土地や農地・畑を所有している人の為の債務整理

財産を持っていることが原因で債務整理に踏み切れないことはよくあります。

たしかに、債務整理をすると、住宅ローンの残ったマイホームを手放さなければならないことがあります。

マイホーム以外にも、農家の方の田畑や先祖から引き継いだ山林などの土地を保有している場合もあるでしょう。

今回は、債務整理すると保有している土地はどのような取扱いになるのかということについて解説します。

「債務整理すると土地を必ず失う」と考えがちですが、実際には土地を手放すことなく借金問題を解決することは可能です。

また、重要な事なので結論から先にお伝えします。

借金問題は時間がたてばたつだけ、事態は深刻化していき取れる対応策も減っていきます。

早い段階であれば、比較的簡単に解決することが出来たのに後回しにした結果、家族をも巻き込み全てを失ってしまった方は少なくありません。

『複数の消費者金融やクレジットカード会社から借金があり、1年以上借金が減っていない。』

『現在の収入から考えて、自力で返済するのは厳しいと分かりながらも先送りにしてしまっている。』

このような状況まで状態が悪化している方は、既に黄色信号が点滅している危険な状態です。

1人で悩むのではなく手遅れになる前に、今すぐ法律事務所に相談を行ってください。

どの法律事務所に相談をして良いか分からない方は、匿名で利用できる無料シミュレーションサイトの利用が便利です。

それでは解説をしていきます。

土地を処分しなくて良い債務整理

債務整理は必ず財産を処分しなくて良いというものではありません。

債務整理には、「任意整理」、「特定調停」、「個人再生」、「自己破産」の4つの方法があります。

このうち、財産の処分を原則とするのは自己破産だけです。

自己破産以外の3つの債務整理では、「将来の収入」から借金を返済します。

したがって、給料や事業収入(農家など)があるときには、保有している土地を手放す必要はありません。

そもそも「債務整理=財産の処分」というわけではないのです。

債務整理は、「将来の収入から返済する」のが基本的なやり方です。

任意整理は土地を持っていることを申告する必要もない

「債務整理=自己破産」というイメージをもっている人は少なくありませんが、実は違います。

最も多く利用されている債務整理の方法は、「任意整理」です。

任意整理は、「借金を返しやすくする」ための交渉を債権者と個別に行います。

具体的には「利息の免除」や「返済回数(返済期間)の見直し」を認めてもらいます。

利息がなくなり、返済期間が延びれば、毎月の返済額を大幅に減らすことができます。

任意整理は裁判所を用いない手続きなので、保有資産を申告する必要もありません。

また、任意整理では、3~5年ほどの分割で借金を返済するのが一般的です。

したがって、現在の借金を36~60で割った金額を毎月支払えるのであれば、保有している土地を手放すことなく借金を解決できます。

任意整理については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒任意整理のメリットとデメリット?債務整理で1番多い手続きの注意点

土地を担保にお金を借りている場合

土地を担保にお金を借りているときの債務整理には注意が必要です。

不動産担保ローンを債務整理すると、担保に提供した不動産を失うことになります。

抵当権をはじめとする担保権は、個人再生や自己破産といった法的債務整理よりも強い権利が認められています。

消費者金融や銀行のカードローンの「借換え」として、不動産担保ローンを利用する人もいるようです。

たしかに、不動産担保ローンを利用すれば、消費者金融や銀行カードローンよりも利息はかなり安くなります。

しかし、不動産担保ローンの融資は多額の融資となることが一般的なので、返済が困難となれば土地を保持することは難しくなります。

消費者金融や銀行のカードローンは、土地を担保にとられていなければ、土地を手放すことなく債務整理で解決することができます。

借金の返済に困ったときには、まず弁護士・司法書士に相談することが大切です。

繰り返しますが、借金問題は時間との勝負です。

取り返しがつかなくなる前に、専門家に相談することをおすすめします。

今すぐ専門家に相談する⇒

個人再生なら「担保に入っている農地」を残せる可能性がある

個人再生は、借金が任意整理では返済できないほど多額なときに利用される債務整理の方法です。

個人再生を利用すれば、借金の一部の返済が免除されるので、多額な借金を抱えているときにも解決できる場合が少なくありません。

他方で、個人再生では、「すべての借金」を対象に手続きを行わなければならないことに注意が必要です。

任意整理のように、「担保を提供した借金だけを除外」することはできないのです。

不動産担保ローンがあるときに個人再生をすると、担保に提供された土地は、不動産担保ローンの債権者によって処分されるのが原則です。

これを「別除権の行使」といいます。

しかし、農家が農地を担保に農協から融資を受けているようなケースでは、債権者である農協の別除権行使を回避できる可能性があります。

個人再生には「別除権協定」という仕組みがあります。

債権者(担保権者)が「個人再生しても別除権を行使しないこと」に同意してくれれば、担保にしている土地を手放すことなく個人再生できる可能性があります。

別除権協定によって別除権行使を回避して個人再生をするには、裁判所の許可とその他の債権者の同意が必要です。

しかし、担保に入れた農地を保持するための措置であれば、許可も同意も得られる可能性は高いといえます。

個人再生については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒個人再生は家を残せる大きなメリットがあるが2つのデメリットもある

自己破産しても土地を残せることがある

自己破産すると、原則として保有している土地は手放すことになります。

担保に入れた土地であれば、担保権者によって処分されます(別除権の行使)。

担保に入っていない土地であっても債権者に対する配当の原資として換価の対象となるのが原則です。

自己破産については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒自己破産はメリットしかない?家族や子供、仕事にデメリットはないの?

農地や山林は破産財団から放棄されることがある

保有している土地が農地や山林であるときには、自己破産しても処分を免れる場合があります。

自己破産したときの土地の換価(売却)は競売によって行われるのが原則です。

しかし農地は、一般の人は購入できないので、競売をしても買い手が見つからないこともあります。

同様に、山林のような資産価値の高くない土地も競売で買い手が見つからないことがあります。

競売のためだけに必要以上に手続きに時間をかけることは、逆に債権者にとっても不利益です。

そのような場合には、破産管財人が農地や山林を破産財団から放棄することがあります。

破産管財人によって破産財団から放棄された財産は、破産者へ返還されるので、手放さすに済むのです。

土地に加えて借金も相続した場合

土地と借金の両方を相続して困っているという方もいるかもしれません。

相続には、次の3つの方法があります。

単純承認
相続放棄
限定承認

相続は、プラスの財産もマイナスの財産も区別せずに全部を引き継ぐことが原則です。

これを単純承認といいます。

しかし、相続財産が全体としてマイナスであったときに、強制的に相続人に引き継がせるのはやはり酷です。

そのため、「相続放棄」という制度があります。

しかし、相続放棄するときには、「すべての財産の相続を放棄」しなければなりません。

つまり、土地だけは相続して借金は相続しないということは「相続放棄」ではできません。

借金は放棄して土地だけは相続したいというときには、「限定承認」という方法で相続します。

ただし、次の点に注意が必要です。

相続放棄や限定承認は手続きが複雑となる場合もあるので、早めに弁護士に相談するとよいでしょう。

限定承認によって利益を得る分はマイナスの遺産(借金)も相続しなければならない
共同相続人がいるときには、1人だけの相続人が単独で限定承認できない
限定承認(相続放棄)は、相続開始から3ヶ月以内に手続きをしなければならない

土地と債務整理のまとめ

実際の債務整理の多くは財産の処分を必要としていません。毎月の収入から分割で返済できるのであれば、土地を手放すことなく借金の問題を解決できます。

仮に自己破産が避けられないという場合であっても、農地や山林は手元に残せる可能性もあります。

「土地は手放したくないから債務整理はできない」と決めつけてしまわずに、1日でも早い段階で専門家に相談をして下さい。

債務整理なら武村法律事務所

武村法律事務所では、全国から債務整理案件を受託しており、累計1000件以上の実績がございます。

借金や過払い金にお困りの方はぜひ一度ご相談ください

武村法律事務所の無料相談はこちらです。