80代の人の為の債務整理5つの注意点と方法

年金が減らされている現代では、借金で悩んでいる高齢の方は少なくありません。

80代の方の借金の原因は・・・

住宅ローンがまだ残っている方、若い頃からの借金が完済できていない方、詐欺に騙されてしまった等、実にさまざまです。

また、高齢であるために、「もう返すのは諦めた」という方もいるかもしれません。

他方で、高齢の両親が抱える借金が気になるということもあるでしょう。

この記事では、80代の方の借金問題を解決する際に重要な5つのポイントについて説明していきます。

また、重要な事なので結論から先にお伝えします。

80代を超えてから自力で借金を完済するのは、多くの人の場合現実的ではありません。

1人で悩むのではなく、手遅れになる前に今すぐ専門家に相談することをおすすめします。

『何年も借金をしているけど、元金がほぼ減っていない。もしくは増えている。』

『年金が支給されても、返済や支払いをするとギリギリの生活になってカードで凌いだりお金を借りてしまう。』

このような状態まで状況が悪化している方は、既に黄色信号が点滅している危険な状態です。

手遅れになる前に、今すぐ弁護士や司法書士に相談を行ってください。

法律事務所は匿名で利用できる、無料シミュレーションサイトの利用が便利です。

それでは解説をしていきます。

借金を残すと相続人が引き継ぎます

「死んだら借金はなくなる」と思われている方は少なくないようです。

しかし、「返済しないまま残した借金」は相続されるのが原則です。

わが国の相続制度は、「単純承認」が原則です。

単純承認とは、プラスの財産もマイナスの財産もすべて相続する方式をいいます。

借金と相続の関係について簡単にまとめると次のとおりになります。

借金はすべて相続されるのが原則
相続放棄(限定承認)の手続きは、相続開始後3ヶ月以内に行わなければならない
連帯保証人のいる借金は、相続人ではなく連帯保証人に引き継がれる
住宅ローンの残債務は、「団信」で補償されれば相続されない

なお、「団信」は住宅ローンの返済に「長期の延滞」があると「解約扱い」となっていることがあります。

心配な方は予め確認しておくと良いでしょう。

借金を残すときは相続人がわかるようにしておく

「被相続人の残した借金」を相続したくないときには、「相続放棄」の手続きを行います。

相続放棄をすれば借金は1円足りとも引き継ぐ必要がありません。

ただし、相続放棄は「被相続人の保有不動産や自動車」といったプラスの資産も含めてすべて相続することになります。

また、上でも触れたように、相続放棄は相続開始(被相続人の死亡)から3ヶ月以内に手続きされなければなりません。

実務ではこの3ヶ月を「熟慮期間」と呼んでいます。

熟慮期間のうちに家庭裁判所に相続放棄の申述がされないときには、単純承認したことになります。

実は、なくなった方の借金は、「判明するまで時間がかかる」ということが珍しくありません。

やむを得ず、借金を遺すという手段を選択するときには、遺族が「借金に気づけるようにしておく」ことも大切でしょう。

限定承認はあまり使われていない

「プラスとマイナスの両方の相続財産」があるときには、「プラスの分だけ借金も相続する」という「限定承認」という手続きがあります。

しかし、限定承認は手続きが煩雑なので、実際にはほとんど利用されていません。

限定承認を検討する多くのケースでは、相続放棄されていることの方が多いのです。

「相続人に何か財産を遺したい」のであれば、限定承認を期待するよりも、「存命中に債務整理」して、きちんと財産を遺した方が確実です。

昔からの借金が続いている人は過払い金の調査をしましょう

「若い頃の借金を細々と返済しているが完済できていない」ケースのように、借金が長く続いている方は、「過払い金」で借金がなくなる可能性があります。

2008年以前の借金は、利息制限法違反の利息が設定されているため、「払いすぎの利息」を返してもらえます。

過去の返済分を計算しなおすと、「借金が減る」、「借金がなくなる」、「さらにお金が返ってくる」ことがあります。

一般的には契約期間が長いほど過払い金も多くなるので、「もう死ぬまで返せない」と諦めていたのに、逆に「お金が増える」可能性もあります。

借金の契約書や明細書がなくても過払い金の調査は可能です。

思い当たる方は、弁護士・司法書士にご相談ください。

いまでは、多くの弁護士・司法書士が無料で過払い金の調査を行ってくれます。

過払い金請求については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒過払い金請求はどれくらいの金額戻ってくる?目安とシミュレーション計算

また、過払い金には時効があります。そして過払い金の時効はどんどん消滅を迎えています。

いずれにしても、借金問題は早期の段階で解決することが鉄則です。

1人で悩み続けるのではなく、まずは今すぐ専門家に相談することをおすすめします。

今すぐ専門家に相談する⇒

保有不動産等がなければ自己破産が最も有利

80代の方の債務整理は、持家等の保有不動産がなければ「自己破産」が最も有利といえます。

自己破産は、破産手続き開始のときに所有していた財産ですべての借金を強制的に清算する手続きです。

「自己破産するとすべての財産を失うのでは?」と心配な方もいるかもしれませんが、そうではありません。

自己破産しても生活に必要な家財道具(テレビ・冷蔵庫・エアコン等)は差押えられません。

また、20万円までの預貯金や99万円までの現金も差し押さえられずに手元に残すことができます。

「年金を残す」ためには自己破産した方がよいことも

「自己破産すると年金がなくなるのでは?」と心配される方もいるかもしれません。

しかし、年金は、「税金等の公租公課を滞納した場合」を除いては差押えされません(国民年金保険法24条・厚生年金保険法43条)。

したがって、自己破産しても「年金を差し押さえられる」ことも、「年金受給の権利を失う」こともありません。

自己破産すれば、破産手続き開始後に取得した財産は「自由財産」と扱われます。

つまり、「自己破産後に支給された年金」は、借金の返済に充てる必要ない「自由に使えるお金」となります。

「年金を残す」という意味では、むしろ「自己破産した方が有利」という場合の方が多いのです。

自己破産しても保険は残せる

「保険を解約したくないから自己破産できない」と思われている方もいるでしょう。

80代であれば、保険に再加入することは難しいですから、保険は解約したくないものです。

自己破産しても必ず保険を解約しなければならないわけではありません。

貯蓄性のない「医療保険」は、自己破産しても解約する必要がありません。

自己破産の際に解約の問題が生じるのは、たとえば養老保険のような「解約返戻金」のある保険に限られます。

しかし、解約返戻金のある保険でも、次の方法で解約を回避できることがあります。

解約返戻金相当額を自分で積み立てる
生命保険受取人に介入権(保険法60条・89条)を行使してもらう
裁判所に自由財産の拡張を認めてもらう

詳しくは、弁護士・司法書士にお尋ねください。

債務整理と生命保険の関係については下記ページ詳しく解説をしています。

参考⇒債務整理と生命保険~自己破産は解約返戻金が没収されるので注意が必要!

80代であれば、少額の借金でも自己破産できる場合もある

通常は、少額の借金では自己破産できません。

自己破産するには「支払不能」でなければならないためです。

「支払不能」とは、簡単に言えば「借金をもう絶対に返せない」という状態のことをいいます。

「借金いくら以上でないと自己破産できない」という絶対的な基準ではないのです。

したがって、現役世代に比べて収入の少ない80代であれば、少ない借金でも自己破産が認められることもあります。

収入状況によっては、100万円強の借金でも自己破産できる場合もあるでしょう。

「これくらいの借金では自己破産もできない」と諦めてしまわずに、まずは、弁護士・司法書士に相談してみましょう。

自己破産については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒自己破産はメリットしかない?家族や子供、仕事にデメリットはないの?

繰り返しますが、借金問題を後回しにしても良い事は全くありません。

手遅れになる前にまずは、専門家に相談をし取れる対策を講じていくことが重要です。

今すぐ専門家に相談する⇒

自宅を残すには任意整理

「ローン完済済みの自宅を残したい」ときには、任意整理で返済します。

「任意整理」は、金融機関と個別に交渉して「利息の支払いを免除してもらう」債務整理の方法です。

80代の方であっても、「年金で返済できる範囲」で任意整理することは、決して不可能でありません。

債務整理は「諦めてしまう」ことが最もよくないのです。

任意整理については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒任意整理のメリットとデメリット~債務整理で1番多い手続きの注意点

80代の個人再生はメリットがない場合が多い

債務整理の方法には、任意整理、自己破産以外にも「個人再生」という手続きがあります。

個人再生では、財産を処分せずに借金を一部減免してもらう手続きです。

任意整理と自己破産の中間の手続きとイメージすればよいでしょう。

個人再生の一番のメリットは、「住宅ローンを維持しながら(自宅を手放すことなく)」、消費者金融やカード会社の借金を返済できることにあります。

しかし、個人再生は「オーバーローン(売却額よりもローン残債の方が大きい)」ケースを念頭においた手続きです。

80代の方であれば、「ローン完済」か「アンダーローン(ローン残債よりも売却額の方が大きい)」であることが多いと思われます。

ローン完済済み・アンダーローンの持家があるときには、個人再生では「借金が減額されない」可能性が高くなります。

持家等のめぼしい財産がないケースでは、「破産手続き開始後は一切返済しなくてよい」自己破産の方が有利な場合の方が多いでしょう。

個人再生については下記ページで詳しく解説をしています。

参考⇒個人再生は家を残せる大きなメリットがあるが2つのデメリットもある

認知症の方の場合

「借金を抱えている親が認知症になってしまった」という場合には注意が必要です。

認知症になった高齢者をそのままにしておけば、悪徳業者に不利な契約を結ばされたりして、借金がさらに膨らむ危険性があります。

しかし、認知症の方は、「判断能力を欠く常況」にあるので、自分で破産の申立てをすることはできないのです。

このような場合には、家庭裁判所に「成年後見」の申立て、成年後見人が自己破産の申立てを行う必要があります。

認知症の家族が本人を装って自己破産の申立てをすることは、絶対にいけません。

認知症を患った方の借金問題は、必ず司法書士・弁護士に相談してください。

なお、成年後見制度については、法務省のホームページも参考にしてください

参考⇒成年後見制度|法務省

あきらめないこと、早めに対応することが大切です

近年では「老後破産」といわれることがあるように、高齢の方の借金問題は決して珍しいことではありません。

「自分の借金問題」であるときには、何よりも諦めないことが大切です。

「もう高齢だから時効狙いで放置しよう」とすれば、法外な遅延損害金が相続人に請求される可能性もあります。

本文でも触れましたが「相続放棄できなくなってから遺族が借金に気づく」ことは、珍しいことではありません。

また、「高齢の家族の借金」のケースでは、相続放棄(限定承認)や成年後見の申立てといった複雑な問題がさらに生じます。

相続放棄を考えている際には、被相続人の財産を慎重に取り扱う必要があります。

対処を間違えると「相続放棄が認められない」ことにもなりかねません。

いずれにしても1日でも早い段階で専門家に相談するのが最善の道なのは間違いありません。

80代の方の借金も解決することは可能です。今すぐ行動することをおすすめします。

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