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5社以上の借金は債務整理で解決できる?
借入先が5社以上に増えてしまったときには、かなり危険な状態です。
すでに「返済が苦しい」と感じている方の場合には、早急に債務整理の相談を受けることをおすすめします。
借入先が多くなれば、これ以上の資金繰りはかなり厳しくなります。
万が一「返済のための借金」をするようになれば、借金は一気に深刻化します。
また、5社以上から借金のある「深刻な多重債務」の状態では、「問題のある対応」をしてしまったということも少なくありません。
借入や返済に問題があると、債務整理に悪い影響を与える場合もあります。
重要なことなので結論からお伝えします。
5社以上の借金がある方は、1日でも早く、今すぐ専門家に相談することをおすすめします。
これだけ借りているということは、借金の金額も収入と比較して多い状態でしょうし、いずれ破滅してしまうことは目に見えている状態であると言わざるを得ません。
実際に、どこからもお金を借りられなくなった結果、闇金に手を出してしまい人生がめちゃくちゃになってしまった方は非常に多いです。
『返済の為に借金をして、また他の消費者金融からもお金を借りる自転車操業状態が続いている。』
『借金を自分のお金と勘違いしてしまい、1年以上元金が全く減っていない、もしくは増えている。』
このような状態まで状況が悪化している方は、既にその借金を返済できる見込みはほぼありません。
手遅れになる前に、1日でも早く今すぐに弁護士に相談をしてください。
それでは解説をしていきます。
5社以上の借金がある方は、早急に弁護士・司法書士に相談を!
5社以上の金融機関から借金がある方は、早急に弁護士・司法書士に債務整理の相談をすべきでしょう。
借金の問題は、借入件数が多くても深刻化しやすいからです。
借入件数が多ければ、返済日の管理が大変になります。
さらに、1ヶ月あたりの返済額(利息の支払額)も、同額の借金を1社でまとめて借りた場合よりも多くなることが通常です。
消費者金融やカード会社からの借金は、「限度額50万円」の契約からはじめることが一般的です。
5社から借金があるということは、250万円以上の借金となる可能性があります。
「何とか延滞せずに返している」という方でも、「返済が大変」と少しでも感じたら、できるだけ早い時期に、弁護士・司法書士に相談すべきでしょう。
借金が膨らむスピードは、借入件数が多いほど早くなります。
「マズイ対応」をした借金はありませんか?
5社以上から借金をしている方は、借入時・返済時に問題があることも少なくありません。
たとえば、次のような「マズイ対応」はしていないでしょうか?
貸金業者からは「年収の1/3まで」の借金しか契約できない
現在の規制では、「年収の1/3」を超える限度額となる借金の契約はできません(総量規制)。
総量規制は「実際に借金している額」ではなく、「契約上の極度額(借入上限額)」にかかる規制です。
「極度額50万円」の契約を5社と交わすには、750万円の年収が必要となります。
国税庁の統計調査による日本人の平均年収は422万円です。
422万の1/3は140万円ですから、総量規制を前提にすると、4社以上の契約は難しいはずです。
実際にも、借入件数が3社を超えると、審査はかなり厳しくなります。
審査に可決したとしても希望額以下になることが多いでしょう。
金融機関は「貸さない」のではなく、「総量規制にひっかかるから貸せない場合」の方が多いのです。
「自転車操業」していませんか?
5社以上から借金があるケースでは、当然返済も大変です。「アコムの返済を済ませた足でプロミスの返済へ」という方もいるかもしれません。
しかし、「返済から返済へ」となっているだけならまだ良いほうでしょう。
「レイクで借金したお金でノーローンの返済をする」といった状況に陥っている方は、いますぐに弁護士・司法書士に債務整理の相談をすべきです。
「借金の返済のために借金する」ことをよく「自転車操業」といいます。
自転車操業は、「まだ返せている」のではなく、「すでに返済できなくなっている」深刻な状況にあります。
自転車操業がさらに悪化すれば、「借りたままほとんど返せていない借金」が徐々に増えていきます。
「期限の利益喪失通知」や「支払督促」が届いていませんか?
「61日以上の延滞」や「3ヶ月以上の延滞」は「ブラック情報」として信用情報機関のデータベースに登録されます。
また、重度の延滞になると、債権者から「期限の利益喪失通知」や「一括返済請求通知」といった文書が届くことがあります。
さらに、裁判所から「支払督促」が送達されているかもしれません。
「期限の利益喪失通知」と「一括返済請求通知」は内容としては同じものです。
借金する際には、「分割で返済する」内容の契約を交わしています。
これを「期限の利益」といいます。
金融機関から借金するときには、「延滞したら期限の利益を失う」という内容の契約を必ず交わしています。
しかし、通知が届いたところで、「毎月の返済」ができていない方が一括払いに応じられるはずがありません。
したがって、債務整理をしなければ、最終的には強制執行を受けることになってしまいます。
「支払督促」が届いていれは、「期限の利益の喪失の通知」を飛び越えて、債権者が法的手段を執ったことを意味します。
通常の貸金業者からの借金は、強制執行をするために、訴訟等の手続きを経る必要があります。
支払督促は、訴訟よりも簡易迅速に強制執行の条件を整えるための手続きです。
「支払督促」も「一括で返済せよ」という請求であることは、「期限の利益喪失通知」や「一括請求通知」と同じです。
しかし、支払督促は裁判所を通じた「正式の法手続き」です。
「返せないから」と無視してしまうと「訴訟で負けた」のと同じ状態になってしまいます。
支払督促が届いたときには、受領から2週間以内に支払督促の送達元である簡易裁判所に「督促異議申立て」を行います。
異議を述べると通常訴訟に移行するので、危険な状況であることはかわりません。
必ずその間に専門家に相談をし、早急に1日でも早い段階で対策を講じるべきでしょう。
弁護士・司法書士にはすべてを隠さず伝えましょう
弁護士・司法書士に相談する際には、「こちらにとって都合の悪いこと」も含めて、すべてを隠さずに伝えましょう。
債務整理を成功させるためには、依頼人がおかれている状況を正しく把握する必要があります。
上でお話してきた「5社以上から借金している方にありがちなマズイ対応」は、債務整理をする上で大きな影響を与える出来事ばかりです。
債務整理に着手してから「隠し事」が発覚すれば、債務整理が失敗するだけでなく、弁護士・司法書士に辞任される可能性もあります。
弁護士・司法書士は「依頼人である債務者の味方」です。たしかに「借金を返せていない上にマズイ対応もしている」ということは話し辛いかもしれません。
「話せば怒られる」と心配する方もいるでしょう。
しかし、債務整理の経験豊富な弁護士・司法書士であれば、多重債務に陥った方が「マズイ対応をしがち」であることも、「マズイ対応をしてしまう気持ち」もよく理解しています。
万が一、「頭ごなしに説教する」弁護士・司法書士に出会ってしまったときには、他の弁護士・司法書士に依頼すればよいのです。
「おまとめローン」にはリスクもある
多重債務を解決する方法として「おまとめローン」での借り換えが紹介されることがあります。
たしかに、返済先を1本化できれば、リスクも負担も軽減できます。
しかし、5社以上の借金がある方のケースでは、「借金の額」もかなり多額となっている可能性があります。
おまとめローンの返済は、「毎月の返済額」は以前より減っても、「最終的な返済額はこれまでよりも増えている」ことが少なくありません。
当然、借金が多額になるほど、返済期間は長くなります。
そのため、「おまとめローン」も返済できなくなり自己破産するという方もいます。
「おまとめローンで借り換えるしかない」と決めつけてしまうのではなく、債務整理も視野に入れて、慎重に検討することが大切です。
債務整理とおまとめローンについては下記ページで詳しく解説をしています。
参考⇒債務整理とおまとめローンどっちがいい?任意整理や自己破産との違い
5社以上の借金は「任意整理」が難しいことがある
「任意整理」は最も一般的な債務整理の方法です。
任意整理では「利息の支払を免除」してもらい残った借金を分割で返済します。
既に期限の利益を失っているケースでも再度期限の利益を設定してもらうよう交渉します。
借金が多額すぎるときには、「利息を免除してもらっただけ」では、借金が返済できる額まで減らないこともあります。
しかし、5社以上から借金があるケースでも、「これまできちんと返済している借金」であれば、交渉次第で、「長期間の分割払い」を認めてもらえる可能性はあります。
諦めないことが大切です。
他方で、「延滞状況が悪質」なケースや「借りてから全く返済していない」ケースでは任意整理の交渉に応じてもらえない可能性もあります。
特に、5社以上から借金があるケースでは、たとえば「2社だけ」を任意整理しても根本的な解決にならないことの方が多いでしょう。
任意整理が難しいときには、個人再生や自己破産による解決を検討する必要があります。
任意整理については下記ページで詳しく解説をしています。
参考⇒任意整理のメリットとデメリット~債務整理で1番多い手続きの注意点
5社以上から借金をしていたとしても、状態によっては思っていたよりも比較的簡単に問題を解決できる可能性はまだ否定できません。
いずれにしても、借金問題は時間との勝負です。
後回しにしても、取れる対応策は減っていき状況は徐々に悪化していくだけです。
1人で悩むのではなく、1日でも早い段階で専門家に相談することをおすすめします。
借金に問題がなければ自己破産で解決
5社以上から借金が「多額」となっているときには、「自己破産がベストの解決方法」というケースは少なくありません。
「自己破産」というと非常にネガティブなイメージをもっている方が少なくありません。
たとえば、「自己破産したことを他人に知られたくない」、「自己破産すると起業できない」、「自己破産すると転職に不利になる」といったことを心配する方は少なくありません。
しかし、自己破産は、一般の方が想像している以上にデメリットの少ない手続きです。
上で紹介したデメリットといわれることも必ずしも正確ではありません。
まず、自己破産しても家族以外の他人に知られるリスクはほとんどありません。
中には家族にさえ知られずに自己破産する方もいます。
また、自己破産しても株式会社の取締役・持分会社の社員になることは問題ありません。
金融機関からの融資を必要としなければ起業は全く問題ありません。
自己破産することが転職に不利となるケースは、警備業、金融業や士業等の職に限られます。
債務整理と職業制限については下記ページで詳しく解説をしています。
参考⇒債務整理と職業制限~自己破産をするとクビや仕事への影響がある?
「5社以上の借金」の自己破産はデメリットよりもメリットの方が大きい
自己破産で最も大きなデメリットは、「持家などの財産を処分しなければならないこと」です。
持家がなければ、自己破産固有のデメリットは実際にはあまりないといってもよいでしょう。
自己破産して免責が確定すれば、「破産手続き開始のときの借金」の返済義務は完全になくなります。
自己破産は、人生の再スタートを支援する手続きです。
5社以上から借金がある方にとって、自己破産はデメリットよりもメリットの方が大きい場合が多いでしょう。
「自己破産だけはイヤだ」と決めつけずに、不安な点などを弁護士・司法書士に相談されるとよいと思います。
自己破産については下記ページで詳しく解説をしています。
参考⇒自己破産はメリットしかない?家族や子供、仕事にデメリットはないの?
借金に問題があると免責されないことがある
自己破産は、「返済義務の免除」という大きな恩恵を得られる手続きです。
そのため、「不誠実な債務者は免責されない」ことがあります。
たとえば、上で紹介したような「マズイ対応」があるケースでは、免責されない可能性があります。
破産法252条1項は、たとえば次のような行為があったときには、破産者を免責しないものとしています。
借金に問題があるときは個人再生
自己破産しても免責されない可能性が高いケースや、住宅ローンが残った自宅を手放したくないケースでは、個人再生によって借金を整理します。
個人再生では、利息だけでなく借金それ自体を減免してもらえます。
たとえば、200万円の借金であれば、100万円まで減免してもらえる可能性があります。
個人再生では、減免してもらった借金を3年の分割で返済するのが原則です。
したがって、200万円の借金は、100万円に減額され、毎月約28,000円ずつ返済することになります。
5社以上から借金があるときは、毎月の返済額が6万円を超えることも珍しくないでしょうから、返済の負担はかなり軽減されます。
個人再生を利用しても「住宅ローン」は減免されない
個人再生の「住宅ローン特則」を利用すれば、「住宅ローンが残っている自宅を手放さず」にその他の借金を返済できます。
たとえば、住宅ローンの延滞により「期限の利益を失っているケース」でも、期限の利益を回復させてもらえます。
また既に申し立てられた競売を停止させることができる場合もあります。
以上のように、個人再生は「自宅を手元に残す」という点では、非常に優れています。
しかし、個人再生(住宅ローン特則)を利用しても、「住宅ローンは一切減免されない」ことに注意が必要です。
個人再生では、「住宅ローンの支払い条件」を変更できるにとどまります。
したがって、住宅ローン以外の借金が「多額過ぎる」ときには、個人再生を利用しても自宅を残せず、自己破産するほかない場合もあることに注意が必要です。
借金の問題は、とにかく早期対応が重要なのです。
「小規模個人再生の場合」は債権者の同意が不要
個人再生には「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」の2つの方法があります。
一般的な個人再生は「小規模個人再生」で行われます。
しかし、上で触れたような「マズイ対応」があるときには、小規模個人再生が難しい場合もあります。
小規模個人再生では、「債権者の反対」があると再生計画が認可されないためです。
小規模個人再生では、「債権者の頭数かつ債権額で過半数の反対」があったときには、再生計画が不認可となります。
個人再生については下記ページで詳しく解説をしています。
参考⇒個人再生は家を残せる大きなメリットがあるが2つのデメリットもある
「給与所得者等再生」は債権者の同意が不要
債権者の同意が得られないケースでは、「給与所得者等再生」による個人再生を検討します。
給与所得者等再生では、再生計画の認可に債権者の同意は必要ありません。
ただし、給与所得者等再生は、次の点に注意が必要です。
給与所得者等再生と小規模個人再生のいずれで個人再生すべきかは、弁護士とよく相談した上で決めてください。
2008年以前から借金がある人は「過払い金」で借金が減る可能性も
5社以上の借金がある方には、「借金の返済が10年以上続いている」という方も少なくないと思います。
2008年以前の借金は「過払い金」があり、借金が減ったり、返金してもらえる可能性があります。
既に完済した借金でも過払い金の返還を求めることができます。
「もしかしたら私の借金も」と思われた方は、早めに弁護士・司法書士に相談してください。
これ以上の「追加の借金」は絶対にダメ!
ここまで書いてきたように、5社以上から借金がある人は、早急に対策を講じる必要があります。
また、当然のことですが、「これ以上借金を増やす」ことは絶対に避けるべきです。
自己破産したくても「返していない借金がある」ために、(しばらく返済をしてからでないと)自己破産できないというケースも実際にはあるのです。
借金に問題が多ければ、債務整理を引き受けてくれる弁護士・司法書士を見つけるのも大変となることがあります。
借金が5社以上になっている人は「借り癖」がついてしまっていることもあります。
これ以上問題を深刻化させる前に、1日も早く、弁護士・司法書士に相談してください。