介護士の債務整理を成功させる6つのポイント

高齢者の割合の増えたいまの日本では、介護はとても重要な問題です。

その意味で、介護の現場を支える介護士は、いまの社会になくてはならない存在といえるでしょう。

しかしながら、介護士の労働環境は厳しく、収入もどちらかといえば高くない人が多いようです。

そのため、生活苦を原因に借金生活に陥ってしまう人や、仕事のストレスを発散するために、買い物、趣味などに大金を投じてしまって借金してしまうケースは少なくないようです。

この記事では、介護士(介護福祉士・社会福祉士)が、債務整理するときに知っておきたい6つのポイントについて解説していきます。

債務整理をすると介護士の資格を失うのではないか
債務整理すると勤務先をクビになるのではないか
勤務先に知られずに債務整理する方法はないか

と思っている人は、参考にしてみてください。

また、『利息の支払いだけで毎月かつかつで、自転車操業のような状態が続いている。』

『借金の元金が1年以上の長期に渡って減っていないor増えている。』

このような状態まで状況が悪化している方は、既に黄色信号が点滅している状態です。

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それでは解説をしていきます。

借金や債務整理は、「介護士の身分」に影響しません。

債務整理をしても介護士の資格を失うことはありません。

たしかに、国家資格の一部には、自己破産によって登録取消(再登録可能)となる資格があります。

しかし、介護士福祉士(社会福祉士)については、そのような規定はありません。

介護(福祉)士の欠格事由

介護福祉士および社会福祉士の欠格事由は、社会福祉及び介護福祉士法3条で次のように定められています。

(欠格事由)
第三条 次の各号のいずれかに該当する者は、社会福祉士又は介護福祉士となることができない。
一 成年被後見人又は被保佐人
二 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者
三 この法律の規定その他社会福祉又は保健医療に関する法律の規定であって政令で定めるものにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者
四 第三十二条第一項第二号又は第二項(これらの規定を第四十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者
出典:社会福祉士及び介護福祉法

32条が定めている登録取消事由は、「上記欠格事由に該当したこと」と「虚偽又は不正の事実に基づいて登録を受けた場合」のみなので、債務整理(自己破産)したことは該当しません。

公務員として働いている場合でも債務整理だけでは懲戒されない

最近では、公務員として働いている介護士も増えています。

公務員の介護士の場合であっても、債務整理したことで懲戒免職となることはありません。

公務員の懲戒事由・欠格事由は、国家公務員法・地方公務員法で明確に定められていて、いずれの法律でも、「債務整理・自己破産したこと(破産者となったこと)」は、懲戒・欠格事由のいずれでもないからです。

福祉事務所で働いている人の懲戒・欠格事由

福祉事務所などで公務員として働く介護士のほとんどは、地方公務員です。

地方公務員の欠格・懲戒事由は、下記に引用する地方公務員法16条・29条が定めているとおりです。

(欠格条項)
第十六条 次の各号のいずれかに該当する者は、条例で定める場合を除くほか、職員となり、又は競争試験若しくは選考を受けることができない。
一 成年被後見人又は被保佐人
二 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
三 当該地方公共団体において懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者
四 人事委員会又は公平委員会の委員の職にあって、第六十条から第六十三条までに規定する罪を犯し刑に処せられた者
五 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者

(懲戒)
第二十九条 職員が次の各号の一に該当する場合においては、これに対し懲戒処分として戒告、減給、停職又は免職の処分をすることができる。
一 この法律若しくは第五十七条に規定する特例を定めた法律又はこれに基く条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程に違反した場合
二 職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合
三 全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合
出典:地方公務員法|e-Gov

この条文には、どこにも「債務整理」、「自己破産」、「借金」、「負債」という文字はでてきません。

好ましくない原因での借金や自己破産が、「全体の奉仕者たるにふさわしくない非行」に該当するのではないかと考える人もいるかもしれません。

しかし、この文言は、「痴漢」や「盗撮」、「横領」といった犯罪行為(それに類似する行為)を指すと読むのが一般的な解釈です。

たとえば、「キャバクラやホスト通いで多額の借金を作ってしまった」、「浪費やパチンコ・競馬、株などの投資で多額の借金を作ってしまった」という程度で、懲戒事由に該当すると考えるのは、法律論としてはいささか行き過ぎといえます。

もっとも、「勤務時間にパチンコをしていた」ということであれば、勤務懈怠で懲戒される可能性は生じます。

民間で働いている人は債務整理するとクビにならないのか?

民間の施設などで介護士として働いている人も債務整理や多額の借金が勤務先にバレたことが理由でクビ(減給・降格)になることを心配している人もいるかもしれません。

しかし、公務員の場合と同様に、借金や債務整理(自己破産)だけを理由に、懲戒することは違法な処分となります。

懲戒解雇するためには「合理的な理由」が必要

懲戒解雇については、労働契約法16条が次のように定めています。

(解雇)
第十六条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

つまり、懲戒解雇するためには、「事業に支障を来す」といった客観的な理由がなければならないとされているのです。

「多額の借金を抱えた」、「債務整理をした」というだけで、勤務先の事業に重大な悪影響(解雇しなければならないほどの問題)を引き起こすことは、ほとんどないといえます。

関連記事⇒債務整理と職業制限?自己破産をするとクビや仕事への影響がある?

勤務先に知られずに債務整理することはできるのか?

法律の規定によれば、債務整理や借金を原因に懲戒することはできません。

しかし、「多額な借金を抱え返せなくなるだらしのない人」というレッテルを貼られてしまえば、昇進が遅れるといった事実上の不利益を受けてしまう可能性は否定できません。

懲戒解雇などの心配がないといっても、勤務先に知られることなく借金問題を解決できるにこしたことはないでしょう。

自己破産・個人再生をしても勤務先に知られる可能性は低い

自己破産・個人再生をしたときには、氏名・住所などの情報が「官報」に掲載され公告されます。

「官報」とは政府がほぼ毎日発行している広報誌のようなものです。一般的には、新しい法令やなどを世間一般に知らしめるときに用いられるものです。

自己破産・個人再生は、すべての債権者を対象に手続きを進める必要があるため、「念のための措置」として官報で情報公開することで、「日本中に知らせたことにする」のです。

しかし、実際には、ほとんどの人が官報を見ていないように、企業も官報をいちいち確認していません。

役所であっても、担当する業務が関係していない限り、見ていないケースの方が多いでしょう(いちいち官報を見なくても必要な情報は裁判所から送られてくるので、役所の仕事はできるようになっています)。

したがって、絶対にバレないとは断言できませんが、官報への氏名・住所の掲載から、勤務先に、自己破産・個人再生がバレることは、あまりないといえます。

関連記事⇒債務整理が会社に知られる可能性?自己破産でも勤務先にバレない方法

「任意整理」であれば、勤務先に知られる可能性はほとんどゼロ

債務整理の方法には、自己破産・個人再生以外にも、任意整理という裁判所を用いない方法があります。

任意整理であれば、どの債権者と交渉をするかも自由に決められるので、官報などで全国に情報を公開する必要はありません。

同居の家族にさえ知られないまま任意整理が完了するケースも珍しくありません。

任意整理については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒任意整理のメリットとデメリット?債務整理で1番多い手続きの注意点

債務整理しなかった場合の方が処分される可能性が高い理由

勤務先に借金を知られたくなければ、早期に債務整理に着手した方が、実は安全です。

借金問題は、対応が遅くなるほど、任意整理で解決できる可能性が減るだけでなく、次のような事情から、多額の借金(を返せなくなっていること)を勤務先に知られてしまうリスクが高くなるからです。

新規の借金のための在籍確認が頻繁にあると勤務先に怪しまれる可能性も

借金の返済に行き詰まった人には、借金の返済のためにさらに借金を重ねてしまう人が少なくありません。

しかし、自転車操業は、状況を悪化させてしまうだけの場合の方が多いでしょう。自転車操業をすれば、毎月の返済の負担がさらに重たくなるからです。

そのため「今月だけ」のつもりだった自転車操業は、さらに翌月以降も続けなければならなくなってしまいます。

金融機関から融資を受けるときには、「勤務先への在籍確認」があります。

在籍確認は、金融機関が勤務先に個人名などで電話連絡して行うのが最も一般的です。

携帯電話があるにもかかわらず、毎月のように「勤務先に誰かから電話がかかってくる」というのは、かなり不自然な状況なので、「何かあるのでは?」と勘ぐられてしまうこともあるでしょう。

借金を滞納したことによる取立てを無視すると勤務先に連絡がくることも

借金の滞納をしてしまったときには、絶対に金融機関からの連絡を無視してはいけません。

借金を滞納したときには、携帯・スマホへのメール・電話や自宅へのハガキの送付による督促が行われます。

この督促を無視してしまうと、勤務先(や自宅)への電話で連絡されてしまう可能性があります。

借金の滞納が続いてしまった人には、「債権者に怒られるのがイヤ」だからと債権者からの督促を無視してしまう人も少なくありません。

しかし、金融機関は、債務者本人ときちんと連絡がとれている限りは、勤務先や家族に取り立てることは絶対にありません。

借金バレを防ぐためにも、債権者からの取立てにはきちんと対応しましょう。

債務整理すると転職に悪影響はでる?

債務整理をきっかけに、今よりもよい条件の職場に転職することを考える人もいるかもしれません。

債務整理をしたことが、転職に悪い影響を与えることは基本的にはありません。

履歴書などに過去に債務整理したことを記載する必要はありませんし、債務整理をしても介護士の資格にはまったく影響がないからです。

また、採用の際に信用情報を確認されることもありません。

金融機関以外の一般企業は信用情報を確認することはできませんし、金融機関も採用のために信用情報を確認することは目的外利用として認められていません。

したがって、自己破産した場合に資格などが制限される職種に転職する場合を除いては、債務整理が転職に悪影響を与えることはありません。

関連記事⇒債務整理と転職?自己破産や任意整理、個人再生をすると転職活動に影響する?

まとめ

債務整理をしても介護士として働けなくなることはありませんし、転職などに悪影響を与えることもありません。

他方で、返済が苦しくなった借金をそのままにしておけば、状況はどんどん悪化していきます。

無理な金策をして自転車操業を繰り返したことで借金が2倍以上に膨らんでしまったということも珍しくありません。

借金問題・債務整理の相談は、ほとんどの法律事務所で「無料相談」を実施しています。

返済が辛いと感じたときには、できるだけ早く弁護士・司法書士に相談しましょう。

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