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Contents
債務整理は誰でもできるの?4つの懸念ケース
借金の理由は実にさまざまです。
生活費や医療費のために借金や、住宅や車のローンだけではありません。
「競馬やパチンコ・麻雀」、「キャバクラ・ホスト通い」といった、後ろめたい原因で借金が膨らむこともあります。
また、債務整理は、借金以外の「お金を支払う義務」が処理できることもあります。
離婚の養育費や慰謝料・損害賠償(交通事故・犯罪)が支払えないケースは珍しくありません。
そこで、この記事では、「こんな支払いは債務整理できるのか?」、「借金の原因を問わず誰でも債務整理できるのか?」
4つの例を挙げて説明していきます。
また、『借金の元金が1年以上減っていない。もしくは増えている。』
『給料が出ても返済ですぐにお金が無くなってしまう。』
このような状態まで状況が悪化している方は、すでに黄色信号が点滅している状態です。
手遅れになる前に、今すぐに法律事務所に相談をしてください。
それでは解説をしていきます。
ギャンブルや風俗通いが原因の借金
パチンコやキャバクラ通いが原因で膨らんだ借金でも債務整理できます。
任意整理や個人再生では「借金の原因」は一切問題視されません。
任意整理・個人再生は、「返済できる収入」があれば債務整理可能です。
任意整理では「毎月の利息の支払い」が免除されます。個人再生では「借金が減額」されます。
たとえば、「アコム50万円」、「プロミス30万円」、「楽天カード(キャッシング)30万円」の借金を1年返済したところで任意整理したケースでは
毎月の返済額が「約4万円」から「23,000円」まで減ることがあります(3年返済の場合)。
個人再生では、たとえば200万円の借金は100万円に減額してもらえる可能性があります。
毎月の分割払いに換算すれば約27,000円の返済となります。
詳しくは、ギャンブルの借金と債務整理の記事で解説をしています。
自己破産は注意が必要
ギャンブルや風俗通いが原因の借金で自己破産する際には注意が必要です。
自己破産だけでは借金の返済義務はなくなりません。
自己破産後に「免責」を得ることで「返済義務がはじめて免除」されます。
破産法252条1項4号は、「浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担した」ときには「免責を不許可とする」と規定しています。
しかし、ギャンブルや風俗通いが原因の借金でも多くのケースで裁判所の裁量で免責が与えられています(破産法252条2項)。これを裁量免責とよびます。
裁量免責を与えるためには、必ず破産管財人の意見を聴く必要があります。
そのため、ギャンブルや風俗通いが原因で自己破産したときには、「保有財産の有無にかかわらず管財事件」となります。
個人の自己破産は「同時廃止が原則」だからすぐ終わると説明されることがあります。
しかし、免責不許可事由に該当するケースは「管財事件」とするのが、現在のほとんどの裁判所での運用方針です。
管財事件では、同時廃止よりも多額の費用(30万円以上)が必要となり、自己破産の手続きに要する期間も長くなります。
また、「管財事件で手間はかかるが必ず免責される」という情報も正しくはありません。
ギャンブルや風俗通いで膨らんだ借金が「あまりにも多額(数千万以上)」なケースや、「弁護士に債務整理を依頼した後もギャンブルをやめていない」ケースでは、免責が認められないことがあります。
免責不許可となったときには、個人再生を利用して債務整理します。
詳しくは自己破産のメリットとデメリット、個人再生のメリットとデメリットの記事で解説をしています。
養育費の支払いは債務整理できるのか?
養育費の支払いは、個人再生・自己破産しても免れることはできません。
養育費は、自己破産では「非免責債権」、「個人再生では共益債権」として取り扱われるので減免されません。
延滞している養育費の支払い方は複雑
既に延滞している養育費についても減免されません。
しかし、個人再生では支払い方が特殊になります。
養育費の滞納額が30万円(毎月5万円が6ヶ月分)、その他の借金が300万円、30%に減免されたケースで説明します。
延滞分の毎月2500円(9万円)は少額なので、先に全額を支払うこともあります。
しかし、毎月の5万円は免除されないので、毎月の返済額は合計で約8万円となります。
したがって、養育費の負担が原因で個人再生できない(自己破産しかない)ケースもあるので注意が必要です。
また、残額の21万円は再生計画終了後に一括で支払う必要がありますので、毎月積み立てておく(毎月約6,000円)必要があります。
また、婚姻費用(別居中の配偶者の生活費等)も、養育費と同様の取扱いとなります。
債務整理とあわせて「養育費減額」の相談もしましょう
債務整理しなければならない状況では、養育費を「これまで通り」支払うことが難しいことが少なくありません。
養育費の減額交渉は、任意での話し合いのほか、家庭裁判所に「養育費減額調停」を申し立てる方法もあります。
債務整理とあわせて弁護士に相談すると良いでしょう。
慰謝料は減免されることがある
養育費に対して、慰謝料は減免されることがあります。
慰謝料は、法律用語では「精神的苦痛に対する損害賠償」のことです。損害賠償である慰謝料は、養育費とは異なり、自己破産・個人再生で減免される可能性があります。
詳しいことは、下の「損害賠償義務の取扱い」で詳しく触れますが、次の取扱いが一つの目安です。
自己破産・個人再生での損害賠償義務の取扱い
他人の物を誤って壊してしまった場合や、他人にケガを負わせてしまった場合には、損害賠償を支払う必要があります(民法709条)。
損害賠償の支払い義務は借金ではありませんが、「債務」なので、自己破産・個人再生の際には、破産債権・再生債権として届け出る必要があります。
自己破産・個人再生における損害賠償義務は、次の2つの要素によって取扱いが異なってきます。簡単にまとめたものが下の図です。
過失・重過失・故意・悪意の違い
過失・悪意というのは、法律用語です。
一般の方には区別が難しいかもしれません。車の運転を例に説明すれば、おおむね次のような違いになります。
悪意による不法行為(加害行為)の損害賠償義務は、侵害対象を問わずに「減額・免責されません」。
ところで、服役中の囚人の間では、よく「自分の損害賠償義務はどうなるのだろう?」ということが話題になるようです。
たとえば、横領は「悪意」による加害行為なので、財産侵害でも一切減免されません。
生命・身体損害の損害賠償は、重過失・故意によるときは減免されません。
たとえば、飲酒運転等の危険運転致死傷罪が問われるケースは減免されません。
これに対して、脇見運転等の「過失による交通事故」で他人を死亡させてしまった場合には、損害賠償義務は減免されます。
ただ、対人無制限の任意保険に加入していれば、交通事故の損害賠償は保険で賄われるので心配する必要はありません。
浮気の慰謝料はなぜ減額・免責されるのか?
ここまでの説明を踏まえて、離婚の慰謝料について説明します。
浮気は生命・身体に対する加害行為ではありません。
配偶者のいる方の浮気はすべて「故意」ですが、必ずしも「悪意」があったとはいえないのです。
法律は「故意」と「悪意」を明確に区別しています。
「浮気して、配偶者を傷つけてやろう!」という積極的な意思がない限りは、浮気の慰謝料は減免されるというのが、いまの裁判例の状況です。
他方で、DVは、「身体侵害」なので、悪意はなくても「故意・重過失」があれば非免責債権となります。
「配偶者に暴力をふるう」というのは、ほとんどのケースで「故意」に基づきますから、DVの慰謝料は減免されないことになります。
非免責債権に該当するかどうかは裁判で争われる
実は、自己破産・個人再生では、たとえば、「浮気が悪意によるか否か」ということを個別に判断しません。
債権を個々に評価していては、手続きが遅くなるためです。
自己破産・個人再生は「全ての債務」を対象とするため、手続きを迅速に進める必要があります。
したがって、非免責債権とされた債権の最終的な処遇は、自己破産・個人再生とは別の訴訟で、個別に決着をつけることになります。
もちろん、自己破産・個人再生後も損害賠償をきちんと支払っていれば、訴訟になることはありません。
必ず弁護士の助言をうけて債務整理しましょう
ここまで、問題のある借金や損害賠償義務などの取扱いについて説明してきました。
最後に説明したように、債権(債務)の法律的な評価は、自己破産・個人再生の中ではしないというのが大きなポイントです。
極端な話をすれば、「悪意の不法行為による損害賠償」でも、被害者である相手方が請求してこなければ、自己破産後は支払わずに済むのです。
もちろん、道徳的に褒められたものではありませんし、通常は、被害者から支払いを求められることになるでしょう。
また、損害賠償の支払いは、「一括で支払う」のが原則です。
分割での支払いを認めてもらうには、個別に交渉するほかありません。
また、犯罪の損害賠償は絶対に減免されないというわけでもありません。
例外的なケースではありますが、詐欺の損害賠償は減免される可能性があります。
組織的な詐欺行為であれば、末端構成員(たとえば集金係に過ぎない者)は、「悪意があったとはいえない」と評価される可能性もあるからです
不貞行為の慰謝料についても「加害の積極意思」が認められれば減免されませんから、「浮気は絶対に減免される」わけではありません。
実際には、「訴訟になってみないとわからない」のです。法律の素人が独断で判断することは危険です。
ギャンブル等の借金での自己破産についても、確かにほとんどのケースで裁量免責が認められています。
しかし、裁量免責は「当然に認められる」ものではありません。
代理人である弁護士の助言にしたがって正しく手続きに対応することが重要です。
近年の自己破産の運用は、破産者に厳しくなりつつあります。
免責不許可事由に該当する方が、弁護士・司法書士の支援をうけずに自己破産を申し立てることは絶対におすすめできません。