「無職でも任意整理はできる?」
「自己破産だけはどうしても避けたい…何か良い方法はある?」
あなたはこんな疑問を持っていませんか?
結論として、無職で収入がない時は任意整理できません。
任意整理は、手続き後も返済を続ける必要があるからです。しかし、将来的に収入を得る予定がある場合、認められる可能性もあります。
当記事では、無職で自己破産を避けたいあなたのために、以下の情報について解説します。
- 無職でも任意整理はできるのか
- 任意整理によって生じるデメリット
- 任意整理できない場合の対処法
借金は放置するとどんどん深刻になってしまいます。最後まで読み、早急に自分に合った方法を見つけてください。
Contents
無職での任意整理は基本的に難しい
繰り返しになりますが、無職での任意整理は難しいケースが多いです。
確かに、債務整理に職業の制限はありません。しかし、任意整理は借金の「利息部分のみ」を免除する手続きですので、元本部分は自力で返済する必要があります。
つまり、無職で収入がない人は手続き後の返済ができないため、任意整理を認められないのです。
ただし「過払い金」がある場合は話が別です。
支払いすぎた利息のことです。
以前は法律が整備されておらず、貸金業者が利用者に対して制限以上の利息を取っていました。しかし、2010年に貸金業法が整備されて、過払い金請求ができるようになりました。
具体的には、2010年6月17日以前に貸金業者(消費者金融など)から借入していた場合は、過払い金請求の対象になる可能性があります。
完済していても10年間は請求可能ですので、思いあたるならぜひ弁護士に相談してみましょう。
無職でも就職予定があれば任意整理できる
将来的に収入を得る予定があれば、無職でも任意整理できる可能性があります。
任意整理において大切なのは、手続き後に返済を続けられるかどうか。正社員に限らず、アルバイトやパートでも収入を得る予定があれば、任意整理は認められます。
また、任意整理の返済は必ずしも本人が行う必要はありません。
家族や配偶者が代わりに支払いしてくれるのであれば、任意整理で解決することもできます。
どうしても自己破産したくない場合は、周りの人に相談してみてはいかがでしょうか?
任意整理によって生じる2つのデメリット
任意整理をはじめとした債務整理のデメリットは、非常に大きいです。
細かいデメリットは手続きごとに違いますが、共通するのは信用情報に「事故情報」が登録されること。信用ブラックになると、次のようなデメリットが生じます。
- 借入できなくなる
- クレジットカードが使えなくなる
事前にデメリットについて知っておくことは重要です。それでは詳しく解説します。
1. 借入ができなくなる
信用ブラックになるデメリット1つ目は、借入できなくなること。
金融機関で借入する際、必ず信用情報が照会されます。この際に信用情報に傷が付いていれば、高確率で融資を見送られてしまうでしょう。
貸し手としては、金融事故歴のある人に貸付するのは非常にリスクが大きいからです。
これは消費者金融や銀行、自動車ローン等、借入であればどれも同じことです。
ただし、信用ブラックでも以下の方法で借入できる可能性があります。
- 家族名義で借入する
- 頭金を多めに用意する
債務整理しても本人以外の信用情報には影響ありません。
したがって、家族にローンを組んでもらうことは可能です。しかし、その家族本人に収入がないと借入はできないため注意しましょう。
他にも、頭金を多めに用意したり借入額自体を減らしたりすることで、融資を受けられるかもしません。
2 .クレジットカードが使えなくなる
信用ブラックになるデメリット2つ目は、カードが使えなくなること。
借入と同じく、クレジットカードの発行・更新の際にも信用情報が照会されます。カードも本質的にはお金を貸すものですから、信用ブラックの人は基本的に作成できません。
現在使っているカードも、更新時に使えなくなってしまうでしょう。
クレジットカードの代わりとして、次の2つがおすすめです。
- デビットカード
- プリペイドカード
クレジットカードがないと日常生活が不便になりますので、これらを発行しておくと便利です。
無職で任意整理できない場合は自己破産で解決する
無職で収入の見込みがない場合、自己破産で解決するしかありません。
自己破産と聞くと「ヤバい」「人生終わりだ」というイメージを持っている人も多いかも知れませんが、決して恥ずべきことではありません。
むしろ、自己破産を先延ばしにすると被害が拡大してしまうため、早めに決断するのは賢明な選択肢だと言えるでしょう。
この項では、自己破産の概要や差し押さえ、そして免責不許可事由について解説します。
1. 自己破産とは
自己破産は、借金の全てが免除される手続きです。
任意整理では、借金の利息部分しか免除されません。しかし、自己破産なら借金をゼロにして支払い義務をなくせるため、収入のない人でも借金を解決できます。
注意点としては、差し押さえを受けることと免責不許可になる可能性があることです。
これらについても詳しく見ていきましょう。
2. 差し押さえを受けることもある
まず、自己破産には「同時廃止」と「管財事件」の2通りの手続きがあります。
めぼしい財産がない場合、同時廃止になってすぐ手続きが終了します。
一方、ある程度財産を持っていると管財事件となり、財産が処分されて債権者に配当されてしまうのです。この場合、手続きに2〜3ヶ月ほどがかかるため注意しましょう。
ただし、管財事件になっても生活に必要な道具や99万円以下の現金、そして20万円以下の財産などは手元に残せます。
したがって、破産したからといって生活できなくなるわけではありません。
3. 免責不許可事由になる主な条件とは
自己破産には「免責不許可事由」というものが存在します。
手続きの際、これに該当すると自己破産が認められなくなってしまいます。特に気をつけるべきは次の3点です。
- 借金の原因がギャンブル等
- 手続きに非協力的な態度を取った
- 悪質な財産隠しを行った
それぞれ詳しく見ていきましょう。
借金の原因がギャンブル等
ギャンブルや投資、遊興費が原因の借金は、免責不許可事由にあたります。
ただし、実際には裁判所によって「裁量免責」が認められることがほとんどですので、そこまで心配する必要はありません。
それよりも注意したいのが、申し立て時点で借金の原因を辞めていない場合。
例えば、パチンコで借金を負って自己破産を申し立てたにもかかわらず、未だにパチンコを続けているといったケースですね。
このような場合、反省していないとみなされて免責不許可事由になる可能性があります。
手続きに非協力的な態度を取った
手続きに協力しないことも、免責不許可事由にあたります。
当然ですが、破産手続きには本人の協力が必要不可欠です。
例えば、求められた資料を提出しなかった、面談を求められたにもかかわらず出席しなかった場合などは、免責が認められなくなってしまいます。
裁判所、及び弁護士の指示には必ず従いましょう。
悪質な財産隠しを行った
財産隠しも免責不許可事由のひとつです。
例えば、自己破産の申し立て前に財産を譲渡したり、名義人を変更したりした場合、悪質な財産隠しとみなされてしまいます。
自己破産は借金を免責してもらう行為ですから、差し押さえも受け入れるしかありません。
任意整理後に無職になってしまった時の対処法
任意整理後に無職になって払えなくなった場合、債権者に相談すべきです。
連絡がないと、債権者側が不安に感じてしまいます。払えない理由や、いつまでに払えるのか伝えれば対応してくれるかも知れません。
取引先との待ち合わせに遅れそうになったら、必ず連絡しますよね?それと同じように、債権者に対しても誠意ある対応をすることが大切です。
なお、2ヶ月以上延滞すると一括請求を受けてしまいます。一括請求を受けると、再度和解の必要があり余計な手間がかかりますので、そうなる前に連絡しましょう。
無職の人は法テラスで費用を立て替えてもらえる
無職の人が債務整理を行うなら、法テラスの利用を検討しましょう。
任意整理にせよ自己破産にせよ、手続きには費用がかかります。しかし、法テラスを利用して弁護士を見つけることによって、費用を立て替えてもらうことができます。
立て替えですから、いずれは返済しなければいけません。
しかし、月々5,000円程度の返済で済むようになっていますから、負担は少ないでしょう。
法テラスについては「債務整理と法テラス~自己破産や任意整理の弁護士費用の違いとメリット」にて解説しています。気になる方は、参考にしてみてください!
生活保護を受けている場合、債務整理はできる?
生活保護を受けていても、債務整理は可能です。
ただし、生活保護費は借金返済に充てることが禁止されていますから、無職で収入がない場合と同じく自己破産での解決になるでしょう。
なお、生活保護を受けている場合は債務整理費用がかかりません。より詳しく言うと、法テラスで立て替えてもらった際に返済の義務がなくなります。
生活保護を受けているなら、自己破産のデメリットはほぼないと言えるでしょう。
無職でも就職予定があれば任意整理可能!無理な時は自己破産で解決しよう
無職の人は基本的に任意整理できません。
なぜなら、任意整理は手続き後も返済の義務があるからです。しかし、将来的に収入を得る見込みがあれば認められるケースもありますので、ぜひ検討してみてください。
一番やってはいけないのが、借金を放置することです。
借金を放置すると遅延損害金が膨らみ、さらに督促によって精神的に追い詰められてしまいます。
自力で返済できない借金がある場合、早めに弁護士・司法書士に相談して、債務整理の手続きを進めてください!