務者が債権譲渡を拒否することは、原則としてできません。
債権譲渡を否定する際には、事前に「債権譲渡に反対する意思表示」をして契約を取り交わしておく必要があります(民法466条2項)。
消費者金融や銀行といった金融機関から借金する際には、「債権者は第三者に債権譲渡をすることがある」という内容の条項が必ず入っています。
したがって、債務者が「債権譲渡に反対する」余地はそもそもありません。
なお、ウェブ上には「債権譲渡に債務者の承諾が必要」と説明しているサイトもありますが、必ずしも正しいとはいえません。
債権譲渡に承諾する旨の契約条項がない場合でも、「事前に反対されていない限り」、債権譲渡は「債務者に通知」するだけで対抗力を備えると解釈されているからです。
「メール」で送られてくる債権譲渡通知は無視してよい
債権譲渡の通知には、「詐欺」があることに注意が必要です。
スマホ・携帯やパソコンのメール充てに、メールが送りつけられることがあります。
これらの「債権譲渡通知」は100%詐欺です。
メール中に「弁護士」や「司法書士」、「行政書士」が通知を発信しているような記載があることもありますが、「資格者」や「まともな業者」が債権譲渡通知をメールで送信することはありえません。
資格者を名乗っているときには、弁護士会、司法書士会、行政書士会のウェブサイトに掲載されている「会員名簿」で検索してみると良いでしょう。
ほとんどの場合該当する資格者はいないはずです。
仮に、該当者がいるようであれば、その資格者団体に苦情を申し立てれば、適切に対応してくれると思います。間違っても、メールの問い合わせ先に連絡するような対応をしてはいけません。
債権譲渡通知の発信者と譲受人を必ず確認する
債権譲渡通知が届いたときには、「誰から送られてきた通知」なのかを必ず確認しましょう。
たとえば、債権者Aが債務者Bに対してもっている債権をCに譲渡した場合で説明してみます。
この場合、債権譲渡通知は、AからBになされなければいけません(ただし、CがAの代理人として通知を出すこともあるので注意が必要です)。
次に、債権の「譲受人(上の例ではC)」を確認しましょう。万が一、譲受人が危険な組織であったときには、警察などへの相談が必要となることもあります。
金融機関からの債権譲渡のほとんどは、「営利目的」で譲渡されます。
弁護士以外の者が債権回収を営利目的で行うためには、「サービサー(債権回収業者)として国の許可が必要です。
債権回収業は、「資本金5億円以上」「取締役に1名以上の弁護士を選任」などの要件を満たし、法務大臣の許可を得た業者にしか認められていません。
法務大臣の許可を得たサービサーは、下記のページで検索することができます。
債権管理回収業の営業を許可した株式会社一覧(法務省ウェブサイト)
債権の譲受人が上記のリストに入っていない業者であるときには、危険な組織である可能性が高いです(債権譲渡自体は違法とはいえない場合があります)。
債権譲渡通知に記載された債権の内容を必ず確認する
次に、債権譲渡通知に記載された債権の内容を確認します。
特にサービサーに譲渡されているときには、「すでに消滅時効が完成している債権」である可能性もあります。
最近のサービサーには、すでに消滅時効の完成した債権を紙くず同然の金額で買い取って、訴訟を提起して回収している業者も少なくないからです。
消滅時効が完成している債権について債権譲渡がされたときには、慎重に対応しなければいけません。
対応方法を間違えると、「事項の援用権の放棄」となり、「消滅時効で返済義務がなくなったこと」を主張できなくなる可能性が高いからです。
特に、債権譲渡通知と一緒に「異議をとどめないで承諾をします」と書かれた文書が入っていて、署名押印して返送するよう求められたときには気をつけましょう。
「異議をとどめない承諾」とは、「債権者が主張しているとおりで異議はありません」と債務があることを認めたことになるからです。
「難しい言葉が多くてよくわからない」というときには、自分で勝手に判断せずに、弁護士・司法書士に相談することを強くおすすめします。
返済できないことが明らかなときは、早めに債務整理に着手しましょう
債権の譲受人も債権の内容にも問題がなければ、「具体的な返済」を考える必要があります。
債権譲渡があったときには、すでに期限の利益を喪失している場合がほとんどでしょう。
したがって、借金の残額の一括返済を求められる可能性があります。
また、債権譲渡通知後に状況の進展がなければ、訴訟の提起・支払督促といった法的措置を講じられる可能性も高いです。
債権回収業者は「債権回収に特化した業者」です。
それまでの債権者(金融機関)よりも厳しい姿勢で取立てをすることが予想されます。
「返済にできる具体的な見通しがない」ときには、早めに弁護士・司法書士に相談して債務整理に着手しましょう。
「債権譲渡通知が届いたときの対応策」まとめ
「債権譲渡通知」が届いた場合でも慌てる必要はありません。
債権譲渡されたとしてもすぐに給料などが差し押さえられるわけでもなければ、時効が中断するわけでもありません。
むしろ、慌てて対応することで、詐欺の被害にあったり、事項の援用権を失ったりする方が危険です。
「よくわからない」、「判断に困った」、「正しい請求だけど返す当てがない」というときには、できるだけ早く弁護士・司法書士に相談しましょう。