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オリンポス債権回収株式会社からのハガキを無視するのは危険?3つの対応と債務整理の選択肢
この記事では、「オリンポス債権回収株式会社」から支払いを請求するハガキが届いたときの対応方法について説明します。
「オリンポス債権回収株式会社」なんて会社は知らない
請求ハガキに書かれている「合同会社OCC」とか「MKイプシロン」なんて会社も身に覚えがないという方は多いと思います。
もしかしたら、詐欺なのではないかと疑ってしまいたくもなります。
しかし、「オリンポス債権回収」は、国から許可された債権回収業者なので、架空の請求はしません。
きちんと対応しなければ、訴訟を提起されたり、給料を差し押さえられたり、自動車を引き上げられたりと面倒な事態になってしまいます。
借金問題は、問題を先送りにするのではなく1日でも早いタイミングで対策を講じていくのが鉄則です。
また、『このまま返済をしていっても、完済が難しい事を頭では理解しているが放置している。』
『給料をもらっても返済や支払いでほとんど無くなってしまい、また借りてしまう状態が続いている。』
このような状況まで状態が悪化している方は、既に黄色信号が点滅している危険状態です。
1人で悩み続けて手遅れになる前に、今すぐに法律事務所に相談を行ってください。
それでは解説をしていきます。
オリンポス債権回収株式会社とはどのような会社か?
オリンポス債権回収株式会社は、北海道に本社を置く「サービサー(債権回収業者」」です。
サービサーとは、金融機関から委託され、債権回収・債権管理の業務を行う民間企業のことをいいます。
民間企業が債権回収業を行うためには、法律に基づく法務大臣の許可が必要です。
オリンポス債権回収株式会社も平成12年11月30日に法務大臣から許可を受けています(許可番号41番)。
なお、法務大臣に許可されたサービサーは、法務省ウェブサイトで確認することができます。
サービサーを騙った詐欺に注意
一般の方にとって「サービサー」はよくわからない会社です。
日頃の生活で「オリンポス債権回収株式会社」という会社名を目にすることはまずないでしょう。
最近流行の詐欺なのではないかと疑って放置してしまう人もいるかもしれません。
たしかに、最近では、サービサーを騙る詐欺が増えています。
詐欺の中には、実在するサービサーの名称を騙るものもあるので、かなり厄介です。
サービサーから支払いを請求されたときには、必ず、上記のリンク(法務省ウェブサイト)や、サービサーの公式ホームページを利用して、連絡先が公式のものと合致しているか確認することが大切です。
「オリンポス債権回収株式会社からハガキが届く」のはどのような状況か?
オリンポス債権回収株式会社から支払いを請求される(ハガキが届く)のは、オリンポス債権回収株式会社に回収を委託している金融機関の支払いを延滞している場合です。
オリンポス債権回収株式会社に債権回収を委託している金融機関は、大きく次の3つに分類することができます。
旧武富士系 | 武富士・武富士トラスト・首都圏企業再生ファンド2号投資事業有限責任組合・メザニンファンド3号投資事業有限責任組合・MKイプシロン・MKアルファ など |
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CFJ系 | アイク、ディック、ユニマットレディース |
そのほか | アプラス(合同会社OCC)・学研クレジット など |
旧武富士系の企業は、倒産した消費者金融大手武富士の債権譲渡先です。
オリンポス債権回収株式会社は、これらの企業から債権回収業務の委託を受けています。
オリンポス債権回収株式会社はCFJからも債権回収業務の委託を受けています。
CFJは、アメリカのシティバンクグループに属する日本法人です。
過去は、ディックやユニマットレディースといったブランドで消費者金融業を展開していましたが、現在は貸金業事業から完全撤退しています(貸金業者登録も更新していません)。
現在も貸金業を行っている金融機関としては、アプラスの支払いに延滞があるときに、オリンポス債権回収株式会社から支払いの督促があることがあります。
なお、アプラスを延滞すると合同会社OCCに債権譲渡された上で、オリンポス債権回収株式会社から支払いを督促されることもあります。
オリンポス債権回収から請求されたときの対応法
オリンポス債権回収株式会社から支払いを請求されたときには、「原債権者がどこか」ということが非常に重要となります。
必ず請求された内容の詳細をきちんと確認するようにしましょう。
原債権者がCFJや武富士系である場合には消滅時効が完成している可能性がある
CFJも武富士も現在は貸金業を行っていない企業です。
したがって、原債権者が「CFJ(ディックやユニマットレディース)」や「武富士の債権譲渡先」であるときには、請求されている債権が「かなり古いもの」であることがほとんどでしょう。
これらの債権の中には、すでに「5年以上放置している」ものがあるかもしれません。
CFJや武富士の債権は、「商事債権」なので、消滅時効は5年で完成します。
安易に債務承認してはいけない
消滅時効で支払い義務を消滅させるときには、「債務の承認」に注意しなければいけません。
消滅時効は、債務者が「債務を認める」とその効果を受けることができなくなってしまいます。
債務承認に該当する行為の例は次のとおりです。
一部でも債務を返済すること
利息や遅延損害金を一部でも支払うこと
返済の猶予を申し出ること
なお、一度債務を承認してしまうと、「時効期間(5年)のカウントをゼロからやり直す」ことになってしまいます。
消滅時効が完成していれば、「時効の援用」を債権者に行うことで借金の返済義務は消滅します。
すでに「債務承認してしまった」という場合であっても、早急に対応すれば消滅時効を援用できる可能性が残されています。
該当する場合には、できるだけ早くに弁護士・司法書士に相談するようにしましょう。
過去に法的手段をとられていないか確認する
実際に消滅時効で支払い義務を消滅させられるケースは、一般の方が思っている以上に少ないものです。
債務者としては「時効が完成している」と思っているケースでも、過去に債権者の請求によって「時効が中断している」こともあり得ます。
時効を中断させるためには、支払督促や訴訟の提起といった法的措置を講じることが必要です。
特に、支払督促は、「制度をよく知らない人」は放置(無視)してしまう人も少なくありません。
支払督促を受け取ってから2週間放置すると、「訴訟で負けた場合」と同じ状態になってしまいます。
特に武富士系の債権は、「長期間完全に放置されたままでオリンポス債権回収から督促される」というケースは少ないと言われています。
オリンポス債権回収株式会社から請求が届いたときには、過去に裁判所から郵便物(支払督促や訴状)が届いたのを放置してことがないか、記憶を思い返しておくべきでしょう。
「法的措置をとられていたのにも関わらず放置していた」というときには、督促を無視すれば強制執行(給料の差押えなど)をされる可能性があります。
債権回収業者は、債務者の連絡先や就業先を独自に調査します。不安な場合は、できるだけ早く弁護士・司法書士に相談すべきです。
原債権者が「アプラス」や「学研クレジット」である場合
原債権者が「アプラス」や「学研クレジット」である場合には、自動車や家電製品のローン(クレジット)払いが延滞している可能性があります。
これらの支払いは、完済できなければ、自動車や家電製品を債権者に引き上げられてしまう可能性があります。
自動車ローンや家電製品代金の立替払いでは、代金完済まで購入商品の所有権が債権者に留保されているからです。
この場合の所有権留保は、自己破産や個人再生にも優先するので、債権者が「商品引き上げ」を選択したときには拒否することができません。
なお、平成22年以前に購入した自動車のローンについては、自動車ローンを債務整理しても債権者の引き上げを拒否できる可能性があります。
ローンの残った自動車を何とか手元に残したいというときには、債務整理事件に詳しい弁護士・司法書士に相談すると良いでしょう。
アプラスの借金と債務整理については下記の記事で詳しく解説をしています。
参考記事⇒アプラスと債務整理?自己破産や任意整理、過払い金請求で借金は減らせる?
オリンポス債権回収のまとめ
オリンポス債権回収から請求ハガキが来るケースでは、原債権者によって取るべき対応が異なります。
古い借金であれば、「もう記憶がない」ということも珍しくないでしょう。
また、自動車ローンや家電のクレジットが支払えないときには、他にも返済に行き詰まった借金がある可能性も高いでしょう。
サービサーであるオリンポス債権回収からの請求を逃げ切ることは決して簡単ではありません。
請求された内容を「支払えない」というときには、できるだけ早めに弁護士・司法書士に相談するようにしてください。
オリンポス債権回収株式会社からの請求を放置すれば、状況はどんどん深刻化します。
1日でも早く行動することをおすすめします。