NPO職員の債務整理を成功させる7つのポイント

NPOという言葉は、「Nonprofit Organization」または「Not-for-Profit Organization」の略語で、非営利事業行う団体(市民団体)のことをいいます。

日本では、特定非営利活動促進法が施行された関係で、この法律により法人となった団体をNPO法人とよぶことが多いです。

NPO法人は、平成23年の法改正でNPO法人が設立しやすくなったことを受けて、その数が劇的に増加しています。

内閣府の発表によれば、平成30年3月末の時点で5万を超えるNPO法人が存在しています。

NPOというと「ボランティア」というイメージを持つ人が多いと思います。

しかし、NPO法人でも、雇用され給与をもらって勤務する職員がいる場合があります。

今回は、そのような職員が債務整理する場合の5つのポイントについて解説します。

債務整理すると「解雇や減給・降格処分されるかもしれない」と不安に感じている人や、「勤務先のNPO法人に知られたくない」と思っている人も多いと思います。

しかし、ほとんどのケースでは、これらの心配は不要だと思われます。

また、『現在の収入から考えて、返済が厳しいのは分かっているけど放置してしまっている。』

『借金で借金を返済するような生活を続けている。』

このような状態の方は、既にその借金を返済できる見込みはほぼありません。

手遅れになる前に、弁護士や司法書士に相談を行ってください。

法律事務所は匿名で利用できる、無料シミュレーションサイトの利用が便利です。

それでは解説をしていきます。

債務整理するとNPO職員をクビになるのか?

NPO法人には「役所に近いお堅い組織」というイメージを持っている人が多いと思います。

NPO法人が行う活動(事業)は、特定非営利活動促進法2条別表によって次のとおりに定められています。

・保健、医療又は福祉の増進を図る活動
・社会教育の推進を図る活動
・まちづくりの推進を図る活動
・観光の振興を図る活動
・農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
・学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
・環境の保全を図る活動
・災害救援活動
・地域安全活動
・人権の擁護又は平和の推進を図る活動
・国際協力の活動
・男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
・子どもの健全育成を図る活動
・情報化社会の発展を図る活動
・科学技術の振興を図る活動
・経済活動の活性化を図る活動

・職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
・消費者の保護を図る活動
・上記に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
・上記前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動・消費者の保護を図る活動
・上記に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動

確かに役所がやりそうな事業が数多くならんでいます。

そのため、「NPO職員は債務整理したら解雇される」と思っている人もいるかもしれません。

しかし、債務整理が原因でNPO職員が解雇されることはほとんどないといえます。

借金や債務整理を理由とする懲戒は原則禁止

「借金や債務整理だけを理由」に懲戒処分(減給・降格)や解雇などをすることは、「合理的な理由」がない処分として、違法であるとされています。

労働契約法が「客観的に合理的な理由のない解雇・懲戒」は、労働契約法で無効であると定めているからです(労働契約法15条・16条)。

したがって、あらかじめ就業規則に借金や債務整理が解雇事由として定められている場合を除けば、「借金・債務整理したことだけ」で懲戒・解雇となることはありません。

しかし、借金を直接的・間接的な理由として「あなた自身の勤務状況」や「勤務先の業務遂行」に重大な悪影響が出たときには、「合理的な理由のある解雇」となる場合もあります。

たとえば、次に掲げるケースに該当するときには注意が必要です。

借金返済の金策をするために「無断欠勤」が増えた

虚偽理由での欠勤が勤務先にバレた

勤務先に借金の取立ての電話が頻繁にかかってきて業務遂行に支障を来した

借金の悩みが原因で、業務に集中できずミスをしたことで勤務先に重大な損害を与えた

勤務先に迷惑をかけないためには、早期債務整理が重要

借金を原因とする懲戒・解雇を回避するためには、借金が深刻化しないうちに債務整理で解決することが重要です。

借金の返済に行き詰まっている人の中には、「さらに借金して返済する」人も少なくありません。

借金返済のために借金を重ねることを「自転車操業」すると呼ぶことがあります。自転車操業は非常に危険な行為なので絶対にすべきではありません。

自転車操業は借金を増やす行為なので、ほとんどのケースで1度はじめるとやめることができずに、いつか必ず破綻します。

また、借入件数や借金の額が増えるほど、新規の借入先を見つけることが難しくなります。

そのため、欠勤してでも借入先を探し回らなければならないということもあるでしょう。

また、借入の審査の際には、勤務先の在籍確認が行われるのが通常です。

在籍確認の電話が頻繁にあれば、「多額の借金があること」が勤務先に知られてしまうリスクも高まります。

さらには、延滞時にあなたの携帯電話への連絡を無視すれば、勤務先に督促電話がかかってきてしまいます。

このような自体を避けるためにも、借金問題は自転車操業せずに、債務整理で解決すべきです。

弁護士や司法書士に債務整理を依頼すれば、すべても連絡が代理人である弁護士・司法書士になされます。

貸金業者や銀行は代理人がいるときに、債務者本人(携帯・自宅・勤務先)に督促などを行うことが法律や監督官庁のガイドラインで禁止されているからです。

自己破産はNPO法人の役員の欠格事由

NPO法人に雇用されている職員であれば、借金や債務整理で解雇される心配をする必要はほとんどありません。

しかし、単なる職員ではなく、NPO法人の役員の場合には、事情が変わります。

NPO法人は、「特定非営利活動促進法」という法律にしたがって、組織の運営がなされる必要があります。

この法律では、「破産して復権を得ない」ことを役員の欠格事由としています(特定非営利活動促進法20条2号)。

したがって、NPO法人の役員が自己破産すると、破産手続き開始決定によって自動的に役員としての立場を失います。

欠格事由なのでNPO法人役員に就くことそれ自体が許されなくなります。

なお、NPO法人には、最低役員数が定められていて、理事3名・幹事1名の選任が必要です。

NPO法人は、「定款で定めた役員定数の1/3を超える欠員」がでたときには、「遅滞なく役員を補充」し、必要な手続きを行わなければなりません(特定非営利活動促進法22条)。

手続きを怠ればNPO法人の認定を失う場合もあります。

したがって、NPO法人役員が自己破産するときには就任先のNPO法人に報告・相談することが不可欠です。

なお、自己破産によって役員ではなくなった場合も「復権」すれば再任は可能です。

通常の自己破産では免責の確定によって復権します。

再任の場合でも社員総会によって選任される必要があるので、復権後すぐに臨時総会を招集できなければ、次期の定時総会まで待つ必要があります。

債務整理は自己破産だけではない

「債務整理=自己破産」というイメージを持っている人は少なくありません。

しかし、債務整理の方法は自己破産にも、「任意整理」、「特定調停」、「個人再生」の方法があります。

実際の債務整理で最も多く利用されているのは任意整理です。

自己破産以外の債務整理であれば、NPO法人役員であっても欠格事由とはなりません。

また、仮に債務整理が就業規則上の解雇事由に該当する場合であっても、自己破産以外のケースまで解雇事由とされていることは、ほとんどないと思われます。

任意整理の特徴

最も利用されている債務整理である任意整理の特徴をまとめると次の通りになります。

任意整理は「借金を返しやすくするため」の債務整理

利息を除いた借金の金額を60回で分割返済できる収入があれば任意整理は可能

任意整理したい借金だけを自由に選んで交渉できる

他人に知られるリスクがほとんどない

任意整理では「これから発生する利息の免除」と「これから5年前後の分割で返済しなおすこと」を債権者にお願いする交渉をします。

利息が免除され、返済期間がさらに延びれば、毎月の借金の返済額を減らすことが可能です。

特に、複数の借入がある多重債務のときには、返済額を数万円単位で減らへることもあります。

また、任意整理は私的な話し合いの手続きなので、相手となる債権者を選ぶことができます。

つまり、「住宅ローン」や「自動車ローン」、クレジットカードはこれまで通りに返済して、消費者金融だけを債務整理することも可能です。

さらに、裁判所を用いないことから、他人に知られるリスクもほとんどありません。債権者との交渉も弁護士・司法書士に依頼すれば、すべて行ってもらえます。

任意整理については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒任意整理のメリットとデメリット?債務整理で1番多い手続きの注意点

任意整理での解決が難しいときには個人再生を申し立てる

任意整理では、利息は免除してもらえても借りたお金は全額返済するのが原則です。

また、返済回数も好きなだけ伸ばせるというわけではありません。一般的には3~5年の分割で返済します。

したがって、借金の額が多すぎるときには、任意整理しても「借金を返済できない」場合があります。

このようなときでも、個人再生を利用すれば、自己破産せずに済ませることが可能です。

個人再生の特徴をまとめると次の通りになります。

裁判所に認可された再生計画(分割弁済)を完遂すると法律の基準に基づいて借金が一部免除される

再生計画は、借金の一部を3年の分割で返済することが原則

原則としてすべての借金を対象にしなければならない

住宅ローンが残っていたり、延滞があっても手放さずに残すことができる

住宅ローン以外の有担保債務(自動車ローン)は、担保を失う

個人再生では、借金返済の一部が免除されます。

個人再生によって返済すべき金額は、法律の基準であらかじめ決められています。

個人再生(小規模個人再生)では、下の表に示した「最低弁済基準額」と「清算価値」の高い方の金額を3年の分割で返済するのが原則です。

個人再生の対象となる借金の額 再生計画で定めるべき最低弁済基準額
100万円未満 全額
100万円~500万円未満 100万円
500万円~1,500万円未満 借金の1/5の額(100万円~300万円)

「清算価値」とは債務者が保有している財産の評価額です。

すべても財産の評価額ではなく、自己破産した場合に差押えの対象となる財産の評価額に限られます。

したがって、20万円を超える価値の財産がないときには、上の表の金額を3年で返済すれば、残りの借金は免除されることになります。

また、個人再生では、「住宅ローンが残っているとき」や「住宅ローンに延滞があるとき」でもマイホームを手放すことなく、他の借金を整理することができます。

万が一、住宅ローンの延滞で競売申立てがされているケースでも、競売を停止させられる場合があります。

個人再生については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒個人再生は家を残せる大きなメリットがあるが2つのデメリットもある

NPO法人職員の債務整理まとめ

債務整理すると仕事に悪影響があると不安に感じる人は少なくありません。

しかし、債務整理によって解雇や懲戒されることは、原則としてありません。

そもそも、ほとんどのケースでは、勤務先であるNPO法人に知られることなく債務整理することが可能です。

むしろ、債務整理の着手が遅くなるほど、「延滞時の督促」や「融資時の在籍確認」によって借金を知られるリスクが高くなります。

「借金が苦しい」と感じたときには、できるだけ早く、弁護士・司法書士にご相談するようにしましょう。

いまでは、ほとんどの弁護士・司法書士事務所で無料相談を受けることができます。

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