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パートが債務整理をする前に知りたい9つのポイント
パートは正規雇用ではありませんから、収入が不安定です。
また、正社員のような身分保障があるわけでもありません。
そのため、返済できない借金は自己破産しかないと思い込んでいる方は少なくないようです。
しかし、パートであっても自己破産以外の方法で借金の問題を解決することができます。
また、債務整理したことが配偶者に知られてしまうのは困ると考えている方もいるでしょう。
債務整理は、パート先はもちろんのこと、家族にも知られずにすることができます。
今回は、パートの方が債務整理する際に知っておきたい7つのポイントについてお話していきます。
また、『現実的に考えて今の給料で、借金を自力完済するのは無理だと分かっているけど後回しにしてしまっている。』
『借金を借金で返すような自転車操業状態が1年以上続いている。』
このような状態まで状況が悪化している方は、既に黄色信号が点滅している危険な状態です。
1人で悩むのではなく、手遅れになる前に今すぐ法律事務所に相談をしてください。
それでは解説をしていきます。
債務整理は「収入」さえあれば、誰でもできます
「正社員ではない」、「収入が不安定」、「収入が少ない」から自己破産しかないと考えている方は少なくないようです。
しかし、パートでも、自己破産せずに借金の問題を解決できます。
「返済の負担を減らしてもらえれば返せる」のであれば、自己破産する必要はありません。
また、『返済で給料もほぼ残らずまた借りてしまう。』『今の給料では現実的に完済は無理と心のどこかでは分かっている。』
このような状態まで状況が悪化している方は、既に黄色信号が点滅している状態です。
手遅れになる前に、今すぐに法律事務所に相談をしてください。
「3年で返済」できるかどうかがポイント!
自己破産せずに借金の問題を解決できるかどうかは、「3年で返済」できるかどうかがポイントです。
債務整理では、「利息の免除」や「借金の減額」の方法で、返済の負担を軽くして3年で再度分割払いすることが一般的です。
自己破産以外の債務整理手続き
債務整理には、自己破産の他に、任意整理、特定調停、個人再生という方法があります。
任意整理は、債権者と「利息の免除」と「3年程度の分割払い」の交渉をして借金を解決する方法です。
特定調停、個人再生は、共に裁判所の手続きです。
特定調停は、「裁判所で行う任意整理」とイメージすればわかりやすいです。
個人再生は、「全部の借金を減額」した上で、「原則3年」で返済するための手続きです。
パートの方の債務整理には、任意整理が最も費用も安く、家族に知られるリスクが少ないのでおすすめできます。
2008年以前から借金が続いている人は過払い金の調査をしましょう
「かなり前から借金が続いている」という方もいると思います。
2008年以前の借金には、「グレーゾーン金利」とよばれる「法律上支払う必要がない金利(過払い金)」を支払っている可能性があります。
「過払い金」が見つかれば、残っている借金が大幅に減ったり、なくなったりすることがあります。
「10年以上借金を返し続けている」という方は、弁護士・司法書士に一度相談してみてください。
過払い金の相談・調査は多くの弁護士・司法書士が無料で行っています。
過払い金請求については、こちらの記事で詳しく解説をしています。
参考⇒過払い金請求のデメリットって?消費者金融へ完済後なら影響はなし!
具体的な例で任意整理を説明
任意整理は、アコムやセゾンカードの消費者金融や銀行といった債権者と個別に交渉します。
具体的には次のような内容の和解の締結を目指します。
今回は、三菱東京UFJ銀行のカードローン(バンククイック)で、50万円(金利年14.5%)で借りていたケースで説明してみましょう。
仮に毎月の返済が10,000円(最低返済額)であれば、完済までに78ヶ月(7年6ヶ月)かかります。
完済までに支払う利息の総額は、271,512円にもなります。かなりの金額です。
2年(24回)返済したところで、返済に行き詰まり債務整理したとします。
「追加の借入」や「延滞」がなければ、借金の残額は、390,535円です。
利息を免除してもらえれば、毎月1万円ずつの返済でも、3年3ヶ月で完済できます。
債務整理しなければ、完済までまだ5年6ヶ月かかります。利息がなくなるだけで、返済期間は2年以上短くなります。
いずれにしても、借金問題は後回しすればするだけ事態は深刻化していくだけなのは間違いありません。
早い段階であれば、思っているよりも借金問題は簡単に解決することができます。
1人で悩んでいても状況が好転することは絶対にありません。
今すぐ専門家に相談することをおすすめします。
銀行カードローンこそ任意整理
借金に悩んでいるパートの方は、銀行カードローンからの借入が多いことが少なくありません。
消費者金融やカード会社からは「総量規制」の範囲内でしか借金できません。
総量規制とは、「融資上限は年収の1/3まで」という貸金業者(消費者金融・カード会社)への規制です。
たとえば、年収103万円(扶養範囲内)のパートの方は、アコムやプロミスといった消費者金融からは、31万円までしか借金できません。
しかし、銀行カードローンは、「総量規制の適用を受けない」ため、50万円まで借金できることがあります。
銀行カードローンは、「消費者金融よりも安心」というイメージがあります。
また、キャッシュカード1つで簡単にキャッシングできる便利さもあります。
そのため、追加の借入をして、「いつまでも借金がなくならない」状況に陥る人が少なくありません。
また、銀行カードローンは、消費者金融よりも返済期間が長くなる傾向があります。
毎回の最低返済額が少ないほど返済期間が長くなります。
そのため、最終的な利息の支払総額が消費者金融よりも多くなることも少なくありません。
たとえば、アコム(三菱東京UFJ銀行の連結子会社)から50万円を年18%で借りるときには、最低返済額(15,000円)の返済(46回払い)での利息は、195,756円で、バンクイックよりも約8万円少ないのです。
「債務整理は消費者金融やカード会社を対象にする」というイメージが強いかもしれません。
しかし、「銀行カードローン」こそ、任意整理で利息を免除してもらう効果が大きいのです。
実は、最近では、「消費者金融よりも審査が緩く過剰貸付になりがちではないか」という銀行カードローンに対する批判が強まっています。
2017年9月には3大メガバンク(三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行)に金融庁が立ち入り調査も実施しています。
また、銀行カードローンが焦げ付いたときの回収は、保証会社である消費者金融やカード会社が行います。
上で紹介したバンクイックの保証会社は、アコムです。返せなくなると相手が消費者金融に変わるのです。
「銀行だから安心」とは必ずしもいえません。銀行カードローンの返済に困っている方は、できるだけ早い段階で、弁護士・司法書士に相談してください。
参考
債務整理は銀行カードローンも対象?任意整理や自己破産はできるの?
債務整理と銀行口座凍結~任意整理や自己破産後は口座が使えなくなる?
任意整理であれば、家族やパート先に知られることはありません
「借金」や「債務整理」のことは、配偶者であっても知られなくないときがあります。
「自分の収入だけ」で任意整理できれば、配偶者に知られることなく、借金の問題を解決できます。
任意整理の交渉は、弁護士・司法書士がすべて行います。
また、弁護士・司法書士に債務整理を依頼すると、債権者はあなたに直接連絡できなくなります。
借金が家族に知られるのは、郵便や電話といった「延滞時の督促」がほとんどです。
「ひどい延滞になる前」に「債務整理を依頼する」ことが、「家族に借金を知られないため」に大切です。
債務整理に精通した弁護士・司法書士は「誰にも知られずに債務整理したい」という依頼人のニーズをよく理解しています。
安心して相談・依頼してください。
任意整理については、任下記の記事で詳しく解説をしています。
参考⇒任意整理のメリットとデメリット~債務整理で1番多い手続きの注意点
あえて繰り返しますが、借金問題は早期の段階で解決してしまうのが1番です。
後回しにして良い事は全くありません。
1人で悩んだり、現実から目をそらして放置するのではなく今すぐ専門家に相談することをおすすめします。
個人再生は家族の協力が必要となるケースがあります
「利息の免除だけでは返済できない」ときには、個人再生を利用します。
たとえば、「200万円の借金は100万円に減額」というように、個人再生では借金が減額されます。
個人再生では、「減額された借金を原則3年で返済」します。
なお、個人再生では100万円以下の借金は減額されないことに注意が必要です。
個人再生を申し立てる際には、「同居の家族の収入状況」を裁判所に申告する必要があります。
そのため、家族の協力が必要となるケースが少なくありません。
その代わりに、個人再生での「返済の可否」は、同居の家族の収入も加味して判断されます。
家族の協力が得られれば、「パート収入だけでは返済できない借金」も個人再生で解決できます。
借金問題を解決するには、家族の理解・協力が重要となることは少なくありません。
個人再生については下記の記事で詳しく解説をしています。
参考⇒個人再生は家を残せる大きなメリットがあるが2つのデメリットもある
パートは自己破産してもデメリットがあまりない
パートの方であれば、自分名義の不動産を保有していることはあまりないと思います。
財産がないケースでは、自己破産は必ずしも悪い債務整理の方法ではありません。
自己破産しても、通常は知人や勤務先といった他人には知られません。
自己破産したことは官報に公示されますが、一般の方が官報を見ることはないからです。
また、自己破産すると一部の職業に制限が生じますが、一般的なパートであれば、何の影響もありません。
パートでは退職金(見込み額)を処理する必要もないので、ほとんどのケースで自己破産のデメリットはあまりありません。
パートの方が任意整理で解決できないほどの借金を抱えたときには、かなり深刻なケースが予想されます。
「自己破産」のネガティブなイメージにとらわれすぎないことが大切です。まずは、弁護士・司法書士によく相談してください。
詳しくは下記の記事で解説をしています。
参考⇒自己破産はメリットしかない?家族や子供、仕事にデメリットはないの?
弁護士・司法書士費用も心配いりません
「弁護士・司法書士に相談・依頼したくても費用が心配」という方は少なくないでしょう。
しかし、債務整理のケースでは、弁護士・司法書士費用を心配する必要はあまりありません。
初回の相談は、多くの弁護士・司法書士が無料で行っています。
また、債務整理を依頼したときの費用も「分割払い」に対応している弁護士・司法書士がほとんどです。
債務整理を依頼すれば、しばらくの間、「借金の返済」が中止されます。
この間に弁護士・司法書士費用を分割払いすることが一般的です。
「収入が少ないから」と弁護士・司法書士費用を心配している人でも多くの人が債務整理を依頼して成功しています。
まずは無料相談で、弁護士・司法書士費用についても相談してみてください。
返済に行き詰まったらすぐに相談しましょう
パートの方の借金問題は「総量規制を超えた」借りすぎによるケースが少なくありません。
たとえば、「銀行カードローン返済のためにさらに借金する」ことを繰り返せば、借金が数倍にも膨れあがることも珍しくありません。
また、返済のためにヤミ金に手を出してしまう人もいます。ヤミ金とは絶対に付き合うべきではありません。
万が一ヤミ金から借金してしまったときには、1日も早く弁護士・司法書士に相談すべきです。
借金の問題は「早期対応・早期解決」が大原則です。
この記事で説明してきたように、パートの方でも、早期に対応すれば「任意整理」で「誰にも知られず」に解決できます。
「返済が苦しい」と感じたときには、自転車操業(返済のための借金)状態に陥る前に1日も早く専門家に相談することをおすすめします。